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『自由恋愛』
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8
約束をした。二人で南へ逃げようと。
それを叶えようと思った。
ジェダイトと生きていきたかった。
叶わず死んでも仕方ないと思った。
死ぬまで一緒に生きられればよかった。
ロゼルが手を離さなければ、ジェダイトも生きてくれる。
だから、自分たちはこの国を出る。
ひとつだけ、後悔するだろうことがある。
国中の女性が憧れる、特務局員の白い法服を着た彼の姿は見てみたかったなと思う。
きっと、誰より似合っていたことだろう。
【8】
この世の無情を嘆いていた頃のロゼルは、心をどこかに置き去りにでもしたような顔をして、その実縋れるものを求めていた。
どこかに自分を劇的に変えてくれるものがないかといつでも窓の外を見ていたのだ。
近頃、ロゼルは外を眺めない。
以前一見の客に見つかった時のように、誰かに顔を覚えられるのを避けたかったのもあるし、ここから見える裏街の猥雑な風景に自分の求めるものは何も無いと確信したからだ。
宿の外に出たいわけではない。ロゼルはジェダイトと生きていきたいのだ。
知らぬうちに自分を見初めて、救いに来たひと。
一人で打ちのめされながらも、ロゼルだけは逃がしに来たひと。
今、何をしたってジェダイトに報いることは出来ない。ロゼルにはもう何もない。
ただ、すべて上手くいけば、ジェダイトとの未来がある。
そう彼に思わせることならできる。
自分のために彼を生かすことが、ロゼルの望みになった。
「…………」
ベッドに座り、目を閉じて館の物音にだけ集中する。
よく耳を澄ますと、足音でなく人の話す気配まで感じた。
誰かが宿の主人に説教をされている。
掃除番の老婆が妄言を呟きながら足を引き摺って移動している。
癇癪持ちの娼夫が部屋で暴れている。
これが神も目を逸らす宿の日常だ。
森の中で野ねずみの走る音を聞き分けるより容易いこれを、よく覚えておく。
異変があれば、それがロゼルの最期となる可能性が高い。
自分たちはいつ裁かれるか分からないのだ。
裁く者が、裏の人間か、表の人間か。それとも神なのか。
それだけの違いだった。
「……どうでしたか」
今夜も帰ってきてくれたジェダイトと命を分かち合うようなキスを終えたあと、二人分の唾液で唇を濡らしたロゼルが彼を抱きしめながら囁いた。密談はこの距離でないと部屋の外に届いてしまうかもしれない。二人は部屋の中でいつでも寄り添っていた。
「君の……戸籍は、もう無かった」
「……やっぱり」
売られた時から覚悟はしていたことだ。人ひとり消してしまえば、売り買いされるのは生き物になる。所有物となり、教義に反する仕事をし、税金すら納めない生き物を国民とは認めないだろう。これで、ロゼルが役場になんと申し出ようと助けては貰えない。
元より特赦狙いで動いていたジェダイトは、不法入国者と同じ扱いのロゼルをどう協力者に仕立て上げても望む結果は得られなかったという事実に眉間の皺を深くしている。特赦について、ロゼルに決定的な罪がないという一点で押したかったが、そうはいかないらしい。
ジェダイトはロゼルの細い金髪を撫でながらしばらく黙っていた。まだなにかあったのかと顔を見ていると、頭に唇を寄せられる。頭皮に熱い息があたる。
「俺の軍籍もだ。王立軍に所属していた記録は何もなく、以前の同僚に取り次いで貰おうとしても部外者扱いだった」
「……それは」
「怪しまれているらしいな……特務局員としての権限が生きているのが救いだが、逆に何かしようとしてもどこで局員証を使用したのか上に筒抜けになる」
ロゼルは抱きしめる腕を深めた。寝慣れたベッドの上、厚い上掛けの中で互いの身体を温める。最早ロゼル一人が首を差し出せば済む段階でもないのだろう。
この空間だけが二人の平和で、外には二人を認める者などどこにもいないと言われているようだ。少なくともこの国には。
こうしてジェダイトが宿に戻って来るだけでも奇跡なのだと実感する。
「近く、君を連れ出す。捕えられるとすれば立ち入り調査を装って来るだろう。
特務局から宿の主人に事前通達をするはずだから、その前には必ず」
「そうしたら……一緒に、マルハへ」
「ああ。一緒に」
大陸の南にあるマルハ共和国。暑くて、自然が豊かで、人が自由に暮らしているらしい。ロゼルが本でしか見た事がない植物が山ほどある。乾物か生薬となってしか見たことがないハーブや香料なども多くはマルハが原産だ。ヴァルデンにはない海もある。気候も食事も音楽も踊りも言語も、信じる神すら違う国だ。
「僕はまず言葉を覚えます。文字なら読めるので」
「では、俺が日銭を稼ぐ。貿易が盛んだから港なら仕事があるだろう」
「お金が溜まったら家を借りましょうね。それと……あちら、では」
「ん?」
深くやさしい声で続きを促すジェダイトに、ロゼルの鼻の奥がぐっと痛んだ。以前は過去のことを思い出して涙していたのに、近頃は未来を思い描くと泣けてくるのだ。
この国の、一番汚れた街の隅っこより悪い場所などないだろうに。二人できっとやり遂げようと誓ったことなのに。声帯が震えて声に伝わってしまう。
「あちらでは、……外を、あなたと……歩きたい」
マルハの美しい布の装束を逞しい身体に纏って、あちらの強い日差しで焼けたジェダイトの隣で。
見慣れない食材をあれこれと買ってみて、食べ方も分からないと一緒に困ってみたい。
初めて飲むマルハのお酒できっとロゼルは酔ってしまうから、酩酊した頭でジェダイトの声を聞いていたい。
町外れの、昼寝に具合のいい木を見つけた自分を探しに来てほしい。呆れたようにして、家に連れ帰ってほしかった。
「一緒に、暮らして生きましょうね」
「……ああ」
こんな小さな部屋でほんの数ヶ月過ごしただけの相手に、望みすぎていることは分かっている。身体に覚え込まされた感覚による錯覚ですらあるのかもしれない。
それでもジェダイトと一緒にいたかった。彼が抱え込んだ暗い胸の内を、ロゼルが照らせているうちは。
一緒に生きていきたいのだ。
瞳が決壊しそうな涙の膜で覆われているロゼルの目元にジェダイトが口付けた。
こんなに穏やかで優しい人を、どうして使い捨てになどできるだろう。ジェダイトはどうして、こんなにすべてを受け入れてくれるのだろう。外に出られないロゼルは彼が用意する逃走経路を待つしかできない。なんの役にも立てない。ジェダイトの優しさの中に諦めを見つけていても、共に語る未来へ引っ張り出す力がない。
唇を重ね合った。その熱い感触すら、一瞬を惜しむように感じられてしまっていやだった。それでも隙間なくキスをして、身体を引き寄せて、脚で擦り寄る。
柔らかな筋肉に覆われた胸に手を当てた。ジェダイトの手はロゼルの髪に差し込まれている。随分と伸びた、彼だけの娼夫の髪に。
「……ジェダイトさん」
唇に吹き込むように名前を呼んだ。その懇願の響きに気が付いたジェダイトの指先が僅かに動く。
「ジェダイト……」
腰を寄せると、身体の中心まで合わさる。至近距離で見つめ合うと視界がぼやけるけれど、それでも彼を求めた。
この国を捨てるというのなら。
逃げようというのなら。
「……ロゼル、……君を、愛している」
「僕も、貴方を愛してる。
だから……そばに、いさせて……」
何に反したとしても構わない。
深くお互いを刻み込みたいという願いが重なった。
「ん、んぁ、あっ!あ゙、だめもう……っ!」
ベッドの端まで逃げてもまだ止まない。そんな愛撫に声を濁らせて、響かせた。
狭くて暗い部屋で、かさついた麻のシーツの上で目の眩むような快楽に漬けられる。うつ伏せて尻だけを高く上げた格好で、二本指を埋められてしこりの部分を執拗に責められては堪らなかった。姿勢を崩したくとも、腰砕けになる度に抱き戻される。粘膜の特に熱い、硬く凝ったところは触れて欲しがるように膨れているのに、いざ押されると冗談のように腰が弾けてしまうのだ。
「んぅ~~……っ!……や゙、だ……イッ……!」
達する度に大きく痙攣する腹筋が吊りそうだった。初めは蕩けさせる為に指を馴染ませていたはずの後膣は今や締まるばかりで、それなのにまだ欲するようにジェダイトの指を離さない。飲み込めない唾液で顎までが濡れ、目を開けるのも疲れたようなロゼルは小さく咳をする。
ジェダイトは余計なことを言わないまま、ただロゼルの身体を煮溶かしていた。唇と指先だけが甘くて、汗ばんだ背中に優しくキスをし、締まる中から引き去る瞬間に入口のところを引っ掛けていく。その都度面白いように跳ねるロゼルを見ても、腹の奥底から熱い溜息を落とすばかり。無口で、少しだけ物足りなくなる。
「……かお、見せて」
激しい快楽から少し冷ます猶予を与えられたロゼルは、重い身体を反転させようと鈍く身動ぎながらねだった。助けを得て仰向けになると、眩しそうに目を細めるジェダイトが血色のいいロゼルを見下ろしている。
彼がロゼルを見る表情は、それこそ信仰に近い。ロゼルも彼を生きる指針と定めてはいたが、それでは足りないのだ。こんなにも生き汚いロゼルには、足りない。ジェダイトの『命』を欲しているのだから、もっと生々しい彼が欲しいと思う。
「……脱いで……」
掠れかけた声で囁いた。足先でジェダイトの下肢を辿り、促す。少しだけ苦しそうな表情になったジェダイトは、それでも最後に腰から下だけを隠していた下着を脱ぎ去った
剛直が上を向いている。その赤黒い強さと硬さを見てロゼルは腹の奥が疼くのを感じた。重たげな袋の部分が少し張っていて、悪戯心から足の甲でそこを下からさすってみる。ひくりと跳ねた先端に、顔を逸らして笑んだ。
実に娼夫らしい仕草に、ジェダイトは歯の隙間からふーっと息を吐いて、少し苛立ちすら見えるようだ。足首を掴んで開かせ、様子の違う互いの逸物を腰の動きで擦り合わせる。ロゼルが身体をくねらせた。
「あっ……あん……」
「何も知らない身体だったのに……君は随分、奔放になったな」
「ふ……ふふ、貴方が教え込んだのに」
「こんな事は教えていない……」
両脚でジェダイトの腰を引き寄せる仕草を咎められ、その珍しく少し拗ねが混ざったような表情に興奮して、首にも腕を巻き付けて全身で抱き締める。
唇を求めて吸い付くと濡れた音が立ち、緩やかな快感があった。最初の頃、ロゼルの身体は冷たくて、ジェダイトは熱い肌だったように思う。今はお互いが同じ温度になり混ざってゆくようだ。舌が絡んでも、ひとつの温度だからすぐに境目が分からなくなる。
嬉しかった。溶け合ってしまえば何にも邪魔されないのが。
「中、ください……これ、奥に欲しい」
自らも腰を揺すってねだる。触れ合った陽物同士がくちくちと粘着いた音をさせて、ジェダイトの眉間がさらに深くなる。鼻先や頬にもキスをして、おねがいおねがいと強請るとその都度苦味のある表情をするのが堪らない。だってこの顔は、ロゼルに参っている顔だ。この反応が返ってくる限り、ジェダイトはロゼルに振り回されてくれるのだ。
「……止められないからな」
「止めたら、怒ります」
締めくくりに唇を深く押付け合ってから、ジェダイトが上半身を浮かしてロゼルの腰を抱えた。
赤く火照り、オイルで濡れそぼっているそこが露になる。ジェダイトの鋒が当てられると興奮で息があがり、はあはあと胸を上下させながらもその場所から目が逸らせない。
ぐぷ、と押し込まれた。ジェダイトが己の猛ったものに手を添えて、肉輪を乗り越える一瞬に呼吸が詰まる。
「……ぁ……!……あぁ……ッ!あぅ、う、~~ッ!」
「……っ、ぅ……」
圧迫感と、覚え込まされた中での快感。熱すぎる先端に割開かれるとぶるぶると震えがきて、背筋がしなる。足の指が丸まり膝が閉じそうになるのを諌めるように脚を開かれ、反射でずり上がりそうになるのをジェダイトの身体で止められた。
逃げられない。休むこともできない。両腕はしがみついていても本能が行き過ぎた快感に警鐘を鳴らして、足がベッドを押して腰を自ら持ち上げてしまう。
「んぅ!んッ、お、く……っ!」
「ロゼル……っ、ロゼル」
「ああッ!だめだめだめ……っ!うご、く、の!
あぁ、ぁ、ぁ……!ッ、ン、……ぉ……!……!♡」
腹の中すべてが性感を溜め込む袋になったようだ。
ジェダイトが腰を前後させ始めると、押し込まれる度に熱い快楽がぎゅっと濃縮されて身体に留まる。
舌先まで痺れて、唇から小さくはみ出てしまう。
声が甘ったるく濁る。
持ち上がった腰がかくかくと揺れて、肉筒はジェダイト自身を抱き締めて離さない。
腰を引かれると粘膜が引きずられるように擦れて、ロゼルの先端からじゅわっと先走りが滲み、ずぷっと押されると中のいいところが雁首に弾かれて爪先まで痺れが走る。
呼吸に合わせたピストンが脳を焼いた。
「ぉ、……あッ♡ん♡……ッぁ~~~……っ!
あぁ、あっ!……あぅ、うぅん……ッ♡……んッ♡」
「……っ、はぁ、っ……!」
「ジェ、……っあぅ、あっ!……ジェダ、……さ、ん……ッ!
きもちぃ、きもちっ♡……ぅ♡ん、ン、ッ♡」
「俺も、……たまらない……っ、ロゼル……」
「あッ!あっ♡……もっ、と、ああぁ……っ!」
待ち望んだ交合いは、まるで鞴で炎を煽るようだ。熱い火に焼かれてひとつのかたまりになっていく。
打ち付けられる速さが増していくと、無我夢中で抱きついて喉から勝手に出てくる音を溢れさせるだけになってしまう。肩に口元を押し付けて、何度も貫く楔から受ける快楽を、ジェダイトの肌に歯を滑らせて耐える。
ずっとこうしていたかった。
お互いしか見えない小さな部屋でずっと。
ここにいる限り誰も入ってこない。男同士で身体を交わしていることを『知らない』ことが抜け道である以上、自分たちを止めるものは何も無いはずだ。
正しくなくていい。
教義などどうでもいい。
自由にさせてほしい。歪んだ出会いから始まった、身体しか知らない相手であろうとも。
この人と恋をしていたいだけだ。
ロゼルはジェダイトの首筋が熱くて、汗で自分の頬が張り付くのが幸せだった。多幸感でくらくらして、目を閉じても全身でジェダイトを感じられて、ただそれが幸せだった。
この数ヶ月、少しずつジェダイトのための身体になっていたのだ。彼の大きな身体とシーツの隙間の蒸し暑い空間だけがロゼルの居場所でよかった。それを実感して涙が出てくる。その涙もジェダイトは知らなくていい。
「あ、あ゙っ……あ、は、はぁっ、いく、いく……ッ!
もうだめいくぅ……ッ♡」
「ッ、く、……俺も、……ふ、ぅっ」
「あっあっあっ……!イッ……くっ!
ッああ……、ッア、~~~ッ♡♡」
勝手に引けていってしまう身体を全力で押さえ込まれて、ごつごつと腰骨を穿つような深い律動の中、内蔵を鷲掴みにされたような収縮が来て、弾けた。
びくんっ、びくんっと痙攣して、声も出せなくなる。
ただ熱いものがじわじわ奥まで広がって、それがジェダイトの精だと言うことだけ感じられた。
「はっ……はっ……」
「は……、はぁ……、ン、……んぅ、ン……」
お互いに荒っぽい呼吸音を落ち着かせなければならないのに、それでも目が合えば唇を重ねて求める。ロゼルは確かに彼を愛していると思った。
神はやはりこの腕の中にしか居ないということも。
空の上になど、神はいないのだ。
自分たちを止められもしないのだから。
約束をした。二人で南へ逃げようと。
それを叶えようと思った。
ジェダイトと生きていきたかった。
叶わず死んでも仕方ないと思った。
死ぬまで一緒に生きられればよかった。
ロゼルが手を離さなければ、ジェダイトも生きてくれる。
だから、自分たちはこの国を出る。
ひとつだけ、後悔するだろうことがある。
国中の女性が憧れる、特務局員の白い法服を着た彼の姿は見てみたかったなと思う。
きっと、誰より似合っていたことだろう。
【8】
この世の無情を嘆いていた頃のロゼルは、心をどこかに置き去りにでもしたような顔をして、その実縋れるものを求めていた。
どこかに自分を劇的に変えてくれるものがないかといつでも窓の外を見ていたのだ。
近頃、ロゼルは外を眺めない。
以前一見の客に見つかった時のように、誰かに顔を覚えられるのを避けたかったのもあるし、ここから見える裏街の猥雑な風景に自分の求めるものは何も無いと確信したからだ。
宿の外に出たいわけではない。ロゼルはジェダイトと生きていきたいのだ。
知らぬうちに自分を見初めて、救いに来たひと。
一人で打ちのめされながらも、ロゼルだけは逃がしに来たひと。
今、何をしたってジェダイトに報いることは出来ない。ロゼルにはもう何もない。
ただ、すべて上手くいけば、ジェダイトとの未来がある。
そう彼に思わせることならできる。
自分のために彼を生かすことが、ロゼルの望みになった。
「…………」
ベッドに座り、目を閉じて館の物音にだけ集中する。
よく耳を澄ますと、足音でなく人の話す気配まで感じた。
誰かが宿の主人に説教をされている。
掃除番の老婆が妄言を呟きながら足を引き摺って移動している。
癇癪持ちの娼夫が部屋で暴れている。
これが神も目を逸らす宿の日常だ。
森の中で野ねずみの走る音を聞き分けるより容易いこれを、よく覚えておく。
異変があれば、それがロゼルの最期となる可能性が高い。
自分たちはいつ裁かれるか分からないのだ。
裁く者が、裏の人間か、表の人間か。それとも神なのか。
それだけの違いだった。
「……どうでしたか」
今夜も帰ってきてくれたジェダイトと命を分かち合うようなキスを終えたあと、二人分の唾液で唇を濡らしたロゼルが彼を抱きしめながら囁いた。密談はこの距離でないと部屋の外に届いてしまうかもしれない。二人は部屋の中でいつでも寄り添っていた。
「君の……戸籍は、もう無かった」
「……やっぱり」
売られた時から覚悟はしていたことだ。人ひとり消してしまえば、売り買いされるのは生き物になる。所有物となり、教義に反する仕事をし、税金すら納めない生き物を国民とは認めないだろう。これで、ロゼルが役場になんと申し出ようと助けては貰えない。
元より特赦狙いで動いていたジェダイトは、不法入国者と同じ扱いのロゼルをどう協力者に仕立て上げても望む結果は得られなかったという事実に眉間の皺を深くしている。特赦について、ロゼルに決定的な罪がないという一点で押したかったが、そうはいかないらしい。
ジェダイトはロゼルの細い金髪を撫でながらしばらく黙っていた。まだなにかあったのかと顔を見ていると、頭に唇を寄せられる。頭皮に熱い息があたる。
「俺の軍籍もだ。王立軍に所属していた記録は何もなく、以前の同僚に取り次いで貰おうとしても部外者扱いだった」
「……それは」
「怪しまれているらしいな……特務局員としての権限が生きているのが救いだが、逆に何かしようとしてもどこで局員証を使用したのか上に筒抜けになる」
ロゼルは抱きしめる腕を深めた。寝慣れたベッドの上、厚い上掛けの中で互いの身体を温める。最早ロゼル一人が首を差し出せば済む段階でもないのだろう。
この空間だけが二人の平和で、外には二人を認める者などどこにもいないと言われているようだ。少なくともこの国には。
こうしてジェダイトが宿に戻って来るだけでも奇跡なのだと実感する。
「近く、君を連れ出す。捕えられるとすれば立ち入り調査を装って来るだろう。
特務局から宿の主人に事前通達をするはずだから、その前には必ず」
「そうしたら……一緒に、マルハへ」
「ああ。一緒に」
大陸の南にあるマルハ共和国。暑くて、自然が豊かで、人が自由に暮らしているらしい。ロゼルが本でしか見た事がない植物が山ほどある。乾物か生薬となってしか見たことがないハーブや香料なども多くはマルハが原産だ。ヴァルデンにはない海もある。気候も食事も音楽も踊りも言語も、信じる神すら違う国だ。
「僕はまず言葉を覚えます。文字なら読めるので」
「では、俺が日銭を稼ぐ。貿易が盛んだから港なら仕事があるだろう」
「お金が溜まったら家を借りましょうね。それと……あちら、では」
「ん?」
深くやさしい声で続きを促すジェダイトに、ロゼルの鼻の奥がぐっと痛んだ。以前は過去のことを思い出して涙していたのに、近頃は未来を思い描くと泣けてくるのだ。
この国の、一番汚れた街の隅っこより悪い場所などないだろうに。二人できっとやり遂げようと誓ったことなのに。声帯が震えて声に伝わってしまう。
「あちらでは、……外を、あなたと……歩きたい」
マルハの美しい布の装束を逞しい身体に纏って、あちらの強い日差しで焼けたジェダイトの隣で。
見慣れない食材をあれこれと買ってみて、食べ方も分からないと一緒に困ってみたい。
初めて飲むマルハのお酒できっとロゼルは酔ってしまうから、酩酊した頭でジェダイトの声を聞いていたい。
町外れの、昼寝に具合のいい木を見つけた自分を探しに来てほしい。呆れたようにして、家に連れ帰ってほしかった。
「一緒に、暮らして生きましょうね」
「……ああ」
こんな小さな部屋でほんの数ヶ月過ごしただけの相手に、望みすぎていることは分かっている。身体に覚え込まされた感覚による錯覚ですらあるのかもしれない。
それでもジェダイトと一緒にいたかった。彼が抱え込んだ暗い胸の内を、ロゼルが照らせているうちは。
一緒に生きていきたいのだ。
瞳が決壊しそうな涙の膜で覆われているロゼルの目元にジェダイトが口付けた。
こんなに穏やかで優しい人を、どうして使い捨てになどできるだろう。ジェダイトはどうして、こんなにすべてを受け入れてくれるのだろう。外に出られないロゼルは彼が用意する逃走経路を待つしかできない。なんの役にも立てない。ジェダイトの優しさの中に諦めを見つけていても、共に語る未来へ引っ張り出す力がない。
唇を重ね合った。その熱い感触すら、一瞬を惜しむように感じられてしまっていやだった。それでも隙間なくキスをして、身体を引き寄せて、脚で擦り寄る。
柔らかな筋肉に覆われた胸に手を当てた。ジェダイトの手はロゼルの髪に差し込まれている。随分と伸びた、彼だけの娼夫の髪に。
「……ジェダイトさん」
唇に吹き込むように名前を呼んだ。その懇願の響きに気が付いたジェダイトの指先が僅かに動く。
「ジェダイト……」
腰を寄せると、身体の中心まで合わさる。至近距離で見つめ合うと視界がぼやけるけれど、それでも彼を求めた。
この国を捨てるというのなら。
逃げようというのなら。
「……ロゼル、……君を、愛している」
「僕も、貴方を愛してる。
だから……そばに、いさせて……」
何に反したとしても構わない。
深くお互いを刻み込みたいという願いが重なった。
「ん、んぁ、あっ!あ゙、だめもう……っ!」
ベッドの端まで逃げてもまだ止まない。そんな愛撫に声を濁らせて、響かせた。
狭くて暗い部屋で、かさついた麻のシーツの上で目の眩むような快楽に漬けられる。うつ伏せて尻だけを高く上げた格好で、二本指を埋められてしこりの部分を執拗に責められては堪らなかった。姿勢を崩したくとも、腰砕けになる度に抱き戻される。粘膜の特に熱い、硬く凝ったところは触れて欲しがるように膨れているのに、いざ押されると冗談のように腰が弾けてしまうのだ。
「んぅ~~……っ!……や゙、だ……イッ……!」
達する度に大きく痙攣する腹筋が吊りそうだった。初めは蕩けさせる為に指を馴染ませていたはずの後膣は今や締まるばかりで、それなのにまだ欲するようにジェダイトの指を離さない。飲み込めない唾液で顎までが濡れ、目を開けるのも疲れたようなロゼルは小さく咳をする。
ジェダイトは余計なことを言わないまま、ただロゼルの身体を煮溶かしていた。唇と指先だけが甘くて、汗ばんだ背中に優しくキスをし、締まる中から引き去る瞬間に入口のところを引っ掛けていく。その都度面白いように跳ねるロゼルを見ても、腹の奥底から熱い溜息を落とすばかり。無口で、少しだけ物足りなくなる。
「……かお、見せて」
激しい快楽から少し冷ます猶予を与えられたロゼルは、重い身体を反転させようと鈍く身動ぎながらねだった。助けを得て仰向けになると、眩しそうに目を細めるジェダイトが血色のいいロゼルを見下ろしている。
彼がロゼルを見る表情は、それこそ信仰に近い。ロゼルも彼を生きる指針と定めてはいたが、それでは足りないのだ。こんなにも生き汚いロゼルには、足りない。ジェダイトの『命』を欲しているのだから、もっと生々しい彼が欲しいと思う。
「……脱いで……」
掠れかけた声で囁いた。足先でジェダイトの下肢を辿り、促す。少しだけ苦しそうな表情になったジェダイトは、それでも最後に腰から下だけを隠していた下着を脱ぎ去った
剛直が上を向いている。その赤黒い強さと硬さを見てロゼルは腹の奥が疼くのを感じた。重たげな袋の部分が少し張っていて、悪戯心から足の甲でそこを下からさすってみる。ひくりと跳ねた先端に、顔を逸らして笑んだ。
実に娼夫らしい仕草に、ジェダイトは歯の隙間からふーっと息を吐いて、少し苛立ちすら見えるようだ。足首を掴んで開かせ、様子の違う互いの逸物を腰の動きで擦り合わせる。ロゼルが身体をくねらせた。
「あっ……あん……」
「何も知らない身体だったのに……君は随分、奔放になったな」
「ふ……ふふ、貴方が教え込んだのに」
「こんな事は教えていない……」
両脚でジェダイトの腰を引き寄せる仕草を咎められ、その珍しく少し拗ねが混ざったような表情に興奮して、首にも腕を巻き付けて全身で抱き締める。
唇を求めて吸い付くと濡れた音が立ち、緩やかな快感があった。最初の頃、ロゼルの身体は冷たくて、ジェダイトは熱い肌だったように思う。今はお互いが同じ温度になり混ざってゆくようだ。舌が絡んでも、ひとつの温度だからすぐに境目が分からなくなる。
嬉しかった。溶け合ってしまえば何にも邪魔されないのが。
「中、ください……これ、奥に欲しい」
自らも腰を揺すってねだる。触れ合った陽物同士がくちくちと粘着いた音をさせて、ジェダイトの眉間がさらに深くなる。鼻先や頬にもキスをして、おねがいおねがいと強請るとその都度苦味のある表情をするのが堪らない。だってこの顔は、ロゼルに参っている顔だ。この反応が返ってくる限り、ジェダイトはロゼルに振り回されてくれるのだ。
「……止められないからな」
「止めたら、怒ります」
締めくくりに唇を深く押付け合ってから、ジェダイトが上半身を浮かしてロゼルの腰を抱えた。
赤く火照り、オイルで濡れそぼっているそこが露になる。ジェダイトの鋒が当てられると興奮で息があがり、はあはあと胸を上下させながらもその場所から目が逸らせない。
ぐぷ、と押し込まれた。ジェダイトが己の猛ったものに手を添えて、肉輪を乗り越える一瞬に呼吸が詰まる。
「……ぁ……!……あぁ……ッ!あぅ、う、~~ッ!」
「……っ、ぅ……」
圧迫感と、覚え込まされた中での快感。熱すぎる先端に割開かれるとぶるぶると震えがきて、背筋がしなる。足の指が丸まり膝が閉じそうになるのを諌めるように脚を開かれ、反射でずり上がりそうになるのをジェダイトの身体で止められた。
逃げられない。休むこともできない。両腕はしがみついていても本能が行き過ぎた快感に警鐘を鳴らして、足がベッドを押して腰を自ら持ち上げてしまう。
「んぅ!んッ、お、く……っ!」
「ロゼル……っ、ロゼル」
「ああッ!だめだめだめ……っ!うご、く、の!
あぁ、ぁ、ぁ……!ッ、ン、……ぉ……!……!♡」
腹の中すべてが性感を溜め込む袋になったようだ。
ジェダイトが腰を前後させ始めると、押し込まれる度に熱い快楽がぎゅっと濃縮されて身体に留まる。
舌先まで痺れて、唇から小さくはみ出てしまう。
声が甘ったるく濁る。
持ち上がった腰がかくかくと揺れて、肉筒はジェダイト自身を抱き締めて離さない。
腰を引かれると粘膜が引きずられるように擦れて、ロゼルの先端からじゅわっと先走りが滲み、ずぷっと押されると中のいいところが雁首に弾かれて爪先まで痺れが走る。
呼吸に合わせたピストンが脳を焼いた。
「ぉ、……あッ♡ん♡……ッぁ~~~……っ!
あぁ、あっ!……あぅ、うぅん……ッ♡……んッ♡」
「……っ、はぁ、っ……!」
「ジェ、……っあぅ、あっ!……ジェダ、……さ、ん……ッ!
きもちぃ、きもちっ♡……ぅ♡ん、ン、ッ♡」
「俺も、……たまらない……っ、ロゼル……」
「あッ!あっ♡……もっ、と、ああぁ……っ!」
待ち望んだ交合いは、まるで鞴で炎を煽るようだ。熱い火に焼かれてひとつのかたまりになっていく。
打ち付けられる速さが増していくと、無我夢中で抱きついて喉から勝手に出てくる音を溢れさせるだけになってしまう。肩に口元を押し付けて、何度も貫く楔から受ける快楽を、ジェダイトの肌に歯を滑らせて耐える。
ずっとこうしていたかった。
お互いしか見えない小さな部屋でずっと。
ここにいる限り誰も入ってこない。男同士で身体を交わしていることを『知らない』ことが抜け道である以上、自分たちを止めるものは何も無いはずだ。
正しくなくていい。
教義などどうでもいい。
自由にさせてほしい。歪んだ出会いから始まった、身体しか知らない相手であろうとも。
この人と恋をしていたいだけだ。
ロゼルはジェダイトの首筋が熱くて、汗で自分の頬が張り付くのが幸せだった。多幸感でくらくらして、目を閉じても全身でジェダイトを感じられて、ただそれが幸せだった。
この数ヶ月、少しずつジェダイトのための身体になっていたのだ。彼の大きな身体とシーツの隙間の蒸し暑い空間だけがロゼルの居場所でよかった。それを実感して涙が出てくる。その涙もジェダイトは知らなくていい。
「あ、あ゙っ……あ、は、はぁっ、いく、いく……ッ!
もうだめいくぅ……ッ♡」
「ッ、く、……俺も、……ふ、ぅっ」
「あっあっあっ……!イッ……くっ!
ッああ……、ッア、~~~ッ♡♡」
勝手に引けていってしまう身体を全力で押さえ込まれて、ごつごつと腰骨を穿つような深い律動の中、内蔵を鷲掴みにされたような収縮が来て、弾けた。
びくんっ、びくんっと痙攣して、声も出せなくなる。
ただ熱いものがじわじわ奥まで広がって、それがジェダイトの精だと言うことだけ感じられた。
「はっ……はっ……」
「は……、はぁ……、ン、……んぅ、ン……」
お互いに荒っぽい呼吸音を落ち着かせなければならないのに、それでも目が合えば唇を重ねて求める。ロゼルは確かに彼を愛していると思った。
神はやはりこの腕の中にしか居ないということも。
空の上になど、神はいないのだ。
自分たちを止められもしないのだから。
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