新撰組と優しい鬼のどたばた日常

苺姫 木苺

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「あー…暇だ」

人間達は今日も忙しそうに働いてるなぁ…
妖怪である僕は人間をじっとみていた。その時、橋の向こうから子どもが走ってきた。

「あ!いた!!翼にぃ!なんでいつもどっか行っちゃうのさ!」
「そりゃ、暇だからさ」

それにしても、雅哉も大きくなったな。僕が、あいつを拾った時はまだ赤ん坊だったのにな。月日が経つのは早いな…というか!雅哉年々口うるさくなってはいないか?!

「翼にぃって昔から変わんないね。あ!違くて!翼にぃを探してたんだ!」
「ん?なんかあったのか?」

なんで雅哉はこんなに慌ててるんだ?

「桜がいなくなったんだ!!」
「は?なんで?僕いつも誰かと行動させてたよな?」

桜はまだ5歳でそれに方向音痴だから必ず誰かと行動させていたのに何故だ?!

「ごめんなさい!僕が今日子守りしてたんだけど、厠行って戻って来たらいなくなってたんだ…」
「…それは仕方ないな。他の子達は桜を探しているのか?」

まぁ、厠まで連れてくって訳にも行かないから仕方ない。他の子達が見つけてくれればいいのだが…

「あ、うん!」
「なら、僕達も行くぞ」

その時、遠くから桜の声が微かにだが聴こえた。

「こっちだ」
「え?!翼にぃ聴こえたの?!」
「まあな」

まぁ、僕は純粋な妖怪だからな。

「行くぞ」
「うん!」

ん?あれは桜と誰だ?なんで桜を抱っこしてる?それに、あの羽織りは…あいつらか。

「翼おにぃちゃん!雅哉おにぃちゃん!!」
「桜!駄目じゃないか!勝手に外に出ちゃ!」
「ご、ごめんなしゃいー!!」

桜はえーんえんと号泣して雅哉に抱きついた。
さて、僕は問題のこいつに御礼言わなきゃだな…

「貴方が桜を保護してくれたのですね。ありがとうございます」
「いえいえ。目の前で斬られそうになっていたので、助けました」
「?!…それは、誠にありがとうございます。桜ちゃんと御礼言ったか?」

はぁ…桜が斬られなくて良かった。だが、問題はこいつに助けられた事だ。

「言ってない…お兄さん!助けてくれてありがとぉ」
「いえいえ。桜ちゃんもう1人で京を歩いてはいけませんよ?」
「はーい」

桜本当にわかっているのか?!…それに、してもこいつ子ども好きだったんだな。めちゃくちゃ笑顔だ。意外だな。

「失礼。名乗っていませんでしたね。僕神木翼と申します」
「あ、僕は新撰組1番隊組長の沖田総司と言います……神木さん貴方強いですね」
「はい?」

急になんだ?強い人?何のことだ?!

「ねぇ!どうですか?新撰組に入りませんか?神木さん刀扱うの上手そうだし!」
「いえ。結構です」
「そんなこと言わずにー!」

これは、長くなりそうだ。桜と雅哉を先に帰らそう。

「雅哉、桜と一緒に先に帰ってろ。僕も後から行くから」
「はい」
「よし。いい子だ」
「じゃあ、翼にぃ帰ってるね!」
「あぁ」

僕も雅哉達と一緒に帰りたかった。面倒事はごめんなのに…

「あの子達と先に帰したって事は話し聞いてくれるんですよね?じゃあ、新撰組の屯所行きましょ!」
「はぁ…話し聞くだけですからね?」
「そう言って新撰組に入ってくれることを願ってます!」

わかった。沖田総司はめちゃくちゃうざい奴だ。
頑張って話しだけ聞いて帰るとするか。



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小説家になろうでも投稿してます。
更新が早いのは小説家になろうです。


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