〖完結〗もう二度とあなたの妻にはなりません!

藍川みいな

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次の町

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 やっぱり、眠れませんでした。

 「クマが出来てますね。寝不足ですか?」

 あなたのせいですよ!

 「トラビス様はぐっすり眠れたみたいですね。」

 「はい! 幸せ過ぎて、ルビーの事を考えていたらぐっすり寝ていました。」

 「それなら良かったです。」

 幸せ過ぎてぐっすり眠れたなんて、嬉しい。

 「ですから、これからは毎日おやすみのキスをお願いします。」

 「…………」

 それは、私の身がもちません。

 「そういえば、トラビス様のご両親、王様と王妃様はどのような方なんですか? 」

 さりげなく、話を逸らしてみました。

 「父上は母上を溺愛していて、臣下たちが呆れるほどです。ですが、俺は2人のような夫婦になりたい。」

 えっと、それは、私を溺愛するということでしょうか……恥ずかしくて聞けない。

 「次の町に着いたら、少し散策しましょう。
 2人で町を歩きながら買い物したり、お茶をしたりしましょう! ……実は、ずっと2人でしたいと思っていたのです。」

 「楽しそうです。行きましょう。」

 実際には2人きりにはなれないけれど、トラビス様のお気持ちが嬉しい。

 次の町へ到着すると前の町と同じように、護衛兵達は馬に水をやったり、宿を探しに行ったりしています。

 すると突然、トラビス様が手を握って来ました。

 「しー! 走るよ!」

 耳元で小声で話したと思ったら、私の手を引いて走り出しました!

 「トラビス様!?」
 
 全速力で走り、曲がり角を曲がった所で足が止まる。

 「撒いたかな?」

 「はぁはぁ……はぁはぁ……これは……はぁはぁ……どういう事ですか?」

 久しぶりに走ったような気がする。こんなに息が切れるなんて、運動不足ですね……

 「2人で街を散策しようと言ったではないですか。」

 本当に2って意味だったのですね。

 「でも、大丈夫なのでしょうか? 護衛の方達が心配しますよ?」

 「今回だけです。ずっと、2人で町を歩いたりしたかったんです。行きましょう!」

 トラビス様は手を繋いだまま歩き出しました。
 
 「走ったから、喉が渇きましたね。あそこで、お茶を飲みましょう。」

 指差したのは、小さなカフェ。
 テラス席に座り、飲み物を頼む。
 
 「こうして、ルビーとお茶を飲む事が出来るなんて夢みたいです。生まれ変わってくれて、ありがとうございます。」

 飲み物が運ばれて来て、トラビス様は幸せそうな顔をしながらお茶を飲む。

 「本当は、自信がなかったんです。
 俺の気持ちは前世から変わらず、ずっとあなたを想い続けたままですが、あなたの気持ちが分からなかった。だから、今世で初めて会った時に、俺の事を“心に決めた方”だと言ってくれて、本当に嬉しかった。」

 不安なままだったのに、私を想い続け、探し続けてくれていたのですね。

 「私はあなたにまた出会うために、生まれ変わったのです。」

 あなたがいなかったら、生まれ変わりたいなんて思わなかった。

 「……やばい。幸せ過ぎて、泣きそうです。」

 「泣いてもいいですよ。私の前では、何も我慢しないでください。楽しい事や嬉しい事、辛い事や悲しい事も、全部分かち合っていきたいです。」

 この後すぐに、護衛に見つかってしまいました。
 だけど、2人きりの時間はとても穏やかで、とても幸せな時間だった。



 そして2ヶ月後、ようやくマーキュアル王国へと到着した。



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