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ロイド王子視点
しおりを挟む「セシディ……嬉しいよ。実は私は、城で君を初めて見た時から好きだったようだ。」
プリシアと一緒に笑っていた君を見た時からずっと、君が頭から離れなかった。
学園ダンスパーティーの時、姿を現すつもりは全くなかったのに、傷ついた君を放っておく事が出来なかった。
「恋をしたのは、私の方が先だと思っていました。ですが、ロイド様とお会いする前から見ていてくださった事を知り、とても幸せな気持ちです。」
君はとても純粋で、可愛らしい。
そういえば、トール侯爵家のパーティーの時は、ものすごく焦ったな。セシディに魅入って出遅れてしまい、ダンカンに先を越された。
あの時は、セシディがダンカンを受け入れてしまったらと、ヒヤヒヤしていた。
一度は婚約したのだから、情があってもおかしくはない。……まさか、愛情では!?
「セシディ……聞いてもいいか?」
「改まって、どうなさったのですか? 何でも聞いてください。」
「あの……だな。ダンカンには、恋心はあった……のか?」
彼女はものすごく驚いた顔をした。
「……ありません。もしかして、ヤキモチですか?」
ヤキモチ!? これがヤキモチというものなのか!?
「これがヤキモチというのであれば、そうなのだろう。君の気持ちを、独占したいと思っている。」
「きちんと答えてくださったので、私も正直にお話します。」
正直……!? なんだか怖くなって来た……
「ダンカン様には、恋心も愛情も抱いてはいませんでしたが、ダンカン様は初めて私を受け入れてくれた方で、それが嬉しかったのです。あんなにも簡単に捨てられて……とてもショックを受けたのは事実です。ですが、私が初めてお慕いした方は、ロイド様です。ロイド様は、最初で最後の……愛する方です。」
君はいつも、私の欲しい言葉をくれる。君が素直に思うままそう思って言ってくれているのを感じるから、それが余計に嬉しい。
「私にとっても、君は最初で最後の愛する人だ。」
私は君と出会うことが出来て、本当に幸せな男だ。君が今まで辛い目にあってきた分……いいや、それ以上に、君を幸せにすると誓う。
その笑顔を、一生守り続ける。
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