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第壱章 偽聖女~空と宇宙の境界はどこにあるか~
第三十六話 野に放たれた死
しおりを挟む◇◇アクトク・リョウシュ視点◇◇
「はい!師匠!」
ふー。これで今日1日だらだらできる。
弟子は嬉しいんだけどね。
やっぱめんどいしね。明日からやるから!(フラグ)適当な訓練!
外に嬉々として出ていったドMを見ながら俺は今日一日の予定を考える。偉くね?
よし!決まった!
何もなし!だらけよう!(ダメ人間が!)
◇◇エイリ視点◇◇
今回聖教の本拠地に侵入するのは10人。
あまり大人数で行って大事になってしまうと援軍が他の場所から出されてしまう。
それだけは避けなければいけない。
全員完璧な変装をしている。
衣装もしっかり再現しているので見た目だけでバレる事は無いだろう。
いくらエアクの魔法で建物内へ侵入できるとはいえ、聖女がいる場所などは分からない。
なのでそこに関しては侵入してから探るほか無い。
「できるだけ迅速に、完璧に、美しく。任務開始」
◇◇アクトク・リョウシュ視点◇◇
暇だぁ。
仕事はエイリが秒速でやってくれるし俺やらなくていいし…
十分寝たし…
今頃エイリは聖教に喧嘩売ってんだろうなぁ。
つまり聖女様も…
ってあれ?ちょっと待て。
エイリが聖女ぶっ殺す状態の時に颯爽と聖女様を助ければ異世界物ならば定番のチョロインになるのでは?
おれの夢のハーレムライフにまた近づくのでは?
勝った!
確か地方のあそこの聖堂かなんかだったよな。
よし、向かおう!
助けよう!
今こそ!
ハーレムライフを!!
そとにルンルンででかける。
気配を消し…誰にも気づかれぬように…
「師匠?何忍者ごっこしてるんですか?」
「う、うるせいやい!」
即見つかった…
なんでこの世界強い人ばっかなの…
うわーん!
「かわいい…」
俺はその言葉を聞かないフリをした。
◇◇エイリ視点◇◇
順調に事は進んでいる。
むしろここまで順調だと不安になるくらいだ。
頭の中に入れた地図によるとポイント1~5までは何もなし、残るポイントは6のみ。
つまりそこにお偉いさん達が蔓延っていると考えていい。
もうほとんどのメンバーに招集をかけている。
あとは聖女に情報を吐かせれば…良いだけなのに…
なにか、なにかが、おかしい。
でも…きっと気の所為だよね。
罠もちゃんとチェックしてるし…
『エイリ様!聖女らしき物を確認しました!』
「了解。突入開始する」
そしてポイント6の戸を叩く。
「聖女様、入ってよろしいでしょうか?」
「いいですよ」
重い扉を開ける。
本当は裏口から入りたかったのだが他の通気口などから見れはするものの、入れないように結界がかなり分厚く張ってあった。
エアクであれば中に入ることは不可能ではないだろうが、どうしても結界の中となると場所指定ができなくなってしまうのでバレる可能性が高い。
だからこれが最善策だ。
「どうしたのですか?」
白いカーテンが豪華な装飾の座にかかっていて、人影が見える。
神々しさにあとずさりしてしまいそうになる。
できるかぎり近づいてから捕まえる。
1歩、もう1歩。
「もう一度問います。なにか問題が発生したのでしょうか?」
もう1歩…
ギュインという音がして、剣が私の頬を切った。
「避けたか」
「!?」
赤い髪に青い瞳、そしてあの称号は…!
「我が名前は『血濡れの聖者』 、カアク…名乗れ侵入者」
気づかれていたのか…
もうすでにかなりの量のラウンライトに囲まれていた。
カアク…全ての背信者を一撃で切り捨てるという男…
「名乗る名などない。強いて言うならば『夜血の十字架』の1人。偉大なる御方に仕えるもの」
「聖女様に仇なすものは粛清対象だ。女、死を覚悟しろ」
また剣が向かってくる。
恐ろしく早く強い。私では止められない。
ならば避けるしか手段が無い。
「『約束を違わぬ魂の断罪』」
嗚呼。落ち着いた声とは裏腹に、「死」がそこにあった。
何通りも考える。無理だ。
その剣を見た瞬間に理解した。それは魂を絶つ剣。そして死を確定させる剣。
避ける、防ぐ、逃げる、全てを否定する剣。
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