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フォールドーン帝国編
第81話 赤のオーラ
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ここで死ぬわけにはいかない。
カナメルは目を開けた。
太陽が煌々とカナメルを照らしつける。
まだ俺にはやるべきことがある、、、、
カナメルは立ち上がった。
足元に奇妙な形をした短銃が転がっているのを発見した。
銃身にはアンチマジックと表記されている。
、、、、、、、
この銃には見覚えがある。
マスターリョウが撃った魔法封じの銃と同じ形状をしていた。
先端には針が一本仕込まれてあることが確認出来る。
カナメル「無駄遣いはしないさ、いつかゼウスに使う為に残しておいたんだろ?」
マスターリョウは魔力封じの短銃を二丁持っていたということだ。
もしカナメルを仕留めるつもりだったのならば、腕を切り落とした後にもう一度この銃を撃てばカナメルに勝ち目はなかった。
そもそも最初から声をかけずに首や頭に撃っていれば、、、、
カナメルはアンチマジックを静かに懐にしまった。
カナメル「ゴホっ、、、、」
多量の血液が口から流れる。
何故立っていられるのか、自分でも不思議である。
もしこの活力に訳があるとすれば、それは心の奥深くに潜む、復讐心と野望のおかげである。
カナメルはヨタヨタと階段を目指して歩き出した。
長い螺旋階段をグルグルと登り、一際目立つ機械室の扉に手をかける。
ヘイスレイブの四天王となり、秘密裏に入手したゴッドタワー内部の地図は全て暗記済みである。
カナメルは何度も何度もイメージトレーニングを重ねた。
全てはこの部屋に入るためである。
カナメルはゆっくりと扉を開けた。
ピッピ、、ピッピ、、、、
壮大な電子機器達がカナメルを出迎える。
ここは神の裁きのコアとなる動力室である。
広い部屋の真ん中には巨大なコアがギラギラと光り輝いていた。
ゼウスは更に数階上の玉座から、この部屋へ魔力を送り込み、一瞬で街を消し去る雷の大砲、神の裁きが放たれる。
大容量の魔力を凝縮し、何千里も先の街へ正確に撃ち放つこの機械はフォールドーンの科学力の凄まじさを物語っている。
しかし、何よりも凄いのはゼウスの魔力総量の多さである。
ゼウスには人並外れた魔力総量があり、魔力切れを起こしたことがないという伝説がある。
ゼウスの長所を存分に活かして作られた、この神の裁き。
この巨大な兵器が存在するだけで、その気になればいつでもお前の街を消し去れるということを知らしめているように思える。
カナメル「こんなものがあるから、、、こんなものがあるから!!!!!!!」
カナメルは怒りに身を任せ、右手をコアへと向ける。
しかし、マスターリョウとの戦いで全ての魔力を使い果たしたカナメルの右手は、虚しく震えているだけである。
カナメル「燃えろ、、、燃えろよ!!燃えろ!!!!!!!!!!!」
血を吐きながら叫び散らしても、何も起こらない。
ようやくここまで辿り着いた、何年も何年もこの忌まわしい兵器を破壊するために何度もイメージトレーニングをした。
しかし、この兵器を破壊するための炎は微塵も発現しない。
カナメル「、、、、、これが、、俺の最後なのか」
カナメルは膝をつき、手を下ろした。
頬を伝う涙は、静かにコンクリートを濡らしていく。
誰にもバレずに、静かに沁みていく。
見ているか?リナ
俺は何も、君に恩返しが出来なかったよ。
何も、何一つ、、、成し遂げられなかったよ。
それでもリナ、、、、
君の元へ行っても良いだろうか。
朦朧とする視界の中、ゆらゆらと揺れる赤いオーラが身体から溢れていることに気が付いた。
カナメル「これは、、、、」
本で読んだことがある、限界を超えた感情は色のついたオーラとなり様々な効果をもたらすことがある。
これは死ぬ前の幻覚なのか?
そうは思ったものの、身体中から魔力が溢れてくるのを感じてカナメルは立ち上がった。
魔力切れを起こしていたこの身体から、とんでもない量の魔力が溢れている。
それはカナメル自身ですら止めることが出来なかった。
止めどなく溢れ続ける魔力に、カナメルは望みを託す。
カナメル「、、、燃えろ」
小さく呟いた言葉が魔力に属性を付与し、一瞬にして部屋全体を炎が包む。
意図せずに身体中から炎が垂れ流れる。
視界は業火によって真っ赤になり、何も見えない。
数分間、勝手に地獄のような炎が渦を巻き、唖然とするカナメル。
しかし、自分の魔力であることは確かなため制御出来る筈だと考えた。
身体中に満ちている魔力を全て心臓に戻すイメージでゆっくりと深呼吸をした。
すると、炎の放出は収まり、メラメラと焼け焦げる広い部屋が露になった。
電子危機は跡形もなく黒くなり、中央のコアは溶けて無くなっていた。
数秒後、大きな爆発が起こり、部屋はガタガタと揺れ始める。
神の裁きが放たれる巨大な主砲が崩れ落ちていく。
カナメル「まだ俺を生かしてくれるんだろ?鳳凰」
巨大な魔法陣が出現し、神鳥が主人を助けるために馳せ参じた。
膨大な魔力を消費するSランク召喚魔法でさえ、全く魔力を消費している実感がない。
疑問は尽きないが、今はやるべきことをやるしかない。
鳳凰は熱線を放ち、崩れゆく壁に穴を開ける。
落下する瓦礫の隙間を縫うように飛び抜け、大空へと羽ばたいた。
この状態のままゼウスを消す。
カナメルは玉座の間を目指して上昇した。
すると
「ぐぁあぁああああ!!!!!!」
玉座の間がある場所から爆発音が鳴り、とんでもないエネルギー量の光線と共にゼウスが北ゲートの方向へと飛ばされていくのを確認した。
カナメル「誰がゼウスを?」
カナメルは鳳凰の背に乗ったまま、北ゲートへと向かった。
カナメルは目を開けた。
太陽が煌々とカナメルを照らしつける。
まだ俺にはやるべきことがある、、、、
カナメルは立ち上がった。
足元に奇妙な形をした短銃が転がっているのを発見した。
銃身にはアンチマジックと表記されている。
、、、、、、、
この銃には見覚えがある。
マスターリョウが撃った魔法封じの銃と同じ形状をしていた。
先端には針が一本仕込まれてあることが確認出来る。
カナメル「無駄遣いはしないさ、いつかゼウスに使う為に残しておいたんだろ?」
マスターリョウは魔力封じの短銃を二丁持っていたということだ。
もしカナメルを仕留めるつもりだったのならば、腕を切り落とした後にもう一度この銃を撃てばカナメルに勝ち目はなかった。
そもそも最初から声をかけずに首や頭に撃っていれば、、、、
カナメルはアンチマジックを静かに懐にしまった。
カナメル「ゴホっ、、、、」
多量の血液が口から流れる。
何故立っていられるのか、自分でも不思議である。
もしこの活力に訳があるとすれば、それは心の奥深くに潜む、復讐心と野望のおかげである。
カナメルはヨタヨタと階段を目指して歩き出した。
長い螺旋階段をグルグルと登り、一際目立つ機械室の扉に手をかける。
ヘイスレイブの四天王となり、秘密裏に入手したゴッドタワー内部の地図は全て暗記済みである。
カナメルは何度も何度もイメージトレーニングを重ねた。
全てはこの部屋に入るためである。
カナメルはゆっくりと扉を開けた。
ピッピ、、ピッピ、、、、
壮大な電子機器達がカナメルを出迎える。
ここは神の裁きのコアとなる動力室である。
広い部屋の真ん中には巨大なコアがギラギラと光り輝いていた。
ゼウスは更に数階上の玉座から、この部屋へ魔力を送り込み、一瞬で街を消し去る雷の大砲、神の裁きが放たれる。
大容量の魔力を凝縮し、何千里も先の街へ正確に撃ち放つこの機械はフォールドーンの科学力の凄まじさを物語っている。
しかし、何よりも凄いのはゼウスの魔力総量の多さである。
ゼウスには人並外れた魔力総量があり、魔力切れを起こしたことがないという伝説がある。
ゼウスの長所を存分に活かして作られた、この神の裁き。
この巨大な兵器が存在するだけで、その気になればいつでもお前の街を消し去れるということを知らしめているように思える。
カナメル「こんなものがあるから、、、こんなものがあるから!!!!!!!」
カナメルは怒りに身を任せ、右手をコアへと向ける。
しかし、マスターリョウとの戦いで全ての魔力を使い果たしたカナメルの右手は、虚しく震えているだけである。
カナメル「燃えろ、、、燃えろよ!!燃えろ!!!!!!!!!!!」
血を吐きながら叫び散らしても、何も起こらない。
ようやくここまで辿り着いた、何年も何年もこの忌まわしい兵器を破壊するために何度もイメージトレーニングをした。
しかし、この兵器を破壊するための炎は微塵も発現しない。
カナメル「、、、、、これが、、俺の最後なのか」
カナメルは膝をつき、手を下ろした。
頬を伝う涙は、静かにコンクリートを濡らしていく。
誰にもバレずに、静かに沁みていく。
見ているか?リナ
俺は何も、君に恩返しが出来なかったよ。
何も、何一つ、、、成し遂げられなかったよ。
それでもリナ、、、、
君の元へ行っても良いだろうか。
朦朧とする視界の中、ゆらゆらと揺れる赤いオーラが身体から溢れていることに気が付いた。
カナメル「これは、、、、」
本で読んだことがある、限界を超えた感情は色のついたオーラとなり様々な効果をもたらすことがある。
これは死ぬ前の幻覚なのか?
そうは思ったものの、身体中から魔力が溢れてくるのを感じてカナメルは立ち上がった。
魔力切れを起こしていたこの身体から、とんでもない量の魔力が溢れている。
それはカナメル自身ですら止めることが出来なかった。
止めどなく溢れ続ける魔力に、カナメルは望みを託す。
カナメル「、、、燃えろ」
小さく呟いた言葉が魔力に属性を付与し、一瞬にして部屋全体を炎が包む。
意図せずに身体中から炎が垂れ流れる。
視界は業火によって真っ赤になり、何も見えない。
数分間、勝手に地獄のような炎が渦を巻き、唖然とするカナメル。
しかし、自分の魔力であることは確かなため制御出来る筈だと考えた。
身体中に満ちている魔力を全て心臓に戻すイメージでゆっくりと深呼吸をした。
すると、炎の放出は収まり、メラメラと焼け焦げる広い部屋が露になった。
電子危機は跡形もなく黒くなり、中央のコアは溶けて無くなっていた。
数秒後、大きな爆発が起こり、部屋はガタガタと揺れ始める。
神の裁きが放たれる巨大な主砲が崩れ落ちていく。
カナメル「まだ俺を生かしてくれるんだろ?鳳凰」
巨大な魔法陣が出現し、神鳥が主人を助けるために馳せ参じた。
膨大な魔力を消費するSランク召喚魔法でさえ、全く魔力を消費している実感がない。
疑問は尽きないが、今はやるべきことをやるしかない。
鳳凰は熱線を放ち、崩れゆく壁に穴を開ける。
落下する瓦礫の隙間を縫うように飛び抜け、大空へと羽ばたいた。
この状態のままゼウスを消す。
カナメルは玉座の間を目指して上昇した。
すると
「ぐぁあぁああああ!!!!!!」
玉座の間がある場所から爆発音が鳴り、とんでもないエネルギー量の光線と共にゼウスが北ゲートの方向へと飛ばされていくのを確認した。
カナメル「誰がゼウスを?」
カナメルは鳳凰の背に乗ったまま、北ゲートへと向かった。
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