〖完結〗妹に婚約者を奪われた私を救ってくれたのは…

藍川みいな

文字の大きさ
12 / 17

新たな婚約者!?

しおりを挟む

 「ロイドお兄さま、遅いです!」

 声の主は、ロイド王子。ロイド王子は、セシディとプリシア王女の元に駆け寄ってきた。

 「悪かった。先程の、プリシアに向けたセシディ嬢の微笑みが、ものすごい破壊力で……今まで放心していた。まさかまた、ダンカンがセシディ嬢にやり直したいと言うとは……」

 「お兄さまがモタモタしてるから、センセイがとられちゃうとこでした! センセイとお兄さまは、結婚するんだから!」

 「え……?」「えぇ!?」「えぇー!!!」
 「「「えええぇぇえぇぇえぇぇっっ!!」」」

 セシディもロイド王子もダンカンも……そして、会場にいる貴族達も、プリシア王女の一言に驚きの声をあげた。

 「……プリシア、なぜお前が先に言ってしまうのだ!? 私がこの日の為に、何度も練習して来たのは知っていただろう!?」

 練習? ロイド様は、何を練習なされていたのでしょうか?

 「あ、ごめんなさい。でもね、大丈夫! センセイは、ロイドお兄さまが大好きだから!」

 「プ、プリシア王女!? 何を仰るのですか!? 私はそんな事一言も……」

 顔を真っ赤にして慌てるセシディ。

 「センセイ、もう忘れたの? センセイの気持ち、私にはお見通しだよ!」

 そうでした……

 「……プリシア王女には、かないませんね。」

 「え……じゃあ……」

 二人は見つめ合い、顔を茹でダコのように真っ赤にしている。
 何も確かな事は言っていない二人だったが、どうやら婚約が成立したようだ。

 「二人とも顔が真っ赤っかですよ? お熱でもあるのですか?」

 こういう所はまだ子供のようだ。

 「プリシア、そろそろ帰るぞ! セシディ嬢、お送りしますので、ご一緒に。」

 「えー! まだいたいー! 」

 「プリシア王女、わがままはいけません。パーティーはまだ早いです。」

 「けちー!」

 とても微笑ましい光景に、貴族達もクスクスと笑い声をあげている。
 
 「今日は本当に、いいものが見れましたね。氷のセシディと呼ばれていた令嬢は、とても表情豊かでしたし。プリシア王女様は、とても聡明な方でした。ロイド王子様のプリシア王女様にデレデレなお姿も新鮮でした。」

 「本当ですね。私はセシディ嬢の微笑みが、忘れられそうにありません。あの方が、未来の王妃様になられるのですね。」

 「プリシア王女を誤解していたようですね。あんなに聡明な方だったとは。」

 三人が会場を去った後も、三人の話題でもちきりだった。

しおりを挟む
感想 60

あなたにおすすめの小説

【完結80万pt感謝】不貞をしても婚約破棄されたくない美男子たちはどうするべきなのか?

宇水涼麻
恋愛
高位貴族令息である三人の美男子たちは学園内で一人の男爵令嬢に侍っている。 そんな彼らが卒業式の前日に家に戻ると父親から衝撃的な話をされた。 婚約者から婚約を破棄され、第一後継者から降ろされるというのだ。 彼らは慌てて学園へ戻り、学生寮の食堂内で各々の婚約者を探す。 婚約者を前に彼らはどうするのだろうか? 短編になる予定です。 たくさんのご感想をいただきましてありがとうございます! 【ネタバレ】マークをつけ忘れているものがあります。 ご感想をお読みになる時にはお気をつけください。すみません。

【完結】女王と婚約破棄して義妹を選んだ公爵には、痛い目を見てもらいます。女王の私は田舎でのんびりするので、よろしくお願いしますね。

五月ふう
恋愛
「シアラ。お前とは婚約破棄させてもらう。」 オークリィ公爵がシアラ女王に婚約破棄を要求したのは、結婚式の一週間前のことだった。 シアラからオークリィを奪ったのは、妹のボニー。彼女はシアラが苦しんでいる姿を見て、楽しそうに笑う。 ここは南の小国ルカドル国。シアラは御年25歳。 彼女には前世の記憶があった。 (どうなってるのよ?!)   ルカドル国は現在、崩壊の危機にある。女王にも関わらず、彼女に使える使用人は二人だけ。賃金が払えないからと、他のものは皆解雇されていた。 (貧乏女王に転生するなんて、、、。) 婚約破棄された女王シアラは、頭を抱えた。前世で散々な目にあった彼女は、今回こそは幸せになりたいと強く望んでいる。 (ひどすぎるよ、、、神様。金髪碧眼の、誰からも愛されるお姫様に転生させてって言ったじゃないですか、、、。) 幸せになれなかった前世の分を取り返すため、女王シアラは全力でのんびりしようと心に決めた。 最低な元婚約者も、継妹も知ったこっちゃない。 (もう婚約破棄なんてされずに、幸せに過ごすんだーー。)

ダンスパーティーで婚約者から断罪された挙句に婚約破棄された私に、奇跡が起きた。

ねお
恋愛
 ブランス侯爵家で開催されたダンスパーティー。  そこで、クリスティーナ・ヤーロイ伯爵令嬢は、婚約者であるグスタフ・ブランス侯爵令息によって、貴族子女の出揃っている前で、身に覚えのない罪を、公開で断罪されてしまう。  「そんなこと、私はしておりません!」  そう口にしようとするも、まったく相手にされないどころか、悪の化身のごとく非難を浴びて、婚約破棄まで言い渡されてしまう。  そして、グスタフの横には小さく可憐な令嬢が歩いてきて・・・。グスタフは、その令嬢との結婚を高らかに宣言する。  そんな、クリスティーナにとって絶望しかない状況の中、一人の貴公子が、その舞台に歩み出てくるのであった。

妹に幼馴染の彼をとられて父に家を追放された「この家の真の当主は私です!」

ぱんだ
恋愛
母の温もりを失った冬の日、アリシア・フォン・ルクセンブルクは、まだ幼い心に深い悲しみを刻み付けていた。公爵家の嫡女として何不自由なく育ってきた彼女の日常は、母の死を境に音を立てて崩れ始めた。 父は、まるで悲しみを振り払うかのように、すぐに新しい妻を迎え入れた。その女性とその娘ローラが、ルクセンブルク公爵邸に足を踏み入れた日から、アリシアの運命は暗転する。 再婚相手とその娘ローラが公爵邸に住むようになり、父は実の娘であるアリシアに対して冷淡になった。継母とその娘ローラは、アリシアに対して日常的にそっけない態度をとっていた。さらに、ローラの策略によって、アリシアは婚約者である幼馴染のオリバーに婚約破棄されてしまう。 そして最終的に、父からも怒られ家を追い出されてしまうという非常に辛い状況に置かれてしまった。

【完結】猫を被ってる妹に悪役令嬢を押し付けられたお陰で人生180度変わりました。

本田ゆき
恋愛
「お姉様、可愛い妹のお願いです。」 そう妹のユーリに乗せられ、私はまんまと悪役令嬢として世に名前を覚えられ、終いには屋敷を追放されてしまった。 しかし、自由の身になった私に怖いものなんて何もない! もともと好きでもない男と結婚なんてしたくなかったし堅苦しい屋敷も好きでなかった私にとってそれは幸運なことだった!? ※小説家になろうとカクヨムでも掲載しています。 3月20日 HOTランキング8位!? 何だか沢山の人に見て頂いたみたいでありがとうございます!! 感想あんまり返せてないですがちゃんと読んでます! ありがとうございます! 3月21日 HOTランキング5位人気ランキング4位…… イッタイ ナニガ オコッテンダ…… ありがとうございます!!

【完結】義家族に婚約者も、家も奪われたけれど幸せになります〜義妹達は華麗に笑う

鏑木 うりこ
恋愛
お姉様、お姉様の婚約者、私にくださらない?地味なお姉様より私の方がお似合いですもの! お姉様、お姉様のお家。私にくださらない?お姉様に伯爵家の当主なんて務まらないわ  お母様が亡くなって喪も明けないうちにやってきた新しいお義母様には私より一つしか違わない双子の姉妹を連れて来られました。  とても美しい姉妹ですが、私はお義母様と義妹達に辛く当たられてしまうのです。  この話は特殊な形で進んで行きます。表(ベアトリス視点が多い)と裏(義母・義妹視点が多い)が入り乱れますので、混乱したら申し訳ないですが、書いていてとても楽しかったです。

【完結】婚約者?勘違いも程々にして下さいませ

リリス
恋愛
公爵令嬢ヤスミーンには侯爵家三男のエグモントと言う婚約者がいた。 先日不慮の事故によりヤスミーンの両親が他界し女公爵として相続を前にエグモントと結婚式を三ヶ月後に控え前倒しで共に住む事となる。 エグモントが公爵家へ引越しした当日何故か彼の隣で、彼の腕に絡みつく様に引っ付いている女が一匹? 「僕の幼馴染で従妹なんだ。身体も弱くて余り外にも出られないんだ。今度僕が公爵になるって言えばね、是が非とも住んでいる所を見てみたいって言うから連れてきたんだよ。いいよねヤスミーンは僕の妻で公爵夫人なのだもん。公爵夫人ともなれば心は海の様に広い人でなければいけないよ」 はて、そこでヤスミーンは思案する。 何時から私が公爵夫人でエグモンドが公爵なのだろうかと。 また病気がちと言う従妹はヤスミーンの許可も取らず堂々と公爵邸で好き勝手に暮らし始める。 最初の間ヤスミーンは静かにその様子を見守っていた。 するとある変化が……。 ゆるふわ設定ざまああり?です。

【完結】妹が欲しがるならなんでもあげて令嬢生活を満喫します。それが婚約者の王子でもいいですよ。だって…

西東友一
恋愛
私の妹は昔から私の物をなんでも欲しがった。 最初は私もムカつきました。 でも、この頃私は、なんでもあげるんです。 だって・・・ね

処理中です...