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宅飲み、チアキが照れたようです
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ハルトとチアキは、男二人で宅飲みをしている。ベッドの近くに置いてある黒いデジタル時計は23時。ハルト宅は、男1人暮らしの割には片付いており、ベッドの上にはふわふわのわけのわからないキャラクターのクッションが一匹、二人のことを無感情で見ているようだ。部屋の真ん中にある白いテーブルの上には、空になったアルミ缶が数本と、グラタン皿には少しだけ残ったエビのアヒージョが置いてある。
チアキはもう一匹のふわふわのクッションを抱いて、アルコール度数3%の缶チューハイを飲んでいる。すでに酔っている様子で、隣に座っているハルトのふわふわした髪の毛をもふもふしている。
「ハルトのかみのけふあふあだぁ~」
そう言いながらチアキは犬を撫でるように、ハルトの髪の毛をもふもふする。チアキの声は酔った人のそれだ、呂律がまわっていない。チアキは顔をハルトの頭にうずめ、チアキの指がハルトの耳に触れる。
「チアキ!?」
不意打ちに耳を攻撃されたからか、ハルトの体はビクッと反応した。
「わたあめみたいだぁ~なんだかあまいにおいもするし~いただきま~す。」
チアキは、ハルトの髪を構わずもふもふし続けている。さらには、わたあめと勘違いしているようで口を大きく開けてハルトの頭を食べようとしている。ハルトも、されるがままにされるのが嫌な性質なので、反撃を始めようとする。
「チアキの髪の毛は大型犬みたいだね。硬めで芯がしっかりしていて、チアキみたい。頑固なところとかね。」
ハルトは、優しい手つきでチアキの頭を撫でる。
「あっ、寝癖がついてる!ほんとに可愛いなぁ」
「えへへ」
チアキがハルトに向けてフニャっと笑った。酒に酔ったせいか、目は潤んでいる。そのきゅるんとした瞳でハルトを見つめる。潤んだ瞳と蒸気した頬が、無意識にハルトを誘っているようだった。
「チアキ。」
ハルトはごくりと息を飲んだ。チアキの頭にあった手を唇の方へ移動させ、己の唇を近づけた。唇同士が触れる直前、理性が戻ったのか間一発で触れることを逃れた。
「ごめんねチアキ。酔ってるのに。」
チアキに聞こえるか聞こえないかわからないくらい小さな声で言った。それから、ハルトはチアキの肩を抱いてベッドの上に寝かせ、薄いブランケットをかけた。
「おやすみチアキ。」
チアキの耳元に、そっと呟いた。空き缶と料理の皿で散らかった部屋を片付けようとテーブルがある方へ移動しようとしたら、ぎゅっと服の裾を掴まれた感覚がハルトを襲った。案の定、チアキがハルトの服の裾を握っていた。さっきまで眠っている様子だったのに、上目遣いでハルトを見つめている。
「ハルト、いっしょにねよう?」
とろんとした声でハルトにおねだりしているようだ。ハルトの喉仏が上下に動いた。しばらく立ち尽くしたのち、テーブルの片付けを始めた。
料理の皿をキッチンに運び、アルコール度数3%のチューハイの缶をすすぐ。
「ほんと、よく耐えたよなぁ。酔った時みたいにいつも素直なら良いのに。」
軽くため息をつき、独り言を言った。その後、ハルトは黙々と皿と箸を洗い、さっさと片付けを済ませた。それから、ハルトはシャワーを浴びて上半身裸のままチアキの寝ているベッドの方へ向かった。
ベッドの方へ近づくと、チアキの息遣いが聞こえた。酔って気持ち悪くなったのではないかと心配したハルトは、キッチンへ戻りコップに水を注ぎ、すぐにチアキの元へ駆け戻った。
「チアキ、水。気持ち悪くなった?」
ブランケットを退かし、チアキに水の入ったグラスを手渡そうとした。しかしそこにあらわれたのは、酔って具合が悪そうにうなされる姿ではなく、欲を処理しきれていない男の姿であった。チアキの服ははだけ、ほとんど着ていないにも等しい姿だった。チアキは自分の胸を触りながら、自身をゆるゆるとしごいている。
「ハルトがっ、きづいて、くれなかったからぁ。」
息混じりのうわずった声とたまにでる甘い嬌声がハルトを煽る。
「チアキが悪いんだからね。」
ハルトはそう言って、チアキの唇に口づけをした。そして、お酒のせいで大胆になっているチアキの望みを叶えるのであった。
3話嫉妬
人出が多い週末、駅の近くにあるショッピングモールでチアキはハルトを待っている。いつもよりも少し早くついたので、フードコートで買った割高のSサイズのコーラを飲みながら時間を潰していた。無心に飲んでいると、いつの間にか氷だけになっていた。ふとスマホの時計を見ると待ち合わせの5分前になっていた。いつもは、少なくとも10分前には到着しているハルトがいないようなので、チアキはあたりを見回した。すると薄桃色のカーディガンを着た長身の好青年が数人の女性たちに囲まれていた。女性たちの中心にいたのはハルトだった。
ガヤガヤとして、はっきりと会話を聞き取ることはできなかったが、ハルトがいる方向から女性が楽しそうに笑う声だけは聞こえる。チアキは、両手をぎゅっと握り、ただハルトがいる方を向いて立ち尽くすだけであった。
ハルトがチアキの方を見た。チアキはハルトと目があったような気がした。チアキは、ハルトが女性たちに囲まれて楽しそうにしている姿を見て気分がよくなかったのか、ハルトから目を逸らした。そして、ハルトがいる方とは反対方向に足速に歩き出した。
「さすがに逃げ出したみたいで悪かったかな。」
チアキはぼそっと呟いた。
「チアキっ!」
ハルトの声と同時に、チアキの左腕が何者かに掴まれる。
振り向くと、ハルトがいた。チアキの左腕を掴んでいたのはハルトで、ハルトは少し申し訳なさそうな表情でチアキを見ていた。
「ごめんね。」
「何で、ハルトが謝るの?」
「だって、チアキ、ヤキモチ焼いてたでしょ?」
「っや、焼いてない!」
チアキは思わず声を荒げ、ハルトから顔をそらす。チアキの耳は赤くなっている。
「本当に?」
ハルトは、少しいじわるな表情でチアキの顔を覗き込む。
「半分うそ。女の子たちいなくなれば良いのにって思った。」
チアキは口を尖らせて、ハルトにだけ聞こえるくらいの声で言った。
「もう半分は、ハルトって女の子にモテるから、俺なんかで良いのかなって。不安になりました。」
チアキは、ハルトの右袖をキュッと掴んで、言った。
チアキの意外な発言に、ハルトは思わず目を見開いた。そして、ハルトはチアキの名前を優しい声色で呼ぶ。
「チアキ。」
ハルトは、チアキの手を優しく振り解いて、両手でチアキの頬をむぎゅっとした。
「不安にさせてごめんね。」
ハルトの声は優しかった。
「チアキ以外は考えられない。だから、もう不安にならないで。」
ハルトは、チアキの若干涙を堪えている瞳をじっと見つめ、そして誓った。
「うん。」
チアキも同じように、ハルトの真剣な目を見つめて頷いた。
「俺は落ち着いたから、いこう。映画館、まだ早いけどポップコーン買いたいから。」
「仰せのままに?」
「ふざけなくていいよ。」
2人は顔を見合わせて笑った。そして、映画館の方へ向かった。
チアキはもう一匹のふわふわのクッションを抱いて、アルコール度数3%の缶チューハイを飲んでいる。すでに酔っている様子で、隣に座っているハルトのふわふわした髪の毛をもふもふしている。
「ハルトのかみのけふあふあだぁ~」
そう言いながらチアキは犬を撫でるように、ハルトの髪の毛をもふもふする。チアキの声は酔った人のそれだ、呂律がまわっていない。チアキは顔をハルトの頭にうずめ、チアキの指がハルトの耳に触れる。
「チアキ!?」
不意打ちに耳を攻撃されたからか、ハルトの体はビクッと反応した。
「わたあめみたいだぁ~なんだかあまいにおいもするし~いただきま~す。」
チアキは、ハルトの髪を構わずもふもふし続けている。さらには、わたあめと勘違いしているようで口を大きく開けてハルトの頭を食べようとしている。ハルトも、されるがままにされるのが嫌な性質なので、反撃を始めようとする。
「チアキの髪の毛は大型犬みたいだね。硬めで芯がしっかりしていて、チアキみたい。頑固なところとかね。」
ハルトは、優しい手つきでチアキの頭を撫でる。
「あっ、寝癖がついてる!ほんとに可愛いなぁ」
「えへへ」
チアキがハルトに向けてフニャっと笑った。酒に酔ったせいか、目は潤んでいる。そのきゅるんとした瞳でハルトを見つめる。潤んだ瞳と蒸気した頬が、無意識にハルトを誘っているようだった。
「チアキ。」
ハルトはごくりと息を飲んだ。チアキの頭にあった手を唇の方へ移動させ、己の唇を近づけた。唇同士が触れる直前、理性が戻ったのか間一発で触れることを逃れた。
「ごめんねチアキ。酔ってるのに。」
チアキに聞こえるか聞こえないかわからないくらい小さな声で言った。それから、ハルトはチアキの肩を抱いてベッドの上に寝かせ、薄いブランケットをかけた。
「おやすみチアキ。」
チアキの耳元に、そっと呟いた。空き缶と料理の皿で散らかった部屋を片付けようとテーブルがある方へ移動しようとしたら、ぎゅっと服の裾を掴まれた感覚がハルトを襲った。案の定、チアキがハルトの服の裾を握っていた。さっきまで眠っている様子だったのに、上目遣いでハルトを見つめている。
「ハルト、いっしょにねよう?」
とろんとした声でハルトにおねだりしているようだ。ハルトの喉仏が上下に動いた。しばらく立ち尽くしたのち、テーブルの片付けを始めた。
料理の皿をキッチンに運び、アルコール度数3%のチューハイの缶をすすぐ。
「ほんと、よく耐えたよなぁ。酔った時みたいにいつも素直なら良いのに。」
軽くため息をつき、独り言を言った。その後、ハルトは黙々と皿と箸を洗い、さっさと片付けを済ませた。それから、ハルトはシャワーを浴びて上半身裸のままチアキの寝ているベッドの方へ向かった。
ベッドの方へ近づくと、チアキの息遣いが聞こえた。酔って気持ち悪くなったのではないかと心配したハルトは、キッチンへ戻りコップに水を注ぎ、すぐにチアキの元へ駆け戻った。
「チアキ、水。気持ち悪くなった?」
ブランケットを退かし、チアキに水の入ったグラスを手渡そうとした。しかしそこにあらわれたのは、酔って具合が悪そうにうなされる姿ではなく、欲を処理しきれていない男の姿であった。チアキの服ははだけ、ほとんど着ていないにも等しい姿だった。チアキは自分の胸を触りながら、自身をゆるゆるとしごいている。
「ハルトがっ、きづいて、くれなかったからぁ。」
息混じりのうわずった声とたまにでる甘い嬌声がハルトを煽る。
「チアキが悪いんだからね。」
ハルトはそう言って、チアキの唇に口づけをした。そして、お酒のせいで大胆になっているチアキの望みを叶えるのであった。
3話嫉妬
人出が多い週末、駅の近くにあるショッピングモールでチアキはハルトを待っている。いつもよりも少し早くついたので、フードコートで買った割高のSサイズのコーラを飲みながら時間を潰していた。無心に飲んでいると、いつの間にか氷だけになっていた。ふとスマホの時計を見ると待ち合わせの5分前になっていた。いつもは、少なくとも10分前には到着しているハルトがいないようなので、チアキはあたりを見回した。すると薄桃色のカーディガンを着た長身の好青年が数人の女性たちに囲まれていた。女性たちの中心にいたのはハルトだった。
ガヤガヤとして、はっきりと会話を聞き取ることはできなかったが、ハルトがいる方向から女性が楽しそうに笑う声だけは聞こえる。チアキは、両手をぎゅっと握り、ただハルトがいる方を向いて立ち尽くすだけであった。
ハルトがチアキの方を見た。チアキはハルトと目があったような気がした。チアキは、ハルトが女性たちに囲まれて楽しそうにしている姿を見て気分がよくなかったのか、ハルトから目を逸らした。そして、ハルトがいる方とは反対方向に足速に歩き出した。
「さすがに逃げ出したみたいで悪かったかな。」
チアキはぼそっと呟いた。
「チアキっ!」
ハルトの声と同時に、チアキの左腕が何者かに掴まれる。
振り向くと、ハルトがいた。チアキの左腕を掴んでいたのはハルトで、ハルトは少し申し訳なさそうな表情でチアキを見ていた。
「ごめんね。」
「何で、ハルトが謝るの?」
「だって、チアキ、ヤキモチ焼いてたでしょ?」
「っや、焼いてない!」
チアキは思わず声を荒げ、ハルトから顔をそらす。チアキの耳は赤くなっている。
「本当に?」
ハルトは、少しいじわるな表情でチアキの顔を覗き込む。
「半分うそ。女の子たちいなくなれば良いのにって思った。」
チアキは口を尖らせて、ハルトにだけ聞こえるくらいの声で言った。
「もう半分は、ハルトって女の子にモテるから、俺なんかで良いのかなって。不安になりました。」
チアキは、ハルトの右袖をキュッと掴んで、言った。
チアキの意外な発言に、ハルトは思わず目を見開いた。そして、ハルトはチアキの名前を優しい声色で呼ぶ。
「チアキ。」
ハルトは、チアキの手を優しく振り解いて、両手でチアキの頬をむぎゅっとした。
「不安にさせてごめんね。」
ハルトの声は優しかった。
「チアキ以外は考えられない。だから、もう不安にならないで。」
ハルトは、チアキの若干涙を堪えている瞳をじっと見つめ、そして誓った。
「うん。」
チアキも同じように、ハルトの真剣な目を見つめて頷いた。
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