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2章 青春の秘め事
5dbs-黒い海に沈める
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廃墟から20キロ離れた場所にある海。自転車でそこまでいかなければならない。
辺りはもう真っ暗になっていた。懐中電灯を持って、砂浜に足をつける。寒さを纏う海の風は、容赦なく小見川達に吹きつける。周りには人1人見当たらない。計画通りだった。
砂浜を少し歩くと、前方にいくつもの消波ブロックが見えた。砂浜から海へ伸びた連なる消波ブロックに足をかける。小見川達は次々と消波ブロックを上っていく。
消波ブロックの上を四つん這いになりながら海の方向へ進む。先頭を行く小見川は消波ブロックの隙間を懐中電灯で照らしながら目を凝らす。
「この辺だ!」
小見川はみんなに知らせる。そこは少し海に浸かった浅瀬だった。波と風の音が小見川達の耳の側を通り過ぎていく。
小見川の後ろにいた根元はリュックから黒い袋を取り出し、小見川に渡した。
冴島が小見川の前まで進むと、小見川と顔を突き合わせる。小見川は消波ブロックの隙間の1つに指を差す。
冴島は小見川から懐中電灯を受け取り、2つの懐中電灯で指定された隙間を照らす。小見川は骨の入った黒い袋を消波ブロックの隙間に押し込んでいく。黒い袋はまだ地面まで届いていない。
「細い木の枝を」
小見川がそう言うと、鹿倉が根元を中継して海で拾った木の枝を小見川に渡した。小見川は木の枝を消波ブロックの隙間に入れて、消波ブロックにつっかえている黒い袋を地面へ落とそうとする。黒い袋が木の枝に押されて、黒い隙間に消えた。水の中に落ちる音がかすかに聞こえた。
小見川は後ろを向き、「完了した」と告げる。その瞬間、4人の口に笑みが零れた。
小見川達は消波ブロックから下り、暗い海から離れていく。
「なあ、あんなんで大丈夫なのかよ?」
熊田は心配そうに小見川に聞く。
「消波ブロックは噛み合わせて置くだけの代物。あそこを崩そうなんて工事は滅多に行われないし、袋の中から臭いが少し漏れたとしても、カラスや犬が取れるような隙間はない。一度組み上げられた消波ブロックを崩そうなんて、あそこに死体があるという確証がない限り、絶対に行われない」
「本当かよ~」
「今に分かるさ」
小見川は自信ありげに断言した。
辺りはもう真っ暗になっていた。懐中電灯を持って、砂浜に足をつける。寒さを纏う海の風は、容赦なく小見川達に吹きつける。周りには人1人見当たらない。計画通りだった。
砂浜を少し歩くと、前方にいくつもの消波ブロックが見えた。砂浜から海へ伸びた連なる消波ブロックに足をかける。小見川達は次々と消波ブロックを上っていく。
消波ブロックの上を四つん這いになりながら海の方向へ進む。先頭を行く小見川は消波ブロックの隙間を懐中電灯で照らしながら目を凝らす。
「この辺だ!」
小見川はみんなに知らせる。そこは少し海に浸かった浅瀬だった。波と風の音が小見川達の耳の側を通り過ぎていく。
小見川の後ろにいた根元はリュックから黒い袋を取り出し、小見川に渡した。
冴島が小見川の前まで進むと、小見川と顔を突き合わせる。小見川は消波ブロックの隙間の1つに指を差す。
冴島は小見川から懐中電灯を受け取り、2つの懐中電灯で指定された隙間を照らす。小見川は骨の入った黒い袋を消波ブロックの隙間に押し込んでいく。黒い袋はまだ地面まで届いていない。
「細い木の枝を」
小見川がそう言うと、鹿倉が根元を中継して海で拾った木の枝を小見川に渡した。小見川は木の枝を消波ブロックの隙間に入れて、消波ブロックにつっかえている黒い袋を地面へ落とそうとする。黒い袋が木の枝に押されて、黒い隙間に消えた。水の中に落ちる音がかすかに聞こえた。
小見川は後ろを向き、「完了した」と告げる。その瞬間、4人の口に笑みが零れた。
小見川達は消波ブロックから下り、暗い海から離れていく。
「なあ、あんなんで大丈夫なのかよ?」
熊田は心配そうに小見川に聞く。
「消波ブロックは噛み合わせて置くだけの代物。あそこを崩そうなんて工事は滅多に行われないし、袋の中から臭いが少し漏れたとしても、カラスや犬が取れるような隙間はない。一度組み上げられた消波ブロックを崩そうなんて、あそこに死体があるという確証がない限り、絶対に行われない」
「本当かよ~」
「今に分かるさ」
小見川は自信ありげに断言した。
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