44 / 46
第44話 ヴェイルの目的とアラクネの想い
しおりを挟む
ゾンビであふれかえっていた部屋を丁寧に探索していたところ、隠し扉を発見したオレ。すぐに扉を開けて、そこにあった通路をひたすら走った。そして、通路が突然にひらけたかと思ったら、
「なぜ、こんなことをしているの?」
とヴェイルに質問をしているアラクネを発見。このまま、突貫しても化け物みたいな力を持つ彼から彼女を救うのは難しいだろう。ならば、オレは手頃な場所に隠れて様子を見守り、奴の隙をついて攻撃をした方が彼女を救出できる確率があがるに違いない。
オレはハンターだ。待ち伏せや隠れたりして、獲物を狩るのを生業としているのだ。騎士のように堂々と名乗りをあげて戦うような愚かな真似はしないのだ。
そんな風に格好をつけて脳内で言い訳をしているけどさ。実際はただ単純に拘束されているアラクネのセクシーな姿に心を奪われて、入ってすぐの壁にあった棚の後ろに隠れて見ているだけなんだよね。
「うるさいな。おまえは黙ってオレの子を孕めばいいんだ」
「人と魔物に子供なんてできないわよ?」
アラクネに自分の子供を産ませようとしているだと!? あいつ、金髪のイケメンだろ。相手なんて選びたい放題じゃん。この童貞を拗らせたサイゾウさん並みに守備範囲が広いのか。世の中にはとんだ変態さんがいたものだ。
そうオレが自分のことを棚に上げて奴に文句を心の中で言っているが、本心はオレの女に手を出すなよ。このクソ野郎だ。
「それは違うな」
何が違うんだ。おまえは人の女に手を出すクソ野郎だろ。
「僕は人ではないのだよ」
はい、わかりますとも、人じゃないのね。つまり、ただの人で無しね。つまり、結局はクソ野郎じゃねぇか。そんなことを考え、奴を見ていたら、ヴェイルは金髪で隠れていた前頭部に生える竜の角をアラクネに見せてきた。
「竜人の角? でも、あなたはどう見ても人間よ」
「いや、僕は人ではないよ。厳密には人と竜人の混血さ。この顔の所為で誤解されるけどね」
自嘲げにそう言った奴は、人の顔で生まれたのが気に食わないのだろう。アラクネに対して吐き捨てるようにそのことをそう話していた。
「僕の母親は、竜人の魔王その人だよ。彼女は人類が怖いんだ」
「人が怖い? あなたたち竜人からしたら人の力なんてたかがしれているでしょう?」
オレもアラクネの意見には同意だ。竜人の魔王クラスに力が強い奴が人類を恐れるとはいったいどういうことだ。
「確かに人は一人ひとりを見れば弱いよ。だが、繁殖力がとても強くて厄介だ。君もゾンビの大群に負けたのにそんなこともわからないのかい?」
「口惜しいけど、その通りね」
嘲るように問いかけてきた彼にアラクネは自虐的な笑みを顔に浮かべた。オレもヴェイルの意見には同意しよう。人類は個として弱い。だから、集団で狩をすることで生き延びてきた。いわゆる群れで生きる動物。
もちろん、亜人種や魔物も確かに群れを作るだろう。だが、その群れの規模が違う。オレの住む町ですら人口は5万人規模だ。国単位で見るともっと多くなるだろう。だが、亜人種は多くて数千単位になる。確かにどれだけ個が強かろうとも、数の暴力の前に敗れるだろう。
「数の暴力で人に西の魔王が殺された時に、母は今回の計画を思いついたんだ。自軍を強化し、さらにできる限り自軍に被害を出さないで、国を滅ぼす計画をね」
「それが魔物の量産と混血児の生産?」
「その通りだ。どの種族同士が混血になるかわからないから母は、片っ端から捕まえて生殖実験を行ったのだ」
アラクネの質問に奴は肯定をして、自分がその成果であると伝えてきた。
「そして、今回は一個体としては最強と名が高い私に目を付けたわけね」
「そうだ。この国だけが人間の国ではないからな」
その通りだと言って奴は話を続ける。
「ゾンビによって各町は弱体化されているからこの国はそのうちに勝手に崩壊するだろう」
どこか準備した悪戯が成功した子供のように嬉しそうにそんなことを言うヴェイル。
「だが、それを見た他の人間の国が僕たちと敵対しないとは限らないからな。より強い者を作っておくのは悪いことじゃない」
そう言って言葉を切った後に、
「こちらの理屈は分かっただろう? さぁ、アラクネ、我が子を孕め!」
と言って再び手足をすべて拘束されている彼女にそう要求する。強制的に眠らせて襲わないで同意を得たうえで行為をしたいと思うとは見た目どおりに無駄に紳士なのか?
それとも子供ができる確率が変わるのか。まぁ、どちらであっても人の女に手を出そうとするとは不逞野郎だな。
「ごめんなさいね。私には先約がいるの」
アラクネがそう言って、こちらを見て微笑んでいる。
「あれ? いつの間に気が付かれていたんだろう」
仕方ない。オレはアラクネと向かい合っていて、こちらに気が付かないヴェイルに急いで駆け寄り、後ろから殴りかかった。
ヴェイルは奴がオレに気付いた時には強靭な力で殴り飛ばされており、壁まで叩きつけられた。
どうやら、オレの力は人を超えたようだ。シルメリアとの行為で、吸血鬼の力を得たらしい。だが、そんなこと今はどうでもいいことだ。オレは奴に言わなければならないことがある。
「人の女に手を出すとはおまえ、死ぬ覚悟ができているんだろうな?」
オレはヴェイルに向かって怒りの声をあげるのであった。
「なぜ、こんなことをしているの?」
とヴェイルに質問をしているアラクネを発見。このまま、突貫しても化け物みたいな力を持つ彼から彼女を救うのは難しいだろう。ならば、オレは手頃な場所に隠れて様子を見守り、奴の隙をついて攻撃をした方が彼女を救出できる確率があがるに違いない。
オレはハンターだ。待ち伏せや隠れたりして、獲物を狩るのを生業としているのだ。騎士のように堂々と名乗りをあげて戦うような愚かな真似はしないのだ。
そんな風に格好をつけて脳内で言い訳をしているけどさ。実際はただ単純に拘束されているアラクネのセクシーな姿に心を奪われて、入ってすぐの壁にあった棚の後ろに隠れて見ているだけなんだよね。
「うるさいな。おまえは黙ってオレの子を孕めばいいんだ」
「人と魔物に子供なんてできないわよ?」
アラクネに自分の子供を産ませようとしているだと!? あいつ、金髪のイケメンだろ。相手なんて選びたい放題じゃん。この童貞を拗らせたサイゾウさん並みに守備範囲が広いのか。世の中にはとんだ変態さんがいたものだ。
そうオレが自分のことを棚に上げて奴に文句を心の中で言っているが、本心はオレの女に手を出すなよ。このクソ野郎だ。
「それは違うな」
何が違うんだ。おまえは人の女に手を出すクソ野郎だろ。
「僕は人ではないのだよ」
はい、わかりますとも、人じゃないのね。つまり、ただの人で無しね。つまり、結局はクソ野郎じゃねぇか。そんなことを考え、奴を見ていたら、ヴェイルは金髪で隠れていた前頭部に生える竜の角をアラクネに見せてきた。
「竜人の角? でも、あなたはどう見ても人間よ」
「いや、僕は人ではないよ。厳密には人と竜人の混血さ。この顔の所為で誤解されるけどね」
自嘲げにそう言った奴は、人の顔で生まれたのが気に食わないのだろう。アラクネに対して吐き捨てるようにそのことをそう話していた。
「僕の母親は、竜人の魔王その人だよ。彼女は人類が怖いんだ」
「人が怖い? あなたたち竜人からしたら人の力なんてたかがしれているでしょう?」
オレもアラクネの意見には同意だ。竜人の魔王クラスに力が強い奴が人類を恐れるとはいったいどういうことだ。
「確かに人は一人ひとりを見れば弱いよ。だが、繁殖力がとても強くて厄介だ。君もゾンビの大群に負けたのにそんなこともわからないのかい?」
「口惜しいけど、その通りね」
嘲るように問いかけてきた彼にアラクネは自虐的な笑みを顔に浮かべた。オレもヴェイルの意見には同意しよう。人類は個として弱い。だから、集団で狩をすることで生き延びてきた。いわゆる群れで生きる動物。
もちろん、亜人種や魔物も確かに群れを作るだろう。だが、その群れの規模が違う。オレの住む町ですら人口は5万人規模だ。国単位で見るともっと多くなるだろう。だが、亜人種は多くて数千単位になる。確かにどれだけ個が強かろうとも、数の暴力の前に敗れるだろう。
「数の暴力で人に西の魔王が殺された時に、母は今回の計画を思いついたんだ。自軍を強化し、さらにできる限り自軍に被害を出さないで、国を滅ぼす計画をね」
「それが魔物の量産と混血児の生産?」
「その通りだ。どの種族同士が混血になるかわからないから母は、片っ端から捕まえて生殖実験を行ったのだ」
アラクネの質問に奴は肯定をして、自分がその成果であると伝えてきた。
「そして、今回は一個体としては最強と名が高い私に目を付けたわけね」
「そうだ。この国だけが人間の国ではないからな」
その通りだと言って奴は話を続ける。
「ゾンビによって各町は弱体化されているからこの国はそのうちに勝手に崩壊するだろう」
どこか準備した悪戯が成功した子供のように嬉しそうにそんなことを言うヴェイル。
「だが、それを見た他の人間の国が僕たちと敵対しないとは限らないからな。より強い者を作っておくのは悪いことじゃない」
そう言って言葉を切った後に、
「こちらの理屈は分かっただろう? さぁ、アラクネ、我が子を孕め!」
と言って再び手足をすべて拘束されている彼女にそう要求する。強制的に眠らせて襲わないで同意を得たうえで行為をしたいと思うとは見た目どおりに無駄に紳士なのか?
それとも子供ができる確率が変わるのか。まぁ、どちらであっても人の女に手を出そうとするとは不逞野郎だな。
「ごめんなさいね。私には先約がいるの」
アラクネがそう言って、こちらを見て微笑んでいる。
「あれ? いつの間に気が付かれていたんだろう」
仕方ない。オレはアラクネと向かい合っていて、こちらに気が付かないヴェイルに急いで駆け寄り、後ろから殴りかかった。
ヴェイルは奴がオレに気付いた時には強靭な力で殴り飛ばされており、壁まで叩きつけられた。
どうやら、オレの力は人を超えたようだ。シルメリアとの行為で、吸血鬼の力を得たらしい。だが、そんなこと今はどうでもいいことだ。オレは奴に言わなければならないことがある。
「人の女に手を出すとはおまえ、死ぬ覚悟ができているんだろうな?」
オレはヴェイルに向かって怒りの声をあげるのであった。
0
あなたにおすすめの小説
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
鑑定持ちの荷物番。英雄たちの「弱点」をこっそり塞いでいたら、彼女たちが俺から離れなくなった
仙道
ファンタジー
異世界の冒険者パーティで荷物番を務める俺は、名前もないようなMOBとして生きている。だが、俺には他者には扱えない「鑑定」スキルがあった。俺は自分の平穏な雇用を守るため、雇い主である女性冒険者たちの装備の致命的な欠陥や、本人すら気づかない体調の異変を「鑑定」で見抜き、誰にもバレずに密かに対処し続けていた。英雄になるつもりも、感謝されるつもりもない。あくまで業務の一環だ。しかし、致命的な危機を未然に回避され続けた彼女たちは、俺の完璧な管理なしでは生きていけないほどに依存し始めていた。剣聖、魔術師、聖女、ギルド職員。気付けば俺は、最強の美女たちに囲まれて逃げ場を失っていた。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生したら実は神の息子だった俺、無自覚のまま世界を救ってハーレム王になっていた件
fuwamofu
ファンタジー
ブラック企業で過労死した平凡サラリーマン・榊悠斗は、気づけば剣と魔法の異世界へ転生していた。
チート能力もない地味な村人として静かに暮らすはずだった……が、なぜか魔物が逃げ出し、勇者が跪き、王女がプロポーズ!?
実は神の息子で、世界最強の存在だったが、その力に本人だけが気づいていない。
「無自覚最強」な悠斗が巻き起こす勘違い系異世界英雄譚、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる