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第5章 執事の特訓!
(3)シトリンのもうひとつの姿
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「どう? これならいけるでしょ? わたしでも、ロゼさんより背が高いかもだけど」
煙の中から聞こえるのは、さっきよりも高い声。現れたのは、にこっと笑っている女の子――。もしかしなくても……、シトリンの女の子バージョンだ!
鈍い金髪はポニーテールにして、目はぱっちり。すらっと高い身長はやっぱりモデルみたいだけど、目を細めて笑うのは、とっても……、
「かわいいっ!」
「でしょ~? わたし、けっこうかわいいんだよ~」
うんうん! スポーティーなかわいい洋服とか、絶対似合う! いいなあ!
「あ、でも、いいの? 姿を変えるのは、校則違反なんでしょ?」
「先生に見つからなきゃ、だいじょーぶ!」
うわあ、適当だなあ……。
「ほら、練習しよ。わたしの足ならどれだけ踏んでもいいよ。お嬢さまたちとはちがって、鍛えてるからさ~」
そうして差し出された手を、わたしはおずおずと取った。
(せっかく手伝ってくれるんだし、ちゃんと練習しなきゃ)
シトリンが鼻歌でリズムをとってくれる。それにあわせて、ステップをはじめた。踏んでいいって言われても、やっぱり申し訳なくて、必死にステップを思い出す。
「一歩進んで、ターンして、一歩下がって、今度は横のステップ、……つぎは~~~」
ぼそぼそ言いながら踊るわたしを、シトリンはじーっと見ていた。
「……ねえ、リリイ」
「な、なに!? いま、話してる余裕ないんだけど!」
「この前、ごめんね。迷いの森の授業でさ、うちのお嬢が、怖がらせちゃったでしょ」
ぱっと、頭にイエローさんの姿が浮かんだ。凶暴な目をしていたイエローさん。迷路を粉々にした魔法の怖さ――。思わず足が止まりそうになると、ぐいっとシトリンに手を引かれる。
「練習なんだから、ダンスはつづけなきゃ~」
「あ、う、うん……」
シトリンは表情も声も、いつもと同じ。のんびりした調子で、つづけた。
「怖がらせたのはごめんって思ってるんだよ。でもね~、誤解しないで。お嬢は、リリイがどうでもいい、なんて思ってなかったから」
シトリンがくるんとターンして、ほほ笑んだ。
「あそこにはわたしがいたから、お嬢も思いきり魔法を使った。ただ、それだけだよ」
「……え、どういうこと?」
「お嬢は、わたしがリリイを守るって信じてたんだよ。わたしはむかしから、お嬢のむちゃぶりにつき合ってきたからね。お嬢が望むことは、言葉がなくてもわかるから」
あ。たしかにあのとき。シトリンは、わたしを防御魔法で守ってくれた。イエローさんは、最初からシトリンがそうするって、わかってたってこと……?
煙の中から聞こえるのは、さっきよりも高い声。現れたのは、にこっと笑っている女の子――。もしかしなくても……、シトリンの女の子バージョンだ!
鈍い金髪はポニーテールにして、目はぱっちり。すらっと高い身長はやっぱりモデルみたいだけど、目を細めて笑うのは、とっても……、
「かわいいっ!」
「でしょ~? わたし、けっこうかわいいんだよ~」
うんうん! スポーティーなかわいい洋服とか、絶対似合う! いいなあ!
「あ、でも、いいの? 姿を変えるのは、校則違反なんでしょ?」
「先生に見つからなきゃ、だいじょーぶ!」
うわあ、適当だなあ……。
「ほら、練習しよ。わたしの足ならどれだけ踏んでもいいよ。お嬢さまたちとはちがって、鍛えてるからさ~」
そうして差し出された手を、わたしはおずおずと取った。
(せっかく手伝ってくれるんだし、ちゃんと練習しなきゃ)
シトリンが鼻歌でリズムをとってくれる。それにあわせて、ステップをはじめた。踏んでいいって言われても、やっぱり申し訳なくて、必死にステップを思い出す。
「一歩進んで、ターンして、一歩下がって、今度は横のステップ、……つぎは~~~」
ぼそぼそ言いながら踊るわたしを、シトリンはじーっと見ていた。
「……ねえ、リリイ」
「な、なに!? いま、話してる余裕ないんだけど!」
「この前、ごめんね。迷いの森の授業でさ、うちのお嬢が、怖がらせちゃったでしょ」
ぱっと、頭にイエローさんの姿が浮かんだ。凶暴な目をしていたイエローさん。迷路を粉々にした魔法の怖さ――。思わず足が止まりそうになると、ぐいっとシトリンに手を引かれる。
「練習なんだから、ダンスはつづけなきゃ~」
「あ、う、うん……」
シトリンは表情も声も、いつもと同じ。のんびりした調子で、つづけた。
「怖がらせたのはごめんって思ってるんだよ。でもね~、誤解しないで。お嬢は、リリイがどうでもいい、なんて思ってなかったから」
シトリンがくるんとターンして、ほほ笑んだ。
「あそこにはわたしがいたから、お嬢も思いきり魔法を使った。ただ、それだけだよ」
「……え、どういうこと?」
「お嬢は、わたしがリリイを守るって信じてたんだよ。わたしはむかしから、お嬢のむちゃぶりにつき合ってきたからね。お嬢が望むことは、言葉がなくてもわかるから」
あ。たしかにあのとき。シトリンは、わたしを防御魔法で守ってくれた。イエローさんは、最初からシトリンがそうするって、わかってたってこと……?
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