二面性(リバーシブル)女との恋愛は期間限定

國灯闇一

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Lesson4 重なる二人の想い出

STEP⑳ ケリをつける

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 俺は疲れ果てていた。館花さんの花冠作りの疲れが今頃になって響いていた。
 歳かな……。
 うん、歳だろうな……。
 俺は順調におっさん化している自分に幻滅しながら車の中から機材を運びだし、事務所専用ガレージに片づけていた。
 今日は倉井さんの写真撮影に同行。もちろん俺は機材運びだ。倉井さんは身軽なはずなのだが、俺と同じように上体を曲げて階段を上っている。
 今回の依頼は風爬山かざはやまという場所での撮影だった。その山の頂上の景色で使える写真を数枚撮ってくるのが今回の目的だ。これが予想以上に大変だった。風爬山かざはやまは事務所から車で片道三時間かかる場所で、しかも、五合目までしか車で登れないという事実を現地に着いてから知ったのだ。
 恐らく、社長は倉井さんが登りたくないと駄々をこねるからあえて言わなかったんだろう。しかし、なんで俺にまで隠すのかよく分からない。まあ、案の定倉井さんは登りたくないと言いだしたんだが……。

 俺は車の中に籠城しやがった倉井さんを説得し続けたが、二十分間まったく動かなかった。俺が一人で登って写真を撮ってくるという方法もあったが、今回の依頼は倉井さんがpaletteにいることを知った依頼者が指名してきた案件だ。俺が撮った写真を使うのは、相手方との信頼関係を壊しかねない。
 俺は仕方なく社長に連絡。事情を説明したら倉井さんに代わってくれ、と言ったので倉井さんにスマートフォンを渡した。倉井さんは登りたくないと言ったっきり相槌を打つだけになった。そしてだんだん相槌が消え、顔が引きつっていった。
 倉井さんは耳からスマートフォンを離し、無言で車の窓から俺にスマートフォンを返した。すると倉井さんはあっさり車から降りてしまった。「さっ、青野君! パパッと行こうか!」と妙なテンションで逆に俺を山に登ろうと促し始めたのだ。

 俺は山を登っている道中で、何を言われたのか倉井さんに訊いてみたが、はぐらかされてしまった。相当言いたくないようだ。何か変な脅しをされたのかもしれない。
 前にもこんな感じのことがあった。複数の写真を使う依頼だった時だ。その写真は様々な機材が必要で、機材をいつもより多めに運ばなければならなかった。そうなると俺を同行させるにしても、倉井さんも機材を持たなければ全て持ち運べないので、必然的に倉井さんも機材を運ばなければならない。それが分かった倉井さんは頑なに拒否した。しかし、翌日になって倉井さんは率先して依頼を引き受けたのだ。どうやら倉井さんは社長の一計によって、デートのダブルブッキングに遭い、大変な後処理に追われたらしいというのを満志さんから聞いた。
 この経験則から女性がらみであることは間違いないだろう、と俺は勝手に察した。あくまでも噂だから確証はないけど、とにかく変なわがままを言えば、あんなことになる可能性もあるのだ。まったく恐ろしい女子高生だ。

 俺は事務所のドアを開ける。
「戻ってきましたか」
 噂のDJKデンジャラス女子高生社長がすでに事務所にいた。社長は窓際の黒いテーブルの近くの椅子に座って、倉井さんと一緒に紅茶を飲んでいた。今日は学校が早く終わったのだろう。
「戻りましたー」
「お疲れみたいですね」
「はははっ……」
 俺は乾いた笑みを浮かべながら、機材の入ったリュックを自分のデスクの近くに置く。
「そんなお疲れの所ですけど」
 社長はティーカップを黒いテーブルに置いて、俺に近づいてくる。
「青野さんにお客さんですよ」
「お客さん? 俺にですか?」
 俺は疑念を含めて問う。
「はい」
「仕事の依頼なら社長の方がいいんじゃ……」
 特に有名でもない俺個人に来ることはまずない。もしかして、俺の手がけた仕事が一部の人に評価され始めた、とか?
 俺はニヤニヤしそうになる。
「いえ仕事じゃなく、青野さん個人に用があるお客さんです」
「は? どういうことですか?」
「さあ? 個人的なお話に立ち入ってくのも失礼ですので、内容については知りません。それに、くまでもないくらいの出で立ちでしたので」
 社長は肩をすくめておどけている。ちょっとだけ楽しそうだ。
「青野君もやるようになったねぇー」
 倉井さんが紅茶をすすって嬉しそうに言う。
「え? 倉井さんはなんの話か知ってるんですか?」
「いや、知らないけど……訪ねてきた人の恰好かっこうがアレだったら、大体想像ついちゃうかなぁ」
 アレって何!?
 俺は気になる発言をする倉井さんにきたかったが、これ以上お客さんを待たせるわけにもいかない。
「青野君も意外と悪だよねー」
 法堂さんまでもが悪戯っ子のように笑っている。
 何か隠されてる!?
 不吉な予感がしてきた。
「鹿賀里さん、お客さんってどんな……あれ?」
 もやもやしてくる気持ちに耐え切れず、俺は鹿賀里さんにいたのだが……。
 じー……。
 じー……。
 なんか、すごい睨まれてる。しかも小坂まで。
「あのー……鹿賀里さん? 小坂? どうしたの?」
「最低」
「不潔」
 それぞれ一言だけ言って事務所を出てしまった。財布を持っていたことから推察するに休憩だろう。
 二人の軽蔑した表情でいよいよ分からなくなってしまった。行きたくないけど、行かなきゃもっと酷くなりそうだし……。

 俺は身に覚えのない不安を抱えたまま応接室へと向かう。ドアを開け、錘が入った足を携えて廊下をゆっくり進む。区切られたパーテーションはガラスではないので見えないが、どうにかして雰囲気を探ろうとする。だが会話もなければ人が動くような気配もない。一人なのか?
 俺は意を決してパーテーションで区切られた応接室へと顔を出した。
「すみません。お待たせしました」
 俺は愛想よく振る舞いながら定番の言葉で場を整えるも、疲れたような笑みにどうしてもなってしまう。それを隠すように少しうつむき加減で後頭部に手をやっていた。
「仕事で外に……」
 俺は驚きのあまり言葉を続けられなくなった。事務的な応接室の中で待っていた女性は、極端に淡い黄緑色を纏ったシースルースカートが印象的なウエディングドレスを着ていた。青いサファイアをあしらっているネックレス。水晶を加工した棘のあるイヤリング。そして、激しく見覚えのある白い紫陽花の花冠。花冠は淡い黄緑色のベールを纏い、ベールアップされたベールは後ろへ垂れ下がっていた。
 俺は女性の顔に視線を外せなかった。ここにいるはずのない女性が、森の精霊のようなウエディングドレス姿でそこにいて、その顔が見知った顔なら視線を外せるわけがない。
「久しぶり。……青野君」
 彼女は柔らかく笑って、俺の名を呼んだ。
「館花……さん……?」
 俺は微動だにできない。なんで彼女がここにいて、なんでこんな恰好しているのか、なんの用があるのか、突っ込み所満載だったのだ。しかし、そんなことなどどうでもよくなるくらい、館花さんのスレンダーな体つきがくっきり出ているウエディングドレス姿は綺麗で魅せられてしまっていた。

「あ、あんまりジロジロ見ないでよ……」
 館花さんは自分の両肩を抱くようにして、露出した肌を隠す。
「あっ!? ご、ごめん!」
 俺は我に返ってとっさに謝る。
「……座ったら?」
「あ、ああ、うん……」
 客人をもてなす側が客に席に着くよう促されちゃってるや。
 俺は手前のソファに座る。
「それで、どうしたの?」
 館花さんは白いロングレースの手袋を着けた両手の指先で、互いの指を愛撫する。館花さんは応接室の隅に視線を向けて、困惑の表情を浮かべるだけ。俺もこのまま待つか、別の質問に切り替えるか悩む。とりあえず、探ってみるか……。
「館花さん、今日結婚式じゃなかったっけ? もう終わって帰り?」
「えっと、その……」
 館花さんは何か言おうとするがまた黙ってしまう。いつもと様子が違う館花さんに、俺はどう接するのが正解なのか分からなくなってきた。
「ありがとう」
「え?」
 不意のお礼に対して聞き返す。
「……花冠」
「ああ、いいよ。結婚式行けなかったし、せめてものお祝いの印だよ」
 館花さんの目が俺を見据えてきた。その目はかすかに不安そうで、苦しみに耐えているような表情へと変わっていた。
「青野君が結婚式に来れなくて、良かったかもしれない」
 耳を疑った。さっきはお礼を言ったのに、数秒後には来なくて良かったなどと言ってくる。こんなにも言っていることに脈絡がない館花さんは見たことがない。
「青野君が結婚式場にいて、私を見守っていたら、きっと私は、流れに任せていたと思う。これで良かったんだって……」
 館花さんは苦しそうな表情から儚げな微笑へと変化させる。それが無理しているというのはよく分かった。
「もっと早く気づいてたら、こんなことにはならなかったと思う」
 館花さんは自嘲して笑う。

「えーっと……なんの話?」
 戸惑う俺をクスクスと笑う館花さん。俺は表情がコロコロ変わる館花さんに呆然としてしまう。からかわれてるのか?
「青野君の言う通り、結婚式は今日だった。でも、中止になったわ」
「ええ、中止!? なんで!?」
「中止になったっていうのは違うか。中止にさせたって言う方が正しいわね」
「何があったの!?」
 館花さんは俺を見据えたまま、うっすら笑みを浮かべる。
「青野君のせい」
「俺の、せい?」
 館花さんの口調はもう許しているのに責めているような言い草だ。
「青野君が結婚式場にいたら、中止にならなかった」
「いやでも、俺が見守ってなくても、式は順調に進むんじゃ……。まさか、花冠のせい!? 俺、ちゃんと痛くない様に設計したんだけど、やっぱり痛かった!?」
 俺は慌てて理由をこうとする。

「違うわよ。……そっか、やっぱりね」
 館花さんはなぜか少し残念そうに笑う。館花さんは拳を作り、親指と人差し指の面を口に当てて咳払いする。その手を膝に置いて、深呼吸をした後、館花さんは凛とした引き締めた表情になり、話し始めた。
「私が言ったこと覚えてる? 私に対する周りのイメージに嫌気が差してたって」
「う、うん。自分は宮本さんの代用品で、自分を本当の意味で見てくれていた人はいなかった、だっけ?」
 俺は困惑しつつ記憶を辿り、魔法詠唱するように答える。
「そう。でも、私も悪いのよ。気持ちを押し殺して、相手の思ってくれる自分を演じてた。好きな人に愛されるなら、私は好きな人に従おうとした。そうすれば、幸せになれると思ってたから」
「……」
「自分の気持ちから目を背けた挙句、我慢しすぎて後で思いっきりぶちまける。要らないことまで相手に言って、怒らせて別れる。今もその辺は全然成長してないなーって、あんたと恋人やってて思ったわ」
 館花さんはソファの背にもたれる。
「でも、それが私なんだって思った。自分でも嫌になる時あるけど、案外、この方が落ち着くのよ。成長していくのは大事だと思う。おしとやかで健気で包容力があるし、気遣いができる。その方がすごく大人って感じでしょ? でも、それは私じゃなくて、私が思う大人の女性。憧れであって、私じゃない」
 館花さんは自分の組んだ手を見た。

「都合が良すぎるって分かってる。横暴でわがままで、素直じゃない私とずっと一緒にいてくれる人なんて、いないことくらい」
 館花さんの手が動き、自分の手を包むように重ねる。
「でも、本当の自分を見てくれる人がいて、その人を好きになったら……私は、素直になってちゃんと伝えたい……」
 館花さんは顔を上げる。
 真っすぐ見据えた瞳が俺を捉える。館花さんの顔は少し強張っているように見えた。
「青野君……」
 館花さんの声は震えていた。妙に張りつめた空気が部屋中に漂う。

「な、何?」
 なんとなく、その雰囲気に呑まれて緊張してしまう。
「……」
「……」
 館花さんはうつむいてしまう。強く握られた館花さんの手。
「……です」
「え?」
 うつむいたまま細い声で言った館花さんの声は聞き取れない。窓から入り込んだ太陽の光が館花さんを照らす。その瞬間、館花さんはゆっくり顔を上げた。
「青野君が好きです……愛してる」
 紅潮した頬に伝う涙と笑顔が、窓から差し込んだ光を浴びて、今にも散りそうな儚い花のように、館花さんの潤んだ瞳が俺を射抜いた。

 夢なんじゃないかと思った。日差しを浴びた森の花嫁は美しく、そして可憐だった。
 花嫁は嫁ぐはずだった相手がいるにもかかわらず、たった一ヵ月しか過ごしていなかった偽物の恋人に告白した。涙を流しながら、告白したのだ。
 俺は固まってしまう。
 館花さんが、俺を好きだった? いつから? なぜ? いや。今そんなことは重要じゃない。俺が考えなければならないのは、彼女の言葉に対する返答だ。

 館花さんは不安そうな表情で俺を見つめていた。館花さんの涙から冗談じゃないのは俺でも分かった。結婚式まで放り投げて、ここに来るわけがない。館花さんの表情に心が揺れる。ここで館花さんの不安そうな表情を笑顔に変える返答を知っている。しかし、それは今ここで笑顔にできても、その後はきっと、笑顔が消えていくことだろう。たとえ、俺が一時の幸せを彼女と分かち合えたとしても、いつかその幸せが不安と痛みに塗り潰されてしまう。館花さんの想いが違ったとしても、今後のことを考えれば、間違いなくあの人の方が館花さんを笑顔にできる。長く、永遠に……。
 俺は笑みを作る。自分の中にあるかすかな想いの色を重ね、最初にあった色が分からなくなるくらいリアルに変えていく。誰しもが思い描くようなありきたりな幸せ。それこそが本当の幸せであり、彼女が進むべき道だ。

「館花さん……ありがとう。嬉しいよ」
 館花さんの顔が少し和らいだ。俺はためらいたくなってしまう。でも、俺は言わなきゃいけない。彼女のために。
愛している、彼女のために……。
「でも、館花さんがいるべき居場所は、俺のそばじゃないよ」
「……え?」
「俺のそばに、館花さんはいなくていい」
 俺は笑顔に努めた。少しでも痛みが和らげられるように。
 館花さんは目を見開いて固まっている。そして、顔を伏せた。そのまま数秒無音になった応接室。ようやく、何かが事切れたみたいだった。すると、館花さんは涙を拭いて、パッと顔を上げた。館花さんは笑っていた。
「そう。分かったわ。……すっごくスッキリした」
 館花さんは晴れやかな様子だった。
「……ちゃんと答えてくれて、ありがとう」
 そう言った館花さんは笑っていたが、憂い帯びているようにも見える。館花さんは立ち上がり、歩きだす。応接室の出入り口の手前で立ち止まった。
「じゃあ、私帰るね」
 館花さんは顔を向けることなくそう言った。
「あ、ああ」
 俺は傷つけたのではないかと心配しながら、ただ相槌を打つことしかできなかった。館花さんは応接室から出た。
 俺はソファに座ったまま、ドアが開けられ、閉まる音を耳にする。かすかに社長と館花さんの話している声が聞こえてきた。しばらくの間、俺はソファの背にもたれ、天井を見上げていた。
 残酷だな、俺……。
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