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「んっんんっ!!」
さっきの甘いキスが嘘みたいな乱暴な口づけのせいで呼吸がうまくできなくなる。
苦しくて身体を押し返すが、強い力で腕を押さえられ、逃げ出せずにシーツに縫い止められる。
噛みつくみたいに唇ごと食まれて強く吸い上げられる。
声を上げる事も出来ない嵐のようなキス。
「ふぁ、あんっ……!」
私の唇から離れたシュルト様の舌が顎を辿り首筋を舐めた。そのまま落ちた舌は、乱した制服の中に入り込み、私の肌をなぶる。
「や、だめっ、だめ」
これでは最初の日と一緒だ。捨てられると思ったのに、どうしてまた私を抱くの。
抵抗らしい抵抗も出来ぬままに私は制服をはぎ取られてベッドに転がる。
シュルト様も乱暴に服を脱ぎ捨て私に覆いかぶさってきた。
肌と肌がぶつかる感触は初めてで、その生々しさと刺激に身体に電流が流れる。
うつぶせで逃げようとした私の背中にシュルト様が覆いかぶさる。
背中にぴったりと触れる彼の胸板や腹部の堅さや熱さに眩暈がしそうだ。
四つん這いになった私の足の間に彼の熱が入り込み、ぐちぐちといやらしい音を立てながら前後に擦れる。
「や、あゃっ、あぁつ」
朝、注がれたものと私の蜜が溢れたせいでよく滑るその硬さは、側面で私の入り口をいじめ、先端で敏感な突起を抉る。
背中から回された手が重力で下を向いた胸を強く揉みながら、先端を指先で抓るようにこねまわす。
「ひっ、いああっあぁ!!」
もう言葉なんか喋れないほどの快感に腰が抜けて膝が震える。
シュルト様の唇が私のうなじをゆるく噛む。まるでけだものだ。
「だぇ、だめ、ぁぁぁぁつ」
「何がだめだ。俺の子が欲しいんだろう!」
ずん、と予告なしに貫かれた。
最初から最奥まで突き込まれ、それだけで身体が絶頂に達した。衝撃で身を震わせている私の腰を掴んだシュルト様は、私の息が整うのなど当然待ってはくれず、激しい抽挿を始めた。その動きに合わせ、私の身体は哀れなほどに前後に揺れる。
くるりと円を描くように腰を回されて、ぱん、と痛いほどに肌と肌がぶつかる程につきこまれると、私はその度にはしたなく「いく、いっちゃう」と叫ぶばかりだ。
「ひ、ひぅ、ひぃん、ああぁぅ」
頬をシーツに付け、閉じる間もない口からは涎が溢れる。シーツにすがりつく力すらない。
腰を掴む彼の手と、私の中に納められた凶悪な熱だけに支えられ、腰だけを浮かせたみっともない格好で私は彼の好きなように揺すられ続ける。
「きゃあっ」
足を掴まれ、半端に転がされ横を向いた体勢になり、片足だけを上げた不自然な体位で絡むように突き込まれると、これまでとは違った場所をぐりぐりと刺激されると、私の口からはひっきりなしに甘い声が出てしまう。
「だめ、そこやぁつ、だめっ」
「俺を締め付けて離さないのにっ、よく言う」
「やあぁぁんっ!」
そこからは本当に翻弄されるがままに組み敷かれ、鳴かされた。
何度絶頂したかなんかわからない。ベッドの上でまるで本当に恋人、ううん、獣みたいに絡まって交わって。
その間、シュルト様は意地になったように私から熱を抜くことはなかった。
体位を変える際にも、浅く先端は突き込んだまま、まるで吐き出したものを一滴だって外には出さないとでも言いたげな容赦のない腰の動きに、私の身体は溶けてなくなりそうになる。
ぶちゅっとようやくそれが抜け出た時、まるで粗相をしてしまったかのように入口からたくさんの白濁としたものが流れ出るのを感じた。
その感覚すら私の身体は快楽と感じて打ち震えてしまう。
「あ、あぁ」
お互いの汗や色々なもので汚れぐしゃぐしゃになり熱のこもったシーツにうつぶせに倒れたまま、私は体全部が脈打っているような激しい動悸を収める為に、必死で洗い呼吸を繰り返す。
シュルト様が私から離れ、ベッドに座り込んでいるのが横目に見えた。大きな掌がまるで宥めるように私の背中を撫でてくる。
「アルリナ」
何を言われるのだろう。何故またもこんなに激しく抱かれたのだろう。
彼の子供を欲してしまった私の狡さが彼の何かに触れたのだろうか。
あまりひどく抱き続けられると子供が流れてしまうと友人たちが話していた気がする。
もしかしてそれが目的なのだろうか。
視界を歪ませ頬を濡らすのが、どんな理由で溢れた涙なのかもう考えるのすら億劫だった。
その頬にシュルト様の指が触れる。
汗と涙でぐしゃくしゃの眦を撫で、額に張り付いた髪を優しく撫でつけられると、まるで愛されているかのような錯覚をしてしまう。
「シュルトさま」
名前を呼べは、その指がわずかに震えた。
力の入らない手で何とか身体を起こし、起き上がる。
向き合うように座り込んだ私たちはお互い何一つ身に付けてはいない。
シュルト様の身体はしっかりと引き締まっており、たくましい。
さっきまでその腕の中に組み敷かれていたという事実にまた体が反応し、ぬるりと足の間を濡らした。
「アルリナ………っ、お前、血が」
「えっ」
私を見つめていたシュルト様がぎょっとした様子で私の足の間を見ている。
つられて視線を降ろせば、僅かに濁った半透明の液体の中に血が混じっている。
あまりに激しい交わりでどこか怪我をしたのだろうかと驚くが、それは身に覚えのある当たり前の障りだ。
すぅ、と心と体が冷え切った気がした。
「だ、大丈夫、です。月の、障りです」
「月の…………そうか」
シュルト様の表情にも僅かに動揺が混じる。
お互い、無知ではない。
この出血がこれまでの日々が何も実を結んでいないことを証明してしまった。
薬になど頼らなくてもシュルト様は何も案ずる必要がない。
「あの、私、ごめんなさい。薬、のめなくて、ごめんなさい」
気が付けばまたぼろぼろと泣いていた。
私の小賢しい悪事など、結局こうやって無意味になるのだ。
子供さえできれば、たとえどんな形であれ彼とつながって居られると考えてしまったあさましさ。
酷い扱いをされているのに、どこかで喜んでいた自分の醜さや歪さがみじめだった。
「…………」
シュルト様は何も言わない。
なぜ何も言ってくれないのだろう。どうして私を抱いたの。
いっそのこと、もっと酷い事を言ってくれれば、嫌いになれたかもしれないのに。
最初に抱かれたあの日から、彼が私に語る言葉は最中の私を弄るものばかりで、昔のように地味だ可愛くないと私を貶める発言が無かった。
だから余計に私は混乱していた。何故、どうして、と。
ギルバート様と何をするつもりなの、クレア様とどんな関係なの、私の事をどう思っているの。
聞きたい事が多すぎて、言葉にならずに喉に張り付く。
ぐしゃくしゃの私を見つめるシュルト様は無言のままにベッドを降りる。
その背中にすがりつこうと伸ばしかけた手は空を切った。
シュルト様は素早く服を身に着けると、私に背を向けたままに歩き出す。
そして一度も振り返らず、私に声をかける事もなく、彼は部屋を出て行った。
私は泣きながらシーツに身を伏せ、声を上げて泣いた。
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