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知られた秘密
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「……だ、嫌だ!!」
首を振って叫ぶと
「どうして?お前、高杉の本当の家族になれるんだよ。俺のモノになったら、秀兄さんにも触らせないよ」
言葉が通じない相手というのは居るもので…
、まさにその相手が目の前にいるという恐怖に怯えた。
「そもそもさ、秀兄は奥さんで我慢しなよ!今、妊娠中だからって、創に手を出さなくても良くない?」
「お前は黙ってろ!」
2人は会話しながらも、僕のシャツを乱暴に履いて行く。
(助けて!)
必死に抵抗する僕の両腕を秀一兄さんがひとまとめにして、口を塞いでいる。
暴れる両足を勝兄さんが押さえ込んだ時だった。階段を駆け上る音が響き
「お前等!創さんから離れろ!」
って叫ぶはじめが現れた。
驚いた顔をして固まっている2人に、はじめが殴り掛かろうとしたのが目に入る。
「手を出したらダメだ!」
慌てて叫んだ僕の言葉に、はじめの動きが止まる。
その瞬間、兄さん達は僕を離し
「さすが阿婆擦れの子供だな!もう、男が居るのかよ!」
と吐き捨てるように呟いた。
そして興が冷めたという顔をすると、2人は僕から離れ、部屋から出て行こうと歩き出す。
しかし秀一兄さんは、はじめと擦れ違い座間に
「創は具合が良いだろう?俺達が小さな頃から開発してやったんだ。感謝しろよ!」
そう言って高笑いしたんだ。
カッとした顔をするはじめに
「構うな!……全部、事実だ」
そう叫び、強引に破かれてはだけたシャツの前を押さえ、身体を起こす。
こいつらにはじめを関わらせたく無かった。
「今日は邪魔が入ったけど、又な創」
「可愛い弟の面倒を、又見に来て上げるからね」
兄さん達はそう言い残し、階段を下りて行った。
2人の足音が完全に消えると
「何で黙ってるんですか!」
って、はじめが激高した顔で叫ぶ。
でも僕は、もう充分だった。
あんな別れ方したのに、助けに来てくれた。
それだけでもう、何も要らないと思った。
「言っただろう?事実だからだよ」
1人でも生きて行けるように、僕は膝を抱えて震える身体を必死に止めようとしていると、はじめが僕に近付こうと1歩踏み出した。
怖かった……。
又、優しくされて、その手を払われたら一人で生きて行ける気がしなかった。
だから、優しくなんてして欲しくなかったんだ。
でも、はじめは何を思ったのか
「怯えなくて大丈夫ですよ。忘れたんですか?俺はあなたに抱かれたいんですから」
そう言って、僕の身体に毛布を巻き付けると
ゆっくりと抱き締めた。
余程急いで来たんだろう。
汗の匂いと、いつもはじめから香る「お日様の匂い」がした。
首を振って叫ぶと
「どうして?お前、高杉の本当の家族になれるんだよ。俺のモノになったら、秀兄さんにも触らせないよ」
言葉が通じない相手というのは居るもので…
、まさにその相手が目の前にいるという恐怖に怯えた。
「そもそもさ、秀兄は奥さんで我慢しなよ!今、妊娠中だからって、創に手を出さなくても良くない?」
「お前は黙ってろ!」
2人は会話しながらも、僕のシャツを乱暴に履いて行く。
(助けて!)
必死に抵抗する僕の両腕を秀一兄さんがひとまとめにして、口を塞いでいる。
暴れる両足を勝兄さんが押さえ込んだ時だった。階段を駆け上る音が響き
「お前等!創さんから離れろ!」
って叫ぶはじめが現れた。
驚いた顔をして固まっている2人に、はじめが殴り掛かろうとしたのが目に入る。
「手を出したらダメだ!」
慌てて叫んだ僕の言葉に、はじめの動きが止まる。
その瞬間、兄さん達は僕を離し
「さすが阿婆擦れの子供だな!もう、男が居るのかよ!」
と吐き捨てるように呟いた。
そして興が冷めたという顔をすると、2人は僕から離れ、部屋から出て行こうと歩き出す。
しかし秀一兄さんは、はじめと擦れ違い座間に
「創は具合が良いだろう?俺達が小さな頃から開発してやったんだ。感謝しろよ!」
そう言って高笑いしたんだ。
カッとした顔をするはじめに
「構うな!……全部、事実だ」
そう叫び、強引に破かれてはだけたシャツの前を押さえ、身体を起こす。
こいつらにはじめを関わらせたく無かった。
「今日は邪魔が入ったけど、又な創」
「可愛い弟の面倒を、又見に来て上げるからね」
兄さん達はそう言い残し、階段を下りて行った。
2人の足音が完全に消えると
「何で黙ってるんですか!」
って、はじめが激高した顔で叫ぶ。
でも僕は、もう充分だった。
あんな別れ方したのに、助けに来てくれた。
それだけでもう、何も要らないと思った。
「言っただろう?事実だからだよ」
1人でも生きて行けるように、僕は膝を抱えて震える身体を必死に止めようとしていると、はじめが僕に近付こうと1歩踏み出した。
怖かった……。
又、優しくされて、その手を払われたら一人で生きて行ける気がしなかった。
だから、優しくなんてして欲しくなかったんだ。
でも、はじめは何を思ったのか
「怯えなくて大丈夫ですよ。忘れたんですか?俺はあなたに抱かれたいんですから」
そう言って、僕の身体に毛布を巻き付けると
ゆっくりと抱き締めた。
余程急いで来たんだろう。
汗の匂いと、いつもはじめから香る「お日様の匂い」がした。
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