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第壱章 偽聖女~空と宇宙の境界はどこにあるか~
第十七話 はぁ…羨ましい
しおりを挟む「アッハハハハハハハハハ!」
「何がそんなに可笑しいんだ?」
何のための笑いだ?
なにかのヒントか?
考えろ。脳をフルに動かせ。図書館にあった全ての本の知識をフル動員させろ。
5万2193通り、5万2194通り、5万2195通り、これも違う!
12万9122通り目、「こいつらは聖教と繋がっている。この男に与えたダメージは部下へと送られる。しかも追尾などの遮断まで持っている。逃げられたらおしまいだ。部下を全員殺してから戻ってこい」
これだ!
「エアク、組織全員をテレポートさせて」
「にゃ!?」
「そしてここにいる盗賊たちを1人残らず殺すように命令して」
「もとよりそのつもりですにゃ」
アク様の口ぶり(暗号ぶり?)からして、あの男は相当逃走に優れている。
だからと言って一撃で気づかないところから殺しても部下が死ぬだけ。あの男は逃げてしまう。
だからこそ部下たちは殺す。
それは組織に任せておいて、私は聖教と繋がっているという裏付けと情報などを集めておかなければならない。
「できるだけ迅速に、完璧に、スマートに、かっこよく。任務開始」
拠点の内部構造を把握、分析。
重要な情報があるであろうポイント、3つ。
人の配置の仕方から1つ目、2つ目除外。
最短ルート把握。
移動。
「な、なんだお前は!」
氷で剣を作り殺。
ポイント到着。
全情報収集完了。 アク様が言ったことが全て本当だと言うことを確認。
テレパシーが届く。
『全員の抹殺完了致しました』
最短ルートでアク様の元まで戻る。
そしてその瞬間、愛しいあの人は小さく私の名前を呼んでくれた。
「エイリ…」
もちろんですとも。どこへでもかけていきます。
男を殺し、彼の前に膝まづく。
「アク様、任務、全て完了致しました」
正確にはここからこの拠点の抜け殻を聖教への対策のために利用するまでが任務だが情報を見る限り、頻繁に連絡はとりあっていなかったのでしばらくは問題ないだろう。
「ごくろうさん。なかなか良かったよ」
優しそうな顔。尊い。ああ、身体が喜んでいる!
「ご褒めにあずかり大変光栄です」
すると、彼は立ち上がった。
そしてその拍子に手錠が壊れた。
「っ!?」
あの手錠は超高位魔道士でも敗れないはず!
あまりに雑魚すぎる人はすぐに壊せるらしいけどそんなわけが無い。
つまり…やっぱり貴方はどこまでも最強だ。
「ああ、そうだ。今回の働きは非常に素晴らしかった。なんでも1つ願いを言え。叶えてやる」
え!?どゆこと?なんでも?
え、え、え、えぇー/////!!
それってあんなことやこんなことをお願いしてもいいってことぉーー!!
ハァハァハアハア。はぁ⤴︎!
「なななななな、なぜでしょうか?」
「いやぁ、さっきも言ったじゃないか。俺の暗号に気づきここまでの働きをしてくれたからだ。まさかここまでとは思わなかったぞ」
おっほほほほ!
ほ、ほめられちったぞぉ⤴︎!
すんごいウレシイ!
「そそそそそ、それってどの辺の願い事まで可能なのでしょうか?」
「ま、まあそりゃあ、なんでもったらなんでもだ」
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
ここは天国か!
うふふぐへへくひひひひははははは!
もうすんごいルンルンでアク様と帰ったわ。
エアクに言ったら、
「変な願い事したら嫌われるにゃよ?それは叶えられても後々ヤバくないかにゃ?」
…たぁしかにぃ。
たぁしかにぃ。
そーだけどさ。そーだけどもさ!
「後、この小説がBAN!とかにゃ。作者曰く健全な小説を目指してるらしいにゃ」
…クソがァァァ!
作者。オマエ、イツカコロス!
グルォォォ!!!
「多分…にゃ」
それにしてもアク様は暗号を難しくしすぎっ!
あんなん普通は分からないよっ!
まぁ?私なら行けるけどね?(渾身のどやがお)
◇◇アクトク・リョウシュ視点◇◇
「なななななな、なぜでしょうか?」
急に顔を赤くしながら、当たり前の事を聞いてくる。
なんていじらしい。とても可愛く見えるぞ!
「いやぁ、さっきも言ったじゃないか。俺の(SOSの)暗号に気づきここまでの働きをしてくれたからだ。まさかここまでとは思わなかったぞ」
まさか助けてくれるとはな。これぞ鶴の恩返し的なアレだ。
いい事ってするもんだな!
「そそそそそ、それってどの辺の願い事まで可能なのでしょうか?」
あんまりやばいことはやめてね?
でも命助けられたんだから命以外の事だったら了承すべきかもしれない。
「ま、まあそりゃあ、なんでもったらなんでもだ」
めっちゃ嬉しそうな顔してる!?
何を頼むつもりなの?怖いんですけどっ!?
捕まっていた男や女は壊れたのが15人。
正常なのが30人って所だった。
壊れたのはどうしようと悩んでいたら『夜血の十字架』の85番?が『精神解除』で治した。
便利だな。
その後、『夜血の十字架』の中で1番回復魔術が得意なものに治癒させ、『記憶操作』で記憶を消した。
もう誰もあの事は覚えていない。
家族の元へ返してなんで居なかったんだと聞かれてもきっと首を傾げるばかりだろう。
彼ら、彼女らが失ってしまったものはなんだろうか。
案外元通りになったからご都合主義なハッピーエンドなのかもしれない。
だが時間が経ちすぎたものはもう家族が居ないかもしれない。
恋人が別の人を見つけている可能性もある。
結局元通りにはならない。
「皮肉だなぁ」
ま、どうせすぐ忘れる。取るに足らない、他人の話だ。
だけど、ちょっとくらいは、心を痛めてあげなくちゃな。
その時、見つけた。
緑色のトサカを。盗賊たちの死体の中に。
感じなければ、見なければ、触れなければ、聞かなければ、きっとないのと一緒だ。
どんな物語があったかなんて、知らない。
────────────────────
皆さんは、健全じゃない方がいいんですか?
10
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