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メルヴィス邸ではロイ・サルディアスが長く続く領主の不在に胃袋をギリギリと痛ませていた。
連日送り込まれる国からの使者に加え、隣国アルドゥラからも使者が。会談の場を設けたいと話があった。
アルドゥラからは第三王子、こちらには当然ジュリアスと、恵みの神子の同席を希望するとあった。
流石に領主の不在を伝えるわけにはいかず、協議し使いを出すと伝えた。そして丸1日は経過し、流石に返事をしなくてはという頃だった。
(流石に恵みの神子が偽物だとバレているでしょうね。)
そんな中でのジュリアスからの迎えの要請に小躍りしたのは言うまでもなく、騎士と医師を連れ急ぎ指定の宿へ向かった。
最速で宿に入ったロイは事前に手配してあった医師を連れジュリアスとエミリアの元へ向かうと、ジュリアスはエミリアの部屋の前で苛立たし気に組んだ腕をとんとんと指で叩いていた。
「遅い。」
「そうおっしゃらないで下さい。これでも大急ぎで来たのですから。」
それはこっちのセリフだ。そう思いながらも礼を取るとジュリアスはすぐに部屋の扉を叩いた。対応した女性騎士はロイと医師の姿を確認すると扉を大きく明け、深く礼を取った。
ベッドの中では顔色の悪いエミリアが横になり、医師の姿を見ると体を起こそうとする。医師はそれを制すと急ぎ診察を始めた。
瞳はじっと医師を見つめるがその腕に力は無く、脈を取る医師にだらりと預けている。
──これでは早々に連れ出す事は出来ないな。
ロイは内心大汗をかきながら見守った。
「疲労から来るものでしょう。エミリア様、この薬湯をお飲みください。」
医師は診察を終えると鞄から粉末の包みを複数取り出し、用意させた湯に溶き薬湯を作った。
「・・・・・・神官長様」
「元、ですよ。今は只のオズロ・ラモネス、オズロとお呼びください。エミリア様」
「・・・・オズロ様、あんなに、気を付けてと、言われてたのに、ごめんなさい」
「オズロと、お呼び下さい。」
オズロの言葉にエミリアは首を横に振る。
「私も、分かっていてエミリア様を行かせてしまいました。」
エミリアがジャンを置いて中央神殿を離れると決めた時、オズロは騎士を連れない危険性を何度も説いた。靴擦れ一つでも感染症の危険があることや病を得れば長引き、場合によっては命の危険があることを。結局エミリアを行かせることに同意し、同行する騎士に就寝前に免疫力を高める効果のある薬を幾つも持たせ服用させるように指示していた。
オズロがリズに視線を送るとリズはエミリアの体を起こし、オズロから受け取った薬湯を飲ませる。
神官長の座を退いたオズロは、エミリアがいつメルヴィスに移っても良いように、中央神殿で保管していた神子のための医療品や器具を持ち出し、メルヴィスに神官ではなく医師として移った。
元々中央神殿に医師は居らず、ガレスやエミリアの健康は医師の資格を持つ神官長が診ていた。これは恵みの神子と騎士の関係を知っている中央神殿の上層部に限ったことで、医師の資格を持つことが神官長に就く条件の一つでもある。
中央神殿の上層部は今回のエミリアの王都脱出に手を貸していた。
エミリアがそれを決め決行に移すまで日が浅かったが、長年神子を勤めたガレスと神官長であったオズロの発言力は強かったからこそ成せたと言える。
薬が効きだしたエミリアはうつらうつらと瞼を落とし、リズに任せて皆部屋を出た。
部屋の前にはロイが連れてきた騎士が二人。神殿の騎士だ。
彼らもまた事件の後、一度各地方へ移動とされ、更にメルヴィスへ移動になっている。
書面のみでやり取りされた移動だが、騎士たちは真っ直ぐにメルヴィスに向かい、先に移動をしていたカーラをエミリアとして護衛していた。
二段階の移動は国の目を欺くためであるが、内情を知らない神官や騎士にとっては左遷だ。移されたものは皆オズロやガレスが選んだ信頼の厚い選りすぐりの精鋭達、エミリアが移動を完了すれば、中央神殿の通りとは行かないが、近い形で機能する。
別室ではロイがジュリアス不在中にあったことの引き継ぎと対策を協議していた。
領主として着任しすぐの不在の穴は大きく、身内であるメルヴィスの騎士でさえ領内の神殿に居るのが本物か偽物かさえ知らされてはいない。
「リアを連れ出すことは出来ない。」
「・・・・存じております。」
ジュリアスがさらさらと紙に筆を滑らせるのを見つめながらロイはキュッと縮む胃袋を服の上からさすった。
「オズロ様、私にも薬を頂けませんか?」
「構いませんが、まだ痛むのですか?」
さすさすと腹をさすり、手を止め考える。
「・・・・・・・・・・痛、くない?」
先程までの絞られるような痛みはなく、微かに縮むような、痛みとは違う感覚。
「エミリア様の近くですからね。完治はしませんが、痛みは和らぎ体は急速に回復に努めます。」
「これが、恵みの神子の力・・・・・ならばとうに偽物と気が付いているか。オズロ様、範囲は?」
「視界に入る距離は確実に。多少効果は下がりますが街一つ分は十分に恵みの効果が届きます。」
カーラと居ても痛みが消えることはなかった。カーラではここまでの効果はない。
癒しの神子は祈りによって恵みをもたらす。その為日に三度程祭壇に赴き祈りを捧げる。
「癒しの神子と恵みの神子では随分と違うのですね」
「癒しの神子は本来恵みの神子を支えるための存在と言われています。同じであるはずかありません。」
「恵みの神子を支える?申し訳ありません。そちらの事情に明るくなく、ご説明頂けないでしょうか?」
自分の記憶が確かならば、神子の存在理由はどちらも女神が地上の民に遣わした救い、だったはずだ。
今まで神子同士が同じ街に長期間過ごすことはなく、それぞれが巡業し恵みをもたらしている。
恵みの神子の力が及ばない場所に赴く事は支えるとは違う、のではないか。
「恵みの神子様はその感情によって天候を左右することがあります。癒しの神子はそれを抑えるために居るのです。」
事件の日からエミリアが王都を出るまでの間、確かに雨が続いたという。このメルヴィスにも噂は直ぐに届いた。大雨ではないにしろ続く雨に神の怒りを買った、怪我をしたのが騎士ではなく神子であったら嵐が起こったのではないかと民は噂した。
エミリアとの交流は無いが、ジュリアスから聞くにエミリアはジャンに対し気持ちがあるのではと思っていた。あの男が被害にあったにしては可愛らしい罰だと、思っていた。
「あの雨は、癒しの神子が居たからあれで済んだと?ですがカーラ様は翌日には王都を出ています。」
「ガレス様がいらっしゃるではありませんか。癒しの神子ができるのですから恵みの神子のガレス様にも当然出来るのです。それに天候を左右すると言ってもエミリア様の場合は過去の神子様がたよりも大人しい。元々持っていらっしゃる気質にもよるのでしょう。」
(これは私が聞いて良いもの、か?)
さらさらと述べられる言葉に不安を感じジュリアスに目をやると、察したのかジュリアスはふっと笑む。
「おめでとうロイ、これでお前も共犯だ。」
どうやら拒否権は無いようで、自分がこれから受けるだろう苦労を思うとやはり胃の辺りがぎゅっと縮む。
「・・・・・まあ、殿下に付いて行くことを決めた時から覚悟は決まっていますよ」
「そうか。」
にぃっと口角を上げるジュリアスは、書いていた手紙に封蝋を施し届けさせるようにと差し出した。
それを受け取ると、思い出したように口にした。
「アスグール伯爵子息と騎士ジャン・ルイズをこちらに呼んでいますので明朝には到着するかと」
「来てるのか!?」
「は?はい。」
「なぜ先に言わない!ヤツは今何処にいる!」
「アスグール伯爵子息と神子が戻る前にと国境の確認に。使いを出しましたので夕刻には戻るかと。追い返した方が宜しかったですか?」
「駄目だ!!」
ロイの反応を見てニヤニヤしていたジュリアスは一変して物凄い剣幕で詰め寄った。
「神子の不調は騎士が居れば回復する!」
神子自身に恵みがないのは知られた話だが、その騎士から恵みを分けられるということをロイは知らなかった。
騎士を持たない神子は神殿で健康管理され、風邪一つで死に至る可能性があると。
神子と騎士の関係を聞いたロイは顔色は真っ青だ。
話さなかったのではなく、ロイにとっての優先順位の問題であった。先ずは隣国からの使い、王都からの使者が幾人と来ている事が最優先と考えた。その他に、国境警備についてや、自領の騎士団の現状、隣接する他領や貴族の動きなど、話すことが多すぎる事もあったが、一番の原因はロイが神子と神子騎士の関係を知らないことにもあった。
知っていればジャンを国境等にやらずじっとエミリアを待たせていただろう。
ロイの腹は、またキリキリと痛み出し、やはり薬が欲しいと頼むのだった。
連日送り込まれる国からの使者に加え、隣国アルドゥラからも使者が。会談の場を設けたいと話があった。
アルドゥラからは第三王子、こちらには当然ジュリアスと、恵みの神子の同席を希望するとあった。
流石に領主の不在を伝えるわけにはいかず、協議し使いを出すと伝えた。そして丸1日は経過し、流石に返事をしなくてはという頃だった。
(流石に恵みの神子が偽物だとバレているでしょうね。)
そんな中でのジュリアスからの迎えの要請に小躍りしたのは言うまでもなく、騎士と医師を連れ急ぎ指定の宿へ向かった。
最速で宿に入ったロイは事前に手配してあった医師を連れジュリアスとエミリアの元へ向かうと、ジュリアスはエミリアの部屋の前で苛立たし気に組んだ腕をとんとんと指で叩いていた。
「遅い。」
「そうおっしゃらないで下さい。これでも大急ぎで来たのですから。」
それはこっちのセリフだ。そう思いながらも礼を取るとジュリアスはすぐに部屋の扉を叩いた。対応した女性騎士はロイと医師の姿を確認すると扉を大きく明け、深く礼を取った。
ベッドの中では顔色の悪いエミリアが横になり、医師の姿を見ると体を起こそうとする。医師はそれを制すと急ぎ診察を始めた。
瞳はじっと医師を見つめるがその腕に力は無く、脈を取る医師にだらりと預けている。
──これでは早々に連れ出す事は出来ないな。
ロイは内心大汗をかきながら見守った。
「疲労から来るものでしょう。エミリア様、この薬湯をお飲みください。」
医師は診察を終えると鞄から粉末の包みを複数取り出し、用意させた湯に溶き薬湯を作った。
「・・・・・・神官長様」
「元、ですよ。今は只のオズロ・ラモネス、オズロとお呼びください。エミリア様」
「・・・・オズロ様、あんなに、気を付けてと、言われてたのに、ごめんなさい」
「オズロと、お呼び下さい。」
オズロの言葉にエミリアは首を横に振る。
「私も、分かっていてエミリア様を行かせてしまいました。」
エミリアがジャンを置いて中央神殿を離れると決めた時、オズロは騎士を連れない危険性を何度も説いた。靴擦れ一つでも感染症の危険があることや病を得れば長引き、場合によっては命の危険があることを。結局エミリアを行かせることに同意し、同行する騎士に就寝前に免疫力を高める効果のある薬を幾つも持たせ服用させるように指示していた。
オズロがリズに視線を送るとリズはエミリアの体を起こし、オズロから受け取った薬湯を飲ませる。
神官長の座を退いたオズロは、エミリアがいつメルヴィスに移っても良いように、中央神殿で保管していた神子のための医療品や器具を持ち出し、メルヴィスに神官ではなく医師として移った。
元々中央神殿に医師は居らず、ガレスやエミリアの健康は医師の資格を持つ神官長が診ていた。これは恵みの神子と騎士の関係を知っている中央神殿の上層部に限ったことで、医師の資格を持つことが神官長に就く条件の一つでもある。
中央神殿の上層部は今回のエミリアの王都脱出に手を貸していた。
エミリアがそれを決め決行に移すまで日が浅かったが、長年神子を勤めたガレスと神官長であったオズロの発言力は強かったからこそ成せたと言える。
薬が効きだしたエミリアはうつらうつらと瞼を落とし、リズに任せて皆部屋を出た。
部屋の前にはロイが連れてきた騎士が二人。神殿の騎士だ。
彼らもまた事件の後、一度各地方へ移動とされ、更にメルヴィスへ移動になっている。
書面のみでやり取りされた移動だが、騎士たちは真っ直ぐにメルヴィスに向かい、先に移動をしていたカーラをエミリアとして護衛していた。
二段階の移動は国の目を欺くためであるが、内情を知らない神官や騎士にとっては左遷だ。移されたものは皆オズロやガレスが選んだ信頼の厚い選りすぐりの精鋭達、エミリアが移動を完了すれば、中央神殿の通りとは行かないが、近い形で機能する。
別室ではロイがジュリアス不在中にあったことの引き継ぎと対策を協議していた。
領主として着任しすぐの不在の穴は大きく、身内であるメルヴィスの騎士でさえ領内の神殿に居るのが本物か偽物かさえ知らされてはいない。
「リアを連れ出すことは出来ない。」
「・・・・存じております。」
ジュリアスがさらさらと紙に筆を滑らせるのを見つめながらロイはキュッと縮む胃袋を服の上からさすった。
「オズロ様、私にも薬を頂けませんか?」
「構いませんが、まだ痛むのですか?」
さすさすと腹をさすり、手を止め考える。
「・・・・・・・・・・痛、くない?」
先程までの絞られるような痛みはなく、微かに縮むような、痛みとは違う感覚。
「エミリア様の近くですからね。完治はしませんが、痛みは和らぎ体は急速に回復に努めます。」
「これが、恵みの神子の力・・・・・ならばとうに偽物と気が付いているか。オズロ様、範囲は?」
「視界に入る距離は確実に。多少効果は下がりますが街一つ分は十分に恵みの効果が届きます。」
カーラと居ても痛みが消えることはなかった。カーラではここまでの効果はない。
癒しの神子は祈りによって恵みをもたらす。その為日に三度程祭壇に赴き祈りを捧げる。
「癒しの神子と恵みの神子では随分と違うのですね」
「癒しの神子は本来恵みの神子を支えるための存在と言われています。同じであるはずかありません。」
「恵みの神子を支える?申し訳ありません。そちらの事情に明るくなく、ご説明頂けないでしょうか?」
自分の記憶が確かならば、神子の存在理由はどちらも女神が地上の民に遣わした救い、だったはずだ。
今まで神子同士が同じ街に長期間過ごすことはなく、それぞれが巡業し恵みをもたらしている。
恵みの神子の力が及ばない場所に赴く事は支えるとは違う、のではないか。
「恵みの神子様はその感情によって天候を左右することがあります。癒しの神子はそれを抑えるために居るのです。」
事件の日からエミリアが王都を出るまでの間、確かに雨が続いたという。このメルヴィスにも噂は直ぐに届いた。大雨ではないにしろ続く雨に神の怒りを買った、怪我をしたのが騎士ではなく神子であったら嵐が起こったのではないかと民は噂した。
エミリアとの交流は無いが、ジュリアスから聞くにエミリアはジャンに対し気持ちがあるのではと思っていた。あの男が被害にあったにしては可愛らしい罰だと、思っていた。
「あの雨は、癒しの神子が居たからあれで済んだと?ですがカーラ様は翌日には王都を出ています。」
「ガレス様がいらっしゃるではありませんか。癒しの神子ができるのですから恵みの神子のガレス様にも当然出来るのです。それに天候を左右すると言ってもエミリア様の場合は過去の神子様がたよりも大人しい。元々持っていらっしゃる気質にもよるのでしょう。」
(これは私が聞いて良いもの、か?)
さらさらと述べられる言葉に不安を感じジュリアスに目をやると、察したのかジュリアスはふっと笑む。
「おめでとうロイ、これでお前も共犯だ。」
どうやら拒否権は無いようで、自分がこれから受けるだろう苦労を思うとやはり胃の辺りがぎゅっと縮む。
「・・・・・まあ、殿下に付いて行くことを決めた時から覚悟は決まっていますよ」
「そうか。」
にぃっと口角を上げるジュリアスは、書いていた手紙に封蝋を施し届けさせるようにと差し出した。
それを受け取ると、思い出したように口にした。
「アスグール伯爵子息と騎士ジャン・ルイズをこちらに呼んでいますので明朝には到着するかと」
「来てるのか!?」
「は?はい。」
「なぜ先に言わない!ヤツは今何処にいる!」
「アスグール伯爵子息と神子が戻る前にと国境の確認に。使いを出しましたので夕刻には戻るかと。追い返した方が宜しかったですか?」
「駄目だ!!」
ロイの反応を見てニヤニヤしていたジュリアスは一変して物凄い剣幕で詰め寄った。
「神子の不調は騎士が居れば回復する!」
神子自身に恵みがないのは知られた話だが、その騎士から恵みを分けられるということをロイは知らなかった。
騎士を持たない神子は神殿で健康管理され、風邪一つで死に至る可能性があると。
神子と騎士の関係を聞いたロイは顔色は真っ青だ。
話さなかったのではなく、ロイにとっての優先順位の問題であった。先ずは隣国からの使い、王都からの使者が幾人と来ている事が最優先と考えた。その他に、国境警備についてや、自領の騎士団の現状、隣接する他領や貴族の動きなど、話すことが多すぎる事もあったが、一番の原因はロイが神子と神子騎士の関係を知らないことにもあった。
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