絶世のハンターは魔族に狙われ、情報屋に抱かれる

琴葉悠

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ダンピールのハンターと闇の城

ダンピール狩り

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 静かな朝、クロウは目を覚ました。
 隣では、昨晩の情事で疲弊しきったディストが眠っている。
 クロウはディストを起こさないようにそっと起きると、店の方へ移動する。
 今日も仕事をこなそうと思って外に出ようとした矢先に血相を変えたマリーが入ってきた。
「クロウ!! 起きていますか?! 起きていますね?!」
「な、なんだよマリー」
 切羽詰まったような表情をするマリーを見てクロウはたじろぐ。
「嫌な事件が起きました!!」
「なんだ? 魔界の門が開いたとか魔樹が一気に100本生えたとかかよ? 勘弁して――」
「ダンピール狩りが始まりました。幼子から成人まで誘拐されてます」
 マリーの言葉に、クロウの表情が一気に殺意を帯びたものになる。
「……マリー、現場が分かってるのはどこだ?」
「ここです」
 マリーは依頼書を見せる。
 依頼書にはいなくなったと思われる場所が記載されていた。
「……マリー悪いけどここいてくれ。行ってくる」
「いいですけど、何故?」
「ハニーが狙われた時、術かけて入れないようにはしてるが破る奴がいるかもしれないだろう、その対処だ」
「……わかりました」
 マリーが頷くのを見ると、クロウは殺意を隠さないまま空間に穴を開けて移動した。


 空間の先は夜の闇に包まれていた。
「リアー! リアー何処なのー!!」
 探し回るヴァンパイアの女が居た、おそらく母親だろう。
 うろたえる母親を、父親らしき人間の男が支えている。
「アンタが依頼を出したのか? 娘が行方不明になったって」
 クロウはここでようやく殺意を抑え、いつもの態度になって母親に尋ねる。
「ええ、貴方は情報屋のクロウ?」
「今はハンターとかなんでもやってるだけだよ、仲介屋マリーの依頼で来たんだ、娘はどこら辺で居なくなった?」
「このあたりです、いつもここで遊んでいたのですが、見知らぬ人間たちがやってきて娘だけが居なくなったと……」
「ここは真祖様の結界がはってあるのです、悪意のある人間は――」
「……」
 クロウは結界をはった真祖を思い出す。
 おそらくディストの父親だ。
 だが、百年前に死んでその影響で結界も弱まったと考えられた。
「俺に後は任せてくれ、あんたたちは家で娘の帰宅を待ってろ」
「で、でも……」
「この人に任せようエリーゼ」
 母親と父親らしき人物がいなくなると、クロウは目を真っ黒に染めた。
 周囲の情報を見ているのだ。
「なるほど、こんだけ情報があるなら探すのも簡単だな」
 クロウの目には当時の無数の情報が表示されていた。
 ここに来た人物の名前性別血液型、何処から来て、何処へ行ったのかなどが細かく情報化されている。
 クロウは目を凝らし、ここにやってきた招かれざる人物たちの情報だけを絞り出す。
「ほほう……なるほど、レツィア町か、ここから近いしそこの倉庫に集めてるのか……」
 そう呟くとクロウは足で思い切り空間に穴を開けた。


 バリーンという音が倉庫内に響く。
「な、なんだ?!」
 空間に穴が開いたのを見て武装した人物たち数十人が一斉にうろたえる。
 空間の穴から武装をした黒髪、黒目、黒いコート、黒い羽根が生えた人物が姿を現したのだ。
 空間の穴が閉じると、その異形はぎょろと目をこちらに向け、異形の手で武装した人物を一瞬で引き裂いた。
 頭部や四肢が千切れ、血しぶきが吹き上がる。
「撃て撃て!!」
 魔族やヴァンパイアたちには効果のある弾丸を惜しみなく放つが、異形はびくともしない。
 弾丸は全て着弾する前に破壊されているのだ。
「腐れ外道に命はいらねぇよな」
 異形はそう言うと、異形の両手を振り上げて向かってきた。
 持っていた剣で応戦しようとした人物の手は引きちぎれ、頭をぐちゃりと潰された。
 それを見た残った者たちは我先に逃げようとしたが、扉があかないのだ。
 銃弾をぶち込もうが傷一つつかなくなっていた。
「命乞いは聞かねぇ、死ね」
 異形はそう言うと、鋭い手で武装集団をぐちゃぐちゃの肉塊へと変えていった。
 絶叫が倉庫内に木霊した――


 異形の姿からクロウは元の銀髪、青目の普通の人間に見える姿に戻った。
 肉塊になったダンピール狩りの連中につばを吐き捨てると、集められたダンピール達がいる倉庫へと移動した。
 倉庫へ入ると大人や子どもは拘束されて、術で動けなくされていた。
 クロウは術を破壊すると、大人や子ども達を拘束してる拘束具を破壊してやる。
 怯えたり、警戒していたダンピール達は戸惑っている様子だった。
「依頼受けてアンタらの救助に来たんだ、安心してくれ」
 クロウはそう言うと、拘束具を全て破壊し終わり、全員いることと、全員が自由な状態になった事を確認する。
 空間に穴を開ける。
「リアちゃんだったか、両親が待ってるほら、こっからお家に帰りな」
「ぱぱとままにあえるの⁇」
 幼いダンピールの少女はクロウに尋ねた。
「会える、ほら行きな」
 少女が恐る恐る穴を覗き込むと、両親少女の姿を見て駆け寄ってきた。
「ぱぱ! まま!」
 少女はそれを見て穴から飛び出し両親の元へと向かっていった。
 クロウはそれを見て穴を閉じると、穴を開けながら捕えられていたダンピールたちを元いた場所へと戻していった。
「……さて、俺は結界の修復をしねぇとな」
 全員が居なくなった後、クロウはそう呟くと空間の穴を開けて結界を作っている石像のところに行き、弱まった術を強い術に上書きする。
 その作業を繰り返した。


「……」
 クロウの情報屋でマリーは静かに本を読みながら何かを待っていた。
 マリーが待っていると、閉まっているはずの扉がいきなり破壊された。
「ここにダンピールがいると聞いた、ダンピールを出せ」
 武装した者たちが十数人程やってきて、その内一人がマリーの頭部に銃を突きつける。
「……情報を集めるのは得意だけど不得意と言う感じですね」
「いいからダンピールは何処――」
 マリーが銃を掴むと銃は蒸発して消えた。
「「「「?!?!」」」」
 残っていた武装集団が全員マリーに銃を向けて弾丸を放った。
 だが弾丸はマリーに当たる前で停止し、地面に落ちた。
「ああ、掃除が大変ね」
 マリーはそう言うと一番近くにいた人物の首をへし折った。
 へし折った後、マリーの影から黒い狼のような獣が無数に出現した。
「みんなご飯の時間よ」
 マリーがそう言って武装集団を指さすと、獣――魔獣は武装した集団に一気に襲い掛かっていった。
 弾丸にひるむことなく、首に食らいつき、腕に食らいつき、脚に食らいつき、食いちぎっていく。
 武装集団の絶叫が響くが、マリーはいつもと変わらぬ微笑みを浮かべていた。
 しばらくして武装集団全員が魔獣の胃袋に入り、残っているのは銃や剣などの武器と衣服の切れ端、それと床などについた血だけだった。
「あら、掃除をしないと、クロウに怒られるわ」
 マリーはそう言って淡々と後始末を開始した。

 ディストはいつもとは何か違う雰囲気を感じて目覚めた。
 扉に手をかけるが開かない、しかも何か違う術もかかっているようだった。
「……クロウ?」
 そう問いかけると――
「あら、ディストさん。お早う。クロウはちょっと出かけているの、あと今お部屋を汚しちゃったからお掃除中だから部屋で待っていてね」
 楽しそうなマリーの声だった。
 掃除しているような音は聞こえなかったが、そういう術なのだろうと納得してベッドに戻る。
 まだ、昨晩の行為の疲労感が残っているし、ひどく眠かった。
 ディストはそのままベッドに横たわり、眠ることにした。


 空間に穴を開けてクロウが店に帰ってきた。
「終わったぜ、残りは――マリーのペットの腹ん中か」
「久しぶりのご馳走でしたからね」
 マリーは魔獣たちを撫でながら言う。
 魔獣はまるで大型犬のようにじゃれていた。
「おっかない魔獣もマリーの前では大型犬と同然か」
 クロウは近づかず壁に寄りかかってそう言った。
「そういや、扉が新しくなってるが……」
「壊されたので新しく直しておきました、術もちゃんとかけてあります」
「そりゃあありがたい」
 マリーは説明し終わると店を出て行こうとした。
「……ディストさんには今日の依頼は」
「話さねぇよ」
「それがいいでしょう」
「ま、そういうのがあるってのは知っておいて遭遇させないでおくさ。あいつにはこういう仕事は向かねぇ、魔族の相手してればいいんだよ」
 クロウはそういって冷蔵庫から瓶のコーラを取り出し、蓋を取って飲み干した。
「ふー……ああ、そうだ、劣化していた術とか全部かけなおしておいたから当分大丈夫だと思うぜ、外に出ない限り」
「分かりました、皆さまにはそのようにお伝えしておきます」
 マリーはそう言って、店から出て行った。
 それを見送ると、クロウはディストが居る寝室へと向かった。
 寝室に入り、何も知らず眠り続けているディストの頬を撫でると、唇に軽くキスをする。
「お前に手を出そうと考える人間はみんな居なくなったさ、安心しな」
 そう言うと、店の方へと戻っていった。


 ディストが目を覚ますと、クロウがソファーでハンバーガーのセットを食べている最中だった。
「お、起きたかハニー」
 クロウはハンバーガーやポテトを少し急いで口に入れ、食べ終えると、コーラを飲み干して全て手を拭き、包みなどをゴミ箱に捨てた。
「……依頼は何かないのか?」
「あー、ハニーが中々起きないから俺一人でやってきたよ」
 クロウの言葉にディストは時計を見る。
 いつもよりもはるかに遅い時間だった。
「……叩き起こしてくれればいいものを」
「ぐっすり寝てるのを起こす程野暮じゃないさ、まぁそれよりも」
 起きたばかりのディストをベッドに押し倒した。
「仕事頑張った俺にご褒美ちょうだい?」
「……俺をベッドに縛り付ける気か?」
「まぁ、結果的にそうなるかもだけど、そんな気はないから安心しなって」
「抱きつぶしておいてよく言う……」
「ハニーが可愛すぎるから仕方ないだろう」
「俺のどこが可愛いんだ」
 クロウの言葉に、ディストは少しばかり眉を顰める。
「ハニーは昔から可愛いんだよ」
「……お前の今までの態度見るとそういう風に見てるとは思わんぞ」
 ディストは嫌そうな雰囲気を纏ったまま言う。
「え、俺の行為どういう風にとらえてたの?」
「……最初の頃はレイプとしか思えなかったぞ……」

 ディストの言葉にクロウは詰まった。
 事実でもあるため、否定ができないのだ。
 初めて抱いた時のアレはどう見ても強姦だ。
 しかも、破壊者としての本能かなり出して強引に抱いたからそう言う行為になれてないディストにとって相当負担だったように思えた。
 ただ、それでも四肢を引き裂いて監禁するという行為だけはなんとかあの時は堪えたのである。
 今に至るまでも脅しにちょくちょく使っているが、クロウは実際やろうと思えばできるのである。
 四肢を切断して「接合」を破壊してしまえば人間の四肢喪失と同じ状態にできるのだ。
 ダンピールでも四肢を再生できるタイプがいるが、ディストはそうではないため、四肢を切断して「接合」を破壊してしまえば一人で生きていくことは困難になる。
 誰かが世話をしてやらねば飢え死にするだろう。
 きっとあの時、そんな事をしていたら、ディストは恨みを抱えながら今も生きているだろう、もしくはどうにかして自害する方法がないかも考えるだろう。
 とりあえず悪い方向に行くのだろうとは今なら予想ができた。
 そしてふと思って口に出す。
「ハニー……俺がもし、ハニーの四肢切断して一生監禁するっていったらどうする……?」
「……」
 クロウがディストを抱きながらそう言うと、ディストはぽんとクロウの頭を撫でるような仕草をした。
「……ディスト?」
「クロウ、お前疲れているのか?」
「あー……そうかもなー……」
 ディストにそう言われ、ふと思った。

 人を破壊すると、妙に疲れるのだ。

 魔族は破壊しても大して何も思わないし、疲れもしないのに、人間を破壊すると精神が妙に疲れる。
「……そうだなぁ、疲れたからなだから抱かせてくれよ……」
「休むという選択肢はないのか……」
「ハニーを抱くのが俺の休憩ー……だからくれよ」
 クロウはそう言って、ディストの唇を甘く噛み、服を脱がせ始めた。
 ディストは諦めたような、呆れたような雰囲気を纏い、服を脱がされている。
 服を脱がすと、クロウはディストの美しく引き締まった肉体に舌を這わせた。
 胸の先端を甘く噛み、唾液で指を濡らしてから、後孔にゆっくりと押し込んだ。
 日頃抱いている為か柔らかくなっているソコは、指に絡みつくように締め付けてきた。

 腹の奥がうずいた。
 指の感触に体が勝手に反応し、締め付け、もっともっとと欲しがってしまう。
 粘質的な音が耳に聞こえる頃、指の本数は三本に増え、ぐちゅぐちゅと後孔を広げる感触が伝わってきた。
 広げられると、腹がうずき、締め付けようとしてしまう。
 早く、早くナカをえぐって欲しい、と体が本人の意思とは関係なく求めている。
 それをディストは無意識に感じ取っていたが、同時に無意識に拒否していた。
 快楽に濡れて、みっともなく喘いで、相手を求めるのはどうしてもできないのだ。
 体はクロウを欲しているが、ディスト自身は欲しているとは決して言わない。
 いつも、クロウに好き勝手に抱かれる、それで終わりという風にしたいのだ。
 自分から求めるのは自分の意識がはっきりしている間はしたくない。
 それが、ディストが無意識に自分に押し付けていることだった。

 ただ、クロウはそういうところも見抜いた上で抱いていた。

 男根が押し込まれ、ディストはその熱と質量に震える。
 腸内はぎゅうぎゅうと締め付け、早く種を、快楽をよこせとせがんでいる。
 クロウにばちゅんばちゅんと突かれながら、ディストはシーツを掴み、絶頂の波に耐えていた。
 口を必死に閉ざし、偶に開けては熱っぽい吐息を吐き出した。

 快楽に翻弄されるその姿にクロウが強く欲情しているとしらずに。

 クロウはディストの柔らかく肉壁が強く締め付けてくる感覚を堪能しながら、ナカをえぐった。
 奥をガツガツと突き上げると、ディストはびくびくと体を震えさせた。
 必死に快楽に耐えながら、けれど体は絶頂を繰り返すという矛盾した状態にあるディストがクロウは愛しくて仕方なかった。
 奥で精液を吐き出すと、肉壁はぎゅうと絡みついて震えた。
 ディストの男根からはどぷりと精液が吐き出されていた。
 強い絶頂に浸っているディストの額にキスをして、クロウは深く突き上げ続けた。
「は、あ゛……!!」
 濁った声をクロウは上げてのけ反り、白い喉元をさらした。
 喉元を甘く噛み、突き上げながら、今度は唇に口づけをする。
 深い口づけに、快楽に堕とされているディストは舌を絡ませてきた。
 舌の甘さを堪能しながら、口内をなぞる。
 口の中が弱いディストはその感覚でも体を反応させた。
 本当に快楽に弱いディストを抱きながら、クロウは今日の自分の破壊者の様子を忘れようと、その体を貪るように抱いた。


 抱き終える頃には夜は更けており、もう少しすれば日も登るころだった。
 クロウの体の下には、精液や汗や唾液で汚れたディストが眠っていた。
「いつも無理させてごめんな」
 クロウはそういって眠るディストの額にキスをする。
「……まぁ、俺も少し寝るか……っとその前に」
 クロウはディストを抱きかかえてバスルームに向かい、シャワーで汚れを落とした。
 ディストの腹の中の精液をかき出せるだけかき出し、それが終わるとシャワーを止めてタオルで体を拭いて、寝室に戻った。
 寝室に戻り、ディストに服を着せてから自分も服を着る。
 そしてディストをベッドに寝かせ、その隣に自分も寝る。
「……ああいう依頼はなるべくやりたくねぇなぁ……」
 ぽつりと本心を漏らしてから、クロウは眠りについた。


 クロウが壊滅させた武装集団の件は、誘拐名簿と販売者登録名簿などが発見された結果大きな問題になり世間を騒がせることになったが、クロウは何も知らぬ顔でこの騒動を無視した――




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