絶世のハンターは魔族に狙われ、情報屋に抱かれる

琴葉悠

文字の大きさ
21 / 31
二人のダンピールのハンターとそれを巡る関係

新米ハンターは恋敵……?

しおりを挟む



 クロウは情報屋をやってる店の方で食事をしていた。
 必要もないのにだ。
 趣味の食事を取ってないとストレスがたまに出て、そのストレスでディストをあまりいじめないように自分で少し制御をかけているのだ。
 今この制御をかける原因は、ディストが気にかけているアレフィードというダンピールだ。
 ディストはダンピール同士と両親を事情は違うが亡くした者同士という事で色々と気にかけていた。
 気にかけるだけなら我慢がまだできた。
 問題はアレフィードにあった。
 アレフィード、見たところディストに恋心を抱いている、劣情を抱いている。
 それが少々我慢ができなかった。
 アレフィードはディストのことをあまり知らないが、やはり血が似ている為なのかとクロウは少し悩んだ。

 ディストは知らないがこの二人、多少ことなるがともに真祖の息子である。
 この世界には四名の真祖がいた。
 その内の二名がディストの父親とアレフィードの父親だ。
 ディストの父親は魔族からディストと妻を守ろうとし、死亡している。
 アレフィードの父親は、クロウが暴走を止める為滅ぼしたので、死亡した。
 残り二名は盟約を守り続け沈黙しているのでどこで何をしてるかは知らない、調べればわかるがクロウには面倒だった。

 先日あった、アレフィードの父親である真祖がやろうとしたヴァンパイアの人間を隷属される計画と教会のヴァンパイア狩りと魔女狩りはクロウが止めた。
 ヴァンパイアは元通り静かな生活に戻り、教会も魔族を狩るというところと今まで通り静かに信仰を広めるという状態に戻った。

「やれやれ、最近騒がしかったからなぁ……」
 ハンバーガーを食べながらクロウは呟く。
 食べ終わると客がやってきて、クロウは休む暇がないと一人呟いて、情報屋として情報提供を行った。


 夜、営業時間が終わるとハンターとしての時間が始まる。
 その頃ディストは目を覚ます。
 日中起きられて脱出されたら大騒動が起きるのが目に見えているので、念入りにディストが脱出できないようあちこちに術はかけているし、毎日ディストが意識を飛ばす程抱き続けているのでその大騒動は起きた事はない。

「……お早うハニー」
 着替えているディストにクロウは声をかけた。
「……」
 寝起きは抱かれまくって意識を飛ばさせられているという状況の為、やや不機嫌な雰囲気を出しながらディストは着替えていた。
「……今日の仕事はなんだ」
「あー……またあの坊ちゃんに付き合ってくれってさ」
「なるほど」
 ディストが頷くと、クロウは武器を倉庫から取り出し、ディストに渡した。
「後予定外が起きるかもしれないから気をつけろってさ」
「そうか」
 ディストは浄化術で編み込まれた布を二枚手にし、仕舞った。
「……じゃ、行くか」
 それを何とも言えない表情で見ていたクロウは空間に穴を開けてマリーの仲介屋に繋げた。
 マリーの仲介屋では、マリーが仕立てた新しい服に身を包み、マリーが作った新規ハンターのダンピール向けの剣を背負ったアレフィードが居た。
「いつまでも対魔族仕様じゃないのは問題だったから、合間を縫って作りました!」
「……デザイン一緒じゃねぇ?」
「本人の希望です!」
「そうか……」
 クロウはそう言うと、依頼書を見て、空間に穴を開けた。
「ディスト、坊ちゃん気を抜くなよ」
「ああ」
「……分かった」
 ディストとアレフィードが頷くと、クロウはその穴を通って目的地に移動した。

「……こんな芸当ができるなら何故最初から父の元に向かわなかった」
「ある程度座標とかがわかってないとできないんだよ、場所名指定されても、いや座標どこよ? ってなるからな。もし玉座は中心部にあるのに上層部にあると思ったらそっちに出ちまうからな? ……まぁ中心部にあったのは驚いたけどな」
「闇の城……構造が謎だったな……」
 クロウの解説に、ディストが思い出すように喋った。
「さて、敵さんが登場のようだぜ?」
 ゾンビのような魔族たちが姿を見せる。
「そういや坊ちゃんは銃は――そうか持てないんだったな」
「……」
 剣のみのアレフィードにクロウは何か言おうとしたが、情報を見たのを思い出し、言うのを止めた。
「……こいつらなら頭と体を分断した後頭をつぶすか、頭だけ潰すか……いや、剣なら真っ二つにした方がいいな」
 ディストはそう言って、魔族の群れに突っ込んだ。
 頭部と体を切断し、頭に弾丸を撃ち込んで浄化する。
「全くハニーは……しょうがないなぁ」
 クロウもそう言いながら、魔族の頭を弾丸で吹き飛ばしていた。
 アレフィードは言われた通り、魔族を真っ二つに切りながら浄化していく。

 魔族が全て浄化されると、ディストは浄化の術を展開しようとしたがその魔法陣が突如砕かれ魔樹が生えてくる。
「嫌な予感は当たるってのか!」
 クロウがそう吐き捨てるように言うと、ディストは急いでアレフィードの口と鼻を浄化術が編み込まれた布で覆い、その後、自分も口と鼻を覆った。
 魔樹の成長はすさまじく、非常に濃い瘴気を吐き出していた。
「ディスト! アレフィード連れてここから離れろ!!」
 既に瘴気にやられ、激しくせき込むアレフィードに肩を貸すと、ディストはそのままその場所から離れていった。

 魔樹から獣のような魔族が生まれ出ると、すぐさまクロウに襲い掛かってきた。
「さっさと終わらせねぇと面倒なんだよ!!」
 手を異形化させ、一体目の魔族の首を引きちぎりコアをえぐり取って握りつぶし浄化すると、異形化した両手を振りかざし、炎をもって魔族を燃やし尽くし浄化した。
 そしてそのまま魔樹の幹に手をねじりこむ。
 魔樹に亀裂が入り、そのまま一気に燃え上がり消失した。
 目を黒くし、ディスト達の様子を見ると、ディストがアレフィードを守る為、結界を張り魔族の攻撃に耐えているのが見えた。
 魔族も瘴気がなくとも生きれるタイプのものなのが分かり、クロウは急いでディストの元に向かう。

 ディストは結界をはりながら神経をとがらせ、魔族の攻撃に必死に耐える。
 瘴気でぐったりしているアレフィードが自分の腕の中にいる。
 結界が破られたらディストはアレフィードを守り切れない。
 だからこそ、必死に守る必要があった。
「ディストー!!」
 クロウが魔族を切りつけ浄化すると、残りの魔族も銃弾を撃ち込んで浄化した。
 周囲に魔族が居なくなると、ディストは息を吐き、結界を解いた。
「大丈夫か、ディスト?」
「……ああ、俺よりアレフィードだ……」
「坊ちゃんは瘴気少しすった影響で気を失ってるだけだよ、まだ慣れてないハンターだとよくある。ディストも――いや、お前は瘴気の中でも無理に動こうとしてたな」
 クロウはそう言うと、アレフィードの肺がある部分に異形の手を当てる。
「おらよ」
 手が沈み、何かを握りつぶすと、アレフィードは大きく咳き込み、そして目を覚ました。
「げほ!! っ……ま、魔族は?!」
「後から出てきたのはみんな俺が退治したぜ」
「……そうか、礼を言う」
「別に構わねぇよ、しかし少しずつ慣らしたほうがいいぜ、今後瘴気が出てるところに行く可能性があるんだからな」
「……ああ」
「まだ慣れてないんだ、お前はゆっくり慣れるといい」
 ディストはアレフィードに静かに言う。
 そこには静かな優しさがこもっていた。

 クロウは、アレフィードに優しくするディストに少しばかりイラついた。
 嫉妬しているのだ、アレフィードに。
 ダンピール同士思うところがあるのは分かるが、それでもやっぱり嫉妬するし、自分への態度と異なるディストにイラつくところがあった。
「……マリーのところに戻るぞ、んで追加報酬請求だ。魔樹が生えてきたんだからな」
「分かった」
 クロウは空間に穴を開けると、移動した。
 マリーの店に戻り、報告して追加報酬をもぎ取ると振り込むように言って、ディストと共に自宅に戻った。
 アレフィードはマリーの瘴気への抵抗力を上げるハーブティーを飲んで少しずつ瘴気対策をしていくということで別れた。
 マリーの家でマリーの手伝いをしつつ暮らしているアレフィードを気にしているのかディストの表情はどこか心ここにあらずだった。
 その態度にカチンと来て、クロウはディストを寝室に連れて行く。
 そしてベッドに押し倒す。
「ハニー、何でそんなにあの坊ちゃんの事気にしてるんだ?」
「……弟、のような感じがしてな」
 ディストの言葉にクロウは面食らう、と同時に優越感があった。
 弟という事は近しく感じているのがわかる。
 だが弟という状態と、無自覚に自分に甘え続け、体を開いているという状態では自分の方が無自覚であっても良かった。
 優越感に笑みを浮かべる。
「……何を笑っている」
「いや、何気にすんな」
 クロウはそう言ってディストの服に手をかけた。
 ディストは少し眉をひそめたが抵抗する様子は見られなかった。
 服を全て脱がし美しく引き締まった肉体を愛撫する。
 ローションを注ぎこまれ、ぐちゅぐちゅと後孔をほぐされるとディストは熱っぽい息を吐いた。
「今日はちょっと遊んでみるか?」
 穴が無数に空いた、突起がついたバイブをクロウは取り出した。
「まさかソレは……」
「以前使ったダンピール用の媚薬が出る奴のバイブ版。俺のより小さいから入るだろ?」
「本当道具はやめろ……」
「たまにはいいだろ?」
「……加減しないと口を聞かんからな……」
 ディストがそう言うと、クロウは笑って、ほぐれた後孔にバイブをゆっくりと押し込んだ。

 突起とカリが肉壁をえぐるが、異物感しか今のところディストは感じなかった。
 こういうのを入れられるたびに、薬も使ってないのにクロウに抱かれると絶頂に追い込まれ、何度も射精させられるのが理解できなかった。
「じゃあ、スイッチ入れるな」
 クロウがスイッチを入れると腸内に液体が満たされていき、バイブが動く。
 ダンピール用の媚薬だろう、即効性も高いのが分かった。
 ガチガチと歯が鳴る。
 バイブの振動と、クロウがバイブを動かすたび、カリと突起が腸内を刺激し、どろどろに蕩かすように柔らかくしていき、腸内はバイブを締め付け、それが抜き差しにより刺激されるため、絶頂を繰り返す。
「~~!!」
 声にならない声を上げて絶頂を繰り返す。
 男根は勃ち上がり、びくびくと震えていた。
 何度目かの絶頂でようやくバイブが引き抜かれた。
「んぐぅ!!」
 めくられるような刺激に、また絶頂する。
「じゃあ、そろそろ本番な」
「本番は無しじゃダメか……?」
「ダメだろ」
 ディスト熱っぽい息をして否定的な意見を言うが、体は玩具ではなく本物を欲しがっていた。

 クロウはディストのぽっかりと開いてひくつく後孔に自身の男根をゆっくりと挿れた。
 バイブによってほぐれ、柔らかくなっているが、締め付け絡みついてくるナカを堪能すると、ばちゅんばちゅんと腰を動かして突く。
 ディストはシーツを掴んで、熱っぽい呼吸を繰り返す。
 それでも必死に声を押し殺している。
 いまだに喘ぎ声をあげるのはみっともないと感じているのか、それだけは中々してくれない、だからそれに答えてやるように口づけをする。
 深く口づけて、舌を絡ませる。
 甘い口内を味わいながら、絡ませてくる舌に満足して口づけを続ける。
 腹の奥に熱を吐き出すと、ディストは体を震えさせて絶頂し、男根から白く濁った液体を吐き出した。
 まだ腸壁はぎゅうぎゅうと締め付け、熱を欲しがるように絡みついてくる。
 絡みついてくるソコを突き、刺激し、ディストを絶頂に何度も追い込み、腹の奥で吐き出す。

 ごぷりと精液が零れるころ、ようやくクロウは抱くのを止めた。
 ディストは何度も絶頂に上らされた影響で意識を飛ばしている。
 汚れを落とすために、いつものようにバスルームへと向かい、シャワーで汚れを落として、体を拭き、服を着せて寝かせる。
 自分も服を着替えて、隣で横になる。
 意識のない、ディストの頭を優しく撫でる。
「嫉妬深くて独占欲の強い男でごめんな」
 そう言ってからクロウも眠りに落ちた。



 弟のように思っているアレフィードに慕われ、愛されているのを知らず、ディストは無自覚にクロウを受け入れ、無自覚に求める。
 果たして自覚する日は訪れるのか――




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

声なき王子は素性不明の猟師に恋をする

石月煤子
BL
第一王子である腹違いの兄から命を狙われた、妾の子である庶子のロスティア。 毒薬によって声を失った彼は城から逃げ延び、雪原に倒れていたところを、猟師と狼によって助けられた。 「王冠はあんたに相応しい。王子」 貴方のそばで生きられたら。 それ以上の幸福なんて、きっと、ない。

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~

さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。 そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。 姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。 だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。 その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。 女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。 もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。 周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか? 侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?

処理中です...