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最終話

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「大丈夫だよ、はじめ君」
苦笑いするハルさんに、俺がホッとして椅子に座ると
「ちょっとしか無かったから」
って続いた。
「はぁ!」
その言葉に驚く俺に、友也が
「熊さん、ハルちゃんを見てみなよ!大丈夫。そんなキスマークの一つや二つ」
って笑う。思わずハルさんの顔を見ると、ハルさんは真っ赤な顔をして
「今は……見える所には付けてない…はず」
と答えた。
「え?見えない所にあるの?見たい、見たい!」
友也が何故か楽しそうにハルさんのシャツを捲ろうとして、逃げるハルさんを追い掛けている。
(友也よ、何故にそんなに人のキスマークが見たいんだ?)
呆れて見ている俺に、友也がハルさんのシャツの裾を捕まえて一気に上に上げたのだ。
すると、ハルさんの白い肌に無数の痕があり、生々しい。
「止めなさい!」
そう叫んで、ハルさんが思い切り友也に拳骨すると
「相変わらずだねぁ~。蓮ってさ、すんごい絶倫なんだよ」
と、さも知っているように友也が言うと
「友也君、知らないでしょう!」
ってハルさんが叫んだ。
「え?知ってるよ。だって蓮、この間24時間耐久セ……」
と言い掛けた友也の口を、ハルさんが塞いだ。
俺はその言葉を聞いて、思わずホッとして
「あ……そうなんですね。良かった。創さんが絶倫すぎるんだと思ってました」
って微笑むと、友也とハルさんの動きが止まった。
「え?」
と、2人が同時に声を発した。
「創さん、毎晩明け方まで激しくて……。お医者さんだから、体力あるとは思うんだけど。異常なんだと思ってました」
「えへへ」って笑いながら呟くと
「毎晩?」
「明け方?」
と、友也とハルさんが呟いた。
「俺、健人で良かった……」
友也は何故かホッとした顔でそう呟き、ハルさんは俺の手を握り、「うんうん」って何度も頷いている。
なんだか良くわからないけど、創さんが異常なんじゃないって分かってホッとした。
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