ごめんね、でも好きなんだ

3話

俺たち双子と蓮は小さい頃からの幼なじみだ。
昔の俺は蓮のことは友達として大好きだった。しかしそれは蓮に対する本当の気持ちを自分自身自覚していなかったからで、今思えばこの頃からほんとうは好きだったかもしれない。でもそんなことに気付きもしない俺は蓮が好きと言う気持ちに対して素直だった。蓮も俺に優しかった。毎日花と蓮で一緒に遊んだ。







ある日、花がおままごとをしたいと言い出した。俺はそれに賛成し、俺は蓮のお嫁さんがやりたいと言ったのだ。だが蓮はこう言った。


「男の子はおよめさんになれないんだよ？？」






なんで？とは聞けなかった。子供ながらに気づいたんだ。俺1人がおかしいって。それに、なんで？なんて聞かなくても、蓮が花の旦那さんになりたいのが見て分かった。
そのおままごとでは、俺は2人の赤ちゃん役だった。









それからもずっと、蓮のお嫁さんにはなれなかった。









それからだった。俺が蓮に冷たく接してしまうようになったのは。自覚してしまったこの気持ちをとにかくバレないようにするので必死で、蓮の気持ちなんて考える余裕がなかった。












もし俺が花だったら……なんて考えたことはないって言ってしまえば嘘になる。でも花はお世辞なしで本当に可愛い。花が俺の妹でよかったって心から思うし、正直で周りを笑顔にできる花だから蓮の相手が花でよかったって思える。だから、花たちの邪魔なんてほんとうはしたくない。でも体が言うこと聞かない。



















花，悪いお兄ちゃんでごめん。