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17話

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それから俺と颯は毎日一緒にいるようになった。最初はお昼だけだったが、教室でも颯はいつも俺のところへ来てくれて、颯のおかげで学校が楽しくなった。今ではもう呼び捨てで呼び合う仲だ。そして今日も颯と2人でご飯を食べている。

「なぁ~、悠ってさ毎日自分で弁当作ってんの??」

俺はなんて答えればいいかわからなかった。颯にも嘘をつくべきか悩んだが、別に颯と蓮は関わりがなさそうだし、颯には本当のことを言っていいかと思い正直に答えた。


「うん。そうだよ。どうかした?」

「いやぁ~。悠のお弁当っていつも美味しそうだなぁっておもってたんだ。」

「そう?普通のしか入ってないと思うけど…」

「いやいや!!見るからに卵焼きとかまじで美味しそう!!」

自分の作ったものをそんなに言ってもらえるとなんだか嬉しくなる。

「…一つ食べる??」

「…いいの??」

「別にいいよ。はいあーん。」

「…へ?」

急に颯が固まった。どうしたんだろ?俺は首をかしげ、もう一回あーんと颯の口まで卵焼きを近づける。

「…可愛すぎる…」

「…なんか言った??」

「んーん!悠、食べさせて?」

「はいどーぞっ!…美味しかったらいいけど…」


颯の口に卵焼きを入れ、卵焼きを食べる颯を心配そうに見つめる。口に合わなかったら申し訳ないなー…


「…すぎる」

「ん?まずい??」

「んんんますぎる!!!!!!」


颯は頬を両手で押さえながらすごく幸せそうな顔をしている。なんか大げさな気もするけど、卵焼きひとつでここまで喜んでもらえて俺はすごく嬉しかった。


「…颯の分、作ってこようか??」

「いいの!?…あ!でもやっぱりいい!!」

「ん?なんで??別に気にしないでいいんだよ??」

「弁当はいいから、少し多めにおかず作ってきて??ほんとに少なくていいから、それを毎回俺に悠から食べさせて欲しい…」

「別にいいけど…?」

「ありがとう、悠。」




わざわざ俺から食べさせて欲しいなんて…変な奴。…まぁ弁当作るより楽だからいっか。
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