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4つの宝石と3匹の竜
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「多朗!お前な、妊娠するとどんな奴でも色気が増すんだから気を付けろ!それからリアム。お前、今後はシルヴァが居ない時は多朗に近付くの厳禁!」
そう言うと、リアムをその場に残して俺の腕を掴むと歩き出した。
その顔が怒っているので
「サシャ、なんで怒ってるんだよ。サシャ!」
と叫ぶと、サシャは振り向くなり
「シルヴァ以外の奴に、簡単に抱き締められてるんじゃねぇよ!」
って怒られてしまった。
「ごめん」
しょんぼりして謝ると
「謝る相手が違うだろ!」
そう言われた後
「お前な、少しは自分の魅力を自覚しろよ。シルヴァはリアムの気持ちに気付いていたみたいだけど……」
と付け加えた。
「リアムの気持ち?」
首を傾げる俺に、サシャは深い溜め息を吐いて
「良いか、多朗。お前はこの国の一つの村を救った勇者なんだよ。そんなお前に色気が加わってみろよ!惚れるだろう?普通」
と言われて思わず
「いやいや、無い無い!だって、俺だよ?シルヴァならともかく、俺みたいなモブに……」
そう言いかけて、サシャに睨まれて口を噤む。
「実際、口説かれてただろうが!俺が間に合わなかったら、お前、押し倒されてたぞ!」
と言われて固まる。
「……まさか」
「マジだよ」
苦笑いする俺に、サシャが真顔で答えて再び深い溜め息を吐いた。
「あのさ、多朗。お前の容姿はこの世界には他に居ないんだよ。それだけでも魅力に感じる奴は感じる。そこに、お前はシルヴァへの気持ちを受け止めてから雰囲気が変わったんだ。優しい良い表情をするようになった。そんなお前を好ましく思う奴が現れてもおかしくない。それなのにだ!お前と来たら、無自覚だわ無防備だわ!」
そう言われて、頭にチョップを何発か食らった。
「とにかく、お前はもう少し自覚して警戒心を持て!」
心から心配してくれるサシャに頷き、笑顔を返す。
サシャは、俺とシルヴァにとって兄貴みたいで頼もしい大切な存在だ。
「うん、分かった」
俺の言葉に安心したように笑い
「さぁ、じゃあ最後の儀式に取り掛かるとするか」
そう言って、エメラルドの石を手渡した。
俺の腹の中の子供に宿っている風の神、マシューに声を掛ける。
『マシュー、聞こえる?』
目を閉じて、深い意識に声を掛け続ける。
するとゆっくりと緑色の光が近付いて来る。
『マシュー、きみに新し依代を与えたいんだ』
俺の声に、緑の光が竜の形になる。
『このエメラルドの球体を依代にすれば、きみは自由に竜の姿で飛び回れる』
俺の声に、まだ子供の姿の竜が嬉しそうに
『本当に?』
と答えた。
『あぁ。エイダンの守る湖の底に本体の依代を沈める。あの湖の底は、人間では潜れない。依代本体が湖にあれば、きみの姿は幻影みたいなものだ。自由に動き回れるよ』
そう言うと、マシューは嬉しそうに俺の身体の周りをクルクルと渦巻いた。
『だから、この中に入ってくれないか』
俺の差し出したエメラルドの宝石の球体を見ると
『わぁ!綺麗な宝石だね』
嬉しそうに微笑むと
『ありがとう、ママ』
そう言うと
「でも、まだマテオを救い出していない。マテオと一緒に、僕は僕の宝石の中に移るよ』
と言って微笑んだ。
『だって、ママの身体に僕が居ないと、エイダンとディランのエネルギーだけになっちゃうだろう?まだ僕の依代になる筈の器は、ママを守るだけの器になっていないからね。』
そう言って、俺のお腹の中へと入って行く。
『それに、折角二人が作ってくれたマテオの器の場所に、僕がマテオを案内しないと。マテオは怖がりで泣き虫なんだ。魔石に怯えてママの声に応えないかもしれないしね』
得意気に言ってマシューは俺のお腹の中へと完全に消えて行った。
そう言うと、リアムをその場に残して俺の腕を掴むと歩き出した。
その顔が怒っているので
「サシャ、なんで怒ってるんだよ。サシャ!」
と叫ぶと、サシャは振り向くなり
「シルヴァ以外の奴に、簡単に抱き締められてるんじゃねぇよ!」
って怒られてしまった。
「ごめん」
しょんぼりして謝ると
「謝る相手が違うだろ!」
そう言われた後
「お前な、少しは自分の魅力を自覚しろよ。シルヴァはリアムの気持ちに気付いていたみたいだけど……」
と付け加えた。
「リアムの気持ち?」
首を傾げる俺に、サシャは深い溜め息を吐いて
「良いか、多朗。お前はこの国の一つの村を救った勇者なんだよ。そんなお前に色気が加わってみろよ!惚れるだろう?普通」
と言われて思わず
「いやいや、無い無い!だって、俺だよ?シルヴァならともかく、俺みたいなモブに……」
そう言いかけて、サシャに睨まれて口を噤む。
「実際、口説かれてただろうが!俺が間に合わなかったら、お前、押し倒されてたぞ!」
と言われて固まる。
「……まさか」
「マジだよ」
苦笑いする俺に、サシャが真顔で答えて再び深い溜め息を吐いた。
「あのさ、多朗。お前の容姿はこの世界には他に居ないんだよ。それだけでも魅力に感じる奴は感じる。そこに、お前はシルヴァへの気持ちを受け止めてから雰囲気が変わったんだ。優しい良い表情をするようになった。そんなお前を好ましく思う奴が現れてもおかしくない。それなのにだ!お前と来たら、無自覚だわ無防備だわ!」
そう言われて、頭にチョップを何発か食らった。
「とにかく、お前はもう少し自覚して警戒心を持て!」
心から心配してくれるサシャに頷き、笑顔を返す。
サシャは、俺とシルヴァにとって兄貴みたいで頼もしい大切な存在だ。
「うん、分かった」
俺の言葉に安心したように笑い
「さぁ、じゃあ最後の儀式に取り掛かるとするか」
そう言って、エメラルドの石を手渡した。
俺の腹の中の子供に宿っている風の神、マシューに声を掛ける。
『マシュー、聞こえる?』
目を閉じて、深い意識に声を掛け続ける。
するとゆっくりと緑色の光が近付いて来る。
『マシュー、きみに新し依代を与えたいんだ』
俺の声に、緑の光が竜の形になる。
『このエメラルドの球体を依代にすれば、きみは自由に竜の姿で飛び回れる』
俺の声に、まだ子供の姿の竜が嬉しそうに
『本当に?』
と答えた。
『あぁ。エイダンの守る湖の底に本体の依代を沈める。あの湖の底は、人間では潜れない。依代本体が湖にあれば、きみの姿は幻影みたいなものだ。自由に動き回れるよ』
そう言うと、マシューは嬉しそうに俺の身体の周りをクルクルと渦巻いた。
『だから、この中に入ってくれないか』
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『わぁ!綺麗な宝石だね』
嬉しそうに微笑むと
『ありがとう、ママ』
そう言うと
「でも、まだマテオを救い出していない。マテオと一緒に、僕は僕の宝石の中に移るよ』
と言って微笑んだ。
『だって、ママの身体に僕が居ないと、エイダンとディランのエネルギーだけになっちゃうだろう?まだ僕の依代になる筈の器は、ママを守るだけの器になっていないからね。』
そう言って、俺のお腹の中へと入って行く。
『それに、折角二人が作ってくれたマテオの器の場所に、僕がマテオを案内しないと。マテオは怖がりで泣き虫なんだ。魔石に怯えてママの声に応えないかもしれないしね』
得意気に言ってマシューは俺のお腹の中へと完全に消えて行った。
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