死のうと思ったが、走馬灯が長過ぎる

もう、死のう。

加藤幸助(かとうこうすけ)はマンションのベランダに立った。
月が煌々と照らす中、延長コードを手に夜空を見上げている。

生きてきた40年間で得たものは何もない。
大切な人もいない、何も成し遂げていない、生まれてきた意味も生きる意味もない、自分がいなくなったとて困る人はいない。

生活保護を受け、保護費を貰いながら生活している。
一応、障害者枠としてスーパーの品出しの仕事をしているが、やり甲斐も特になく、仕事仲間は皆、腫れ物に触るように接してくる。

躁鬱の症状は、毎日の服薬である程度抑えられていた。

もちろん鬱症状が強く、出勤できない日もあれば、眠れないくらい頭が冴えている日もある。

今自分は躁状態で上がっているだけかもしれない。

でも、そんなことはどうでもいい。

この意味のない人生を終わらせるんだ。
この世は残酷だ。
日常の些細な苦しみから逃げ出すんだ。

そう思い、延長コードをベランダの柵に括り付けた。

そして、頭の中に過去の出来事がフラッシュバックする。
もしかしたら、これが走馬灯ってやつなのか?

幸助は走馬灯を眺め、自分という存在を見つめ直す。

この物語は、冴えない人生を送ってきた幸助が、幸せについて考える、心温まるストーリーです。




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