8 / 9
次の町
しおりを挟むやっぱり、眠れませんでした。
「クマが出来てますね。寝不足ですか?」
あなたのせいですよ!
「トラビス様はぐっすり眠れたみたいですね。」
「はい! 幸せ過ぎて、ルビーの事を考えていたらぐっすり寝ていました。」
「それなら良かったです。」
幸せ過ぎてぐっすり眠れたなんて、嬉しい。
「ですから、これからは毎日おやすみのキスをお願いします。」
「…………」
それは、私の身がもちません。
「そういえば、トラビス様のご両親、王様と王妃様はどのような方なんですか? 」
さりげなく、話を逸らしてみました。
「父上は母上を溺愛していて、臣下たちが呆れるほどです。ですが、俺は2人のような夫婦になりたい。」
えっと、それは、私を溺愛するということでしょうか……恥ずかしくて聞けない。
「次の町に着いたら、少し散策しましょう。
2人で町を歩きながら買い物したり、お茶をしたりしましょう! ……実は、ずっと2人でしたいと思っていたのです。」
「楽しそうです。行きましょう。」
実際には2人きりにはなれないけれど、トラビス様のお気持ちが嬉しい。
次の町へ到着すると前の町と同じように、護衛兵達は馬に水をやったり、宿を探しに行ったりしています。
すると突然、トラビス様が手を握って来ました。
「しー! 走るよ!」
耳元で小声で話したと思ったら、私の手を引いて走り出しました!
「トラビス様!?」
全速力で走り、曲がり角を曲がった所で足が止まる。
「撒いたかな?」
「はぁはぁ……はぁはぁ……これは……はぁはぁ……どういう事ですか?」
久しぶりに走ったような気がする。こんなに息が切れるなんて、運動不足ですね……
「2人で街を散策しようと言ったではないですか。」
本当に2人きりって意味だったのですね。
「でも、大丈夫なのでしょうか? 護衛の方達が心配しますよ?」
「今回だけです。ずっと、2人で町を歩いたりしたかったんです。行きましょう!」
トラビス様は手を繋いだまま歩き出しました。
「走ったから、喉が渇きましたね。あそこで、お茶を飲みましょう。」
指差したのは、小さなカフェ。
テラス席に座り、飲み物を頼む。
「こうして、ルビーとお茶を飲む事が出来るなんて夢みたいです。生まれ変わってくれて、ありがとうございます。」
飲み物が運ばれて来て、トラビス様は幸せそうな顔をしながらお茶を飲む。
「本当は、自信がなかったんです。
俺の気持ちは前世から変わらず、ずっとあなたを想い続けたままですが、あなたの気持ちが分からなかった。だから、今世で初めて会った時に、俺の事を“心に決めた方”だと言ってくれて、本当に嬉しかった。」
不安なままだったのに、私を想い続け、探し続けてくれていたのですね。
「私はあなたにまた出会うために、生まれ変わったのです。」
あなたがいなかったら、生まれ変わりたいなんて思わなかった。
「……やばい。幸せ過ぎて、泣きそうです。」
「泣いてもいいですよ。私の前では、何も我慢しないでください。楽しい事や嬉しい事、辛い事や悲しい事も、全部分かち合っていきたいです。」
この後すぐに、護衛に見つかってしまいました。
だけど、2人きりの時間はとても穏やかで、とても幸せな時間だった。
そして2ヶ月後、ようやくマーキュアル王国へと到着した。
344
あなたにおすすめの小説
【完結】可愛いのは誰?
ここ
恋愛
公爵令嬢の私、アリドレア・サイド。王太子妃候補とも言われますが、王太子には愛する人がいますわ。お飾りの王太子妃にはなりたくないのですが、高い身分が邪魔をして、果たして望むように生きられるのでしょうか?
【完結】私の事は気にせずに、そのままイチャイチャお続け下さいませ ~私も婚約解消を目指して頑張りますから~
山葵
恋愛
ガルス侯爵家の令嬢である わたくしミモルザには、婚約者がいる。
この国の宰相である父を持つ、リブルート侯爵家嫡男レイライン様。
父同様、優秀…と期待されたが、顔は良いが頭はイマイチだった。
顔が良いから、女性にモテる。
わたくしはと言えば、頭は、まぁ優秀な方になるけれど、顔は中の上位!?
自分に釣り合わないと思っているレイラインは、ミモルザの見ているのを知っていて今日も美しい顔の令嬢とイチャイチャする。
*沢山の方に読んで頂き、ありがとうございます。m(_ _)m
魔女の祝福
あきづきみなと
恋愛
王子は婚約式に臨んで高揚していた。
長く婚約を結んでいた、鼻持ちならない公爵令嬢を婚約破棄で追い出して迎えた、可憐で愛らしい新しい婚約者を披露する、その喜びに満ち、輝ける将来を確信して。
予約投稿で5/12完結します
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる