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いざ「銀の繭」製糸場へ 1
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ようやく最初の目的地である建物についたアナベルたちは、馬車から降りて、歩きながら中に入る事にした。
そして、つい癖で先に降りようとしたアナベルに、オズワルドは手でそれを制止した。
「アナベル。ここは俺に君をエスコートさせてくれないか?この「銀の繭」製糸場は貴族も何人かやってくるゆえ、ちゃんと貴族らしくしたいと思って」
「え?でも、お忍びでデートしてるんですよね、今?」
「ぐっ…!で、でも…こ、この馬車は危ないから、せめて降りる時だけはカッコつけさせてくれ!」
ついに顔を真っ赤にして本音を漏らしたオズワルドに、アナベルもほんのり耳を赤くして驚く。
そして結局アナベルは折れて、馬車を降りる時だけオズワルドのエスコートを受ける事にした。
「うぅ…ごめんなさい。私、エスコートされたの、初めてで…」
「いや、気にしなくていい。俺もエスコートしたのは二回目だからな…」
「えっ!?二回目って…一回目は誰だったんですか?」
まさか女嫌いのオズワルドがエスコートをした事があると聞いて、アナベルは驚き呆然とする。
対してオズワルドは、何かを考えを絞り出すかように目を瞑ってから、こう言った。
「ああ…一回目は、リュドウィック殿下の妹であるリディア様をエスコートしたんだ。まぁ、すぐにリディア様はご令嬢の元に駆け寄っていったから、それだけだったんだが…」
「え?…り、リディア、様…。そ、そうだったんですね…」
リュドウィックの妹とはいえ、聞き覚えのない女性の名前を聞かされて、アナベルの胸がズキンと痛み出す。
しかし、オズワルドは次の瞬間、大きなため息をついてこう言い放った。
「まぁあの時、『デビュタントであっても、リディア様を夜会に連れてくるべきではなかった』って後悔はしたけどな。リディア様は男に興味が全くない、女性のみに恋をするお方だからなぁ…」
「…え?ぅえっ!?」
「あれ?もしや知らなかったのか?女性好きの第一王女、リディア様の事」
「え、いや…。申し訳ありません…お、弟と同じく、貴族には疎いもので…」
困ったように眉根を下げるアナベルに、執事のアンディの面影を見たオズワルドは、つい可愛い彼女を抱きしめそうになって、なんとか踏み止まった。
前にいたロザリアが振り返って『抱きつくんじゃねぇよ猛獣野郎…』という圧を感じたから、というのもあるが、まだ初対面で抱きつくのは常識的にダメだと思ったため、オズワルドはこの選択をしたのだった。
「ん”んっ!さて、話を元に戻すとして、今から行く製糸場は、多くの桑と多くの蚕がいる。けれど安心して欲しいのは、俺たちが今から向かうのは、製糸場見学用の通路だ。ガラス越しに桑と蚕が見れるから、虫が苦手なら下を向いて見なくてもいいし、逆に平気なら、糸の作り方を見れる良い機会でもあるんだ。…アナベルは、虫苦手だったりするか?」
「虫、ですか?うーん…私は一応平気ですけれど、ロザリアは苦手なので、この通路を使えるのは嬉しいですね」
「うんうん。この通路を考えたリオく…じゃなくメリオダス宰相補佐には感謝しないとな!」
自慢するかのようにメリオダスの名前を言うオズワルドが、なんだか誇らしげで眩しくて、アナベルはゆっくりと目を細めた。
そして、つい癖で先に降りようとしたアナベルに、オズワルドは手でそれを制止した。
「アナベル。ここは俺に君をエスコートさせてくれないか?この「銀の繭」製糸場は貴族も何人かやってくるゆえ、ちゃんと貴族らしくしたいと思って」
「え?でも、お忍びでデートしてるんですよね、今?」
「ぐっ…!で、でも…こ、この馬車は危ないから、せめて降りる時だけはカッコつけさせてくれ!」
ついに顔を真っ赤にして本音を漏らしたオズワルドに、アナベルもほんのり耳を赤くして驚く。
そして結局アナベルは折れて、馬車を降りる時だけオズワルドのエスコートを受ける事にした。
「うぅ…ごめんなさい。私、エスコートされたの、初めてで…」
「いや、気にしなくていい。俺もエスコートしたのは二回目だからな…」
「えっ!?二回目って…一回目は誰だったんですか?」
まさか女嫌いのオズワルドがエスコートをした事があると聞いて、アナベルは驚き呆然とする。
対してオズワルドは、何かを考えを絞り出すかように目を瞑ってから、こう言った。
「ああ…一回目は、リュドウィック殿下の妹であるリディア様をエスコートしたんだ。まぁ、すぐにリディア様はご令嬢の元に駆け寄っていったから、それだけだったんだが…」
「え?…り、リディア、様…。そ、そうだったんですね…」
リュドウィックの妹とはいえ、聞き覚えのない女性の名前を聞かされて、アナベルの胸がズキンと痛み出す。
しかし、オズワルドは次の瞬間、大きなため息をついてこう言い放った。
「まぁあの時、『デビュタントであっても、リディア様を夜会に連れてくるべきではなかった』って後悔はしたけどな。リディア様は男に興味が全くない、女性のみに恋をするお方だからなぁ…」
「…え?ぅえっ!?」
「あれ?もしや知らなかったのか?女性好きの第一王女、リディア様の事」
「え、いや…。申し訳ありません…お、弟と同じく、貴族には疎いもので…」
困ったように眉根を下げるアナベルに、執事のアンディの面影を見たオズワルドは、つい可愛い彼女を抱きしめそうになって、なんとか踏み止まった。
前にいたロザリアが振り返って『抱きつくんじゃねぇよ猛獣野郎…』という圧を感じたから、というのもあるが、まだ初対面で抱きつくのは常識的にダメだと思ったため、オズワルドはこの選択をしたのだった。
「ん”んっ!さて、話を元に戻すとして、今から行く製糸場は、多くの桑と多くの蚕がいる。けれど安心して欲しいのは、俺たちが今から向かうのは、製糸場見学用の通路だ。ガラス越しに桑と蚕が見れるから、虫が苦手なら下を向いて見なくてもいいし、逆に平気なら、糸の作り方を見れる良い機会でもあるんだ。…アナベルは、虫苦手だったりするか?」
「虫、ですか?うーん…私は一応平気ですけれど、ロザリアは苦手なので、この通路を使えるのは嬉しいですね」
「うんうん。この通路を考えたリオく…じゃなくメリオダス宰相補佐には感謝しないとな!」
自慢するかのようにメリオダスの名前を言うオズワルドが、なんだか誇らしげで眩しくて、アナベルはゆっくりと目を細めた。
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