珈琲のお代わりはいかがですか?

古紫汐桜

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最終話

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あれからというもの、毎月、ハルさんのお店にコーヒー豆を届けに行くようになった。
その日はホテルに宿泊して、夜遅くまでハルさんの家で友也君と健人君を交えて宴会するようになった。
毎回、ハルさんは「うちに泊まれば良いのに……」と言ってはくれるが、酔ったハルさんの破壊力は見ていられず……。
「蓮……」
って毎回、酔って甘えるハルさんに鼻の下を伸ばす蓮君を見る楽しさもあったりはするんだけど。
どうやらハルさん、蓮君から俺達以外の人の前でお酒を飲むのは禁止されているらしい。
(うん、まぁ……分かるけど)
あ!そうそう。
あのコーヒーの名前はどうしたかって?
もちろん、投票の結果、『ハルちゃんのコーヒー』に決定した。
友也の予想通り、蔦田さんは毎回、『ハルちゃんのコーヒー』を愛飲しているらしい。
そしてもう一つ。
創さんと蔦田さんの関係も、少しずつだけど改善されていっているようだった。
何年も凍てついた関係が改善されるのは、春の日差しでゆっくりと溶けて行く雪解け水のようなんだろうと思って見守っている。
俺は週末に創さんとハルさんの店に訪れ、創さんが仕事をしている間、ハルさんのお店を手伝っている。
ハルさんは良いって言うんだけど、長居するからには手伝わないと。
もちろん、厨房担当。
俺が居る日だけは、ハルさんと蓮君でホールを回るので、お客様もその日を狙って来る人が居るらしい。
こじんまりとしたお店だけど、なんだかんだとお客様はひっきりなしにやって来る。
そんなある日、蓮君が健人君に頼まれて健人君のお店を手伝う事になり、友也が手伝いにやって来た。
すると創さんから、急患で少し戻りが遅くなるとの連絡が入る。
珍しく3人だけになり、閉店後に先に食事を始めていた。
すると突然
「ねぇねぇ、前から気になってたんだけどさ。熊さんってさ~、創先生に抱かれてるの?抱いてるの?」
って、いきなり聞いてきた。
思わず飲んでいたお茶を吹き出しそうになり、ゲホゲホと咳き込む。
「ゆ……友也君!」
慌ててタオルを手渡しながら、何故かハルさんが真っ赤になっている。
「え~!だって、気にならない?」
そう呟く友也に、ハルさんが
「なりません!」
って叫んだ。
「まぁさ、だいたいの予想はつくんだけどね」
そう言うと、ニヤニヤしながら友也が俺を見て
「キスマーク、いつも着けてるの熊さんじゃん?」
って言い出した。
「はぁ?キ……キス……キスマーク!」
慌ててオロオロする俺に、友也が人差し指で俺を呼ぶので、思わず友也のそばに行く。
すると突然Tシャツを捲ると
「うわっ!えげつな!」
って叫んだ。
「え!何?何処?何処?」
クルクル回って叫ぶ俺に、ハルさんは友也が捲ったTシャツを下ろして
「こら!揶揄わない!」
って言うと、友也の頭を軽く拳骨した。
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