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第壱章 偽聖女~空と宇宙の境界はどこにあるか~
第二十九話 良くないね
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数分後…
「なぁ、どこに行くか教えてくれよぉ」
「こればっかりは無理です」
ちぇ。教えてくれたっていいじゃん!
なんて思いながらもちょっと楽しみだ。
大分期待している。
…なんか。幸せだなぁ。
エイリに領主の座を取られそうになったり、変な新興宗教を立てられたりしてしまった。
いつ死ぬか分からない。
でも、幸せだと、感じる。
エイリは案外俺の事を好意的に受け取ってくれているようだし、新興宗教の神になるのも悪い気分では無い。
厨二病ムーブにも付き合ってくれるし。
だけど、幸せだなんて俺が感じていいのだろうか。
そんな権利、俺には無いはずなのに。
彼女の笑顔が、忘れられない。忘れたいのに。
「アク様。耳栓、目隠し、つけてください」
「へ?」
「こんなものではアク様の五感を止められないので、何も感じないように務めてください」
「ひ?」
高速で五感を封じられる。
なんてこったい。
およそ1分経っただろうか。
視界が開けた。
「お誕生日おめでとう!」
「おめでとうございます!」
「おめでとうにゃ!」
いつの間にか俺は家の大広間に帰ってきており、そこはたくさん、デコレーションされていた。
そういや、今世では今日が誕生日か。
──
『──って本当、名前が書かれているチョコプレート好きだよねぇ』
『悪いかよ!』
『いや可愛いなと思って』
思い出す。とめどなく。溢れ出る。
『こらぁ!イチゴだけつまみ食いしたでしょ!』
彼女の笑顔が、忘れられない。
『──!生きてね』
血の匂いが忘れられない。
『愛してるよ』
妙にきどった。あの言い方が、忘れられない。
──
「アク様?なんで泣いてるんですか?」
「もしかして気に入らなかったか?やはりパレードにするべきだったのでは…」
「いや嬉しいんだ。ありがとう」
嘘だ。つまらない、嘘だ。
だけど、嬉しいのは逃れようもなく本当なんだ。
「ほら!お前の好きなウーメボシだ」
この世界で梅干しが高級なのはなんの因果だろうか。
きっと、未だに俺は。
過去の精算どころか。
前世と今世の踏ん切りすらついていない。
父は、義理だとしか思えない。
自分の今世が、どこかのゲームの中みたいに感じて、現実感を、掴めていない。
──
「私、君には生きてて欲しいんだ」
──
あの言葉が俺を蝕む。
だけど、だから、この誕生日を、俺が楽しむのが、未来だ。
前世の事なんか、きっと、きっと、今世が楽しければ、忘れれるから。
・
・
・
夢を見た。かけがえなくて、綺麗で、忘れたくなかったはずの日常。
学校の、山が見える空き教室、君はそこが大好きだった。
「山っていいよね。なんかさ」
「生憎俺は山に対して怖いだとかダルいだとか。そういう感情しか持ち合わせていません」
その言葉に怒ったのか頬をプクーと膨らませた。
綺麗な長い黒髪が揺れる。
「じゃあ私にはアニメだとかゲームの2次元のエッロイ女の子の良さが分からないね!」
「はぁ!?あれはあれだ!お前も男になりゃ分かる!」
「家にたくさんエロ本抱えてる変態!」
「あれはエロ本じゃない!ラノベだ!わかるか?違うんだよ!全然!」
「普通のラノベならいいけど、題名がえっちぃ!」
言い返せん。反論できん。
そういうものなんだと言いたいところだが。
こちらは切り札を使わせてもらおう。
「ふん。もう漫画貸してやんない」
「すみませんでした」
綺麗な土下座。
人間としてのプライドは無いのか。
あと女の子に土下座されると抵抗感あるしえろいんですけど。
「今えろい事考えたね。ワトソンくん」
「な、なんで!?」
「ふっ。簡単な推理さ。幼なじみの勘」
推理もクソもねぇ。
「じゃあお前の考えている事を当ててやろう。私は天才だ。シャーロック超えた。と思ってるだろう」
「何!?」
「ついでにお前は私とあなたとの絆だね♡と言う」
「私とあなたとの絆だね♡ッ!?何故分かった」
抵抗できた予言をこうやって抵抗しないでいてくれる所は素晴らしい。
「ところで宿題が進まない」
明日の俺の命がかかってる。
「え?まだ終わってないの?ぷぷぷ。ざっこぉ♡」
メスガキムーブと言う点では素晴らしいのだがなんでこいつは頭が良いのだろう。
この進学校で学年一の成績、体力テスト全項目満点、おまけにモデル超えの顔の良さ。
胸は無いが、天から愛されすぎだろう。
不公平だ。
なんでこんなに素晴らしい俺がこんなんでこいつは凄いんだっ…
「分からせてやろうか?メスガキ」
「分からせて見ろよ。オスガキ」
年齢は同じなのだからガキと言われてもしょうがない…か?
こういうのは精神年齢だよな。
「精神年齢だよ。バーカ」
「肉体年齢は私の方が2日上!つまり私がお姉ちゃん」
「精神年齢は俺の方が高いので俺がお兄様」
てかこいつ自分の方が精神年齢低いって認めてね?
笑。
ちょっと試してみよう。
「うんこ」
「あははは!うんこって!うんこ!うんこだってぇ!」
うんこだけでここまで笑う。
間違いなくコロコ〇キッズと同年齢だ。
「なぁ。提案がある」
「なんだよぉ?」
「俺がジャンケンで勝ったら俺の宿題やってくれ」
「お主も悪よのぉ!お代官様…それで私が勝ったら…なんでしょう?」
「俺の秘蔵の美少女フィギュアをやる。勿論水着だ」
「ほほほほほほ!契約成立!」
「「最初はグー!ジャンケンポン」」
俺がパー。
彼女はグーだ。
「フハハハハハ!HAHAHA!HAHAHA!」
「お、お前。覚えてろよ…」
「残念。俺、ジャンケンで負けたことねぇから」
思いっきりイキってキメ顔ぉ!
──
「なぁ、どこに行くか教えてくれよぉ」
「こればっかりは無理です」
ちぇ。教えてくれたっていいじゃん!
なんて思いながらもちょっと楽しみだ。
大分期待している。
…なんか。幸せだなぁ。
エイリに領主の座を取られそうになったり、変な新興宗教を立てられたりしてしまった。
いつ死ぬか分からない。
でも、幸せだと、感じる。
エイリは案外俺の事を好意的に受け取ってくれているようだし、新興宗教の神になるのも悪い気分では無い。
厨二病ムーブにも付き合ってくれるし。
だけど、幸せだなんて俺が感じていいのだろうか。
そんな権利、俺には無いはずなのに。
彼女の笑顔が、忘れられない。忘れたいのに。
「アク様。耳栓、目隠し、つけてください」
「へ?」
「こんなものではアク様の五感を止められないので、何も感じないように務めてください」
「ひ?」
高速で五感を封じられる。
なんてこったい。
およそ1分経っただろうか。
視界が開けた。
「お誕生日おめでとう!」
「おめでとうございます!」
「おめでとうにゃ!」
いつの間にか俺は家の大広間に帰ってきており、そこはたくさん、デコレーションされていた。
そういや、今世では今日が誕生日か。
──
『──って本当、名前が書かれているチョコプレート好きだよねぇ』
『悪いかよ!』
『いや可愛いなと思って』
思い出す。とめどなく。溢れ出る。
『こらぁ!イチゴだけつまみ食いしたでしょ!』
彼女の笑顔が、忘れられない。
『──!生きてね』
血の匂いが忘れられない。
『愛してるよ』
妙にきどった。あの言い方が、忘れられない。
──
「アク様?なんで泣いてるんですか?」
「もしかして気に入らなかったか?やはりパレードにするべきだったのでは…」
「いや嬉しいんだ。ありがとう」
嘘だ。つまらない、嘘だ。
だけど、嬉しいのは逃れようもなく本当なんだ。
「ほら!お前の好きなウーメボシだ」
この世界で梅干しが高級なのはなんの因果だろうか。
きっと、未だに俺は。
過去の精算どころか。
前世と今世の踏ん切りすらついていない。
父は、義理だとしか思えない。
自分の今世が、どこかのゲームの中みたいに感じて、現実感を、掴めていない。
──
「私、君には生きてて欲しいんだ」
──
あの言葉が俺を蝕む。
だけど、だから、この誕生日を、俺が楽しむのが、未来だ。
前世の事なんか、きっと、きっと、今世が楽しければ、忘れれるから。
・
・
・
夢を見た。かけがえなくて、綺麗で、忘れたくなかったはずの日常。
学校の、山が見える空き教室、君はそこが大好きだった。
「山っていいよね。なんかさ」
「生憎俺は山に対して怖いだとかダルいだとか。そういう感情しか持ち合わせていません」
その言葉に怒ったのか頬をプクーと膨らませた。
綺麗な長い黒髪が揺れる。
「じゃあ私にはアニメだとかゲームの2次元のエッロイ女の子の良さが分からないね!」
「はぁ!?あれはあれだ!お前も男になりゃ分かる!」
「家にたくさんエロ本抱えてる変態!」
「あれはエロ本じゃない!ラノベだ!わかるか?違うんだよ!全然!」
「普通のラノベならいいけど、題名がえっちぃ!」
言い返せん。反論できん。
そういうものなんだと言いたいところだが。
こちらは切り札を使わせてもらおう。
「ふん。もう漫画貸してやんない」
「すみませんでした」
綺麗な土下座。
人間としてのプライドは無いのか。
あと女の子に土下座されると抵抗感あるしえろいんですけど。
「今えろい事考えたね。ワトソンくん」
「な、なんで!?」
「ふっ。簡単な推理さ。幼なじみの勘」
推理もクソもねぇ。
「じゃあお前の考えている事を当ててやろう。私は天才だ。シャーロック超えた。と思ってるだろう」
「何!?」
「ついでにお前は私とあなたとの絆だね♡と言う」
「私とあなたとの絆だね♡ッ!?何故分かった」
抵抗できた予言をこうやって抵抗しないでいてくれる所は素晴らしい。
「ところで宿題が進まない」
明日の俺の命がかかってる。
「え?まだ終わってないの?ぷぷぷ。ざっこぉ♡」
メスガキムーブと言う点では素晴らしいのだがなんでこいつは頭が良いのだろう。
この進学校で学年一の成績、体力テスト全項目満点、おまけにモデル超えの顔の良さ。
胸は無いが、天から愛されすぎだろう。
不公平だ。
なんでこんなに素晴らしい俺がこんなんでこいつは凄いんだっ…
「分からせてやろうか?メスガキ」
「分からせて見ろよ。オスガキ」
年齢は同じなのだからガキと言われてもしょうがない…か?
こういうのは精神年齢だよな。
「精神年齢だよ。バーカ」
「肉体年齢は私の方が2日上!つまり私がお姉ちゃん」
「精神年齢は俺の方が高いので俺がお兄様」
てかこいつ自分の方が精神年齢低いって認めてね?
笑。
ちょっと試してみよう。
「うんこ」
「あははは!うんこって!うんこ!うんこだってぇ!」
うんこだけでここまで笑う。
間違いなくコロコ〇キッズと同年齢だ。
「なぁ。提案がある」
「なんだよぉ?」
「俺がジャンケンで勝ったら俺の宿題やってくれ」
「お主も悪よのぉ!お代官様…それで私が勝ったら…なんでしょう?」
「俺の秘蔵の美少女フィギュアをやる。勿論水着だ」
「ほほほほほほ!契約成立!」
「「最初はグー!ジャンケンポン」」
俺がパー。
彼女はグーだ。
「フハハハハハ!HAHAHA!HAHAHA!」
「お、お前。覚えてろよ…」
「残念。俺、ジャンケンで負けたことねぇから」
思いっきりイキってキメ顔ぉ!
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