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とある冬の日~心幼き異形の子等との遊戯~
しおりを挟む「寒い」
「雪が降ってますからね」
「地球温暖化じゃなかったのか」
「そうは言われましても……」
零はベッドの上で丸くなり、毛布にくるまっている。
それを瑞穂が苦笑しながらお茶を入れて持ってくる。
「はい、お茶です」
「すまないな、今日はちょっと外出は無理だ異形案件が来たらレオンとニルスに回してくれ……」
「畏まりました」
瑞穂がそう言うと零は温かいお茶を飲み干す。
「うん、美味い」
「有り難うございます」
空の湯飲みを渡し、零はころんと横になった。
瑞穂はそれを洗い、仕舞うと一階へと下りてゆく。
零はぬくぬくと布団の暖かさを感じながらまどろんでいた。
「零さーん! 冬だよ、雪だよー!」
いつもの如く突然来る来訪者、フエによってそのまどろみはかき消された。
「私は寒いのが苦手だ、放っておいてくれ」
「あら、そうだったの、それはごめんねー」
「分かったら寝かせてくれ、寝ていたいんだ」
零は再び丸くなる。
「んーでもなぁ」
「なんだ?」
零が不機嫌そうに言うと。
「う」
「はなよめさん」
「はなよめさん」
「マヨイにエルに、りらがどうしても零さんと遊びたいんだと」
「……」
フエの言葉に、零は盛大にため息をついた。
「フエ、服をとってきてくれ」
「はーい」
フエはにこりと笑って服をとってきた。
そして、服を布団の中に入れると、もぞもぞと零が布団の中で蠢いていた。
布団から出ると、いつもより厚手の服を着た零がそこに居た。
「で、何をして遊びたいんだ」
「おにんぎょうあそび!」
「おままごと!」
「うー」
「りらは人形遊びで、エルはままごと、そしてマヨイはどっちでも良いと」
零はベッドに腰をかけながら言う。
「さいきんおにんぎょうあそびばっかり、おままごと!」
「おにんぎょうあそびがいちばんなの!」
「うー!」
喧嘩しそうになった二人をマヨイが止める。
「マヨイおねえちゃんごめんなさい」
「マヨイおねえちゃんごめんね」
「う!」
マヨイはにこりと笑う。
「じゃあ最初にままごとして次に、人形遊びをしよう」
「え、いいの?」
「今日の私は引きこもりだ、両方遊んでやる」
「わぁい!」
「わぁい!」
「う、よかった」
「マヨイ、普通に話してくれてもいいんだぞ、今みたいに」
「他の人と、話したのが、バレると、隼斗さん、自傷行為しちゃう、から」
マヨイはしょんぼりと言う。
「……そうか」
「う」
マヨイはいつものしゃべり方に戻った。
「マヨイ……そういうときは嘘つくのも必要よ?」
「う⁈」
「嘘をつくって発想が無かったんだな……」
「だろうね……」
零とフエはどこか遠い目をした。
その後、おままごとで、誰が「花嫁」の夫役になるかでもめたが、両方の「花嫁」になることでなんとか丸く収めてままごとをした。
ちなみにマヨイはそれを収める役をやり、ままごとでは子ども役になり、またどっちの子どもかでもめたが、ふたりの子でフエが収めた。
フエは近所に済むお姉さん役をやっていた。
それが終わると人形遊びをし、其処でも色々もめたがマヨイとフエと零でなんとか収めた。
「三人とも遊んだ?」
「あそんだー!」
「あそんだの!」
「う!」
「じゃあ帰ろうね」
と言ってフエは三人に帰るように促し、三人は帰って行った。
「お前は帰らないのか?」
「弱ってる『花嫁』さんに忍び寄る連中がいるからね、帰らない」
「そうか、すまんな」
「いえいえ」
零は再びベッドに横になった。
そして十数分後静かに寝息を立て始めた。
「それにしても零さんが寒いの苦手なのはどうしてなのかねぇ」
「でも、暑いのも嫌いだって行ってたし変温動物みたい、なんか可愛い」
フエはくすくすと笑いながら静かに眠る零を見つめていた──
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