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15歳 その1
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それからあっという間に2年の月日が流れた。
今度は私が学園に入学する番で。そして何よりゲームの開始の時期でもある。
そう。いよいよこの時が来てしまった。
ヒロイン――マリア・ロレーヌも同時にこの学園に入学してきて、そこからゲームが始まる。
正直、あまり特徴的なところがない彼女を見つけられるかどうかは疑問が残る。
ブルネットにブラウンの瞳の女の子って結構多いはずだ。
この世界では他のキャラクターもファンタジックな髪色はしていないし、その色が却って浮くという事はないだろう。
2年前のイベントの時はそれが起こるとわかっていたからヒロインだと直感しただけで、彼女の顔をしっかりと見たわけでもない。
スチルでも顔の出るような仕様でもなかったし、顔を見てピンとくるかも少しだけ微妙だ。
けれど、見つけられないくらいでちょうどいいのかもしれない。
リチャード様ルートが選ばれた場合、私と彼女の間にそう接点は多くない。
リチャード様とエイミーが仲睦まじく歩いている姿を遠くから見て、ヒロインが悲しんだり嫉妬したりするくらいの距離感だ。
直接話をするシーンはほぼ皆無に等しい。まあ、いやがらせもいじめもしていないのだから当然と言えば当然だけど。
ヒロインがエイミーと積極的に関わっていくルートはフィリップルートだけだ。
その時は友人になれるけれど、ヒロインの選ぶルートがわかっていない今、それを期待して近づくのもいやらしい事この上ない。
「結局、今の私にできる事ってないのよね……」
ふ、とため息がこぼれた。
学園に入学して普通に生活する。そんな当たり前の事しかできることはなさそうだった。
ワンピースタイプの制服に身を通して支度を整える。
リチャード様からプレゼントされたネックレスを着けて、それに合わせてハーフアップにした髪の毛も青い石を使ったバレッタで飾る。
こういう場面では婚約者としてのアピールが多少は必要だろうからと選んだそれらに、ヒロインに対する牽制の気持ちがないと言ったら嘘になる。
だけど今のところはまだリチャード様は私の婚約者だから……このくらいの些細な行為くらいは許してほしい。
「エミィ、迎えに来たよ」
準備が整ったところでリチャード様がちょうど迎えに来てくれた。
ふと見るとネックレスとお揃いのタイピンがリチャード様の胸元を飾っていて嬉しくなる。
二年前に買ったそれを同じように大切にしてくれている。その気持ちが嬉しかったのだ。
「今日からやっと一緒に通えるようになるね。嬉しいな」
「私も嬉しいです」
にっこりと笑うリチャード様は本当に嬉しそうで、私もつられて笑みが出た。
リチャード様と一緒の学園生活が楽しみでないと言ったら嘘になる。一緒にランチをしたり、放課後は出かけてみたり、そんな事が出来るようになるのだから。
――それも、ゲームのシナリオの事を考えなくていいのであればだけれど。
ヒロインがリチャード様のルートに突入してしまえば、その後は婚約者として一緒に過ごせる時間はそう長くはないだろう。それでも、最後の思い出作りとして少しくらい傍に居させてほしい。
時が来れば婚約解消する。それをきちんとわきまえてさえいれば大丈夫だ。
おそらく嫉妬もするだろう。苦しくなる時もあるだろう。
それでも私の記憶には、婚約解消の時のエイミーの姿が残っている。真っ直ぐに前を向いて、リチャード様をヒロインの元に送り出すその姿を覚えている。
リチャード様の幸せを思えば、辛い別れだって耐えられるはずだ。
今度は私が学園に入学する番で。そして何よりゲームの開始の時期でもある。
そう。いよいよこの時が来てしまった。
ヒロイン――マリア・ロレーヌも同時にこの学園に入学してきて、そこからゲームが始まる。
正直、あまり特徴的なところがない彼女を見つけられるかどうかは疑問が残る。
ブルネットにブラウンの瞳の女の子って結構多いはずだ。
この世界では他のキャラクターもファンタジックな髪色はしていないし、その色が却って浮くという事はないだろう。
2年前のイベントの時はそれが起こるとわかっていたからヒロインだと直感しただけで、彼女の顔をしっかりと見たわけでもない。
スチルでも顔の出るような仕様でもなかったし、顔を見てピンとくるかも少しだけ微妙だ。
けれど、見つけられないくらいでちょうどいいのかもしれない。
リチャード様ルートが選ばれた場合、私と彼女の間にそう接点は多くない。
リチャード様とエイミーが仲睦まじく歩いている姿を遠くから見て、ヒロインが悲しんだり嫉妬したりするくらいの距離感だ。
直接話をするシーンはほぼ皆無に等しい。まあ、いやがらせもいじめもしていないのだから当然と言えば当然だけど。
ヒロインがエイミーと積極的に関わっていくルートはフィリップルートだけだ。
その時は友人になれるけれど、ヒロインの選ぶルートがわかっていない今、それを期待して近づくのもいやらしい事この上ない。
「結局、今の私にできる事ってないのよね……」
ふ、とため息がこぼれた。
学園に入学して普通に生活する。そんな当たり前の事しかできることはなさそうだった。
ワンピースタイプの制服に身を通して支度を整える。
リチャード様からプレゼントされたネックレスを着けて、それに合わせてハーフアップにした髪の毛も青い石を使ったバレッタで飾る。
こういう場面では婚約者としてのアピールが多少は必要だろうからと選んだそれらに、ヒロインに対する牽制の気持ちがないと言ったら嘘になる。
だけど今のところはまだリチャード様は私の婚約者だから……このくらいの些細な行為くらいは許してほしい。
「エミィ、迎えに来たよ」
準備が整ったところでリチャード様がちょうど迎えに来てくれた。
ふと見るとネックレスとお揃いのタイピンがリチャード様の胸元を飾っていて嬉しくなる。
二年前に買ったそれを同じように大切にしてくれている。その気持ちが嬉しかったのだ。
「今日からやっと一緒に通えるようになるね。嬉しいな」
「私も嬉しいです」
にっこりと笑うリチャード様は本当に嬉しそうで、私もつられて笑みが出た。
リチャード様と一緒の学園生活が楽しみでないと言ったら嘘になる。一緒にランチをしたり、放課後は出かけてみたり、そんな事が出来るようになるのだから。
――それも、ゲームのシナリオの事を考えなくていいのであればだけれど。
ヒロインがリチャード様のルートに突入してしまえば、その後は婚約者として一緒に過ごせる時間はそう長くはないだろう。それでも、最後の思い出作りとして少しくらい傍に居させてほしい。
時が来れば婚約解消する。それをきちんとわきまえてさえいれば大丈夫だ。
おそらく嫉妬もするだろう。苦しくなる時もあるだろう。
それでも私の記憶には、婚約解消の時のエイミーの姿が残っている。真っ直ぐに前を向いて、リチャード様をヒロインの元に送り出すその姿を覚えている。
リチャード様の幸せを思えば、辛い別れだって耐えられるはずだ。
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