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岸本航平
第1話 まだ結婚したくない!
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世の恋人たちはいつ結婚を決めて、自由を捨てるのだろう?
ふとそう思うことがある。
岸本航平はSNSに流れてくる夫婦の愚痴を眺めていた。
結婚は墓場だ。
懸命に稼いだお金を搾取され、友人と遊ぶ自由さえも失われる。
世の中には数えきれない女性がいるというのに、その中のたった1人としか愛し合うことが許されない制約。
「でも、そもそも結婚ってする必要ある?俺たち別に今のままでも幸せじゃん」
「え~、そうだけど、やっぱ結婚したいじゃんか。子供も欲しいし」
結婚をしたくないわけじゃない、でも今じゃない。
まだ遊んでいたいし、正直に言うと、リスクなく浮気もしたい。
もちろん、いつかはこの人と結婚したい。
それは偽りのない想いだ。
「そうかな?結婚も子育ても今の時代大変だよ。今でさえお金足りないって思ってるのに、子供が出来たらどうなるの?って思う」
「ん~そうだけど、そこは働いて何とかするでしょ」
おそらく何とかすることになるのは俺の方だろ、と航平は思った。
「子供のために必死に働いて、自分の幸せを我慢する人生って、どうなんだろう?それって幸せなのか?」
「好きな人と、可愛い子供たちと一緒に過ごす日々が、幸せじゃないわけないじゃん!」
「、、、それは幸せだなぁと思うけど、何とか頑張って維持する幸せって、本当に幸せなのかなぁ」
話せば話すほど、結婚したくないなぁと思う。
家族の生活を維持するためだけに働く人生を、幸せだとは思えなかった。
「航平は結婚したくないの?」
「ん~いつかしたいとは思う。でも今は結婚とか子供に対してポジティブな印象はないってのが本音だわ」
「もう7年も付き合ってるのに、まだそんなこと言ってるの?」
結婚は義務ではない。
何年付き合っていても、結婚を決めないカップルも数多く存在する。
恵はあたかも自分が正義であるかのように航平を非難する。
流石にイラッとした航平が口を開く。
「そんなことって言われても、無理やり変えられるものでもないでしょ。逆にそんなこと言われても、俺も困る」
「、、、そうだよね、ごめん」
「とりあえず、そんな焦ることじゃないし、焦っても仕方ないから。結婚とか、子供の話はあんまりしたくない。そういうのって、時が来たら自然とそうなっていくものだと思うんだよ」
その時が来たら良いなぁと、本気で思っている。
「私は女だよ、リミットがあるんだよ」
それでも尚、急かしてくる恵に航平の怒りが溜まっていく。
「恵の気持ちも分かるけど、俺もロボットじゃないし、ちゃんと意思がある。恵と結婚したいとは思ってるけど、そもそも結婚というものに対して、良いイメージがないってだけ。いつとは言えないけど、結婚に対して前向きになる可能性もあるじゃん」
これが航平の本心であり、もうこれ以上言うことはなかった。
「もう分かった、もういい」
航平の言葉を聞いた恵は、明らかに不機嫌になり、立ち上がった。
「もういい」という言葉は、都合が悪くなると恵がいつも使う逃げのセリフだ。
「でた、もういい。もういいじゃなくて、そもそも言い合いになるような話じゃないでしょって」
互いに譲れるものはこれ以上ない。
仕方ない。で終わるはずの話し合いが、何故言い合いみたいになってしまうのだろうか?
いつもながら、航平は不満だった。
ふとそう思うことがある。
岸本航平はSNSに流れてくる夫婦の愚痴を眺めていた。
結婚は墓場だ。
懸命に稼いだお金を搾取され、友人と遊ぶ自由さえも失われる。
世の中には数えきれない女性がいるというのに、その中のたった1人としか愛し合うことが許されない制約。
「でも、そもそも結婚ってする必要ある?俺たち別に今のままでも幸せじゃん」
「え~、そうだけど、やっぱ結婚したいじゃんか。子供も欲しいし」
結婚をしたくないわけじゃない、でも今じゃない。
まだ遊んでいたいし、正直に言うと、リスクなく浮気もしたい。
もちろん、いつかはこの人と結婚したい。
それは偽りのない想いだ。
「そうかな?結婚も子育ても今の時代大変だよ。今でさえお金足りないって思ってるのに、子供が出来たらどうなるの?って思う」
「ん~そうだけど、そこは働いて何とかするでしょ」
おそらく何とかすることになるのは俺の方だろ、と航平は思った。
「子供のために必死に働いて、自分の幸せを我慢する人生って、どうなんだろう?それって幸せなのか?」
「好きな人と、可愛い子供たちと一緒に過ごす日々が、幸せじゃないわけないじゃん!」
「、、、それは幸せだなぁと思うけど、何とか頑張って維持する幸せって、本当に幸せなのかなぁ」
話せば話すほど、結婚したくないなぁと思う。
家族の生活を維持するためだけに働く人生を、幸せだとは思えなかった。
「航平は結婚したくないの?」
「ん~いつかしたいとは思う。でも今は結婚とか子供に対してポジティブな印象はないってのが本音だわ」
「もう7年も付き合ってるのに、まだそんなこと言ってるの?」
結婚は義務ではない。
何年付き合っていても、結婚を決めないカップルも数多く存在する。
恵はあたかも自分が正義であるかのように航平を非難する。
流石にイラッとした航平が口を開く。
「そんなことって言われても、無理やり変えられるものでもないでしょ。逆にそんなこと言われても、俺も困る」
「、、、そうだよね、ごめん」
「とりあえず、そんな焦ることじゃないし、焦っても仕方ないから。結婚とか、子供の話はあんまりしたくない。そういうのって、時が来たら自然とそうなっていくものだと思うんだよ」
その時が来たら良いなぁと、本気で思っている。
「私は女だよ、リミットがあるんだよ」
それでも尚、急かしてくる恵に航平の怒りが溜まっていく。
「恵の気持ちも分かるけど、俺もロボットじゃないし、ちゃんと意思がある。恵と結婚したいとは思ってるけど、そもそも結婚というものに対して、良いイメージがないってだけ。いつとは言えないけど、結婚に対して前向きになる可能性もあるじゃん」
これが航平の本心であり、もうこれ以上言うことはなかった。
「もう分かった、もういい」
航平の言葉を聞いた恵は、明らかに不機嫌になり、立ち上がった。
「もういい」という言葉は、都合が悪くなると恵がいつも使う逃げのセリフだ。
「でた、もういい。もういいじゃなくて、そもそも言い合いになるような話じゃないでしょって」
互いに譲れるものはこれ以上ない。
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いつもながら、航平は不満だった。
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