2 / 6
バカな愛人
あまりにも予想していなかった答えに、変な声が出てしまった。ロザンナは何を言っているのだろう? 私と結婚したからといって、ルーカス様が侯爵になれるわけでもないし、私と離縁したならルーカス様はこの侯爵家とは無関係の人間。
それなのに、この侯爵家を手に入れるとは、どういう事なのでしょう?
「セリアさんのお父様は、病で先は長くないのでしょう? それなら時期当主は、侯爵を継ぐルーカス様になりますよね? この邸には私達が住むから、あなた達は出て行ってちょうだい。」
他人に、しかもただの愛人に、お父様の先が長くないと言われ、怒りが込み上げてきた。
ちょうどその時、ルーカス様がお戻りになったようで離れの外が騒がしくなった。
「ルーカス様がお戻りになられたみたいなので、3人でお話しましょうか。」
会える事が嬉しいのか、味方が増える事が嬉しいのか、ロザンナの顔が明らかに変わった。
単純……こういう所が、ルーカス様に気に入られたんでしょうね。
私はルーカス様に感情を見せたことがない。というより、なんの感情も抱いていなかった。
息子の父親……ただそれだけ。私にも反省すべき点はあるけれど、結婚前からの愛人とずっと続いていて、その愛人が侯爵家を乗っ取ると宣言したようなものなのだから、それとこれとは話は別。
愛人の話だけでは埒が明かないと思い、ルーカス様をこちらへお呼びするよう使用人に伝えた。
話を聞いたルーカス様が、慌ててこちらへ向かって来る音が聞こえて来た。この感じからすると、今日の事はロザンナが勝手にやった事みたい。
バンッ
ものすごく慌てているルーカス様は、ノックもせずに応接室のドアを勢いよく開けた。
「ハァハァ……お前……何をし……てるんだ!?」
息を切らせながら、いつも余裕そうな顔が引きつっているように見える。
「おかえりなさいませ、旦那様。で、これはどういう事なのか説明していただけますか?」
「ルーカス様! ルーカス様がセリアさんに気を使っていつまでも別れられないから、私がハッキリ言っておきました!」
ロザンナは悪びれもせず、ニコニコしながらルーカスに報告をした。
「お前は……なんて事を!! セリア! これは違うんだ! 私は君と別れたいなどと思ってはいない!」
ルーカスはソファーに座るロザンナの隣ではなく、セリアの隣の椅子に座った。
どうやらルーカス様は、そこまでバカではないようですね。
「ルーカス様? どうしてそんなことを言うんですか!? いつも別れたいとおっしゃっていたじゃないですか!?」
ルーカスが必死にフォローしようとするも、ロザンナは口を挟んでくる。
「お前は黙ってろッ!!!」
ロザンナはルーカスに怒鳴られた事がないのか、泣きそうな顔でルーカスを見つめる。
「旦那様、ハッキリさせたいことがあるのでお聞きします。旦那様は、このスペクター侯爵家を乗っ取ろうとなさっていたのですか?」
あなたにおすすめの小説
結婚式後に「爵位を継いだら直ぐに離婚する。お前とは寝室は共にしない!」と宣言されました
山葵
恋愛
結婚式が終わり、披露宴が始まる前に夫になったブランドから「これで父上の命令は守った。だが、これからは俺の好きにさせて貰う。お前とは寝室を共にする事はない。俺には愛する女がいるんだ。父上から早く爵位を譲って貰い、お前とは離婚する。お前もそのつもりでいてくれ」
確かに私達の結婚は政略結婚。
2人の間に恋愛感情は無いけれど、ブランド様に嫁ぐいじょう夫婦として寄り添い共に頑張って行ければと思っていたが…その必要も無い様だ。
ならば私も好きにさせて貰おう!!
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
【完結】離縁ですか…では、私が出掛けている間に出ていって下さいね♪
山葵
恋愛
突然、カイルから離縁して欲しいと言われ、戸惑いながらも理由を聞いた。
「俺は真実の愛に目覚めたのだ。マリアこそ俺の運命の相手!」
そうですか…。
私は離婚届にサインをする。
私は、直ぐに役所に届ける様に使用人に渡した。
使用人が出掛けるのを確認してから
「私とアスベスが旅行に行っている間に荷物を纏めて出ていって下さいね♪」
〖完結〗では、婚約解消いたしましょう。
藍川みいな
恋愛
三年婚約しているオリバー殿下は、最近別の女性とばかり一緒にいる。
学園で行われる年に一度のダンスパーティーにも、私ではなくセシリー様を誘っていた。まるで二人が婚約者同士のように思える。
そのダンスパーティーで、オリバー殿下は私を責め、婚約を考え直すと言い出した。
それなら、婚約を解消いたしましょう。
そしてすぐに、婚約者に立候補したいという人が現れて……!?
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話しです。
義理姉がかわいそうと言われましても、私には関係の無い事です
渡辺 佐倉
恋愛
マーガレットは政略で伯爵家に嫁いだ。
愛の無い結婚であったがお互いに尊重し合って結婚生活をおくっていければいいと思っていたが、伯爵である夫はことあるごとに、離婚して実家である伯爵家に帰ってきているマーガレットにとっての義姉達を優先ばかりする。
そんな生活に耐えかねたマーガレットは…
結末は見方によって色々系だと思います。
なろうにも同じものを掲載しています。
私から略奪婚した妹が泣いて帰って来たけど全力で無視します。大公様との結婚準備で忙しい~忙しいぃ~♪
百谷シカ
恋愛
身勝手な理由で泣いて帰ってきた妹エセル。
でも、この子、私から婚約者を奪っておいて、どの面下げて帰ってきたのだろう。
誰も構ってくれない、慰めてくれないと泣き喚くエセル。
両親はひたすらに妹をスルー。
「お黙りなさい、エセル。今はヘレンの結婚準備で忙しいの!」
「お姉様なんかほっとけばいいじゃない!!」
無理よ。
だって私、大公様の妻になるんだもの。
大忙しよ。
【完結】私の小さな復讐~愛し合う幼馴染みを婚約させてあげましょう~
山葵
恋愛
突然、幼馴染みのハリーとシルビアが屋敷を訪ねて来た。
2人とは距離を取っていたから、こうして会うのは久し振りだ。
「先触れも無く、突然訪問してくるなんて、そんなに急用なの?」
相変わらずベッタリとくっ付きソファに座る2人を見ても早急な用事が有るとは思えない。
「キャロル。俺達、良い事を思い付いたんだよ!お前にも悪い話ではない事だ」
ハリーの思い付いた事で私に良かった事なんて合ったかしら?
もう悪い話にしか思えないけれど、取り合えずハリーの話を聞いてみる事にした。