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エンドレス・ラブ
25 裏切りの代償 ― 5 ―
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「師匠!!!!」
部屋の天辺を見上げながら叫んだ私の声に、目前の銀色の竜がビクンと跳ねて、高さの足りない天井を削るようにしてこちらを振り向いた。
「ア、エ、リア? なんでお前、ここに!?」
「それさっきも聞きました。師匠!」
思わず言い返した私を、アーロンが竜の口を半開きにしたまま見下ろしてる。
それがおかしくて、思わず涙がこぼれそうになる。
「アーロン、ただいま」
竜の巨大な片足に飛びつきながら私の口から言葉がポロリとこぼれた。
アーロンも私を抱きしめようとするけど、竜の巨体のままじゃままならない。今のアーロンにはちょっと狭い室内で、翼をパタパタさせながら首をおろしてその頭で私の背を撫でてくれた。
「一体、お前どうやって」
「会いたかったです、師匠。本当に会いたかったの」
まだ理解できないって顔でアーロンが聞いてくるけど、今の私にはずっと不足してたアーロン成分を補充するほうが先なのだ。
しばらく無言でアーロンのおっきな前足に抱きついてた私は、アーロンの頭に背中を優しく何度もトントンしてもらってやっと落ち着きを取り戻した。そしてふと気づいて、振り返りつつ尋ねてみる。
「そう言えば師匠、ここどこですか?」
するとアーロンが、ガクンと頭を地面に落としてこちらを見上げてくる。
「お前は場所も分からずに俺のところに飛んできたのか」
そう言ってから、すぐにちょっと目を彷徨わせ、そして竜のおっきな顔で困ったように笑った。
「ここは王城の端にある訓練場だ」
「え! 王城?! ピピンさんたちは? 皆さん大丈夫なんですか?」
タイラーさんが王城の様子は伝えてくれてた。だからそう尋ねたのに、なんかムッとしちゃったアーロンの返事は素っ気ない。
「ああ、もう全員避難させた」
「全員って、へ?」
「城内の者、街の者、俺の隊の奴ら、全員だ。残るは俺とお前──」
妖しく瞳を輝かせたアーロンの言葉は、突然私たちの後ろで響いた大音響にかき消された。
飛び上がってそちらを見ると、窓があった壁全面がガラガラと崩れ落ちていく。
モクモクと上がる土煙の向こう側から、見たこともない巨大な土塊の人形がこちらを覗きこんできた!
「し、師匠あれ! え……!?」
叫んだ私は今崩れ去った壁の向こう側の景色が目に入って、もう一度息を飲む。
そこにはいつか見たあの美しい城下町も、整然と並ぶ街並みも、高い教会の塔も、苔むした石垣も、なんにもなくて。
全てがグチャグチャで、茶色くて、あちこちで煙や火の手が上がってて。
そしてその合間にそそり立つ沢山の土人形!
「──それとフレイバーン兵の成れの果て、大量のゴーレムがここに向かってる」
その言葉通り、視界の果てまで見える全てのゴーレムたちが、ゆっくりと、でも確実にこちらに向かって歩いてきてる。
え、師匠こんなのと戦ってたの?!
目前の絶望的な光景に思わず震えた私を庇うようにアーロンが前に出て、目前のゴーレムに向って火を吹いた。
突然すぎて、一瞬何が起きたのか分からなかった。でもすぐに顔を嬲る火炎の熱風にさらされて、一気に頭が冴えわたる。壁の床と天井を焼くその業火がゴーレムを包み、それが消えると黒く焼けたその身体がポロポロと崩れ去った。
「心配するな、今俺が片付ける。お前の行方が分からないから先にバートンをとっ捕まえる予定だったが、これで心置きなく暴れられるぞ」
暴れるって、ちょっと待って。この調子で暴れたらここも無事じゃ済まないんじゃ?
それどころか……
「それって、この国がなくなっちゃうんじゃなかったですか?」
竜王様が暴れると世界が終わるってお話を何度も聞かされて来たんだけど。
思い出して尋ねた私を見下ろしてアーロンが返す。
「俺がそんなことすると思うか?」
アーロンは馬鹿にした声でそう言ってくるけど、手加減なんて本当に出来るの?
今までだってアーロン、意地悪もエッチも、いっつも手加減できなくて酷いことになってきたじゃん。
「私、勇者として、師匠を倒さなきゃいけなくなるの嫌ですよ?」
「お前はまたどこをどうしてそういう結論に辿り着く」
アーロンは呆れてため息ついてるけど、ため息つきたいのは私のほうだ。
アーロンが絶対暴走しないように、私がアーロンの近くで見張っててあげなきゃいけないんだ、そう強く思いつつ提案する。
「じゃあ師匠、私も一緒に行きます」
「本気か?」
「本気ですよ……もう離れるのは嫌です」
私の返答を今度は真剣な眼差しで受け止めてくれたアーロンに、もう一つの爆弾を投下することにした。
「それに前に言いましたよね、私にも勇者への『声』が聞こえるって」
そう、実は外の騒ぎに負けない音量で、さっきからずっと聞こえてたのだ。
勇者のアレが。
殺せ。
あれを殺せ。
あれは敵。
敵は殺せ。
勝利を掴め。
私は「正義」。
歯向かうものは全て薙ぎ払え。
耳の中で何かが今も私に囁きかけてる。
「多分私、また勇者モードが始まっちゃいそうなんです」
それは『正しい』何か。
『絶対』な何か。
そう言ってやまない「何か」が私の中にいて。
実は困ってたのだ。
それを聞いたアーロンが、竜の眉尻を器用にヒクヒクっと引きつらせた。
「多分対象は師匠じゃないんですけど、さっきっから『殺せ』『殺せ』って煩くて」
多分、対象はレシーネさんのお父さん、バートン卿なんだと思う。
アーロンの魔法使えなくしちゃったり、レシーネさんを傷つけたり、その上ゴーレムで街をぐじゃぐじゃにしちゃった、レシーネさんのお父さん。
それと本当はちょっとだけ、一人で戦おうとしてたアーロンにも怒りは向いてるかも。
どんなに誤魔化そうとしても、やっぱり胸の内には今ふつふつと怒りが溜まってきてて。
これ、爆発しないうちになんとかしないと不味い気がするのだ。
「なので爆発しない程度に発散させてください」
こんな時こそホウレンソウ。報告、連絡……あとなんだっけ?
素直にそう提言した私の顔を、なぜかアーロンが呆れと疲れがはっきり見て取れる面持ちで見返した。
* * *
「わーい! 念願の『竜の背に乗ってお空の散歩』だーー!」
叫んだ私をすぐにアーロンが戒める。
「遊びに行くんじゃないからな」
「そんなこと言ったって、一度はやってみたいってずっと思ってたんですよ!」
勇者のアレが発動しそうですっていう私の告白を聞いたアーロンは、気前よく私を背中に乗せて一緒にいくのを許してくれた。
背中、というか首の付け根。ここが一番揺れないのだそうだ。ゴツゴツの背中は座り心地イマイチだけど、お言葉通り、安定性は最高。お陰で今私、さっきのおかしな声も聞こえなくなって気分よく風を受けて飛んでます。
とはいえ、下をみちゃうと一気に気落ちしちゃうんだけど。
アーロンが言ってたのは比喩でもなんでもなかった。お城も街も、その外側まで、今ここは大量のゴーレムに囲まれてた。
私を乗せて窓から飛び立ったアーロンは、なぜか城下町の端、外郭の城壁まで滑空してきた。
「ゴーレムを蹴散らすんじゃなかったんですか?」
「馬鹿者、あの場所で暴れたら残り少ない街や城が更地になってしまうだろう」
大声で問いかけた私に、城壁の上に静かに着地したアーロンが、私を横に下ろしながらそう言った。
「それに、アイツらの目的は多分俺だ。俺がここに来ればこちらに引き寄せられる」
「え? あ、本当だ、こっちに向かってきてる!」
アーロンの言う通り、確かに皆方向転換してこっちに近づいてきてる。
「バートンのやつ、散々邪魔ばかりした俺がよっぽど憎いのだろう、どうしても俺を殺したいらしい」
そう言ってアーロンが竜の顔で皮肉げに笑ってる。
確かにレシーネさんの件にしても、今回の件でも、アーロンはいつもあの人の邪魔しちゃったのかもしれない。だけど、それは間違いなく逆恨みだよね?
ムッとした私にアーロンが竜の大きな顔でニッと笑んで、それから前方に顔を向ける。
「とうとう本人のご登場だ」
そう言ったアーロンの視線の先、並び立つゴーレムの中央。一際背の高いゴーレムの肩の上から、目を血走らせ、狂気の笑みを浮かべた小さな人影が私たちを見下ろしていた。
部屋の天辺を見上げながら叫んだ私の声に、目前の銀色の竜がビクンと跳ねて、高さの足りない天井を削るようにしてこちらを振り向いた。
「ア、エ、リア? なんでお前、ここに!?」
「それさっきも聞きました。師匠!」
思わず言い返した私を、アーロンが竜の口を半開きにしたまま見下ろしてる。
それがおかしくて、思わず涙がこぼれそうになる。
「アーロン、ただいま」
竜の巨大な片足に飛びつきながら私の口から言葉がポロリとこぼれた。
アーロンも私を抱きしめようとするけど、竜の巨体のままじゃままならない。今のアーロンにはちょっと狭い室内で、翼をパタパタさせながら首をおろしてその頭で私の背を撫でてくれた。
「一体、お前どうやって」
「会いたかったです、師匠。本当に会いたかったの」
まだ理解できないって顔でアーロンが聞いてくるけど、今の私にはずっと不足してたアーロン成分を補充するほうが先なのだ。
しばらく無言でアーロンのおっきな前足に抱きついてた私は、アーロンの頭に背中を優しく何度もトントンしてもらってやっと落ち着きを取り戻した。そしてふと気づいて、振り返りつつ尋ねてみる。
「そう言えば師匠、ここどこですか?」
するとアーロンが、ガクンと頭を地面に落としてこちらを見上げてくる。
「お前は場所も分からずに俺のところに飛んできたのか」
そう言ってから、すぐにちょっと目を彷徨わせ、そして竜のおっきな顔で困ったように笑った。
「ここは王城の端にある訓練場だ」
「え! 王城?! ピピンさんたちは? 皆さん大丈夫なんですか?」
タイラーさんが王城の様子は伝えてくれてた。だからそう尋ねたのに、なんかムッとしちゃったアーロンの返事は素っ気ない。
「ああ、もう全員避難させた」
「全員って、へ?」
「城内の者、街の者、俺の隊の奴ら、全員だ。残るは俺とお前──」
妖しく瞳を輝かせたアーロンの言葉は、突然私たちの後ろで響いた大音響にかき消された。
飛び上がってそちらを見ると、窓があった壁全面がガラガラと崩れ落ちていく。
モクモクと上がる土煙の向こう側から、見たこともない巨大な土塊の人形がこちらを覗きこんできた!
「し、師匠あれ! え……!?」
叫んだ私は今崩れ去った壁の向こう側の景色が目に入って、もう一度息を飲む。
そこにはいつか見たあの美しい城下町も、整然と並ぶ街並みも、高い教会の塔も、苔むした石垣も、なんにもなくて。
全てがグチャグチャで、茶色くて、あちこちで煙や火の手が上がってて。
そしてその合間にそそり立つ沢山の土人形!
「──それとフレイバーン兵の成れの果て、大量のゴーレムがここに向かってる」
その言葉通り、視界の果てまで見える全てのゴーレムたちが、ゆっくりと、でも確実にこちらに向かって歩いてきてる。
え、師匠こんなのと戦ってたの?!
目前の絶望的な光景に思わず震えた私を庇うようにアーロンが前に出て、目前のゴーレムに向って火を吹いた。
突然すぎて、一瞬何が起きたのか分からなかった。でもすぐに顔を嬲る火炎の熱風にさらされて、一気に頭が冴えわたる。壁の床と天井を焼くその業火がゴーレムを包み、それが消えると黒く焼けたその身体がポロポロと崩れ去った。
「心配するな、今俺が片付ける。お前の行方が分からないから先にバートンをとっ捕まえる予定だったが、これで心置きなく暴れられるぞ」
暴れるって、ちょっと待って。この調子で暴れたらここも無事じゃ済まないんじゃ?
それどころか……
「それって、この国がなくなっちゃうんじゃなかったですか?」
竜王様が暴れると世界が終わるってお話を何度も聞かされて来たんだけど。
思い出して尋ねた私を見下ろしてアーロンが返す。
「俺がそんなことすると思うか?」
アーロンは馬鹿にした声でそう言ってくるけど、手加減なんて本当に出来るの?
今までだってアーロン、意地悪もエッチも、いっつも手加減できなくて酷いことになってきたじゃん。
「私、勇者として、師匠を倒さなきゃいけなくなるの嫌ですよ?」
「お前はまたどこをどうしてそういう結論に辿り着く」
アーロンは呆れてため息ついてるけど、ため息つきたいのは私のほうだ。
アーロンが絶対暴走しないように、私がアーロンの近くで見張っててあげなきゃいけないんだ、そう強く思いつつ提案する。
「じゃあ師匠、私も一緒に行きます」
「本気か?」
「本気ですよ……もう離れるのは嫌です」
私の返答を今度は真剣な眼差しで受け止めてくれたアーロンに、もう一つの爆弾を投下することにした。
「それに前に言いましたよね、私にも勇者への『声』が聞こえるって」
そう、実は外の騒ぎに負けない音量で、さっきからずっと聞こえてたのだ。
勇者のアレが。
殺せ。
あれを殺せ。
あれは敵。
敵は殺せ。
勝利を掴め。
私は「正義」。
歯向かうものは全て薙ぎ払え。
耳の中で何かが今も私に囁きかけてる。
「多分私、また勇者モードが始まっちゃいそうなんです」
それは『正しい』何か。
『絶対』な何か。
そう言ってやまない「何か」が私の中にいて。
実は困ってたのだ。
それを聞いたアーロンが、竜の眉尻を器用にヒクヒクっと引きつらせた。
「多分対象は師匠じゃないんですけど、さっきっから『殺せ』『殺せ』って煩くて」
多分、対象はレシーネさんのお父さん、バートン卿なんだと思う。
アーロンの魔法使えなくしちゃったり、レシーネさんを傷つけたり、その上ゴーレムで街をぐじゃぐじゃにしちゃった、レシーネさんのお父さん。
それと本当はちょっとだけ、一人で戦おうとしてたアーロンにも怒りは向いてるかも。
どんなに誤魔化そうとしても、やっぱり胸の内には今ふつふつと怒りが溜まってきてて。
これ、爆発しないうちになんとかしないと不味い気がするのだ。
「なので爆発しない程度に発散させてください」
こんな時こそホウレンソウ。報告、連絡……あとなんだっけ?
素直にそう提言した私の顔を、なぜかアーロンが呆れと疲れがはっきり見て取れる面持ちで見返した。
* * *
「わーい! 念願の『竜の背に乗ってお空の散歩』だーー!」
叫んだ私をすぐにアーロンが戒める。
「遊びに行くんじゃないからな」
「そんなこと言ったって、一度はやってみたいってずっと思ってたんですよ!」
勇者のアレが発動しそうですっていう私の告白を聞いたアーロンは、気前よく私を背中に乗せて一緒にいくのを許してくれた。
背中、というか首の付け根。ここが一番揺れないのだそうだ。ゴツゴツの背中は座り心地イマイチだけど、お言葉通り、安定性は最高。お陰で今私、さっきのおかしな声も聞こえなくなって気分よく風を受けて飛んでます。
とはいえ、下をみちゃうと一気に気落ちしちゃうんだけど。
アーロンが言ってたのは比喩でもなんでもなかった。お城も街も、その外側まで、今ここは大量のゴーレムに囲まれてた。
私を乗せて窓から飛び立ったアーロンは、なぜか城下町の端、外郭の城壁まで滑空してきた。
「ゴーレムを蹴散らすんじゃなかったんですか?」
「馬鹿者、あの場所で暴れたら残り少ない街や城が更地になってしまうだろう」
大声で問いかけた私に、城壁の上に静かに着地したアーロンが、私を横に下ろしながらそう言った。
「それに、アイツらの目的は多分俺だ。俺がここに来ればこちらに引き寄せられる」
「え? あ、本当だ、こっちに向かってきてる!」
アーロンの言う通り、確かに皆方向転換してこっちに近づいてきてる。
「バートンのやつ、散々邪魔ばかりした俺がよっぽど憎いのだろう、どうしても俺を殺したいらしい」
そう言ってアーロンが竜の顔で皮肉げに笑ってる。
確かにレシーネさんの件にしても、今回の件でも、アーロンはいつもあの人の邪魔しちゃったのかもしれない。だけど、それは間違いなく逆恨みだよね?
ムッとした私にアーロンが竜の大きな顔でニッと笑んで、それから前方に顔を向ける。
「とうとう本人のご登場だ」
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