ゆめも

toyjoy11

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役者と育毛剤と令嬢

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※注意

本作に出てくるあらゆる商品、場所、団体、人物名は架空のものです。残酷な表現・グロ・虐待などの胸糞表現があります。苦手な方はブラウザバックをお願いいたします。





閑話 とある大きめの診療所がある村にて



一人の青年が運び込まれた。

右手と左足を失った高価な鎧に身を包んだ青年だった。

どこからどう見ても貴族。

そんな青年を村の診療所に勤めていた少女が偶然、森で見つけたのだ。

ちなみに薬草採取中に偶然たどり着いたんだそうだ。



そして、彼女は青年のことを一生懸命看病した。

診療所の先生が

「貴族の治療は後々大変なことになるから、いっそ放置した方がいいんだよ。」

と言って受け入れを拒否したので、少女は彼を一人暮らししている家に置いて看病した。



診療所の先生は

「仕方が無いね。」

と言いながらも、彼女に治療方法を教えた。



数か月後、彼が目を覚ました時、彼女は良かったと彼を一杯抱きしめた。

彼も戸惑っていたが、彼女の頭をポンポンと左手で撫でていた。



彼は片手片足を失っていたものの心も体も健康そのものに戻った。

その過程で、彼は少女に恋をした。

そして、彼女も彼に恋をしていた。



それから、彼らは夫婦になった。

何年か経ち、彼らには1人の男の子が生まれた。



そして、それは起こった。



次々に女性だけが死んでいく伝染病。

体中に斑点が浮かび、熱が出て、嘔吐下痢などの症状があった後、死んでしまうと言ったもの。子供にはかからず、成人した女性だけがかかった。

そのせいで、村には女性がほとんど消えた。



そんな中、診療所の彼女は健康なままだった。

だから、村の人は彼女を魔女だと言った。



魔女のせいで、村の女が死んだんだと。

もちろん、否定した。

診療所の先生もそんな筈がないと言った。



だが、それなのに・・・。



魔女として、彼女は村の人々に連れ去られた。青年は必死に止めたが、片手片足が無い彼は抵抗が出来なかった。杖と義足を盗られて、何度も何度も叩かれ、彼は死んでしまったのだ。

魔女とされた彼女も村人に何度も〇〇され、その後、自害してしまった。



村人は見目が大変良かった魔女の子供を高い値段で違法な奴隷商に売った。

奴隷商は喜んで彼を買い、とある屋敷にすぐ売った。



そこから先は、今はわからないままである。

どういった経緯か、その子供は、屋敷の主人に捨てられて、街のはずれに捨てられた。それを拾った詐欺師の男。彼はボロボロの少年を見て、わりのいい詐欺を思いついた。

大事な弟を置き去りにして、どこかに行くはずがないと言う心理を利用しよう。

そして、詐欺師の男は少年を連れていずこへと行った。



しばらくして、一人でこの村に帰ってきた。

この村には賭博施設は無いのだが、診療施設や変態的な娯楽施設はあったのだ。

だから、詐欺師の男はこの村に帰ってきた。



それから、また数年後。

一人のとても見目のいい青年がやってきた。

村の人間はよそ者にいい顔はしなかったが、どんどん、彼のもとに信奉者が集まった。どういう信奉者かはわからないが。

気付けば、子供と診療所の先生以外の人間が焦げていた。



何がどうしてそうなったかはよくわからない。

村に今、大人はその青年と診療所の先生だけ。



後は黒焦げ。



その後、村は解体された。

色んな施設が徹底的に潰された。

その施設を運営していた貴族も潰された。利用していた客たちもまとめて潰された。



一人の子供がこう言った。

「自業自得だと思うから、あの大人たちが可哀そうとは言えないけど、さようなら。」

と。

青年はにっこり笑って、その子供の頭を撫でた。



青年は子供たちと診療所の先生を自分の領地に連れてきた。

寝る場所もしばらく食べる食料も与えた。



少し時間を経て、彼らを賄う施設が出来ていた。

青年は彼らをその施設に入れた。

衣食住と教育が15歳まで保証される孤児院だった。



子供たちは青年に

「ありがとう。」

と言った。



青年は

「二度とあんな大人たちのやったようなことを起こさない様にしなくちゃいけないからね。」

と笑って、子供たちを撫でた。





閑話 とある王都の洋裁店にて【店長日記抜粋】



ある日、宰相猊下のお家に呼び出された。居たのはマルチア様と2人の子供。

通常、デザインなんかも込みで洋裁店が作るのだが、今回の依頼は、デザインはこの子供のものを使い、ドレスだけ仕上げると言ったもの。

正直、いい気分ではなかったが、貴族のしかも侯爵夫人の言葉だったので、素直に従った。



採寸を済ませ、後日ドレスの為に、手入れを行うと言った内容をマルチア様に説明し、その日はその場を去った。

デザイン画を見たところ、見たことのない素晴らしいデザインだった。たかが、子供と思ったのに、大人顔負け、いや、大人より、うちの店員よりも素晴らしいデザイン。詳細まで描かれていて、どう縫うかの指示もしてあった。それがとても分かりやすい。



気分が乗ったせいもあり、普通1か月かかるドレスづくりに1週間しかかからなかった。

そして、侯爵家にアポイントを取り、ドレスをあわせることに。

大変マルチア様に喜ばれ、ちょっと手直しして納品と言う形になった。



そして、店に戻ると何でか同じデザインの色違いのドレスが製作途中ではあるが幾着もあった。

どういうことかと店員を問い詰めたところ、新人店員が勝手に作り出したんだそうだ。そして、それを顧客が偶然見て、発注したらしい。

私はゾッとした。

もっとちゃんと店員を教育しておけばと後悔した。

イレギュラーではあったが、デザイン画は基本的に極秘扱いだったのに、私も浮かれていたのだ。素晴らしいデザインで、すぐに完成させようと無理したから管理がおろそかだったのだ。



新人店員には私の許可なく、他者のデザインの服を作るなと1年間の教育中に耳にタコができるほど言ったのに、守らなかったのだ。発注だって、許可していない。ベテラン店員ならまだしも新人はドレスや人を見るためだけに店頭に出していただけなのだ。なのに、こんなことになるなんて・・・。



私は激怒して、新人たちを監禁するようにベテラン店員に指示をした。そして、新人が勝手に発注したドレスを頼んだ客に詫びを入れろと他のベテラン店員に指示した。



新人が逃げ惑う中、わたしは、急いで、私は侯爵家のマルチア様に連絡を入れた。それを知ったマルチア様は、数日中に王都から逃げろと言った。店員には相応の罰が下るだろうけど、仕方が無いだろうと。



店に新人を監禁していることを伝えるとマルチア様がそのままにしておけと言った。



私はすぐさま、店に戻った。

そして、ベテラン店員たちを集め、夜逃げの準備を整えた。

捕らえられた新人は店の地下の素材置き場に閉じ込め、カギをかけたまま、放置した。



私はその日のうちに、王都から逃げ出した。



それからは又聞きなので、正確かは怪しい。

2日ほど経ち、逃げれた新人店員たちが夜逃げで散らかった店に戻ってきたらしい。

店員は空っぽ。顧客情報も空っぽ。

でも、作った服や既製品の服はそのまま残っていた。



逃げれた新人店員は地下に閉じ込められていた店員を解放。その後、新人たちは勝手にその店で主人を名乗り、商売を始めた。

もちろん、セルジオのデザインのドレスを主力商品にして売り出したのだ。

しかし、逃げた本当の店主は急いで逃げたが、あの日ちゃんと閉店の書類を侯爵夫人を通して、役所に提出していた。

だから、新人たちは開店の許可なく、ギルドへの挨拶もなく、違法に彼らは商売をしたのだ。

新人たちはわからなかったのだ。

そんな許可書が必要なことを。

ただでさえ、1年間以上あった教育期間中に決まり事を覚えなかった者たちだ。しっかり教えられたことも忘れてしまったんだろう。



そして、1週間ほど経ち、ある青年がとてもいい笑顔でその店にやってきた。

沢山の衛兵を連れて。



それから、その新人たちがどうなったかは分からない。

ただ、ひとりだけ、かなりの重犯罪者が送られる鉱山で見つかったと記録に残っている。





閑話 とある王都の洋裁店にて【役人手記抜粋】



連絡を受け、無許可営業+有名店の名前を使い、勝手に場所を使っている店に突入した。そこにいたのは20歳前後の男性店員だけだった。

「俺は無実だ。」

「横暴な役人め。」

とか店員たちは散々うそぶき、抵抗した。

全部無視して、捕らえて、牢屋にぶち込んだ。

関係各所にこの店のことを連絡した。



結果は予想していた反応よりも酷かった。

商人ギルド、違法商店放置に激怒。

役所、私たちは騙(かた)りとのっとり営業に激怒。

顧客、新人たちのせいでお気に入りの洋裁店が消えたことに激怒。

宰相猊下、勝手に愛すべき兄上の子息のデザインを使って商売したことに激怒。これが一番酷かった。知らせに言った新人役人がお漏らしして帰ってきた位だ。



新人店員たちは捕らえられて、その中でも『自分の店のデザインで商売して何が悪い』と言ったものは宰相猊下の元で罪を償うことに。

『知らなかった』と命乞いしたものは、商人ギルドと役所と顧客たちの手により順当な罰が与えられた。

『罪を認め、重犯罪者用施設に行かせてください』と願ったものは鉱山行きとなった。



直接的な言葉で言うと全新人12人が捕らえられた。



内、6人が宰相猊下の元で罰を受けることになった。その範囲には新人たちの家族も含まれた。6人は宰相の新人部下の拷問教育の教材として使用した。人間として使い物にならなくなった。もちろん、家に戻ることは無かった。そして、罰金は彼らの家族が背負うことになった。必然的に彼らの家族全員が借金奴隷になった。

余談だが、数年後もその6名は生きてはいる。



残り6名の命乞いした者たちは、商人ギルドで罰金と商人ギルド永遠追放処分が課せられた。その時点で、彼らの家族は借金奴隷に身を落とした。役所から詐欺罪で懲役5年の禁固刑と罰金が課せられた。勿論、払える筈がなく、犯罪奴隷でもあり、借金奴隷でもある状態になった。内1名は早いうちに罪を認め、鉱山行きになった。それ以外の5名はその後、顧客たちの怒りの矛先の受け流す為に犯罪奴隷として度々貸し出されることになった。顧客たちが犯罪奴隷をどうしようとも文句は出ない。返却時にはちゃんと正気に戻されて、欠損個所も回復させられる。もちろん、回復費用は借金額に加算される。

余談だが、彼ら5名も数年後も生きている。



1年のうちに人間として、まともに生き残ったのはひとりだけ。

早いうちに全ての罪を認めて、自ら一番つらいとされる鉱山行きを希望した男だけ。鉱山に移送された男はきつい労働の後に人間として過労死した。

・・・その一人は宰相猊下が怖いことを知っていたし、新人教育でしちゃいけないこととして言われたことを覚えていたようだ。すぐさま、まともに人間として死ねるところを選択したのだろう。



マルチア様は全て知ったうえで、子供たちにオブラート(実際はコンクリート級に分厚いカバー)にかなり包んでそのことを説明したらしいと聞く。今後はちゃんとした服飾店を侯爵家が作り、店員も侯爵家側が教育、そこに発注しようと。役所には、そのうち営業許可を取りに行くと伝えられた。

恐らく、新人教育の際には例の出来事を従業員に正確にオブラートに包まれることなく、伝えられるだろう。きっと、元新人の彼らを見せて教えられるに違いない・・・。安価で貸し出し可能な状態でいるのだから。



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