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分裂のトルコネ編
第123話 オーロラのテラス
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ヒーローの活躍はホワイトヘルム王国内に瞬く間に知れ渡った。
一躍有名人となったヒーローは、正義のヒーローとして街人から崇められたのだった。
そんなある日。
リキッド「ヒーロー、突然だが、王がお前に会いたいそうだ」
ヒーロー「え!?マジかよ!!」
リキッド「マジだ」
ヒーロー「遂に俺も認められたってことだな!!」
リキッド「いいか、教えた通り、騎士としての立ち振る舞いを忘れるなよ」
ヒーロー「わーかってるよ」
リキッド「なら良い、行くか」
ヒーロー「よっしゃぁあー!!!」
~~~~~~~~~~~
玉座の間にて
王「リキッド、それに噂のヒーロー、よく来たな」
玉座に座る国王の隣にはアーヤカ姫がいた。
リキッドは王の前に跪き、続いてそれを真似したヒーローが跪いた。
王「ヒーロー、其方の活躍はリキッドから聞いておる。元々はフレイムラン王国の騎士だったそうじゃな」
ヒーロー「はい」
王「ほう、何故にホワイトヘルム王国の為に剣を振るうのだ?」
ヒーローはちらりとリキッドを見た。
リキッドは視線を感じ、その視線に応えるように眉を上げた。
ヒーロー「ええ、わたくし、ヒーローは、、、ホワイトヘルム王国の、、ええ~、、。リキッド名誉騎士団長様の戦う姿に一目惚れし、、自分もそのようになりたいと思い、、ええ~」
ヒーローの受け答えに呆れたリキッドが割って入った。
リキッド「彼はフレイムラン王国出身ではありますが、王国に対して大きな不満を持っております。炎魔法を扱えることからホワイトヘルム王国では貴重な戦力になるだろうと思い、私が引き入れました」
ヒーロー「はい!!その通りであります、です!!」
ヒーローは助かったと言わんばかりに目を大きく開けた。
王「単刀直入に聞こう、彼は信用出来るのかね?」
リキッド「はい、今後は私の右腕として活躍してもらう予定です」
王はリキッドを試すように見た。
王「リキッドが言うのであれば間違いないか。改めて言おう、ヒーローよ、ホワイトヘルムへようこそ」
ヒーロー「ありがたき幸せ、であります」
王は咳払いをした後、本題へ入った。
王「昨今、魔物の凶暴化が問題視されている。このままでは両王国共々、魔物の餌食となるのは時間の問題だ。そこでフレイムランの王と話し合いを行った。我が娘アーヤカとフレイムランのハッセー王子の婚儀にて、両国の平和条約が締結されることとなった」
リキッド「!!!」
リキッドは驚いてアーヤカ姫を見た。
アーヤカ姫は悲しげに頷いた。
王「三週間後、フレイムラン王城にて婚儀が執り行われる。土地勘のあるヒーローを遠征軍の一員として連れて行こうと思う、異議はあるかね?」
ヒーローはリキッドをちらりと見たが反応はなかった。
ヒーロー「喜んでお供いたします!!」
王「そうか、話は以上だ。下がると良い」
リキッド「はっ!」
リキッドとヒーローは玉座の間を後にした。
~~~~~~~~~~~~~
オーロラのテラスにて。
ヒーロー「おいおいマジかよ!?俺の復讐は終わりってことか!?」
リキッド「平和条約が結ばれるということは、そうなるだろうな」
ヒーロー「遠征だって!?クソくらえだよ、フレイムランなんざ二度と行きたくないね!!」
リキッド「王の提案だ、飲み込むしかないさ」
リキッドはコーヒーを啜りながら、ため息をついた。
ヒーロー「アーヤカ姫だっけか?めちゃめちゃ可愛いな!!ホワイトヘルムの雪と対照的な褐色の肌。悪くねぇ~!!!でも可哀想だなぁ、ハッセー王子なんて横暴で有名なデブハゲクソ王子だぞ?勿体ねぇよ!!あんな可憐な方には似合わねぇよ!!不釣り合いにも程があるぜ」
リキッド「デブハゲは良いとして、横暴ってのが気になるところだな」
ヒーロー「んあぁ!?俺を氷の湖にぶん投げたのもあいつだぞ?簡単に仲間を裏切るような奴さ、気に食わない奴はすぐに縛り上げる。罰だなんだと言って不合理な罪を着せる。最低な奴だよ」
リキッド「そうなのか」
リキッドは珍しく俯いていた。
ヒーロー「おいおい、なんだなんだ?お前もしかして、アーヤカ姫に惚れてんだろ?おい!!そうなんだな!?」
リキッドは鼻で笑った。
リキッド「そんなわけないだろ?たかだか騎士団長レベルの奴が恋心を抱いて良い相手じゃないんだ。一国の姫だぞ、たった一度の婚儀で戦争を終わらせてしまうような方なんだ」
ヒーロー「ちぇ、つまんねぇの。でも不憫だなぁ~王族ってのは、俺は王族じゃなくて良かったって思うわ。結婚相手くらい自分で選びたいもんなぁ」
やはりリキッドは浮かない表情をしている。
ヒーロー「なんだよ気持ち悪いなぁ!!なんか思ってることがあるなら言えよ」
ヒーローは苛立ちをあらわにした。
リキッド「いや、大したことじゃない。フレイムランとの戦いが終わるとしたら、兵の配備や方針、何から何まで考え直さなければならない。そう思ったら頭の中で、既に魔物との戦いに備えてのシュミレーションが始まってしまってな」
ヒーロー「なんだよ、それを考えてただけか。心配して損したぜ」
ヒーローは立ち上がって背伸びをした。
リキッド「コーヒーは飲まないのか?」
ヒーロー「いっつも我慢して飲んでたけど言わせてもらうわ、俺は、、、、甘党なんだ!!!じゃあな、おやすみ」
リキッド「ふっ、そうだったのか。次回からは角砂糖を用意しておくよ。おやすみ」
ヒーローは城へと入っていった。
リキッド「婚儀、、か」
空に輝くオーロラを眺めながら、リキッドはコーヒーを飲み干した。
「やっぱりここにいたのね、リキッド」
後ろからの声にリキッドは振り返った。
リキッド「おや、また眠れないのですか?アーヤカ姫」
アーヤカ「婚儀のことを思ったら、眠ってなんかいられないっての」
アーヤカはテーブルに置いてある冷え切ったコーヒーを一気に飲み干した。
アーヤカ「あれ、珍しいわね。誰かいたの?」
アーヤカは飲み干してしまった空のコーヒーカップをユラユラと揺らしている。
リキッド「ええ、正義のヒーローとティータイムを」
アーヤカ「彼、良い奴ね」
リキッド「はい、とても」
アーヤカ「、、、、、」
リキッド「、、、、、」
少しの沈黙の後、アーヤカは小さく呟いた。
アーヤカ「こうしてあなたとオーロラを眺めながらのティータイムも、最後になるかもしれないわね」
リキッド「そうですね」
アーヤカは思い出すように話し始めた。
アーヤカ「パパと喧嘩して姿を眩ませた私を発見したのは、まだ見習い兵だったあなただった」
リキッド「そうでしたね、それからというもの、私の至極のティータイムを邪魔するようになったのでしたね」
アーヤカ「邪魔じゃないわよ、話し相手になってあげてるの、あなたいつも一人ぼっちだから」
リキッド「私は一人が好きなだけです」
アーヤカ「ねぇ、リキッド」
リキッド「はい」
アーヤカ「婚儀について、あなたはどう思う?」
リキッドは迷いなく、アーヤカ姫の質問に答えた。
リキッド「王の言う通り、このままでは魔物の脅威に国は滅びてしまうでしょう。平和条約を結び、フレイムランと共闘することで活路はあるかと」
アーヤカ「やっぱり、そうだよね」
リキッド「一人ぼっちの騎士団長と夜空を見上げてる場合ではないですよ、姫としての務めを果たして下さい」
アーヤカ「ラジャー!!」
アーヤカは胸に手を当て、敬礼をした。
そしてニコっと笑った。
アーヤカ「あぁ~、あなたと話してたら眠くなってきたわ。最後に一つだけ質問して良い?」
リキッド「はい、何でしょう」
アーヤカ「リキッドはさ、何のために生きてるの?」
突然の質問に驚きながらも、リキッドは答えた。
リキッド「ん~、、、、カッコつけるため、ですかね」
アーヤカ「なにそれ!!浅いなぁ」
リキッド「いやいや、これが深いんですよ」
アーヤカ「長くなりそうだから寝るわぁ」
リキッド「今日は冷えます、暖かくしてお眠りください」
アーヤカ「はいはーい」
アーヤカは小走りで城の中へ入って行った。
アーヤカ「リキッド!!!!」
遠くから呼ばれてリキッドはまた振り返った。
アーヤカ「またね!!!」
そこには笑顔で手を振るアーヤカ姫がいた。
一躍有名人となったヒーローは、正義のヒーローとして街人から崇められたのだった。
そんなある日。
リキッド「ヒーロー、突然だが、王がお前に会いたいそうだ」
ヒーロー「え!?マジかよ!!」
リキッド「マジだ」
ヒーロー「遂に俺も認められたってことだな!!」
リキッド「いいか、教えた通り、騎士としての立ち振る舞いを忘れるなよ」
ヒーロー「わーかってるよ」
リキッド「なら良い、行くか」
ヒーロー「よっしゃぁあー!!!」
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玉座の間にて
王「リキッド、それに噂のヒーロー、よく来たな」
玉座に座る国王の隣にはアーヤカ姫がいた。
リキッドは王の前に跪き、続いてそれを真似したヒーローが跪いた。
王「ヒーロー、其方の活躍はリキッドから聞いておる。元々はフレイムラン王国の騎士だったそうじゃな」
ヒーロー「はい」
王「ほう、何故にホワイトヘルム王国の為に剣を振るうのだ?」
ヒーローはちらりとリキッドを見た。
リキッドは視線を感じ、その視線に応えるように眉を上げた。
ヒーロー「ええ、わたくし、ヒーローは、、、ホワイトヘルム王国の、、ええ~、、。リキッド名誉騎士団長様の戦う姿に一目惚れし、、自分もそのようになりたいと思い、、ええ~」
ヒーローの受け答えに呆れたリキッドが割って入った。
リキッド「彼はフレイムラン王国出身ではありますが、王国に対して大きな不満を持っております。炎魔法を扱えることからホワイトヘルム王国では貴重な戦力になるだろうと思い、私が引き入れました」
ヒーロー「はい!!その通りであります、です!!」
ヒーローは助かったと言わんばかりに目を大きく開けた。
王「単刀直入に聞こう、彼は信用出来るのかね?」
リキッド「はい、今後は私の右腕として活躍してもらう予定です」
王はリキッドを試すように見た。
王「リキッドが言うのであれば間違いないか。改めて言おう、ヒーローよ、ホワイトヘルムへようこそ」
ヒーロー「ありがたき幸せ、であります」
王は咳払いをした後、本題へ入った。
王「昨今、魔物の凶暴化が問題視されている。このままでは両王国共々、魔物の餌食となるのは時間の問題だ。そこでフレイムランの王と話し合いを行った。我が娘アーヤカとフレイムランのハッセー王子の婚儀にて、両国の平和条約が締結されることとなった」
リキッド「!!!」
リキッドは驚いてアーヤカ姫を見た。
アーヤカ姫は悲しげに頷いた。
王「三週間後、フレイムラン王城にて婚儀が執り行われる。土地勘のあるヒーローを遠征軍の一員として連れて行こうと思う、異議はあるかね?」
ヒーローはリキッドをちらりと見たが反応はなかった。
ヒーロー「喜んでお供いたします!!」
王「そうか、話は以上だ。下がると良い」
リキッド「はっ!」
リキッドとヒーローは玉座の間を後にした。
~~~~~~~~~~~~~
オーロラのテラスにて。
ヒーロー「おいおいマジかよ!?俺の復讐は終わりってことか!?」
リキッド「平和条約が結ばれるということは、そうなるだろうな」
ヒーロー「遠征だって!?クソくらえだよ、フレイムランなんざ二度と行きたくないね!!」
リキッド「王の提案だ、飲み込むしかないさ」
リキッドはコーヒーを啜りながら、ため息をついた。
ヒーロー「アーヤカ姫だっけか?めちゃめちゃ可愛いな!!ホワイトヘルムの雪と対照的な褐色の肌。悪くねぇ~!!!でも可哀想だなぁ、ハッセー王子なんて横暴で有名なデブハゲクソ王子だぞ?勿体ねぇよ!!あんな可憐な方には似合わねぇよ!!不釣り合いにも程があるぜ」
リキッド「デブハゲは良いとして、横暴ってのが気になるところだな」
ヒーロー「んあぁ!?俺を氷の湖にぶん投げたのもあいつだぞ?簡単に仲間を裏切るような奴さ、気に食わない奴はすぐに縛り上げる。罰だなんだと言って不合理な罪を着せる。最低な奴だよ」
リキッド「そうなのか」
リキッドは珍しく俯いていた。
ヒーロー「おいおい、なんだなんだ?お前もしかして、アーヤカ姫に惚れてんだろ?おい!!そうなんだな!?」
リキッドは鼻で笑った。
リキッド「そんなわけないだろ?たかだか騎士団長レベルの奴が恋心を抱いて良い相手じゃないんだ。一国の姫だぞ、たった一度の婚儀で戦争を終わらせてしまうような方なんだ」
ヒーロー「ちぇ、つまんねぇの。でも不憫だなぁ~王族ってのは、俺は王族じゃなくて良かったって思うわ。結婚相手くらい自分で選びたいもんなぁ」
やはりリキッドは浮かない表情をしている。
ヒーロー「なんだよ気持ち悪いなぁ!!なんか思ってることがあるなら言えよ」
ヒーローは苛立ちをあらわにした。
リキッド「いや、大したことじゃない。フレイムランとの戦いが終わるとしたら、兵の配備や方針、何から何まで考え直さなければならない。そう思ったら頭の中で、既に魔物との戦いに備えてのシュミレーションが始まってしまってな」
ヒーロー「なんだよ、それを考えてただけか。心配して損したぜ」
ヒーローは立ち上がって背伸びをした。
リキッド「コーヒーは飲まないのか?」
ヒーロー「いっつも我慢して飲んでたけど言わせてもらうわ、俺は、、、、甘党なんだ!!!じゃあな、おやすみ」
リキッド「ふっ、そうだったのか。次回からは角砂糖を用意しておくよ。おやすみ」
ヒーローは城へと入っていった。
リキッド「婚儀、、か」
空に輝くオーロラを眺めながら、リキッドはコーヒーを飲み干した。
「やっぱりここにいたのね、リキッド」
後ろからの声にリキッドは振り返った。
リキッド「おや、また眠れないのですか?アーヤカ姫」
アーヤカ「婚儀のことを思ったら、眠ってなんかいられないっての」
アーヤカはテーブルに置いてある冷え切ったコーヒーを一気に飲み干した。
アーヤカ「あれ、珍しいわね。誰かいたの?」
アーヤカは飲み干してしまった空のコーヒーカップをユラユラと揺らしている。
リキッド「ええ、正義のヒーローとティータイムを」
アーヤカ「彼、良い奴ね」
リキッド「はい、とても」
アーヤカ「、、、、、」
リキッド「、、、、、」
少しの沈黙の後、アーヤカは小さく呟いた。
アーヤカ「こうしてあなたとオーロラを眺めながらのティータイムも、最後になるかもしれないわね」
リキッド「そうですね」
アーヤカは思い出すように話し始めた。
アーヤカ「パパと喧嘩して姿を眩ませた私を発見したのは、まだ見習い兵だったあなただった」
リキッド「そうでしたね、それからというもの、私の至極のティータイムを邪魔するようになったのでしたね」
アーヤカ「邪魔じゃないわよ、話し相手になってあげてるの、あなたいつも一人ぼっちだから」
リキッド「私は一人が好きなだけです」
アーヤカ「ねぇ、リキッド」
リキッド「はい」
アーヤカ「婚儀について、あなたはどう思う?」
リキッドは迷いなく、アーヤカ姫の質問に答えた。
リキッド「王の言う通り、このままでは魔物の脅威に国は滅びてしまうでしょう。平和条約を結び、フレイムランと共闘することで活路はあるかと」
アーヤカ「やっぱり、そうだよね」
リキッド「一人ぼっちの騎士団長と夜空を見上げてる場合ではないですよ、姫としての務めを果たして下さい」
アーヤカ「ラジャー!!」
アーヤカは胸に手を当て、敬礼をした。
そしてニコっと笑った。
アーヤカ「あぁ~、あなたと話してたら眠くなってきたわ。最後に一つだけ質問して良い?」
リキッド「はい、何でしょう」
アーヤカ「リキッドはさ、何のために生きてるの?」
突然の質問に驚きながらも、リキッドは答えた。
リキッド「ん~、、、、カッコつけるため、ですかね」
アーヤカ「なにそれ!!浅いなぁ」
リキッド「いやいや、これが深いんですよ」
アーヤカ「長くなりそうだから寝るわぁ」
リキッド「今日は冷えます、暖かくしてお眠りください」
アーヤカ「はいはーい」
アーヤカは小走りで城の中へ入って行った。
アーヤカ「リキッド!!!!」
遠くから呼ばれてリキッドはまた振り返った。
アーヤカ「またね!!!」
そこには笑顔で手を振るアーヤカ姫がいた。
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