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壊れた王子様

治療と処理と口淫

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 何か不可思議な香りを俺は感じた。
 何となく部屋の雰囲気も、先ほどの王子様の部屋じゃない。
 横になっているベッドと思われるものも先ほど俺が王子様と何と言うか非常に思いたくない初めての性行為に及んだベッドとは違うちょっとだけ硬い、寝心地は悪くないが。

 俺が目を開けると、俺の回りに白い服で身に包んだ謎の連中が立っていた。

「ギャー!!」

 怖いわ!!
 ビビるわ、なんなん⁈

 起き上がろうとすると押さえつけられる。
 あと、白い布で見えなかったが俺は服を着てなかった、全裸。

「ああ、ニュクス妃殿下、暴れないでくださいませ」
 白い服で声で女性と分かる――頭の両脇に角が生えた女性が近づいてきた。
 まぁ、他の連中同様目から下は白い布で隠れて顔全体は見えないが、なんだ此奴らと俺が混乱していると、その女性はニコリと笑った。
「私共は貴方様の肉体の治療などを行うものです、私は責任者のセイアという者です」
「……治療?」
 女性――セイアの言葉に俺の頭に大量の疑問符が湧く。
 理由は簡単だ、自分の体の治療と言われてもこの一か月王様が来るまで俺は特に何も無かったので怪我らしい怪我はしてないし、病気らしい病気もしていない。
 何だろう、噂では病気だと発覚するのに時間がかかったりする病気があると言うがそれにかかっていたりしてたのかと、俺は少しばかり不安になった。
「ご安心下さいませ。ニュクス妃殿下は病を患ってはおりませんでした。ただ、お体の方に傷跡が多くありましたのでそちらの方を消させていただきました、それと――」

「首から下の体毛の処理もさせていただきました」

 ……はぁ?

 俺は耳を疑った、体毛、首から下。
 つまり、俺のわずかに何と言うか大人として成長したという感じの脇とかわずかに生えたあそこの毛とか、産毛が、全部剃られらしい。

 ふーざーけーるーなー!!
 これ流石に怒っていいよな⁈
 体つきが二次性徴全然してくれねぇ俺のわずかな大人の証剃るなよマジで!!
 生殖器が全然大人の奴こねぇと悩んでた俺の数少ない大人として成長した証なんだぞそれら!!
 いや、待て責任者とは言え、命令した奴がいるはずだ。

「……ちなみに、誰の命令?」
「アルゴス様のご指示です」

 あーのーやーろーうー!!
 王子様や王様は殴れないが、あの野郎は殴る、絶対殴る。

「アルゴス様の指示の元診察させていただきましたが、ニュクス妃殿下は男性器、女性器の生殖器官の発育状況がよろしくありません」
「……ああ、そう」
「調べさせていただき、そちらの発育を進む治療を行わせていただきました」
「……」
「女性器の生殖器官の発育が進み、排卵が行われるようになって後、妊娠の為の治療を進めさせていただきます」
「……は?」

 おい、待て、この人なんつった⁇

「診察して発育後の状態予測もした結果、ニュクス妃殿下は妊娠しづらいお体であることが分かりましたので、同時進行は体に負担がかかります故、発育状況に問題ないと分かり次第そちらの治療に入らせていただきます」
「……」
 その言葉に俺の意識はぶっ飛んだ。
 何か叫び声っぽいのが聞こえた気がするが、俺の意識を戻すような声ではなかったので俺の意識はそこで一旦途切れた。


 目を覚ますと、王子様の部屋のベッドの上にいた。
 起き上がって体を見ると、服が着せられていた。
 服に手を突っ込むなりして確認する。
 わずかにあった俺の首から下の体毛らしい体毛の感触は全くなくなっていた。
「~~なんでこういう目に遭うんだよ」
 刺客に命を狙われていた時とは別の意味で頭が痛くなる状況に、と俺はため息をついた。
 ズボンを引っ張られる感触に視線を向ければ、王子様が横にいた。
 そして俺のズボンと下着を下ろそうとしていた。
「うわー!! やめろやめろ!!」
 声を上げてやめさせようとするが、俺と王子様、見た目的通りなら俺は王子様のこの行動を押さえつけれたのだが、そうじゃないので俺のズボンと下着はずり下ろされる。
 ぼろんと出たのは、俺のソレだったが、少しばかり形とかが変わっていた。
 大きさも変わっている、少しばかりでかくなってる。
 王子様はうっとりとした表情で俺のソレを舐めてしゃぶりついてきた。
「ぎゃー!!」
 何だこれ、親父の秘蔵本とかでは口淫とかなんか書かれてた奴だよなぁ多分、とか変に冷静に考えているのと、止めろしゃぶるな咥えるなー、というので頭がぐちゃぐちゃ状態になっていた。
 ねっとりとした温かな口内と舌が俺のソレを刺激する。
 じゅるれろ、と音が聞こえる。
「っふ……も、やめ……」
 認めたくないが性的快感を知らなかった俺のソレは快感を覚えて盛りのついた獣みたく勃起していた。
 必死に精神で何か出そうなの――多分射精、それを俺は堪える。
 こんな口淫どこで覚えさせられたかは王子様の事を聞かされた俺には想像できたし、そういう状態になった王子様を可哀そうだとは思う。
 が、それはそれとして俺にだって権利はある。

 処女と童貞両方奪われたんだから、そろそろ勘弁してほしい。
 食事を食べさせるのは別にいい、場合によっては風呂を入って体洗うのも我慢できる、寝るのも別にいい、が。
 こう盛っている獣のごとく体を求められて対応できる人生経験なんてない自分に求めるのだけは勘弁ねがいたいのが俺の本心だ。
 そして、思う、何で俺なの本当!!

 必死に我慢し続けるが、まぁ性的経験無しから有りに変わったばっかりの俺の我慢など、色んな所為で性的経験豊富な王子様の口淫の前に勝てるわけなく、射精してしまった。
「ん゛~~!!」
 強い快感に頭がビリビリする。
 王子様が俺のソレを口から抜くと、うっとりとした表情で舌に乗った白く濁った液体を見せてから飲み込んだ。
 若干もう諦め状態になりつつある俺に、自身の指を舐っていた王子様は追い打ちをかけるように背後からズボン――下着の中に指を舐っていた方の手を入れた。
 唾液で塗れた指が、俺の尻の穴に入った。
「ぎゃー!!」

 絶叫するわ。
 さすがにそっち迄やられたら俺色々と無理。

 なりふり構わず王子様を押さえ込もうとする俺と、何が何でもぶち込みたい王子様との取っ組み合い……まぁ見る人がみたら一方的な防戦が始まった。
 王様が来てくれれば、止めてくれる可能性がある、だがあいつだと――

 ガチャリ

 扉が開いて入って来たのは。
「ああ、ニュクス様治療が終わりましたのですね、リアン様やはり我慢できまんか?」
 アルゴスの奴だった。

 はい俺の尻の穴にも突っ込まれるの確定したー!!

 俺は絶望した、ぶっちゃけ泣きたくなった。
「ですが、ニュクス様のそちらは綺麗にはなっておりますが、まだ貫通するには無理でしょう」

 あれ、助け舟?
 いい奴?

 と思った矢先。
「ですので、私共で優しく開発して差し上げましょう」

 前言撤回、やっぱりコイツ嫌い。


「んぐー!!(まじふざけんなよお前!!)」
 俺はまともに喋れない上体も自由に動かせなくなった。
 口には口枷をつけられて、体は革っぽいので拘束されて、頭を下げて尻を高く上げている状態でベッドの上にいる。
「ご安心を今回は私は指を入れる等は致しません、あの時はある種緊急時で、道具を取りに行く猶予が無かった為私の指で対処させていただきました」
「むがー!!(そんなこと聞いてねぇよ!!)」
 俺をこんな格好にさせておいてよく言うと思った。
 尻を撫でる感触がする、アルゴスは白手袋付けてる、尻を撫でている手は素手。
 となると王子様が俺の尻を撫でていることになる。
「リアン様、そのようなご不安な顔をなさらないでください。ニュクス様のお体を傷つけない為ですのでこれは。ですからご安心を」
「んがー!!(確かに暴れられないから傷つかねーけどこの体勢母さん達に見られたら死ねるわ!!)」
 口枷されたまま声を上げていると、王子様が俺の顔を覗き込んできた。

 何か不安そうな顔をしている、不安に感じているなら止めろ本当。

 王子様は俺の額に口づけをして、頭を撫でて、そしたら視野から見えなくなった。
「……」

 なんだろう、俺がこれからされる行為が、あまり王子様的にはあまり気分的にはやりたくないが、やらないとだめだから渋々やるみたいな態度に見えた。
 だったらやめてほしいんだが、と言いたいが今の俺は口枷でまともに喋れない。
 終わったらアルゴスの野郎はそのご自慢そうな顔面血まみれになるまで殴ってやる。

「ではまずこれから慣らしましょう」
 そう言って俺の視界に、先端の部分が膨らんでて突起が無数についてる細い棒のように見える変な道具を持っている白手袋をつけた手が入った。

 え、これ入れんの?

「ヨくなれるよう媚薬入りの潤滑液で濡らしてから入れますのでご安心下さい、こういうのの開発には慣れておりますので」

 アルゴスの会話に、俺は若干自分の人生が前途多難過ぎて泣きたくなった。




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