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2話
しおりを挟む「ぜぇーはぁー、ギリせぇぇふ!!!」
おいおいこれのどこがマドンナだよ。ガリ股で走る姿はゴリラにしか見えねぇのは俺だけか?しかもめっちゃ足速いし俺は後についていくので必死だ。さすがにこの姿を見たら、可憐だなんて言ってられないだろう……ってえ??どの男どもも目がハート??
…なぜ……??
「っっっっおっはよ!!!花!」
「あ!おはよ!蓮くん!」
「おい、ヤリチンが花に近づくんじゃねぇ、花が汚れる」
花に挨拶もおろかまともに目も合わせられない男どもに目も向けず、花に抱きついているのが、俺の好きな人である蓮だ。
え?好きな人に対する話し方じゃないって??こっちはいろいろ拗らせてんの。察してください。
まぁ俺の気持ちを察するなんてそんなことは誰もできないなんて知ってる。察しのいい蓮ですら、態度の裏に隠してある俺の本当の気持ちなんて気付きやしない。気づかないどころか、蓮は俺のことが嫌いだ。…ってそんなのは当たり前か。
「……おい、俺に突っかかるのは勝手だが、花を困らせるんじゃねぇ、お前さえいなければ、花は大変な思いはしない」
ほらな?
俺が自分に突っかかるのは、妹のことを守るためと思ってるかもしれないし、ただ単に俺が自分のことを嫌っていると思ってるかもしれない、本当の理由を知ったら、どんな反応するのだろう。驚く?引く??想像するだけで悲しい気持ちになるからやめよ。
「こら!!また喧嘩して!!悠ちゃん!なんで蓮くんにはそんな態度を取るの!!蓮くんも!!私の心配してくれるのは嬉しいけど、私は何も大変じゃないよ??だからお兄ちゃんのことを悪く言うのはやめてね??分かった?」
「……分かった…」
「よし!いつもありがとうね、蓮くん!」
あーあ、照れちゃって、、
「悠ちゃんも分かった!?」
俺に話しかける花にチッと舌打ちすると、蓮はものすごい顔で睨みつけるが、花に俺の事悪く言うなと言われた手前、我慢しているのだろう。プルプル震えている。
『あーあ、可愛いなぁ…』
なんて、絶対言えないけど
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