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この状況の説明をサイザリスことフィーリウスにさせようとしていた有里だったが、「私より、有里からの説明の方が納得するんじゃない?」とあっさりと放棄され、取り敢えず簡単に説明をしたのだが・・・・
「有里、事細かに説明しなきゃ」だとか、
「私が有里に求婚したところは、とても重要だよ。その為にあちらに来てもらったんだから」
と、安全着地を試みようとする努力を無駄にするかのような合の手を入れてくる。
初めはサイザリスが女神ユリアナの息子フィーリウス神だと知って驚きを隠せなかった周りだったが、求婚云々のあたりから何とも不穏な空気が室内を満たし始めた。
その元凶は言わずもがな、アルフォンスだ。
「あっさり振られちゃったけどね」と笑うフィーリウスを睨みつつアルフォンスは、宝物を取られまいとするように有里を膝の上に抱き上げギュッと抱きしめる。
「アルっ・・・ちょっと恥ずかしいってば!」
人前でのスキンシップに今だ抵抗のある有里は何とかその腕から逃れようともがくが、戒めは更に強くなっていく一方。
「アルフォンス殿、振られた私に当てつけの様に見せつけるのは、いかがなものかと思うよ?」
茶化すような口ぶりに周りの者はほっと胸を撫で下ろすものの、内心穏やかではいられない。
この世界は女神ユリアナを祀り、その信仰が人々の根底に根付いている。
もし有里がこの世界の常識を持つ人間であったなら、フィーリウスからの求婚の提案は、神事と同等であり神からの打診と言う名の決定事項に捉えていたかもしれない。
だが彼女はその提案を『不確かなこと』と切り捨てた。
ユリアナ帝国側としては、有里が有里の世界の常識を持っていてくれたことに感謝しかない。
もしアルフォンスから離れ、フィーリウスの手を取ったのなら・・・・想像しただけでも血の気が失せるというもの。
そんな周りの思いに気付いているのかいないのか。
アルフォンスは有里を離さず、腕の中で暴れる彼女をフィーリウスがニコニコと眺めている。
何という絵面だ・・・と思いながら、フォランドがその場の雰囲気を霧散させようと口を開いた。
「では、邪魔者が居なくなったという事で、今後の事を話合いたいと思うのですが、宜しいですか?」
「賛成!という事でアル、降ろして!」
今だ無駄な足掻きをする有里を難なく抱き抑えながら、アルフォンスは無表情の皇帝の仮面を被る。
「サイザリス殿とお呼びしても?」
「かまいませんよ。この身は半神ではあるものの、フィルス帝国の皇帝として生を受けているのですから」
底冷えする室内の雰囲気などものともせずフィーリウスはにっこり微笑み有里に視線を移した。
「有里はそのままフィーって呼んでね」
ぐんっと室内温度が下がる。
「え・・えっと、話合いの前に少し聞きたい事があるんだけど」
何でこうも爆弾ばかり投下するのか・・・と、内心悪態をつきながらも、有里は話題を変えようとアルフォンスの膝の上という事をまるっと無視しフィーリウスに上半身を向けた。
「何だい?」
「上手く言えないんだけど・・・・何でこうもトントン拍子に事が運んでるの?」
ローレッタの排除が正にそれだ。偶然にしては何となく釈然としないものがある。彼女を排除するには、色々裏で画策しないといけないと思っていたからだ。
「それはね、この大陸は母上の加護があるからだよ。この世は母上が創造した世界。その中でもより一層の加護が与えられているのはアルフォンス殿だから」
「でも、フィーも神様よね?」
「まぁ、今は半神とはいえ人の身だからね。―――そうだね、例えるなら自分が今目指すものに向かって歩く時、その者の周りが敵ばかりなのか味方ばかりなのかで工程が違ってくると思わないかい?」
「・・・・つまりはフィルス帝国では敵ばかりでユリアナ帝国では味方ばかりという事?」
「極端に言えば、そうなるね。フィルス帝国にも味方は勿論いる。ただ前回のクーデターの失敗で皆地下に潜らざるおえない状態なのさ」
・・・・成程、それにアルフォンスが居住する空間にはユリアナの結界が張られていると言っていたから、所謂、加護が強いという感じなのかな・・・
有里がそんな事を考えていると、アーロンとブイオが戻り状況を説明した。
ローレッタは部屋に監禁ではなく地下牢に入れられたのだという。
「えっ!?私を睨んだだけで地下牢なの??」
「不敬罪といっただろ?」
有里の言葉にアルフォンスは呆れたようにため息をついた。
「だって、睨まれただけよ?確かにすんっごく!怖かったけど。射殺されるんじゃないかってくらい、怖かったけど」
「有里、彼女は確かに睨んだだけだ。でもね、そちらの近衛騎士が剣に手を掛けてしまうくらいの睨みだったんだよ」
フィーリウスが肩を竦めながら、さも当然のように言う。そして周りもそれが当たり前の様な反応をする事に、改めて常識の違いを思い知った。
有里の居た世界では、人を睨んだだけで逮捕される事はなかったのだから。
有里が常識の違いに混乱している頃、ローレッタもまた牢の中で一人混乱していた。
急激な展開に頭の中が真っ白になり、思わずされるがままに牢に入れられたのだが、このような罪人扱いは初めての事で思考がついていかない。
「何故、私は牢に入れられているの?」
独り言のように呟いた言葉に、鉄格子の向こう側に立つ自分の味方である筈のフィルス帝国の騎士は一言。
「不敬罪です」
そう言ったきり、冷たい眼差しで見下ろすのだった。
ローレッタは事実上フィルス帝国の実権を握っている宰相の一人娘で、父親は勿論の事周りの人間からも甘やかされ、超がつくほどのわがままに育っていた。
人としての一般常識を持ち合わせていないものの、決して頭は悪くない方である。
世間一般の公平な教育をうけていれば、女だてらに学者になれるくらいは地頭が良かった。
だが、環境が環境であり不公平極まりない教育、思想を植え付けられた為、その頭の良さを発揮する事はなく、有里の世界の諺で例えれば『井の中の蛙』を地で行くような令嬢に育っていったのだ。
彼女が物心ついた頃には父親は皇帝の様に振る舞い、事実上、帝国の実権を握っていた。
宰相の周りにはイエスマンしかおらず、当然ローレッタにも甘かった・・・というより、媚びていたと言う方が正しい。
そんな人間ばかりの中で育てば、当然出来上がる人格も最悪極まりない。
妄想と現実の区別がつかないほどの我侭っぷりに、宰相に媚びへつらう貴族達も若干持て余し気味になっていた事も事実。
そんなある日、彼女は父親に「何故、お父様は皇帝ではないの?」と不思議そうに問いかけたのだという。
他者が聞けば正に不敬極まりない事なのだが、宰相の子飼いしか存在しない内政。
その問いに宰相は「お前が皇帝と結婚すれば、私が皇帝より偉くなれるのだよ」と答えたのだという。
父親の言葉を自分なりに解釈したローレッタは「皇帝より偉いとなると、もっと贅沢してもいいのでは?」と言う結論に至り、サイザリス皇帝に逆プロポーズをかました。
当然、断られる事など無いのだと、疑うことなく。
だが実際は、余りにもあっさりと婚姻を断られてしまう。
全てが思い通りになり、誰も口ごたえなどする者がいないはずのフィルス帝国。
初めて拒絶されたのがお飾りの皇帝だったのだから、彼女の怒りは相当なものだった。
顔は綺麗だが白い髪に肌、そして血の様に紅い瞳を持つ気味の悪い年若い皇帝と夫婦などと言う対等な立場ではなく、下僕の様に跪かせようと見下すことしか考えていなかったローレッタは、言わずもがな自尊心をいたく傷つけられ、それ以降は彼の存在そのものを無視するようになった。
人生最大の汚点を無かった事にするために。
そんな環境下で育った彼女は、常識外れなどと言う生易しいものではなく、砂粒一つほどの常識をも持っていない。
何処でも、何処の国でも自分独自の常識が通用し、何をしても咎められる事はないのだと思っており、それを誰も諫めないのだから、ある意味幸せなのかもしれない。自国を出なければ、だが。
だからユリアナ帝国に帯同する際も、皇帝の侍女としてではなくフィルス帝国の皇女と言う立場で訪れるのだと思っていた。いや、迎えられるのだと思っていた。
そんな事などあり得ない。彼女は皇族でもなければ何の権力も無い、ただの貴族の娘なのだから。
自分に優しい世界で生きている彼女は、一侍女扱いに憤慨しつつも父親である宰相から「サイザリス皇帝の監視」と「アルフォンス皇帝を篭絡してこい」と言う命令遂行の為に、不本意ではあるが大人しくしていた。
自称「フィルス帝国一の美女」というよく分からない自信を持っていた彼女は、自国の皇帝にあっさり振られた事も忘れユリアナ皇帝を落とすことなど簡単だと息まいていたのだが。
アルフォンスを一目見た瞬間、篭絡されたのはローレッタの方だった。
「有里、事細かに説明しなきゃ」だとか、
「私が有里に求婚したところは、とても重要だよ。その為にあちらに来てもらったんだから」
と、安全着地を試みようとする努力を無駄にするかのような合の手を入れてくる。
初めはサイザリスが女神ユリアナの息子フィーリウス神だと知って驚きを隠せなかった周りだったが、求婚云々のあたりから何とも不穏な空気が室内を満たし始めた。
その元凶は言わずもがな、アルフォンスだ。
「あっさり振られちゃったけどね」と笑うフィーリウスを睨みつつアルフォンスは、宝物を取られまいとするように有里を膝の上に抱き上げギュッと抱きしめる。
「アルっ・・・ちょっと恥ずかしいってば!」
人前でのスキンシップに今だ抵抗のある有里は何とかその腕から逃れようともがくが、戒めは更に強くなっていく一方。
「アルフォンス殿、振られた私に当てつけの様に見せつけるのは、いかがなものかと思うよ?」
茶化すような口ぶりに周りの者はほっと胸を撫で下ろすものの、内心穏やかではいられない。
この世界は女神ユリアナを祀り、その信仰が人々の根底に根付いている。
もし有里がこの世界の常識を持つ人間であったなら、フィーリウスからの求婚の提案は、神事と同等であり神からの打診と言う名の決定事項に捉えていたかもしれない。
だが彼女はその提案を『不確かなこと』と切り捨てた。
ユリアナ帝国側としては、有里が有里の世界の常識を持っていてくれたことに感謝しかない。
もしアルフォンスから離れ、フィーリウスの手を取ったのなら・・・・想像しただけでも血の気が失せるというもの。
そんな周りの思いに気付いているのかいないのか。
アルフォンスは有里を離さず、腕の中で暴れる彼女をフィーリウスがニコニコと眺めている。
何という絵面だ・・・と思いながら、フォランドがその場の雰囲気を霧散させようと口を開いた。
「では、邪魔者が居なくなったという事で、今後の事を話合いたいと思うのですが、宜しいですか?」
「賛成!という事でアル、降ろして!」
今だ無駄な足掻きをする有里を難なく抱き抑えながら、アルフォンスは無表情の皇帝の仮面を被る。
「サイザリス殿とお呼びしても?」
「かまいませんよ。この身は半神ではあるものの、フィルス帝国の皇帝として生を受けているのですから」
底冷えする室内の雰囲気などものともせずフィーリウスはにっこり微笑み有里に視線を移した。
「有里はそのままフィーって呼んでね」
ぐんっと室内温度が下がる。
「え・・えっと、話合いの前に少し聞きたい事があるんだけど」
何でこうも爆弾ばかり投下するのか・・・と、内心悪態をつきながらも、有里は話題を変えようとアルフォンスの膝の上という事をまるっと無視しフィーリウスに上半身を向けた。
「何だい?」
「上手く言えないんだけど・・・・何でこうもトントン拍子に事が運んでるの?」
ローレッタの排除が正にそれだ。偶然にしては何となく釈然としないものがある。彼女を排除するには、色々裏で画策しないといけないと思っていたからだ。
「それはね、この大陸は母上の加護があるからだよ。この世は母上が創造した世界。その中でもより一層の加護が与えられているのはアルフォンス殿だから」
「でも、フィーも神様よね?」
「まぁ、今は半神とはいえ人の身だからね。―――そうだね、例えるなら自分が今目指すものに向かって歩く時、その者の周りが敵ばかりなのか味方ばかりなのかで工程が違ってくると思わないかい?」
「・・・・つまりはフィルス帝国では敵ばかりでユリアナ帝国では味方ばかりという事?」
「極端に言えば、そうなるね。フィルス帝国にも味方は勿論いる。ただ前回のクーデターの失敗で皆地下に潜らざるおえない状態なのさ」
・・・・成程、それにアルフォンスが居住する空間にはユリアナの結界が張られていると言っていたから、所謂、加護が強いという感じなのかな・・・
有里がそんな事を考えていると、アーロンとブイオが戻り状況を説明した。
ローレッタは部屋に監禁ではなく地下牢に入れられたのだという。
「えっ!?私を睨んだだけで地下牢なの??」
「不敬罪といっただろ?」
有里の言葉にアルフォンスは呆れたようにため息をついた。
「だって、睨まれただけよ?確かにすんっごく!怖かったけど。射殺されるんじゃないかってくらい、怖かったけど」
「有里、彼女は確かに睨んだだけだ。でもね、そちらの近衛騎士が剣に手を掛けてしまうくらいの睨みだったんだよ」
フィーリウスが肩を竦めながら、さも当然のように言う。そして周りもそれが当たり前の様な反応をする事に、改めて常識の違いを思い知った。
有里の居た世界では、人を睨んだだけで逮捕される事はなかったのだから。
有里が常識の違いに混乱している頃、ローレッタもまた牢の中で一人混乱していた。
急激な展開に頭の中が真っ白になり、思わずされるがままに牢に入れられたのだが、このような罪人扱いは初めての事で思考がついていかない。
「何故、私は牢に入れられているの?」
独り言のように呟いた言葉に、鉄格子の向こう側に立つ自分の味方である筈のフィルス帝国の騎士は一言。
「不敬罪です」
そう言ったきり、冷たい眼差しで見下ろすのだった。
ローレッタは事実上フィルス帝国の実権を握っている宰相の一人娘で、父親は勿論の事周りの人間からも甘やかされ、超がつくほどのわがままに育っていた。
人としての一般常識を持ち合わせていないものの、決して頭は悪くない方である。
世間一般の公平な教育をうけていれば、女だてらに学者になれるくらいは地頭が良かった。
だが、環境が環境であり不公平極まりない教育、思想を植え付けられた為、その頭の良さを発揮する事はなく、有里の世界の諺で例えれば『井の中の蛙』を地で行くような令嬢に育っていったのだ。
彼女が物心ついた頃には父親は皇帝の様に振る舞い、事実上、帝国の実権を握っていた。
宰相の周りにはイエスマンしかおらず、当然ローレッタにも甘かった・・・というより、媚びていたと言う方が正しい。
そんな人間ばかりの中で育てば、当然出来上がる人格も最悪極まりない。
妄想と現実の区別がつかないほどの我侭っぷりに、宰相に媚びへつらう貴族達も若干持て余し気味になっていた事も事実。
そんなある日、彼女は父親に「何故、お父様は皇帝ではないの?」と不思議そうに問いかけたのだという。
他者が聞けば正に不敬極まりない事なのだが、宰相の子飼いしか存在しない内政。
その問いに宰相は「お前が皇帝と結婚すれば、私が皇帝より偉くなれるのだよ」と答えたのだという。
父親の言葉を自分なりに解釈したローレッタは「皇帝より偉いとなると、もっと贅沢してもいいのでは?」と言う結論に至り、サイザリス皇帝に逆プロポーズをかました。
当然、断られる事など無いのだと、疑うことなく。
だが実際は、余りにもあっさりと婚姻を断られてしまう。
全てが思い通りになり、誰も口ごたえなどする者がいないはずのフィルス帝国。
初めて拒絶されたのがお飾りの皇帝だったのだから、彼女の怒りは相当なものだった。
顔は綺麗だが白い髪に肌、そして血の様に紅い瞳を持つ気味の悪い年若い皇帝と夫婦などと言う対等な立場ではなく、下僕の様に跪かせようと見下すことしか考えていなかったローレッタは、言わずもがな自尊心をいたく傷つけられ、それ以降は彼の存在そのものを無視するようになった。
人生最大の汚点を無かった事にするために。
そんな環境下で育った彼女は、常識外れなどと言う生易しいものではなく、砂粒一つほどの常識をも持っていない。
何処でも、何処の国でも自分独自の常識が通用し、何をしても咎められる事はないのだと思っており、それを誰も諫めないのだから、ある意味幸せなのかもしれない。自国を出なければ、だが。
だからユリアナ帝国に帯同する際も、皇帝の侍女としてではなくフィルス帝国の皇女と言う立場で訪れるのだと思っていた。いや、迎えられるのだと思っていた。
そんな事などあり得ない。彼女は皇族でもなければ何の権力も無い、ただの貴族の娘なのだから。
自分に優しい世界で生きている彼女は、一侍女扱いに憤慨しつつも父親である宰相から「サイザリス皇帝の監視」と「アルフォンス皇帝を篭絡してこい」と言う命令遂行の為に、不本意ではあるが大人しくしていた。
自称「フィルス帝国一の美女」というよく分からない自信を持っていた彼女は、自国の皇帝にあっさり振られた事も忘れユリアナ皇帝を落とすことなど簡単だと息まいていたのだが。
アルフォンスを一目見た瞬間、篭絡されたのはローレッタの方だった。
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