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第11話 祝杯とSP消費

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 転生後、人生初の魔物討伐を済ませた俺は『翼竜の翼』のメンバーと酒場へとやってきていた。

「よーし、今日はソウタの歓迎会とDランク昇格を祝って」

「「「「「乾杯」」」」」

 俺たちはエールが入った、グラスを各々にぶつけ合う。
 まだ15歳なのに何故、酒を飲めるのかというとこの国アルトバルトでは成人の年齢が15歳からだからである。
 俺も最初は未成年で因習というのに戸惑ったが、合法的に飲んでいいのであれば飲む以外の選択肢はない。

 乾杯の後、メンバーの殆どが凄い勢いでグラスを空にしていく。

「ぷはぁぁぁぁ! 親父さんおかわりー」

 その中でも、1番最初にグラスを干したのはマリンであった。
 マリンは俺を見るや否や

「あれ!? ソウタ遅くないー!?」

 マリンに煽られた俺は仕方なく、一気にグラスのエールを喉に押し流す。

 バンッ。とグラスを机に置いて、

「親父さん、お変わりー」
 
 マリンにどうだと言わんばかりの視線を向ける。
 そんな様子を見て、マルゴもグラスを一気に空にする。

「ソウタァァ、いい飲みっぷりだなぁ、ワハハハ。どこかの誰かさんとは違うなぁ」
 
 マルゴは一瞬、ケインの方を見て俺に視線を戻す。
 ケインを見てみると、「はぁ……」溜息を吐いている。

 その後も、何か知らない肉の串焼きが大量に出てきて、それをつまみにエールを流し込む。

 暫くすると、完全に出来上がった2人がいた。

「おーーい脳筋のマルゴォォォ、お前酒足りてねぇんじゃねえかぁぁ」

 マリンがマルゴを煽っている。
 だが、そのマリンもこれでもかという程顔を真っ赤にしている。
 対して、マルゴも煽られてはそのままではいられないようで、氷だけしか入っていないグラスを傾けては、ドンッとテーブルに置く。

「うっしぇえ! どうだぁ、飲んでやったぞぉぉ、ワハハ!」

 マルゴはふらふらとして、目をトロンとさせている。
 その様子を見て、ケインは溜息をつく。

「はぁ……こいつらはいつもいつも……」

 同様に、サリネも溜息を吐く。

「今日はもう介抱しないよーー」

 ケインとサリネの様子を見て、2人はいつも大変なんだなと同情してしまう。

 1番、張り切ってお 酒に強そうに見えたマリンとマルゴであったが、実は両者とも弱い。
 結果、最初に潰れるのがいつものことらしい。

 ケインは酔い潰れた2人を見て、哀れ目でエールを口に入れる。

「それにしてもソウタは酒が強いみたいだな。結構なペースで飲んでたのに、何ともないみたいだな」

「本当だねー、あの馬鹿達と張り合って、一緒に馬鹿になると思ったら」

 俺はマルゴとマリンのペースに合わせて飲んでいたのだが、酔いなど一切感じなかった。

 恐らくだが、ハーレックの店で購入した服で、効果を付与した【状態異常耐性Lv.1】が発動しているのだと思う。

 結局、最後は2人は夢の世界へと旅立ち。
 俺とサリネとケインで飲んでいた。

 その後は俺がマリンを背負い、マルゴはケインが引き摺る形で、いつも『翼竜の翼』が宿泊している宿屋へと向かった。
 

 暫く夜風に浴びながら歩いていると、行きつけの宿屋へと着いた。

 早速、宿屋へと入ると優しそうな女の人が出てくる。

「あらあら、『翼竜の翼』の皆さんね。それに新しい可愛い子もいるじゃない。私はこの宿の女将のカーミラよ。宜しくね。」

 俺も女将さんに自己紹介をする。

「はじめまして、冒険者のソウタです。宜しくお願いします。早速部屋をお借りしてもいいですか?」

「あら、マリンちゃんと2人で一部屋でいいかしら?」

 カーミラさんが冗談を言うもんだから、思わず「ぶっ」と吹き出してしまう。
 俺の反応を見たカーミラさんは口元に手を当てる。

「うふふ、冗談よ。マリンちゃんもこんな良い男におんぶされてるなんて幸せ者ね。私も後でおぶってもらってもいいかしら?」

 またカーミラさんが冗談を言う。
 カーミラさんはそう言いながらも、部屋の鍵の準備をする。

「はい、じゃあ。これがマリンちゃんの部屋の鍵ね。それとこれがソウタ君の部屋の鍵」

 カーミラさんはメンバーそれぞれに部屋の鍵を渡していく。鍵を渡し終えると

「ソウタ君は初めてだろうから説明するわね。まず宿代だけど、一泊の朝食付きで銅貨50枚ね。それと部屋にはお湯は無いから、欲しかったら言ってね。後は部屋でH事はやめといた方がいいわよ。壁が薄いから隣の人に聞こえちゃうかもだから」

「はあ……料金は前払いの方がいいですか?」 

「そうだね、そうしてくれると助かるわね」

 俺は納得して、とりあえず酔い潰れたマリンの分も払っておく。

 説明を受けた俺は、ひとまずはマリンを部屋へと送り届けることにする。

 背中でむにゃむにゃと眠りつくマリンを俺はベットへと優しく横たえる。

 何か寝言のようなことを言っているが、マリンが起きたら絶対に恥ずかしい思いを聞かなかったことにしてあげた。


 俺はマリンを部屋へと送り届け、自分の部屋へと戻ってた。

 鎖帷子と剣を『異空間収納』へと仕舞い込み、ベッドへと飛び込む。

「はぁぁ……、疲れたーー」

 初めての冒険者稼業に思ったよりも疲労感を感じた。

 俺は寝る前に、【固有能力付与】を確認しておくことにする。



【固定能力付与】

『衣類付与』

【自動洗浄】【防汚】【消臭】【芳香】【自動治癒Lv.1】【状態異常耐性Lv.1】【怪我防止】【自動修復】


『武器付与』

[長剣]

【不壊】【斬撃強化Lv.1】【武器破壊】【身体強化Lv.2】【形態変化】【炎纏】



『防具付与』

[帷子]

【不壊】【物理攻撃半減】【魔法攻撃半減】【身体強化Lv.2】



 使用可能残り   SP 900

 とりあえず戦闘中にあげられなかった【斬撃強化Lv.1】をSPを100消費して、【斬撃強化Lv.2】へ。

 さらに【状態異常耐性Lv.1】をSPを100消費して、【状態異常耐性Lv.2】へ。

 それに加えて【身体強化Lv.2】をSPを200消費して、【身体強化Lv.3】、そして【身体強化Lv.3】をSPを300消費して、【身体強化Lv.4】した。

 その結果、各種。



【固定能力付与】

『衣類付与』

【自動洗浄】【防汚】【消臭】【芳香】【自動治癒Lv.1】【状態異常耐性Lv.2】【怪我防止】【自動修復】


『武器付与』

[長剣]

【不壊】【斬撃強化Lv.2】【武器破壊】【身体強化Lv.4】【形態変化】【炎纏】



『防具付与』

[帷子]

【不壊】【物理攻撃半減】【魔法攻撃半減】【身体強化Lv.4】


 使用可能残り   SP 0 


 確認した俺は目を瞑って「また明日からも頑張ろう」と呟いて眠りについた。



 
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