【完結】転生令嬢は逃げ出したい~穏便に婚約解消されたのにバッドエンドの監禁魔が追ってきます。

こみあ

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婚姻編

短編 魔王様の妻

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 閉じていた瞼越しにキラキラと輝く木漏れ日がゆらゆら揺れて、今朝は少し早く目が覚めました。


 信じられますか?
 ここはまだ、カーティスが連れてきてくれたあの森の小屋の中。
 あれからもう三日も経ったのに、私達はまだずっと二人でここにいるのです。

 明け方からお昼近くまでの短い睡眠時間以外、カーティスは全く私を放してくれません。
 すっかり丈夫な身体になってしまった私は、一晩中カーティスに嬲りまわされて、どれだけ脳みそ焼けちゃうような絶頂を繰り返されてももう気絶することはなく、おかげで最後は精神がボロボロに疲れて溶けるように眠りについてます。
 それでも、今までの習慣のせいでちゃんと朝には目が覚めてしまうのですが。

「カーティス、まだ寝てるの?」
「ん……ぁうぁ……」

 逆にカーティスは本当に夜型らしく、昼前にはまず起きられません。
 このひと月、ずっと私の起きる時間に合わせてベッドから出ていってくれていましたが、今思えばあれもかなりムリをしていたのかも……。

 寝なくても大丈夫だなんてウソじゃない。

 本当にウソの多い魔王様です。
 でもそのウソのほとんどが、よくよく見れば私を守るためだったり、困らせないためだったりで。
 この魔王様、本当に不器用なことこの上なく。

 そんなことを思いつつ、眠っているカーティスの額に指を当てて、その細い銀髪の間に指を通してゆっくりと後ろに梳いていきます。
 少しクセのある銀糸のようなカーティスの髪が、指の間をスルスルと気持ちよくすり抜けていきました。

 さっき私に声をかけられて寄っていた眉がそれでスッと緩んで。
 その額にキスを落とすと、今度は擽ったそうに顔をそむけました。

 こうして寝ていれば魔王様も可愛いのに。

 この三日、まるで新しいおもちゃを壊れるまで遊び尽くす子供のように、カーティスは私を休みなく構い尽くしました。 
 おかげさまで、正直しばらくは一人で放っておいてほしくて仕方ありません。
 ……といいつつ、こうして横で眠るカーティスを好き勝手に弄るのが楽しくて仕方ないのですから、私もあまり人のことは言えないのかも。

 とは言え、カーティスが言っていた通り、あれからだんだんとまた大きくなってきたカーティスの物は、もうどうやっても私の中には収まりません。
 だからこれでやっと次の満月まで、ひと月はお休みがもらえるはずです。

 でも、それはきっとカーティスにとっては、とても辛いことなのかもしれません。
 昨日も非常に切なげに私を抱いてましたし。
 無論カーティスは自分でそんなことは言いませんが。

 悪魔だからでしょうか。
 カーティスは根っからのウソつきで、なんでもかんでも自分で抱え込んで私から隠そうとするので要注意です。
 だから私も、なるべく一緒にいてこの不器用な人を理解してあげたいとは思うのですが。

 でも同時に、いい加減ノーラに呆れられちゃわないうちにお店に戻りたいし、一人の時間もちゃんと確保したいのです。

 たとえカーティスの魔法がほぼ万能で、何もしなくても食べ物は部屋に届くし、気づけば部屋も身体もいつのまにか綺麗にされているとはいえ、気分的にちゃんとお風呂に入りたいし、他にも色々隠れてしたいことだってあるのですよ……。
 しかも、どうやら私が寝ている間にカーティスだけは魔王城に戻っているらしいのです。

 ならばとこうしてカーティスが寝ている間にちょっと外に出ようにも、初日にあの白いドレスを真っ赤に染められて以来、着られる服さえないままで。
 そう、これで三日間、私は下着の一枚もないまま素っ裸で過ごしているのです。
 まあ、着る意味があるほどしてない時間があったわけじゃないのですが、

「いくら私が好きだからって、これは行き過ぎだって分かってくれないかなぁ」

 そうこぼしつつ、今度はカーティスの頬を指でつついてみました。
 どんな夢を見ているやら、モゴモゴと口を動かして、それでも全く起きる様子はありません。

 今日はよっぽど疲れてるみたい。

「どうせ、だれも来ない場所なんだし、いっそこのまま出かけちゃおうかしら」

 いい加減、もう色々限界に近づいているのです。
 このままだとそろそろ本気でカーティスに当たり散らしちゃいそうで……。
 そう思い至った私は、カーティスのベッドから静かに抜け出して、小屋の扉を開けてみました。

 裸で外に出るのが恥ずかしくて、キョロキョロと見回してみましたが、視界いっぱい大自然が続くだけで人がいる様子は全くありません。

 カーティスの魔法で飛んできちゃったのでここが一体どこなのかは分かりませんが、外気はまだ少し冷たくブルリと身震いが走りました。
 でも湖から吹いてきた優しい風に顔を向ければ、森の湿った木々の香りと昼の日差しに温められた水の香りに包まれます。
 小屋の周りの木々からの木漏れ日と湖のキラキラ光る照り返しに胸が踊って、お天気に誘われるように私はとうとう小屋の外に踏み出しました。
 やっぱり裸のままなのはかなり恥ずかしいですが、急いで湖に入ってしまえばきっと大丈夫なはず。

 小屋のすぐ外はこじんまりとした草地になっていて、それがそのまま目前の湖へと続いています。
 最後にもう一度辺りを確認して、湖のほとりまで一気に小走りで進みました。

 最初は裸で出歩くことに抵抗もありましたが、見渡す限り静かな森と湖しか見えない場所です。
 そのうち気にならなくなってきて、そのまま湖の岸辺で脚を水に浸してみました。

「冷たい!」

 思わず声が上がってしまうほど湖の水は冷たくて、キーンと頭まで痺れるほどです。

 これはちょっと泳げそうにないわ。

 そう思いつつ、それでも諦めきれなくて水を手にくんで顔を洗いました。
 本当は全身洗ってしまいたいのだけれども。

 この三日、飽きるほど何度もカーティスに抱かれ続けて汗びっしょりになって呻いていたのです。
 昨日なんてとうとう中に入れることを諦めたカーティスに、身体中に彼の精を何度もかけられました。

 いくらカーティスの魔法が優秀で、目が覚めるとシーツもベッドもまるで新品のように綺麗になっていて、身体も汚れ一つないほどツルピカだったとしても、やっぱり気分的に水浴びくらいしたいのです……。

 そう思って湖の端にしゃがみこんで、手に汲んだ水で顔を洗っていると──

「リザーーー!!」

 ──突然、信じられないほどの大声が背後からかけられて、それが湖面いっぱいに木霊していきました。
 驚いた水鳥たちが一斉にバタバタバタと羽音をたてて飛び立っていきます。
 思わずそれを見上げたせいで、バランスを崩した私は、そのまま湖の浅瀬で尻もちをついてしまいました。

「リ、リザ、大丈夫か!」

 冷たい湖の水に腰まで一気に浸かってしまって、思わずブルブルっと震え上がった私を、慌てて飛んできたカーティスが焦ったように腕に抱き上げますが。

「何をそんなに焦ってるのよ。ちょっと水に脚を取られて転んだだけでしょ」

 裸のまま飛んできてくれたカーティスの慌てようが可笑しくて、からかうようにそう言ったのに、カーティスは私を降ろそうとしてくれません。
 それどころか私を抱えたまま部屋に戻り、私を布団で包み込んでその上から抱きしめて動かなくなってしまいました。

「ねえ、ちょっといくらなんでも心配しすぎじゃない?」

 そういう私の言葉を無視して、カーティスが苦しげに呟きます。

「いなくなったと思った……」

 まるで迷子の子供のような顔でボソリとこぼしたカーティスに、私も驚きが隠せません。

 こんなに大きくて、こんなに強そうな魔王様のクセに、たかが私がちょっと外に出ただけで、まさかここまで心配するなんて。

 今もかわらず心配そうな顔で私を見下ろして、どこにも逃さないというように強く抱きしめてくるカーティスの様子は、痛々しくてどうにもいたたまれません。
 でも同時に、ほんのちょっぴりだけ、胸の奥に説明しがたいおかしな優越感がわいてきてしまいました。

 私の行動一つで胸を痛めてくれるカーティスが愛おしくて、可愛くて。
 思わず両手を伸ばしてカーティスの大きな頭を引っ張って、それを抱えるように撫でながら、思ったとおり驚いた顔で見返してきたカーティスを覗き込んで答えます。

「一緒に生きるって言ったのに、そんな突然いなくなる訳ないでしょう」

 そう言って笑ってみせたのに、それでも私を抱える腕の力を緩めないカーティスに、少し困った私は、目を閉じて自分から唇を重ねました。

 全てにおいて、カーティスは私を慈しみ、愛そうと尽くしてくれています。
 まあ、ところどころ行き過ぎていて、私には少し迷惑な部分もあるとは言え、それが全て受け止めきれないほど強く深い彼の想いの現れだと思えば私だって嬉しくないわけではないのです。

 でもだけど。
 私にだってひとつ、カーティスに分かって欲しいことがあります。
 お一人様が長かった私には、与えられるだけの愛情はちょっと苦痛なのです。
 そうではなく、私もちゃんと同じくらい、自分を彼に与えたい……。

 閉じた目には見えぬ目前のカーティスの唇を、自分の唇の感触だけを頼りに探ります。
 もっともっと知りたくて、自分からキスを深め、カーティスを貪り、味わい尽くして。
 自分ではない、他の人の身体を、まるで自分のそれと同じように扱うその行為が、言いようもなく自分と相手を近づけてくれる、そんな気がして。

「ぁ……ッ」

 ──カーティスが喉を鳴らして低いうめき声を上げました。薄目を開けて見れば、カーティスの顔が恍惚としてて、それがとっても色っぽくて。
 つい見惚れてしまっていると、やはり薄目を開けたカーティスと目が合ってしまいました。

 途端、苦しげに顔を歪ませて、今度はカーティスが貪るように何度も私を味わい尽くし。

 苦しいのに、気持ちよくて、こんなに近いのに交ざり合えなくて。
 二人が一つになりそうで、でもなれないのがとても切なくて。
 悲しいわけでもないはずなのに、いつしか勝手に涙が滲みだしました。

 そんな私を薄目を開いて見たカーティスが、ゆっくりと私の顔を引き離しながら恨みがましい顔で私を見ます。
 そして深いため息混じりに呟きました。

「……酷いやつだ。俺がお前をもう抱けないのを分かっていて、今更そんな煽るような真似しおって……」

 珍しくカーティスがすねた声を上げました。
 それがあまりに可愛くて。
 私はもう一度カーティスの唇にキスをしながらささやきます。

「……全くなにも出来ないわけじゃないでしょ。キスもできるし、もっと色々できるわ」

 そう言って、私はそのままカーティスの綺麗な鎖骨の間にキスを落とします。
 
「カーティスだって知らないこと、きっとあるわよ。そのうち私もちゃんとカーティスに色々お返ししてあげるから楽しみにしててね」

 いたずらっぽく笑って見せれば、カーティスが少し擽ったそうな笑顔を浮かべてこちらを見おろしました。

 やっと笑ってくれたカーティスにホッとして、今こそカーティスにもちゃんと言っておこう、そう思ってその分厚い胸板を腕を伸ばして抱きしめます。

「ねえ、私達これから永遠をともにするんでしょ? このままでは、私多分すぐに疲れちゃうわ」

 これは正直な気持ちです。
 どんなにカーティスが愛おしくても、限度ってものはあるのです。
 どんなに深いキスを繰り返しても決して混ざり合えないのと同様に、私とカーティスは別々の個人で、別々の時間が流れていて、寄り添い合うことは出来ても決して融合するわけではありません。
 ぶっちゃければ、私にはどうしてもお一人様時間が必要なのです……。

 でもきっとこんなことを言っても、今の不安いっぱいなカーティスには理解できないみたいです。
 その一因は、多分私がすぐに照れちゃってカーティスみたいな甘いことを言えなくなっちゃうからだとは理解していて……。
 だから私はどうにか分かってもらえるように言い換えます。

「私、まだまだ貴方としたいことがあるのよ。貴方、今まで薬局に来る時はいつも怪我していたから、まだ一度も帰りに街を一緒に歩いたことないじゃない」

 私の言葉でカーティスが素で驚いた顔をして、それから徐々に赤くなって……。少し視線を私から逸しつつ、困惑した声音で返します。

「そんなことをお前は喜ぶのか?」

 尋ねてくるカーティスにこちらのほうが驚きです。

「当たり前でしょう? 私、言ったわよね。貴方のことが嫌いじゃないって……じゃなくて、好きなんだからっ!」

 ちゃんと伝えたくて言い直したけれど、慣れない言葉は喉に引っかかって、思わずキツイ言い方になってしまいます……。
 そのせいか、カーティスが呆然として反応を返してくれないので、慌てて言葉をつなぎました。

「ふ、二人っきりの夜だって、別に嫌なわけじゃないわよ。気持ちいいし……、やり過ぎは辛いけど……でもカーティスがその、愛してくれてるのがいっぱい伝わってきて嬉しいし……。でもね、私はもっと普通の時間も一緒に楽しみたいの」

 そう言ってからカーティスの片手を両手で包んで、その顔を覗き込んで伝えます。

「だからお願い。いい加減、服をちょうだい? それで一緒に帰りましょう?」

 私の言葉を聞いてもまだじっとこちらを見ていたカーティスが、ゆっくりと私の手を握り返し、そしてまるで新しい宝物を見つけたかのように、とても大切そうに自分の胸に押し当てます。
 そのまままるで噛みしめるようにしばらく目を閉じていたカーティスは、腕に抱えていた私を立たせ、

「そうだな。お前の言う通り、そろそろ戻るとしよう」

 そう言っていつもの如く指を鳴らし、王城に着いた時と同じ服を着せてくれました。
 久しぶりの服に心底ホッとした私を、カーティスもまた、今までになくとても安らいだ、優しい瞳で見つめていました。



   *   *   *


 あのあとやっと服を取り戻した私は、カーティスの魔法で一緒に魔王城へと帰還しました。

 そう言えば、誰にも見つからないうちにとっとと処分しようと思っていたあの血まみれの白い生地は、次の朝いつの間にか消えていました。

 カーティスいわく、結婚の証に必要で魔王城に送ったのだとかなんとか……

 そこまで聞いた私は、その行方はあえて聞かないことにしました。
 世の中、知らないほうが幸せなことだってあるはずです!


 夜の魔王城は忙しなく働く人たちでいっぱいでした。

「ついでに仕事も終わらせるから待っていろ」

 そう言って立ち去ろうとするカーティスの腕を掴んで引っ張ります。

「嫌よ。折角だからカーティスがお仕事してるところ見せて」
「面白くもない仕事だぞ」

 そう言って首を傾げるカーティスを見上げて答えます。

「別にいいのよ。一緒にいたいだけだもの」

 ついでに知らないお城で一人きりはイヤなのよ。

 イマイチ理解してない様子のカーティスとともに一緒に通されたのは大変豪奢な一室でした。
 多分カーティスの執務室なのでしょうか?
 でもその重厚な扉の前には、長蛇の列が出来ていて、ひっきりなしに人が入ってきては、何やら難しい問題を説明し、カーティスにお伺いをたてては出ていきます。
 そんな中、カーティスには仕事をしてもらいながら、横でそれを見学しつつ、なぜかとてもニコニコしてるセバスチャンさんの給仕で一緒に落ち着かない夕食を食べました。

 数時間それに付き合って、長蛇の列が半分くらい減ったところでカーティスが終わりを宣言します。

「まだいっぱい残ってるのにいいの?」
「いつものことだ。待てば待っただけもっと来る」

 扉の前からがっかりした様子で戻っていく人たちの背中を見つつ尋ねれば、当たり前というようにカーティスが答えてくれました。

「忙しいのね……」

 思わずこぼした私の言葉は、ここに来たときに通ったあの木の扉の後ろに消えていきました。


 そこから木の扉を開いて薬局に戻った私たちは、ノーラに正式に結婚したことを報告しました。

 自分のことのようにとても喜んで、何度も嬉しそうにお祝いを言ってくれたノーラが、ふとカーティスを見て笑います。

「与えた以上に与えられたようだね」

 それを聞いたカーティスが、なぜか一瞬で真っ赤になってそっぽを向きました。
 意味は分からないけれど、そのカーティスの様子がまるで子供のようで、私も思わず一緒になって笑ってしまいました。

 そのまま別邸に戻れば、そこからまた、私たちの日常が始まります。

 カーティスも色々考えることがあったのか、あそこまでのやり過ぎは控えてくれるようになりました。
 あの数日が本当に異常すぎたのです。

 それでも毎夜、必ず私を腕に抱き、満足そうに笑うカーティスの筋肉に包まれて眠ります。
 そして私が寝落ちる寸前の微睡みの中、カーティスが今日も尋ねます。

「お前は今も幸せか?」

 だから私は心の中で答えるのです。

「きっと貴方よりも幸せよ」


魔王様の妻(完)
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感想 6

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みんなの感想(6件)

東堂明美
2023.04.06 東堂明美

完結おめでとう御座います♪番外編なんかあると嬉しいですね😆大変面白くて一気に読んでしまいました。これからも応援してますので頑張って下さいね♪

解除
蘭 紅葉 
2022.02.18 蘭 紅葉 

( ̄ー ̄)b!
お疲れ様でしたぁ~!

2022.02.18 こみあ

蘭 紅葉様、ありがとうございました!
<(_ _)>

解除
2022.02.17 ユーザー名の登録がありません

退会済ユーザのコメントです

2022.02.17 こみあ

スミレ様、ご感想ありがとうございます〜!
今回はガチムチヒーローでしたw

解除

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