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最終話

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「暑い~!!!」
浴室から出た俺達の第一声。
腰にバスタオルだけ巻いた姿でベッドに飛び乗り、横になると2人で叫んだ。
「あれだな。風呂場でヤル時は、ぬるま湯だな」
真顔で言う創さんに、思わず苦笑いを返す。
すると、ゆっくりと創さんは身体を起こし、冷蔵庫から冷たい水を持ってきた。
創さんからお水を受け取り、ペットボトルの蓋を開けて水を飲む。
一気に冷たい水を飲み干すと、創さんは小さく笑って
「周りの目を気にしなくて良いっていうのは、やっぱり良いもんだよな」
そう呟いた。
俺が創さんの言葉に吹き出して
「え?今まで、気にしてたんですか?」
って言うと、創さんは呆れた顔をして
「当たり前だろう!子供達が寝る時間まで、いつも我慢してるんだから!」
そう言って俺を抱き締めた。
抱き合うと、お互いからほのかにコーヒーの香りがする。
「まだ、コーヒーの香りが残ってますね」
そう呟いた俺に
「俺はいつも、はじめの身体からこの香りを感じてるけどな……」
と言って、俺の唇にキスを落とした。
そして
「はじめ、まさかあれで終わりだと思ってないよね?」
って、にっこり微笑んで俺の身体をベッドに押し倒す。
「え?俺、もう……」
言いかけた唇を塞がれて
「もう……なに?」
って、綺麗な笑顔を浮かべられてしまい、ドキドキしてしまう。
すると創さんは小さく笑い、タオルの上から復活の兆しを見せ始めたはじめちゃんに触れると
「はじめは、本当にこの顔が好きだよね」
そう言って、タオルの上から撫でている。
「え……いや、あの……」
慌てる俺のタオルを剥ぎ取ると
「はじめ、夜はまだ始まったばかりだよ」
そう言って創さんが微笑んだ。
どうやら今夜、寝かせてもらえそうにもないらしい。
俺は覚悟を決めて、創さんの首に腕を回した。
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