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混沌の北ゲート編
第87話 すべきこと
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とてつもない力と力のぶつかり合いにより、大地は燃えている。
トゥール「ごほっ!、、ごほっ、、なんつー破壊力だ」
フォールドーン帝国を取り囲む壁は無事だが、トゥール達は風圧で吹き飛ばされていた。
フルネス「二発目が来たら耐えられないな」
タクティス「その前に奴を止めなければ、帝国の民が犠牲になる」
フルネス「敵国だとしても、こんな状況下では守るべき命だ」
そんな中、タカは元の位置から微動だにせず、砂煙の中でゼウスがいる方向を真っ直ぐに見つめていた。
風が砂を攫って、視界がクリアになる。
ゼウス「ハッハッハッハ!!!!試運転でこの威力、まだまだ火力は上げられそうだ。次はこの肉体を試そうか、今ならたった一撃で、国を滅ぼすことが出来そうだ」
ゼウスは上機嫌で肩を回している。
タカ「それはお前の力ではない。気高き俺たち戦闘民族の受け継がれし力だ」
ゼウス「なんだって良い、力こそが全てだ。理由など何でも良い。勝ってこその人生、どんな手を使ってでも勝つ、そうすればいつか望む場所に辿り着く。ここはきっと俺の極地だ、もう国などいらぬ。軍事力などいらぬ。俺こそが最強の兵器だ」
タカ「教えてやろう、そこはまだ極地ではない。強さにはまだ上がある。俺とお前のその力は、何千人もの同族を葬ってきた。俺たち戦闘民族の決着はまだついていない。リキと戦えないのは不本意だが、リキが血を流して手に入れたその力は何としても俺が手にする。お前もまだまだ強さの先に行きたいのであれば、正々堂々俺と戦うことだな」
ゼウス「お前を倒せば、更に上のステージに上がれるのか?」
タカ「そうだ、本気を出せば一瞬で大陸を滅ぼすことが出来るほどの力を手にする」
ゼウス「それは楽しみだな」
ゼウスの口角が上がった。
緊張が走る二人の間に、突然空から何者かが落ちてきた。
その場にいる全ての者が落ちてきた何かを凝視している。
「グルァァァァァァァアアアアアアアア!!!!!!!」
そこにいたのは、グレイス王国の王。漆黒の騎士だった。
ツグル「漆黒の騎士、、、、、」
トゥール「どうしてあいつが今ここに!?セリアはリバイバルボイスを使っていないはずだ、無の神の仕業か」
トゥールは強く奥歯を噛んだ。
カナメルは空からこの状況を眺め、静かに目を瞑った。
カナメル「潮時だ。トゥール!!俺は俺のすべきことをする。今は全員が生き残ることを優先すべきだよ、この戦いはまだ終わらない、生きてまた会おう」
カナメルは神鳥の背に乗りながら、上昇していく。
トゥール「ああ、分かってる。分かっているが、全員を生かすには、強すぎる相手だ」
タカはトゥールへと視線を送る。
トゥール「ああ、ああ!!!分かってるよ。ゼウスはタカに任せる。漆黒の騎士は、、、、」
俺に任せろ、そう言いたいが魔力が圧倒的に足りない。
あと一撃の獺祭で、魔力が尽きてしまいそうだ。
その一撃で倒せるほど、漆黒の騎士は脆くない。
トゥールの苦渋の表情を見つめるフルネス。
フルネス「俺が行こう」
そう言い大剣を構えるフルネス。
しかし、その大剣を静止する者がいた。
タクティス「一人で勝てる相手ではない。フルネス、トゥール、俺、それとムーの究極召喚魔法により、ようやく命からがら逃げ切れた相手だ。俺も残ろう」
フルネス「、、、心強い。二人なら大丈夫だ、トゥール!皆のことを頼む」
タクティス「トゥール、俺はお前に報いたい。力になりたい。信じてくれ、何としてもここで漆黒の騎士を食い止める」
トゥール「、、、、、」
正直勝ち目はほぼ無い。
ゼウスは想像以上に強い、タカが勝てる可能性も薄い。
漆黒の騎士は全員でかかっても勝てる可能性は、ほぼゼロだ。
トゥール「リリ、ツグル達を頼んだ」
リリ「はーい、了解~」
リリは何やら魔法を唱えようとしている。
セリア「待ってください!!」
するとセリアがリリの手を引いて走り出した。
リリ「あれ、セリアちゃん!どこに行くの?」
セリアはリリの手を引きながら、タカの元へと走って行く。
そのままもう片方の手でタカの手を握る。
驚くタカ、しかしセリアが真剣な眼差しでタカを見つめる。
そしてセリアは、歌い始めた。
セリアの綺麗な歌声が、荒れ果てた大地に命を吹き込み、傷付いた者の傷を癒やす。
そして、、、、、
パリィーン!!!!!
リリとタカの指にはめられていた指輪は音を立てて割れた。
二本のドス黒い光柱が天を貫いた瞬間、漆黒の騎士はセリア目掛けて飛びかかってきた。
セリア「存分に暴れちゃってください!!」
タカ「、、、礼を言う」
リリ「えへへ、ありがとう!!絶対にセリアちゃんをここから逃すからね」
飛びかかる漆黒の騎士にタカが拳を振るう。
漆黒の騎士は地面に横たわったが、すぐに立ち上がり、またセリアを狙っている。
タカ「俺はこのままゼウスをやる」
タカは漆黒の騎士とすれ違い、その先にいるゼウスと戦闘を開始した。
セリア「私は逃げません、皆さんと一緒に戦います!」
リリ「ダーメ、いいから乗って!」
気がつくとリリは小型のバギーを出現させていた。
半ば強引にセリアを乗せ、ツグル達の元へと走らせる。
その後ろを漆黒の騎士が追いかける。
フルネス「くそ、速すぎる!」
タクティス「地面を割っても良いが、リリ達にも被害が及ぶ」
漆黒の騎士の歩みを止めたのはトゥールだった。
刃を交えるも、圧倒的なパワーを前に防戦一方である。
その時、空から強烈な熱線が漆黒の騎士を襲った。
上空にいるのは鳳凰の背に乗るカナメルだった。
トゥール「お!カナメル!!助かった」
カナメル「セリアに腕の借りを返しに来ただけよ」
カナメルはそう言うと、セリアの歌により復活した腕で手を振り、遠くの空へと消えていった。
セリアを乗せたバギーはツグル達の元へと到着した。
リリ「魔改造!!」
リリの呼びかけにより、バギーはガチャガチャと形を変え、ヘリコプターの姿になった。
リリ「さぁ、乗って!!」
ツグル、モモ、ダイスはリリに言われるがままに乗り込む。
上昇するヘリコプターだが、追いついた漆黒の騎士が跳躍する。
ツグル「俺がやる!!」
ツグルは短剣を手裏剣へと変形させ投擲した、しかし漆黒の騎士の剣技で弾かれてしまう。
ダイス「よし!任せろ!!」
リリ「いや、ここはお姉さんに任せなさい。魔改造!!ギガントアーム!!」
リリの呼びかけによりヘリコプターから巨大な機械の腕が生える。
モモ「凄い!!!」
巨大な手が漆黒の騎士をはたき落とした。
そこへフルネスとタクティスが駆けつけ、漆黒の騎士と戦闘を開始した。
空から眺めるツグル達。
ダイス「とりあえず、安全だよな」
モモ「そうだね、皆さんのおかげで」
リリ「ふぅ、気は抜けないけど、一旦深呼吸だね」
俯くセリアを見て、ツグルは声をかける。
セリア「、、、、、」
ツグル「カナメルは俺のすべきことをすると言い飛んでいった。トゥールはリリさんに俺たちを託し、タクティスさんとフルネス将軍と共に地上に残った。タカさんもそうだ、皆、今この瞬間で自分のすべきことに命をかけている。俺はこの帝国で覚悟というものを学んだ、これからは自分のすべきことをちゃんと考えて行動したいと思っている」
セリア「うん、、、」
ツグル「そんな顔をするな、俺たちにはまだまだやるべきことがあるはずだ」
セリア「そうだね」
セリアの表情が少しだけ明るくなった。
トゥール「ごほっ!、、ごほっ、、なんつー破壊力だ」
フォールドーン帝国を取り囲む壁は無事だが、トゥール達は風圧で吹き飛ばされていた。
フルネス「二発目が来たら耐えられないな」
タクティス「その前に奴を止めなければ、帝国の民が犠牲になる」
フルネス「敵国だとしても、こんな状況下では守るべき命だ」
そんな中、タカは元の位置から微動だにせず、砂煙の中でゼウスがいる方向を真っ直ぐに見つめていた。
風が砂を攫って、視界がクリアになる。
ゼウス「ハッハッハッハ!!!!試運転でこの威力、まだまだ火力は上げられそうだ。次はこの肉体を試そうか、今ならたった一撃で、国を滅ぼすことが出来そうだ」
ゼウスは上機嫌で肩を回している。
タカ「それはお前の力ではない。気高き俺たち戦闘民族の受け継がれし力だ」
ゼウス「なんだって良い、力こそが全てだ。理由など何でも良い。勝ってこその人生、どんな手を使ってでも勝つ、そうすればいつか望む場所に辿り着く。ここはきっと俺の極地だ、もう国などいらぬ。軍事力などいらぬ。俺こそが最強の兵器だ」
タカ「教えてやろう、そこはまだ極地ではない。強さにはまだ上がある。俺とお前のその力は、何千人もの同族を葬ってきた。俺たち戦闘民族の決着はまだついていない。リキと戦えないのは不本意だが、リキが血を流して手に入れたその力は何としても俺が手にする。お前もまだまだ強さの先に行きたいのであれば、正々堂々俺と戦うことだな」
ゼウス「お前を倒せば、更に上のステージに上がれるのか?」
タカ「そうだ、本気を出せば一瞬で大陸を滅ぼすことが出来るほどの力を手にする」
ゼウス「それは楽しみだな」
ゼウスの口角が上がった。
緊張が走る二人の間に、突然空から何者かが落ちてきた。
その場にいる全ての者が落ちてきた何かを凝視している。
「グルァァァァァァァアアアアアアアア!!!!!!!」
そこにいたのは、グレイス王国の王。漆黒の騎士だった。
ツグル「漆黒の騎士、、、、、」
トゥール「どうしてあいつが今ここに!?セリアはリバイバルボイスを使っていないはずだ、無の神の仕業か」
トゥールは強く奥歯を噛んだ。
カナメルは空からこの状況を眺め、静かに目を瞑った。
カナメル「潮時だ。トゥール!!俺は俺のすべきことをする。今は全員が生き残ることを優先すべきだよ、この戦いはまだ終わらない、生きてまた会おう」
カナメルは神鳥の背に乗りながら、上昇していく。
トゥール「ああ、分かってる。分かっているが、全員を生かすには、強すぎる相手だ」
タカはトゥールへと視線を送る。
トゥール「ああ、ああ!!!分かってるよ。ゼウスはタカに任せる。漆黒の騎士は、、、、」
俺に任せろ、そう言いたいが魔力が圧倒的に足りない。
あと一撃の獺祭で、魔力が尽きてしまいそうだ。
その一撃で倒せるほど、漆黒の騎士は脆くない。
トゥールの苦渋の表情を見つめるフルネス。
フルネス「俺が行こう」
そう言い大剣を構えるフルネス。
しかし、その大剣を静止する者がいた。
タクティス「一人で勝てる相手ではない。フルネス、トゥール、俺、それとムーの究極召喚魔法により、ようやく命からがら逃げ切れた相手だ。俺も残ろう」
フルネス「、、、心強い。二人なら大丈夫だ、トゥール!皆のことを頼む」
タクティス「トゥール、俺はお前に報いたい。力になりたい。信じてくれ、何としてもここで漆黒の騎士を食い止める」
トゥール「、、、、、」
正直勝ち目はほぼ無い。
ゼウスは想像以上に強い、タカが勝てる可能性も薄い。
漆黒の騎士は全員でかかっても勝てる可能性は、ほぼゼロだ。
トゥール「リリ、ツグル達を頼んだ」
リリ「はーい、了解~」
リリは何やら魔法を唱えようとしている。
セリア「待ってください!!」
するとセリアがリリの手を引いて走り出した。
リリ「あれ、セリアちゃん!どこに行くの?」
セリアはリリの手を引きながら、タカの元へと走って行く。
そのままもう片方の手でタカの手を握る。
驚くタカ、しかしセリアが真剣な眼差しでタカを見つめる。
そしてセリアは、歌い始めた。
セリアの綺麗な歌声が、荒れ果てた大地に命を吹き込み、傷付いた者の傷を癒やす。
そして、、、、、
パリィーン!!!!!
リリとタカの指にはめられていた指輪は音を立てて割れた。
二本のドス黒い光柱が天を貫いた瞬間、漆黒の騎士はセリア目掛けて飛びかかってきた。
セリア「存分に暴れちゃってください!!」
タカ「、、、礼を言う」
リリ「えへへ、ありがとう!!絶対にセリアちゃんをここから逃すからね」
飛びかかる漆黒の騎士にタカが拳を振るう。
漆黒の騎士は地面に横たわったが、すぐに立ち上がり、またセリアを狙っている。
タカ「俺はこのままゼウスをやる」
タカは漆黒の騎士とすれ違い、その先にいるゼウスと戦闘を開始した。
セリア「私は逃げません、皆さんと一緒に戦います!」
リリ「ダーメ、いいから乗って!」
気がつくとリリは小型のバギーを出現させていた。
半ば強引にセリアを乗せ、ツグル達の元へと走らせる。
その後ろを漆黒の騎士が追いかける。
フルネス「くそ、速すぎる!」
タクティス「地面を割っても良いが、リリ達にも被害が及ぶ」
漆黒の騎士の歩みを止めたのはトゥールだった。
刃を交えるも、圧倒的なパワーを前に防戦一方である。
その時、空から強烈な熱線が漆黒の騎士を襲った。
上空にいるのは鳳凰の背に乗るカナメルだった。
トゥール「お!カナメル!!助かった」
カナメル「セリアに腕の借りを返しに来ただけよ」
カナメルはそう言うと、セリアの歌により復活した腕で手を振り、遠くの空へと消えていった。
セリアを乗せたバギーはツグル達の元へと到着した。
リリ「魔改造!!」
リリの呼びかけにより、バギーはガチャガチャと形を変え、ヘリコプターの姿になった。
リリ「さぁ、乗って!!」
ツグル、モモ、ダイスはリリに言われるがままに乗り込む。
上昇するヘリコプターだが、追いついた漆黒の騎士が跳躍する。
ツグル「俺がやる!!」
ツグルは短剣を手裏剣へと変形させ投擲した、しかし漆黒の騎士の剣技で弾かれてしまう。
ダイス「よし!任せろ!!」
リリ「いや、ここはお姉さんに任せなさい。魔改造!!ギガントアーム!!」
リリの呼びかけによりヘリコプターから巨大な機械の腕が生える。
モモ「凄い!!!」
巨大な手が漆黒の騎士をはたき落とした。
そこへフルネスとタクティスが駆けつけ、漆黒の騎士と戦闘を開始した。
空から眺めるツグル達。
ダイス「とりあえず、安全だよな」
モモ「そうだね、皆さんのおかげで」
リリ「ふぅ、気は抜けないけど、一旦深呼吸だね」
俯くセリアを見て、ツグルは声をかける。
セリア「、、、、、」
ツグル「カナメルは俺のすべきことをすると言い飛んでいった。トゥールはリリさんに俺たちを託し、タクティスさんとフルネス将軍と共に地上に残った。タカさんもそうだ、皆、今この瞬間で自分のすべきことに命をかけている。俺はこの帝国で覚悟というものを学んだ、これからは自分のすべきことをちゃんと考えて行動したいと思っている」
セリア「うん、、、」
ツグル「そんな顔をするな、俺たちにはまだまだやるべきことがあるはずだ」
セリア「そうだね」
セリアの表情が少しだけ明るくなった。
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