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第壱章 偽聖女~空と宇宙の境界はどこにあるか~
第十六話 どえらい勘違い
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◇◇エイリ視点◇◇
エアクを叱り終わって少しの時だ。
『夜血の十字架』内序列34番から『遠距離通話』が届いた。
『夜血の十字架』のメンバーは普通の名前と違い、活動をする時には番号で名前を呼び合う。
そして20番以内の数の物には異名がつけられるシステムになっている。
「どうした?」
『大変です!エイリ様『闇の追跡者』(序列20番)によるとアク様の反応が消えたとのことです!』
20番の闇魔法、『絶対追跡』は1度見た人のあらゆる位置情報を確認できる。
さらに接近戦にも優れているので異名が与えられた。
ただ、ずぼらで本当に緊急事態にならないと報告をしないのがたまにキズだ。
その20番でも追跡できないとなると…
「平行世界か結界に連れていかれたのか?」
『その可能性が高いです。アク様に限って無いとは思うのですがもしかの事があるので』
横にいるエアクにその事を伝える。
こういう時は焦らずに冷静に物事を対処すべきだ。
『反応戻りました!座標、12573060758、580350468です!』
「エアク!『最速移動』の準備を」
「はいにゃ。前方に10修正してからテレポートします」
すぐに彼女は魔法陣を展開した。
「「最速移動!!」」
移動したのはどうやら門をこえたばかりの馬車の少し上だった。
この世界では基本的に領ごとに門があり、商人などはそこで税を払わなくてはならない。
アク様はその税を限りなく少なくしているので最近は商業も盛んだ。
それにしても少なくとも視覚では普通の馬車に見える。
一応門を通る時に危険物を持ち込んでいないか荷物点検が行われるはずだ。
「『浮遊』使いますにゃ」
私の身体とエアクの身体がそのまま浮く。
「エアク、『透視』を使って」
「はいにゃ」
彼女の目が青色に光る。
「アク様の姿を確認。『視覚共有』を発動させます」
エアクは攻撃魔法以外にも諜報などに使える魔法がかなりの量あるのでこういう時にとても役に立つ。
見えたのは金属の手錠に目隠し、更には猿轡まで嵌められているアク様の姿。
え?興奮する…場合じゃない!
「早く助けるにゃ!行きますにゃ!腕に嵌められているのは『強者没落拘束』ですにゃ!」
確か魔力などが強いものほどあれをつけられている間、弱くなってしまうんだったか?
ならばアク様が拘束されている理由もわかる。
何故拘束されたのかは分からないが助ける事が最優先だ!
その時、アク様がニヤリと笑った気がした。
突っ込もうとしているエアクを止める。
「待って!」
「何にゃ?いくら空中とはいえバレる可能性があるにゃ。早めに奇襲を…!」
「違うの。アク様が本当に拘束されて為す術も無いはずは無くない?」
「にゃ!?」
だいたいあれはあくまで魔力が弱くなってしまうもの。
物理的な強さは変わらない。
勿論だからと言って魔力注入でしか外せないようになってるはずなので引きちぎるのは無理だろう。
ただし、アク様ならあれくらいの賊を手錠付きでも倒せるはずだ。
なんなら目隠しに猿轡まで嵌められていても。
どう考えてもあの賊達は奥の力も何も無いただの下っ端だ。
「アク様には意図があってわざとあいつらに捕まったんだと思う」
「にゃらにゃんでアク様は私達に言ってから行かなかったのにゃ?」
「多分、アク様もそうやって遭遇するとは思わなかったんじゃないかな」
「というとどうゆうことにゃ?」
「偶然遭遇してその状況を上手く使っているということ。なら私たちがやるべき事は」
「アク様の意図を汲み取って手伝うこと、にゃね」
『隠密』を自分とエアクにかけ、馬車を追う事12分25秒。
馬車は衝撃的な場所についた。
「にゃ!?」
そこは、巨大な要塞だった。山のなかに出来ている盗賊たちの要塞。
こんなものが…
アク様が馬車から下ろされ連れていかれた。
その後を追いながら周りを注意深く観察する。
彼は、独房のような所に連れていかれたようだ。
エアクの透視により、中を除き、耳を澄ます。
「ふひひひ。あいつら上玉捕まえてきたじゃねぇか。お零れはあげなきゃな…」
は?お前殺すぞ?アク様になんてことを…
「ひゃ、ハイ!」
それにしてもアク様の演技力は凄い。
まるで本当にビビり散らしているようだ。
なんかこれはこれでいい。じゅるり。
「それにしても…お前ちょっと声低いな」
当たり前だ!男だからな。
とてもかっこいいんだぞ!アク様は!
「ハハッタマニイワレルンデス!」
「その喋りかたどうにか出来ねぇか?」
「こ、コレガツウジョウデス!」
確かにおかしい。
いくらビビってる演技をするためとはいえ、半角で喋る必要は無いはず…
すると彼は本当に小さく、トントントンツーツーツートントントンとモールス信号を打ち始めた。
本当だったらこれはSOSなのだがアク様に限ってそんなことは無いはずだ。
ならばこれにはなにかの意味がある。
半角、モールス信号…
なにかを私達に伝えようとしている。
「そんなことよりもお前、相当強いらしいな」
「ソ、ソウデモナイデス!」
「俺はそういう気丈に振舞っている女を屈服させるのが好みなんだよぉ」
コイツの不敬は今は置いておこう。(怒)
「トテモ、スバラシイ、シュミデスネ!」
「どうやらその道具のせいで魔法が使えないらしい。高かったんだぞ?」
「ア、アハハ」
「えらくビビってるじゃねぇか。え?強い奴ほどこういう時にお前みたいな反応をする。笑けるなぁ。雑魚の方が覚悟ができてる」
彼が喋る文字数、言い方、声の抑揚、息遣い。
全てを分析しろ。
意味を考えろ。
「アハハ、トッテモオモシロイ」
「安心しろ。殺しはしねぇ」
なんだ!なんの意味があるんだ!
分からない。分からない。
エアクを叱り終わって少しの時だ。
『夜血の十字架』内序列34番から『遠距離通話』が届いた。
『夜血の十字架』のメンバーは普通の名前と違い、活動をする時には番号で名前を呼び合う。
そして20番以内の数の物には異名がつけられるシステムになっている。
「どうした?」
『大変です!エイリ様『闇の追跡者』(序列20番)によるとアク様の反応が消えたとのことです!』
20番の闇魔法、『絶対追跡』は1度見た人のあらゆる位置情報を確認できる。
さらに接近戦にも優れているので異名が与えられた。
ただ、ずぼらで本当に緊急事態にならないと報告をしないのがたまにキズだ。
その20番でも追跡できないとなると…
「平行世界か結界に連れていかれたのか?」
『その可能性が高いです。アク様に限って無いとは思うのですがもしかの事があるので』
横にいるエアクにその事を伝える。
こういう時は焦らずに冷静に物事を対処すべきだ。
『反応戻りました!座標、12573060758、580350468です!』
「エアク!『最速移動』の準備を」
「はいにゃ。前方に10修正してからテレポートします」
すぐに彼女は魔法陣を展開した。
「「最速移動!!」」
移動したのはどうやら門をこえたばかりの馬車の少し上だった。
この世界では基本的に領ごとに門があり、商人などはそこで税を払わなくてはならない。
アク様はその税を限りなく少なくしているので最近は商業も盛んだ。
それにしても少なくとも視覚では普通の馬車に見える。
一応門を通る時に危険物を持ち込んでいないか荷物点検が行われるはずだ。
「『浮遊』使いますにゃ」
私の身体とエアクの身体がそのまま浮く。
「エアク、『透視』を使って」
「はいにゃ」
彼女の目が青色に光る。
「アク様の姿を確認。『視覚共有』を発動させます」
エアクは攻撃魔法以外にも諜報などに使える魔法がかなりの量あるのでこういう時にとても役に立つ。
見えたのは金属の手錠に目隠し、更には猿轡まで嵌められているアク様の姿。
え?興奮する…場合じゃない!
「早く助けるにゃ!行きますにゃ!腕に嵌められているのは『強者没落拘束』ですにゃ!」
確か魔力などが強いものほどあれをつけられている間、弱くなってしまうんだったか?
ならばアク様が拘束されている理由もわかる。
何故拘束されたのかは分からないが助ける事が最優先だ!
その時、アク様がニヤリと笑った気がした。
突っ込もうとしているエアクを止める。
「待って!」
「何にゃ?いくら空中とはいえバレる可能性があるにゃ。早めに奇襲を…!」
「違うの。アク様が本当に拘束されて為す術も無いはずは無くない?」
「にゃ!?」
だいたいあれはあくまで魔力が弱くなってしまうもの。
物理的な強さは変わらない。
勿論だからと言って魔力注入でしか外せないようになってるはずなので引きちぎるのは無理だろう。
ただし、アク様ならあれくらいの賊を手錠付きでも倒せるはずだ。
なんなら目隠しに猿轡まで嵌められていても。
どう考えてもあの賊達は奥の力も何も無いただの下っ端だ。
「アク様には意図があってわざとあいつらに捕まったんだと思う」
「にゃらにゃんでアク様は私達に言ってから行かなかったのにゃ?」
「多分、アク様もそうやって遭遇するとは思わなかったんじゃないかな」
「というとどうゆうことにゃ?」
「偶然遭遇してその状況を上手く使っているということ。なら私たちがやるべき事は」
「アク様の意図を汲み取って手伝うこと、にゃね」
『隠密』を自分とエアクにかけ、馬車を追う事12分25秒。
馬車は衝撃的な場所についた。
「にゃ!?」
そこは、巨大な要塞だった。山のなかに出来ている盗賊たちの要塞。
こんなものが…
アク様が馬車から下ろされ連れていかれた。
その後を追いながら周りを注意深く観察する。
彼は、独房のような所に連れていかれたようだ。
エアクの透視により、中を除き、耳を澄ます。
「ふひひひ。あいつら上玉捕まえてきたじゃねぇか。お零れはあげなきゃな…」
は?お前殺すぞ?アク様になんてことを…
「ひゃ、ハイ!」
それにしてもアク様の演技力は凄い。
まるで本当にビビり散らしているようだ。
なんかこれはこれでいい。じゅるり。
「それにしても…お前ちょっと声低いな」
当たり前だ!男だからな。
とてもかっこいいんだぞ!アク様は!
「ハハッタマニイワレルンデス!」
「その喋りかたどうにか出来ねぇか?」
「こ、コレガツウジョウデス!」
確かにおかしい。
いくらビビってる演技をするためとはいえ、半角で喋る必要は無いはず…
すると彼は本当に小さく、トントントンツーツーツートントントンとモールス信号を打ち始めた。
本当だったらこれはSOSなのだがアク様に限ってそんなことは無いはずだ。
ならばこれにはなにかの意味がある。
半角、モールス信号…
なにかを私達に伝えようとしている。
「そんなことよりもお前、相当強いらしいな」
「ソ、ソウデモナイデス!」
「俺はそういう気丈に振舞っている女を屈服させるのが好みなんだよぉ」
コイツの不敬は今は置いておこう。(怒)
「トテモ、スバラシイ、シュミデスネ!」
「どうやらその道具のせいで魔法が使えないらしい。高かったんだぞ?」
「ア、アハハ」
「えらくビビってるじゃねぇか。え?強い奴ほどこういう時にお前みたいな反応をする。笑けるなぁ。雑魚の方が覚悟ができてる」
彼が喋る文字数、言い方、声の抑揚、息遣い。
全てを分析しろ。
意味を考えろ。
「アハハ、トッテモオモシロイ」
「安心しろ。殺しはしねぇ」
なんだ!なんの意味があるんだ!
分からない。分からない。
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