踊り雀

國灯闇一

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 ケンゴロウと別れた位置を把握した雀たちは志願者を集い、捜索に出ることになりました。
 ハクは震えながらも志願者として名乗り出ました。ハクはイザラメと一緒の班になりました。イザラメは「大丈夫」と微笑み、羽で小突きました。たった一言、信頼できる友達にそう声をかけてもらえただけで、不思議と怖さはやわらいでいきました。
 集まった志願者はお互いに段取りを確認し、それぞれ任された範囲に向かいました。

 ケンゴロウは他の二羽の雀と食料を取りに出かけていました。畑を見つけ、そこで食料を確保している時でした。
 ケンゴロウの叫び声が聞こえ、同行していた雀が見ると、鷹の群れに襲われていました。かなり遠くで襲われていることに、同行者である雀たちは驚きました。単独行動はしないという決まりを破っていたのです。同行していた雀たちも、ケンゴロウが離れて行動していたことに気づけなかったと漏らし、何度も謝っていました。
 ケンゴロウはパニックになっていたらしく、どんどん畑から遠ざかってしまい、追いつけなかったそうなのです。それでも追いすがり、姿を晒して鷹を引き寄せましたが、一羽の鷹にあしらわれ、やむなく巣に帰る決断をしたのです。
 数羽の鷹に襲われる。それを想像しただけで、ハクは身震いしました。ケンゴロウを捜すのが目的ではありましたが、自然と鷹がいないか警戒していました。
 ケンゴロウが逃げた方角をしらみつぶしに捜していく雀たち。木々の葉の中や草むら。ごみ袋が積まれるところや車の下。公園の遊具の中も隅々まで捜しましたが、見つけられません。時間だけが刻々と過ぎていきました。

 捜索班は一度集まりました。どこを捜したか確認し合い、これからの捜索について話し合っているようでした。その輪の外側で休みながら話し合いを見守るハクは、心苦しい思いに駆られていました。
 ケンゴロウはきっと不安でいっぱいになっているに違いないと。経験したからこそわかる、あの時の絶え間なく積もりゆく不安は、このまま野垂れ、死んでいくのだろうかとさえ考えてしまいそうになるのです。
 地に水玉模様が描かれ始めると、そこら中でハタハタと音が鳴り出しました。すると、話し合いの輪が解け、待機していた雀たちに向かってくる今回の捜索隊のリーダーである大人雀が口火を切りました。
「みんなご苦労。ケンゴロウの捜索だが、あと一時間。これで見つからなければ、救助を断念する」

 冷たい静寂が空気を駆けめぐっていきました。
「先ほどと同じく、連絡地はここ、白い小さな屋根の上。二羽の雀を常駐させる。一時間たっても戻ってこない場合は置いていく。そのつもりで。では、幸運を!」
 竹を割ったような勇ましい声が締めると、雀たちはそれぞれ班のリーダーの下に向かいました。
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