異世界に召喚された高校生、最弱勇者認定されたので料理人にジョブチェンジ!

苺姫 木苺

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冒険者ギルドの料理人

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「よし!夜やしガッツリ系のカツを作ろう。まあ、この世界には豚はおらへんから似たようなやつで代用するしかあれへんけどな~。でも、この鑑定スキル便利やな。見ただけで何でもしれるなんてな」
波音が召喚された世界には魔法とは別にスキルも使えるのだ。波音が使えるのは鑑定スキルだけだ。普通の人はスキルは3個から5個貰えるのだが波音だけは1つだけだった。だが、波音が使える鑑定スキルは相手の弱点までもしれる最強スキルなのだ。波音自身は便利なスキルだなー位に思っている。



「で?ナオ何作るんだ?」
「オークカツや。肉を切ってパン粉でまぶし油できつね色になるまで揚げるんよ」
波音は東京にいた際自分でご飯を作っていた為料理上手だ。高校にはお弁当も作っていたので毎日料理をしていた。



波音はゼンガに説明しながらオークの肉を切り、それを卵に漬けパン粉をまぶした。パン粉をまぶしている時に油を温めておくのも忘れない事が重要だ。
肉に充分にパン粉がまぶせたので、油が温まっているのを確認し肉を油に入れる。
「お、いい感じやん。早くきつね色にならへんかな~」
10分~15分程できつね色になったので、オークカツを取り出し、余分な油が落ちるまで待つ。
「めちゃくちゃ美味そうだな。油の中に入れた時はどうなる事かと思ったが」
余分な油が落ちている間にキャンベンツを千切りに切る。キャンベンツは地球で言うところのキャベツだ。
キャンベンツの千切りを皿に乗せ、その上からオークカツを乗せタレはポン酢もどきだ。タレは食堂にあったのがオークカツと味が合いそうだということで使うことにした。




「よし!完成や!ゼンガさんどうぞ」
「おう、頂くな!……う、美味いな!!!このカツ?っていうの初めて食べたがうますぎでやばいな!」
ゼンガはガツガツと口の中にめいいっぱい入れ食事を楽しんでいる。この世界には箸は無いので、フォークとナイフで食べるしかない。
「ギ、ギルマス!俺も!」、「私も!!」、「え、ずるい!!私も食べたい!」、「おい!独り占めすんなよ!」と冒険者達とギルド職員達が波音が作ったオークカツに群がり取り合いに発展し始めた。




「追加で作ったるさかい。ちょぉ、待っとれ」
波音は慣れた手つきでカツを量産し食堂にいる皆にカツを振舞った。
「君、小さいのにすごいね!!」や「坊主すげーな」と波音は言われたが、波音はふくれっ面になった。
「僕、もう17歳や!これでも成人しとるんよ!」
食堂にいた人達はゼンガ以外驚いている。ゼンガは波音の反応と冒険者やギルド職員の反応を見て大笑いしていた。




「わあっははは!……はあ、笑った笑った!よし、ナオ!これからこの食堂の料理人としてよろしくな!今ちーっと人手不足だから頼んだぞ!」
波音はキッチンを見てあれが少しだと?と思っていた。冒険者ギルドの料理人は2人しかおらずそれにあまり料理上手ではない。冒険者ギルドの食堂は3ヶ月前にできたばかりで人が集まりきらなかったようだ。
「僕が来たんは渡りに船やったちゅうことか。ま、お給料貰えて好きな料理出来るんやしいっか」
夜も深まり冒険者達が帰ってくるということもあり、ゼンガに絡まれる前に帰れと言われた波音は冒険者ギルドから勧められた宿に向かった。冒険者ギルドの料理人だからギルド職員の寮が使えるらしいのだが、今は満室のようで使えないらしい。なので、波音の泊まる宿の半分を家賃補助してくれる好条件なのだ。




「はあ~、さすがに疲れたな。無事職も見つかって良かったわ~。勤務開始は来週からでいいみたいやし、明日はどんな食材があんのか市場を見て回ることにしよう。それにしても獣人ボロボロなのが多かったなあ.……獣人差別でもあるんやろか?」
波音は悶々と考えている間に寝落ちをしてしまった。




翌朝波音が泊まっている部屋のドアが、ドンドンドン!と力強いノックで波音は起こされた。
「誰やー?こんな朝早くに……」と重い足取りでドアまで行き開けた。
「ナオ!おはよう!よく眠れたか?」
朝早くに来たのはゼンガだったが、波音はゼンガの顔を睨みドアを閉めた。波音は超が付くほど寝起きが悪いのだ。
「お、おい!閉めることはないだろ!!」
「……ギルマスっちゅうのはそんなに暇なん?僕に構う前に仕事でもしてろや」と言い放ち波音は2度寝した。




そして、波音が起きたのは2時間後だった。






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