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ロトルア編

ヤオの新王政

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「久しぶりだね、ラーマ。」

ラーマの眼下には片腕がなくなったネロが立っていた。

「トリ、なかなかやるね。ダメージで片腕が飛んじゃった。」

「ネロ、ダメージ大丈夫なのか?」

「うん、僕はあの頃と違って驚異的な再生能力を手に入れた。」

ノーダメージの左腕を右腕にかざすと手から光がでた。

光が消えたかと思うと、消えたはずの右腕が復活していた。

「ビワ、遅れて悪かったね。」

「おう、来んのちょっと遅ないか?」

「まあ、このままこいつを倒して終わるから大丈夫。」

「ネロ。お主、『驚異的な再生能力』を手に入れたと言ったか。」

「そうだが。」

「そうなれば、私たちの除外対象だ。お前のことは殺し、手柄を手に入れさせてもらう。」

「残念ながらそれはできずに終わるだろうね。」

「炎劇」

刀が炎を纏い、とんでもない速度でトリを倒した。

「ぐふっ!」

「ネロ、生きてたの?」

「うん、元気だよ。」

「よかった。」

「ネロさん、俺らついてきた意味ないじゃないですか。」

「ごめんね。ドレイク達。」

「ネロ、助かったわ。」

「いいよ、ビワ。でも、それよりやらなきゃいけないことはこれからでしょ?」

「そうやな。うし!監獄行こ。」

一同は監獄へと向かった。

「国王様、お久しぶりでございます。」

「ビワ久しぶりだな。」

「国王様を開放しに参りました。」

「本当か。」

「はい、尊敬する国王様にお仕えしたく、ここまで頑張ってまいりました。」

「だが、今ここを出れば命を狙われるのは君たちだろう。」

「私たちは大丈夫です。ここまで努力を重ね、力を付けてきたものばかりですので。」

「分かった、ではビワの国に向かわせてもらおう。」

ーーヤオーー

「ところで、どうすればいいんだ。」

「まずは、国王様にここを治めていただきたい。」

「まて、まずは元幹部たち全員の意見を聞いておきたい。元幹部は誰がいる。」

「カルナはここに居ます。」

「おお、カルナ。お主はどう思う。」

「私はネロ様を国王に置き、その上に皇帝として国王様が居るのがよいかと。」

「おい、なんでネロなんや、カルナ。こいつは無関係者やろ。」

「いえ。ビワ、国王様の隠し子の話は覚えているだろうか。」

「ああ、息子のソガノと、ナカトミのどっちが継ぐかの話になって、

ソガノが継ぐからナカトミを平民にした話やろ。」

「ああ、そのナカトミこそが、ネロ様なのだ。」

「は?んなわけないやろ。」

「ビワ。この件に関してはすべてカルナに任せていた。だし、彼が私の子だという確認はできただろう。」

「できておりませんよ。」

「いや、できたはずだ。彼は驚異的な再生能力を手に入れたのだから。」

「あ、確かに…」

「それに、彼にはカリスマ性もある。彼が国王の血筋を継いでいることはほぼ確実だろう。」
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