【SS】日常・恋愛・ファンタジー

秋霧ゆう

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4.再会を夢見て(ユイ)

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妻・ユイ。夫・レイ。


 とある国のとある村。
 そこはいつも平和だった。

 そんな村に住むとある夫婦。
 かけがえのない存在でかけがえのない時間に幸せな日々を過ごしていた。

 …あの日までは。

 村にゴブリンが現れた。
 村人達は抵抗虚しく殺された。

 この夫婦はゴブリンに見つかる直前、自殺した。

「来世もまた出会えますように」
「来世も幸せになれますように」

 そう願って、死んだ。

 ユイは新しく生を受けた。

 貴族のお嬢様へと生まれ変わったのだ。
 きっとレイが迎えに来てくれるのだとそう思っていた。けれどいくら待ってもレイは来なかった。
 ユイは貴族のお嬢様。絶対に結婚しなくてはならない。
 爵位が上の貴族から婚約の話が来ていたが、断り続けていた。
 その結果、殺された。

 次に生まれ変わったのはスラム街に住む子供だった。生きるのに必死だった。
 きっとレイは貴族として助けに来てくれるのだとそう信じていた。
 けれど、流行病で死んだ。

 次の生は日本の女子高生だった。
 安心安全の町。
 けれど、居眠り運転の事故に巻き込まれて死んだ。

 その後も魔族になったり、猫になったり、あの忌々しいゴブリンになったり。

 でも彼は現れなかった。

「もう二度と会えないのかな。私が、何か悪いことをして神様のお怒りに触れたのかな。神様は私達を会わせないようにしてるのかな」

 そして、次の生はあの村に似たところの女の子だった。

「でも、もう会えないのならこれ以上、辛い思いはしたくない」

 ユイは1人で村の外に出た。
 村の外は魔物が出るからという理由で1人での外出は禁止されていた。
 案の定、魔物が現れた。ゴブリンだった。

「はは、またゴブリンによって殺されるんだ」

 1人で辛い思いをするのならもういいやと人生を投げ捨てようとしていた。
 でも、死ねなかった。
 
 馬に乗った騎士がゴブリンの頭をはねた。

「見つけた」

 騎士がユイを後ろから抱きしめた。

「誰?」
「ユイは、もう覚えてない、の?」

 声が震えていた。泣いていた。
 振り返ると、姿は違うし声も違うけど、この騎士がレイだと分かった。

「会いたかった…。会いたかったよ」

 2人は再会に涙し、その日以降、誰にも邪魔されず幸せに暮らしたのである。
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