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8~雅彦視点~。
しおりを挟む「社長、今日は遅かったですね。もしかして、昨日若潮副社長を喰ったんですか?」
木村を横目で睨むと、はあ~とため息を吐く。
「石橋、お前分かってんのか?あの副社長を喰っても会社の信用を落とすだけだぞ!お前の事だから、嵌め撮りでもして脅したんだろうが、会長が許すはずが無い!こうなる事が分かってたら先に帰らなかった!」
「・・・ふん。良く分かってるじゃないか。だが、会長には既にアポを取ったぞ。」
「何だと!どうやってだ!?」
俺はニヤリと笑う。
「何、会長の孫を一晩中介抱してやったんだ。話しをさせろと言ったら即OKしたさ。」
「全く!お前はちっとも変わらないな!昔から同じ手で男も女も落としてきたんだからな~。」
木村とは高校が一緒で、昔の悪さも全部知っているのだ。今は秘書をしてくれているが、俺の私生活は全て筒抜けだった。
「で、アポはいつだ?」
「今日の午後一だ。」
ぶつぶつ言いながら木村は仕事をしている。
あの後も、若潮を貪った。
若潮は、泣きながらも俺の言う通りに腰を振り二回達した。
いやいやだろうが、俺には関係無い。
絶対に俺は若潮を手放さない。
あの瞳に他の女も男も映させない。
億ションに囲っている女は直ぐに別れさせる。
囲っているだけで、手も出していないのならば関係の無い女じゃないか。
俺は我慢しない。
したい時にセックスして、若潮が嫌がろうとも俺の物だと言わせてみせる!
猛烈に若潮に逢いたい。
あの唇を貪りたい。
時間がゆっくりと感じたが俺は仕事に励んだ。
そして、昼過ぎに若潮商社に着いた。
「会長に午後一でアポを取った、アクリナ株式会社社長の石橋と秘書の木村です。」
「はい。承っております。あちらのエレベーターで、32階にお上がり下さい。」
「ああ、ありがとう。」
若潮はあの後どうしただろう?
家に連れて帰ったが、あの細腰だ。
大丈夫だろうか?
にやけたつもりは無かったが、木村に肘でつつかれたので顔に手をやった。
「お前、しっかりしろよな。」
「ああ、分かってる。」
チン、と31階でドアが開いた。
するとそこには若潮がいた。
「若潮、どうした?」
若潮は、困った様にエレベーターに乗り込んで来た。
「あの、会長に呼ばれて・・・。多分、あなたと私がどの様な関係なのか知りたいのだと思います・・・。」
俺は思わず、目尻を赤くした若潮を抱き寄せてキスをした。
「・・・あ・・・!」
「おいおい・・・。」
木村ははあ~とため息を吐いている。
唇を離すと、震える若潮を抱き締めた。
「心配するな。俺が何とかする。」
若潮は小さく頷く。
チン、と32階のドアが開く。
エレベーターを降りると頭を下げた女がいた。
「ようこそいらっしゃいませ。会長室はこちらでございます。」
秘書と思しき女は、俺が若潮の肩を抱いているのを見て、若潮に目配せしている。
若潮は顔を赤くして顔を伏せた。
何だ?
若潮の肩を強く抱き寄せて聞こうとするが、秘書の女に促され歩き出す。
だがこのままにはしない!
後で若潮の身体に聞いてやるからな!
廊下の突き当たりの重厚な扉を女がノックすると、返事が直ぐにあった。
扉が開かれて、俺は会長の前まで行き、頭を下げる。
そこには、矍鑠としている厳めしい老人がソファーに座っていた。
「はじめまして、アクリナ株式会社の石橋と申します。」
「うむ。礼儀は心得ているらしいな。最初はどこの馬の骨かと思ったが、皆守の知り合いとはな。まあ、座りなさい。」
「はい。ありがとうございます。」
会長は若潮にも声を掛ける。
「皆守、お前もこちらに来なさい。」
「はい。」
若潮は俺とは反対側のソファーに向き合う様に座った。
「さて、石橋君だったかな。我が社と取り引きしたいそうだが、君は何の仕事をしているのかな?」
「はい。我が社は、コンピューターのソフトの会社です。今まで御社は、色々な会社のソフトを使っていますが、我が社に一任して頂ければコストの削減と時間の節約になります。」
「ふむ。コンピューターか。副社長、どう思うね?」
会長は皆守の顔をじっと見る。
「はい。私も一任した方が良いと思います。社長には既にその旨の書類を提出しましたが、会社のパソコンなどどれも一緒だろうと、けんもほろろに言われてしまいました。石橋さんがソフトの会社を経営されているのは知りませんでしたが、コストパフォーマンスを考えたら一任するのも良いかと思います。」
若潮は副社長の顔をしてスラスラ言っている。
会長は何かを考えているらしい。
「副社長、その書類はいつ頃社長に提出したのかね。」
「はい。二ヶ月前になります。」
「まだその書類はあるのかね?」
「はい。USBに入ってますから、直ぐに書類はできます。」
「それならば持って来なさい。」
「はい。それでは、少しの間失礼します。」
「うむ。」
若潮は一昨日俺が来た時、既に考えていたのか?
ならば、何を考えて俺を追い返したのか?
後で聞かなければ!
俺がそんな事を考えているのを見透かしたかのように会長が話し掛けてくる。
「皆守はそんなにも良い味だったかな。」
「え・・・!」
俺は顔を固くする。
「良い良い、皆守がお前さんを見る目は、恋する乙女の顔だ。皆守には辛い思いをさせている。この位は聞いてやろう。」
会長の言っている意味が分からなかったが、若潮、皆守を思っているのは感じられた。
「お父さん!」
その時、急に中年太りの男が扉を開けて入って来た。
何だ?
この男?
ああ、社長か。
「皆守に何を命じたのです!?酷いじゃないですか!社長はこの私ですよ!こんな訳の分からない男を急に連れてきて、皆守の奴は何を考えているんだ!」
会長の顔は先ほどの皆守を案じていた祖父の顔から、鬼の様な顔になっている。
「社長、何の用だ?わしは社長を呼んだ覚えは無いぞ!客がいるのが見えないのか!」
社長は顔を青くしてどもっている。
「お、お父さん、客と言ってもこんな訳の分からない男など・・・。」
会長は目の前のテーブルをバシンと叩く。
「社長!ここは会社だというのを忘れたのか!?今はお前の父では無い!若潮商社の会長だ!目障りだ!出て行け!」
「お、お父さん・・・。」
会長の鬼の様な顔の中、ノックの音がした。
秘書の男が扉を開けると、皆守が青い顔をして立っていた。
「副社長!何をしている!資料を持って来なさい!」
「は、はい。」
皆守がおそるおそる社長とは反対側から、ソファーに戻って来た。
「会長、これが資料です。それと、これは会社のチャット内のアンケート調査です。今のソフトが使いづらいか聞いた物ですが、八割の社員が何かしらの不満があると回答しています。」
「皆守!何で私に最初に話さないんだ!私は社長だぞ!こんな屈辱許さないぞ!」
皆守は身体を小さく震わせている。
「社長、この資料は二ヶ月前に社長に提出した物です。アンケートも同じ頃した物で・・・。」
「皆守!私に口答えするつもりか!!あの資料はとうにシュレッダーに掛けて・・・!ヒ!!」
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会長が勢い良く立ち上がり、社長を平手打ちにした・・・!
「お、お父さん。」
「副社長!来月の株主総会での議題に、社長の解任、副社長を社長にする決議を取りなさい!」
「は、はい。」
皆守は顔を青くして震えている。
守ってやりたい・・・!
この一連のやり取りで、皆守の辛い立場が分かった。
俺の力で皆守を守る!
そう誓った。
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