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16~雅彦視点~。
しおりを挟む皆守が泣きやんでから爺さんの部屋を出て、副社長室に行く。
「皆守、愛している。何があっても俺を信じて着いてきてくれ。」
俺は震える皆守を抱き締め自分に誓う。
何があっても皆守を守る。
「・・・はい。」
皆守は俺を抱き返してくれる。
ああ、この愛しい皆守は俺の物だ!
名実共に皆守は俺の物になるのだ。
この幸運に感謝してもしきれない。
爺さん孝行する事で返していこう。
色々な事が頭を過る。
「・・・石橋さん、ありがとうございます。・・・拒まないでいてくれて。」
腕の中の皆守が小さな声で言う。
「何故拒む?こんな幸運はないぞ。皆守が俺の物になるんだからな。爺さんから言ってくれなければ、絶対に無理だったはずだ。」
皆守がまた泣き出してしまう。
「・・・でも、ご家族に言わないでも良いのですか・・・?私のせいで、石橋さんが悪く言われてしまったら・・・ん。」
それ以上聞きたくなかったので、皆守にキスして黙らせる。
皆守は俺を待ち焦がれていた様に口を開き、舌を出してくる。
「・・・皆守、皆守の為に全て投げ出す覚悟はできている。もう、自分を卑下するのはよせ。」
キスの合間に言うと、皆守は震える。
震える舌を吸い上げて甘噛みする。
そして歯列をなぞり上げる。
「・・・ん・・・!」
皆守はそれだけで腰が抜けた様に、俺に寄り掛かってくる。
可愛い皆守は、俺のなすがままにソファーに横になる。
「皆守、俺は気が多い人間だが、どうでも良い人間を守る事はしないし、一度大事だと思ったらとことん守る。俺の一番はお前だ。二番は自分の会社と爺さんだ。だから安心して俺に守らせろ。」
皆守は感極まって声が出ない様で何度も頷いている。
俺は皆守に覆い被さり涙を吸い取ると、皆守のワイシャツのボタンを開けて旨そうな乳首を舐めしゃぶる。
「・・・はぁん・・・!」
その時、ドアをどんどんと叩かれる。
「皆守!いるんだろ!開けろ!」
「・・・ひ!」
良い具合に蕩けていたのに、皆守が硬直してしまう。
全く無粋な社長だ!
俺は皆守のワイシャツを閉じて、ソファーに座らせる。
鍵を掛けておいて良かった。
皆守の青い顔を見て、怒りが湧いてくる。
嫌な男だ!
皆守の支度が整うまでそのままにしていたが、その間もドアは叩き続けられ怒号が飛んでいる。
「皆守、俺がいるから怖がるな。」
皆守は微かに頷くが、震えている。
俺がドアを開けると、社長の昭夫が踏み込んで来た。
「皆守!私に対して居留守を使うつもりなのか!私に恥を掻かせようというのか!」
「社長、副社長は私と会議していたんですよ。踏み込んで来たのはそちらの方でしょう?」
昭夫はギラリと俺を睨み付ける。
「会議だって!何を話していたんだ!私に相談も無く!皆守!この会社は私の物だと言っておいただろう!余計な事をするんじゃない!」
皆守は蒼白になり震えている。
俺は腹の中で昭夫を罵倒しながらも、冷静に対応してみせる。
「おい!何とか言えないのか!」
「まあまあ社長。そんな剣幕で言われると、話すに話せません。実を言いますと、副社長は社長の意向を受けて我が社と取り引きをしないと仰っているんですよ。こちらとしても仕事なので、説得していた訳です。」
昭夫はそれを聞いて、皆守がまだ自分を怖がっていると分かったようだ。
「ふん!そうか!皆守!分かれば良いんだ!お前の仕事など我が社には無いからな!いいや、若潮家にはお前など必要無い!さっさと退社して、家から出て行け!そうしたらお父さんは私を頼って家に入れてくれるだろうからな!」
都合の良い事を言う昭夫に呆れる。
だが、ここは機嫌良く部屋から出て行ってもらう為に芝居する。
「そうですね。ここは社長の顔を立てて、また後日改めてという事にしましょうか。」
「ああ、お前分かっているじゃないか!この会社は私の物だという事だ!」
「ええ、分かりましたとも。」
「皆守!お前も立場をわきまえろ!」
昭夫は最後に悪態を付くと、副社長室を出て行った。
「ふん!あの阿保め!良い気になるのも今の内だ!」
俺は思わず罵倒していた。
皆守にあの態度をした事を後悔させてやる!
「皆守、大丈夫か?」
「・・・はい。石橋さんがいてくれたから、大丈夫です。」
まだ顔色が悪かったが、気丈に言う皆守に愛おしさが増す。
その時、また扉が叩かれた。
誰だ?
俺は警戒しながら扉を開ける。
「・・・副社長!申し訳ございません!社長が凄い剣幕で怒っていたので、内線せずに通してしまいました!」
秘書の女が勢い良く頭を下げる。
「・・・川端さん、良いですよ。いつもの事ですから。」
皆守は仕方が無いと思っている様だが、俺は怒りを秘書にぶつける。
「川端!今度からは社長が来たら追い返せ!それが出来ないなら社長が扉を開ける前に連絡しろ!分かったか!」
「は、はい!申し訳ございません!」
俺に怒鳴られるとは思わなかったのか、秘書は泣きそうになっている。
「石橋さん、そんなに川端さんを叱らないであげて下さい。いつもの事で仕方がなかったんですよ。」
皆守が秘書を庇うのが面白く無い。
だが、皆守に狭量だと思われたく無いのでこの位にする。
「これからは気を引き締めてくれ。君も秘書ならば、主を守るのも勤めの一つだ。」
俺が諭すと、秘書は頷く。
「はい。分かりました。」
「君は仕事に戻りなさい。それから、呼ぶまで誰も通さない様に。」
副社長室の主ではない俺が言うと、秘書は皆守を伺い、頷いているのを見て頭を下げる。
「はい。失礼します。」
俺は秘書が下がるのを確認して、皆守の側に行き皆守に甘いキスをする。
「・・・ん・・・。」
舌を吸い上げて甘噛みする。
「・・・あんっ・・・。」
その声を聞いただけで早くヤりたいと思うが、今はここまでにする。
「・・・皆守、今日は何時に仕事が終わるんだ?迎えに来ると言っただろう?」
「・・・定時の6時には終わります。」
「分かった。下に着いたら連絡する。それまで良い子にしていろ。」
「・・・はい。」
チュッと音がする軽いキスをして、俺は名残惜しいが皆守から離れる。
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