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しおりを挟む病院を出て、石橋さんが会社まで送ってくれる。
なんだか気恥ずかしい・・・。
だって何度かK病院に行っているけれど、こんなにも早く精液を出したのは初めての事だったから・・・。
看護師さんもびっくりしていたかもしれない。
今までは、二時間籠っても少し出るのがやっとだったの。
だから石橋さんとあの部屋に入って、すぐに出てきたから看護師さんも気付いてしまうわよね。
だから恥ずかしい・・・。
あれこれ考えている内に車は会社の地下駐車場に入っていた。
「・・・皆守?爺さんに報告に行こう。」
「・・・はい。」
エレベーターに乗り、そのまま32階へ上がった。
お爺様はびっくりするかしら?
いつもよりもずっと早いんだもの。
エレベーターのドアが開き、私達は降りて会長室に向かう。
会長室の前に着くと、秘書が頭を下げて扉をノックしてくれた。
「入りなさい。」
「はい。」
「失礼します。」
ソファーに座ると、お爺様はニコニコしている。
「病院から電話があったぞ。精子に問題は無いから、すぐに卵子に受精させたと言っていた。あとは、女に受精卵を注入させるだけだ。」
「・・・!」
こんなにも早く結果が出るなんて、どうして良いのか分からない・・・。
「良かったですね。来年には曾爺様になられるんですね。」
「ああ!そうだ!石橋君も良くやってくれた。今回は皆守に協力してくれたお陰で、時間も早かったしな。」
「はい。ありがとうございます。」
「・・・!お爺様・・・!」
「何、恥ずかしがる事は無い。いつもまだかまだかと待っていたが、これならば石橋君に手伝ってもらえば良かったと思うぞ。」
「お爺様・・・!」
「ははは!」
顔から火が出そうなほど恥ずかしい・・・!
俯いていると、石橋さんが手を握ってくれる。
「所で石橋君、相談があるのだがね。」
「はい。何でしょうか?」
「ふむ。ここだけの話、ワシの養子にならんかね。」
「・・・!」
「・・・え!」
私達は息を呑んだ。
「お前達を結婚させてやりたいが、この国では無理だ。それならば、ワシの養子として正式に籍を入れてやりたい。お前さんの父親は亡くなっていて、母親と弟妹がいるだけだろう?どうだね?」
「そこまで調べていたんですか?」
石橋さんも驚いている。
「勿論だ。大事な皆守の伴侶の事だ。些細な事でも誤りがあって、悪さをしている奴に皆守を預ける事はできないからな。」
お爺様が、ちらりと石橋さんに視線を向けて仰った。
「・・・はい。」
「極秘に養子にしてしまって、後から君のお母さんに報告したいと思うのだが、どうだね?失礼にあたるのは承知だが、あの馬鹿者に知られたくないのでな。」
「はい。こちらは問題ありません。」
「お爺様・・・。」
「皆守、その様に泣きそうな顔をするでない。お前の幸せの為ならば、どんな事もするつもりだ。分かるな。」
「・・・はい。」
まさかお爺様がそんな事を考えていたなんて・・・。
私は涙を流してしまった。
それに気が付いた石橋さんが、肩を抱いてくれる。
「書類は昨日来ていた出水に、既に作らせている。なるべく早く作る様に指示してあるから、一月以内にはできるだろう。そのつもりでいてくれ。」
「はい。ありがとうございます。」
「うむ。」
私はお爺様に本当に愛されているのだと感じる。
両親が亡くなってからお爺様に厳しい事も言われたけれど、本当は何もかも分かった上で仰っていたのね・・・。
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