あの時、俺は怪物だった。

かつてこの大陸では、三つの国が争っていた。

1つはグレイス共和国。
王女セレスティアが統治する騎士国家。
王女セレスティアの唯一の能力[リバイバルボイス]は、あらゆる建物、人、植物、全てのものの傷をその歌声で復元することが出来る。
そのため資源の豊富なグレイス共和国は領土を侵略する必要はなく、今ある領土を守るためだけに武力行使していた。

一方ヘイスレイブ王国は国王マキニウムが治める魔法国家。生い茂る熱帯雨林には毒花や猛獣が数多く生息し、そこに煌びやかに輝く黄金の城は国民の夢であり希望であった、かつてフォールドーン帝国との大きな戦乱により逃れた小市民達は国王マキニウムとその配下の四天王が、この大陸を支配する日を夢見ている。

そしてもう一つはフォールドーン帝国、皇帝ゼウスによる独裁政治が支配する機械国家。元々鉱物が豊富なその土地では、日々強力な機械を製作し、そこから出る有害な物質により樹々は枯れ、今となっては砂嵐舞う荒野と化している。
飢餓により死んでいく者も多く、実験により鉄屑の山となっているスラム街には打倒ゼウスを志す若者達、反乱軍の姿があった。
今日も兵士達は銃を手に、厳しい訓練に疲弊している。

二つの国はリバイバルボイスの強力な再生能力に敵わず、グレイス領地に侵略することが出来ずにいた。

しかし、実のところ数年前からセレスティアは謎の病気により声を失っているのであった。
だが、それを知らない他国は、無駄な損害を出さないためにも攻め入ることはなかった。

ヘイスレイブ王国とフォールドーン帝国の争いが激化する中、グレイス共和国は平和を保っていた。。。。




そんなある日、突如空から六人の若者が落ちてくる。
そして、たった六人で、グレイス共和国を落とすのであった。

グレイス共和国はずっと保ってきた平和を、たった1日で失ってしまう。

しかし不可解なことに、王女セレスティアの遺体は見つからず、六人の若者の姿も見当たらない。

そして数日後には漆黒の鎧を纏った謎の騎士が王として君臨していた。
漆黒の騎士は言葉を発さず、隣にいる老人が代弁するのであった。

彼はセレスティア様の意思を継ぐ者だと言う、そして民衆を鼓舞し、セレスティア様のための復讐を民に宣言した。
国民に愛されていたセレスティア亡き今、国民の心の拠り所となったのは突如現れた漆黒の騎士であった。王を失った国は、グレイス王国と名を変えて、矛盾が残ったまま団結するのであった。

それからグレイス王国も領土侵略を始め、三国の争いは混沌へと飲まれていく。


そんな中、褐色の少年と不思議な力をもつ少女はグレイス王国の騎士候補生になる。

その少女がセレスティアの娘だということは、今となっては褐色の少年しか知らない。。。



この物語は、1人の少女の声を巡る、壮絶な物語である。


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