愛にならなかったから
「愛と覚悟を持てない恋は、必ず終わる」 全話書き換え完了!
交際七年目を迎えた千葉恵は、恋人の岸本航平との将来に強い焦りを抱いていた。周囲の友人たちは次々に結婚し、子どもを授かり、人生を前へ進めている。けれど航平は、結婚にどうしても踏み出せない。結婚は自由を失い、責任と不安を背負い込むものだと考える彼にとって、今の穏やかな関係を壊してまで未来を選ぶ理由が見つからなかった。愛していないわけではない。それでも、愛だけでは結婚を決められない。そんな航平の煮え切らない態度に、恵は少しずつ追い詰められていく。
一方の恵もまた、ただ「結婚したい女」ではなかった。子どもを望む年齢的な不安、自分の人生を自分で選びたいという願い、そして七年という歳月を無駄にしたくないという切実な思いが、彼女を結婚へと駆り立てていた。だが既婚者の男友達・野山との対話を通して、恵は結婚とは“運命”ではなく、“この人と生きると決める愛と覚悟”なのだと知る。そしてその瞬間、自分が航平に抱いていた感情が、愛ではなく情や慣れに変わっていたことに気づいてしまう。
同じ頃、航平もまた、恋人がいながら別の女性・亜美と関係を持ち続ける中で、自分の弱さと身勝手さを抱えたまま生きていた。自由を求め、責任を恐れ、都合のいい居場所として恵を手放せずにいた彼は、恵から別れを告げられたことで初めて、自分が失ったものの大きさを思い知る。さらに実家で母親の何気ない結婚観に触れたことで、「離れたくないと思える相手こそが、人生を共にする人なのかもしれない」と揺れ始める。しかし、その気づきはあまりにも遅かった。
これは、結婚に憧れる女と、結婚を恐れる男が、七年の恋の果てに「本当に人生を共にしたい相手とは誰なのか」を問い直していく物語。愛とは何か、情とは何か、運命とは何か。別れの痛みを通してしか辿り着けない答えが、静かに胸を打つ恋愛小説。
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